尖ってる



2015-01-20-23-05-38

PS3とXbox360のパズルアクションゲーム。開発はエアーライトゲームズ。

少し前に3000円のPSNチケットを買い、ヴァリアントハートとなんちゃらアローンというゲームをダウンロードするつもりだったが直前になってトランジスタというゲームに浮気してしまいそれが2400円もしたせいで残額が上二つの価格を下回ってどちらも買えなくなり、いい加減行き当たりばったりな性格をどうにかしたいと思いつつPSNを眺めていたらスクエニの割引セールが目に止まってその中にクゥオンタムコナンドラムという割と前から気になってたけど何と無く無視していたタイトルがあり、しかもセールのおかげで値段が残額内に収まっていて行き当たりばったりした末に巡り会えた運命のようなものを感じずにはいられず、こうして俺はまた進歩しないままなんだなぁと思いながら購入した。

クゥオンタムコナンドラムに興味を持った理由は単純。同じくパズルアクションゲームであるポータルを手掛けたスタッフが作っているから。
ポータルは本当に素晴らしいゲームでね。映画キューブを彷彿とさせる無国籍な雰囲気の施設、ポータルを利用したパズル、ユーモラスなAI、全てが噛み合い一つの完成された世界観を作り上げていて、単なるパズルゲームの枠に収まらない傑作だった。
と言ってもポータル2しか俺は知らないんだけど。今はPCがあるから初代ポータルもやろうと思えば出来るけど、またあの面倒くさいコントローラー設定しなきゃいけないかと思うとやる気が起きない。今更過ぎるがポータルが収録されてるオレンジボックスPS3版をローカライズしてくれ。

あー久しぶりにポータル2やりたくなってきた。またグラドスとウィリーに会いたいなー。こいつらAIなんだけどとても愉快な奴らなんだよね。
施設の管理者で絶対的な力を振りまき主人公への会話の99%が皮肉で構成された嫌な奴グラドスはアーマーを剥いでみたらコアがジャガイモ電池だったというシニカルな事実が明かされ途端にツンデレ化するのがギャップ萌えだし、お調子ものウィリーは棚ボタで施設の掌握に成功するけど世界最高のマヌケを作るという目的で生み出された存在であるため施設の機能を全く使いこなせずそれなのに無理してボスぶってるのが滑稽で、この二人の子供の喧嘩みたいな主導権争いは見所満載で本当に面白かったなぁ。名場面も多く、ウィリーが力を手にして溺れていくシーンと決着のオチは特筆もの。正直パズルよりもこいつらの軽妙なキャラと掛け合いが琴線に触れた。

話が脱線してきたので戻す。
ポータルのパズルの何が面白いのかと言うと、パズルが解ける閃きの楽しさにプラスして、アクションの気持ち良さも感じられるところにある、と思う。
このゲームはただパズルを解くだけじゃ駄目。アクションを求められることが多くて結構操作が忙しい。解答は分かってるのにアクションが成功しなくて先に進めないもどかしさもあるが、パズルのピタッとハマる感覚が自分のアクションで決まる事によって爽快感が波状で押し寄せてくる。これは凄まじいカタルシスだった。
ようやくクゥオンタムコナンドラムの話になるが、ポータルのリードデザイナーによって作られた本作は、そのポータルの方向性を更に突き詰めている。

今作パズルを解く材料となる能力は、重力を逆転する力、物質を軽くする力・物質を硬化する力、時間の流れを遅くする力、これら4種類。
ポータルと同じように単純に手順を導けば解けるものではなく、能力発動のタイミングや手際良くジャンプしたりアイテムを投げたりする必要もあり、パズルとアクションの両面を求められるのが面白い。自分の動きも起点として考える必要があるのでパズルのアイディアの幅がより広がっている。
そしてパズルが解けた閃きの喜びとアクションの気持ち良さが同時に伝わってくる爽快感も健在。いや、これに関してはポータル以上にカタルシスがある。そして同時に、とても面倒なことにもなっていた。
とにかくアクションが忙しない。軽くした箱を投げ、そのあと時間の流れを遅くしその合間に箱に乗って、その次はさかさまの力を使って箱を上昇させ、すれ違った別の箱に乗るためにまた時間を遅くしてジャンプし、時間を戻してまたさかさまを使って〜と、こんな感じの連続したアクションが結構な割合で求められる。
はっきり言ってこれはかなり面倒くさい。能力発動が求められるタイミングは意外とシビアだし、主観視点で足元が見えないのにジャンプアクションの難易度もやけに高い。考えてる時間よりも操作に四苦八苦していた時間の方が長かったかも知れない。
ポータルの場合、何となく凄いアクションをやってるように見せてるのに実際は勢いで適当にやってても何とかなるものばかりで、ストレスを殆ど感じさせずプレイヤーに難しいアクションが成功した感覚を覚えさせた。ここがポータルの凄いところだ。
しかし今作は本当の意味で難しい。それも主観視点による視界の狭さなどテクニックではどうにもならないところで障壁があるからフラストレーションが溜まる溜まる。特に終盤はあらゆる面でシビア過ぎて発狂しそうだった。アクションが成功した時の達成感は強いが、それ以上にストレスが大きかった。

でも、複雑だからこそ可能になっているパズルは多くて、実際ギミックとしてはとても面白く動いてるんだよな。
ポータルのように緩い操作難易度でパズルとアクションを融合させるのが理想ではあるし、そもそもパズルゲーにそんなにシビアなコントローラー捌きを求めるなよとも言いたいが、コンセプトを追求しすぎたせいでユーザービリティがなくなって遊びがなくなって一方的になって、でも一点を突き詰めたからこそ実現できた面白さがある、という頑固なゲームは俺は好きだ。
ポータルの方が遥かに完成度は高いし実際面白いが、このゲームの姿勢は大いに評価したい。