ゲーム新次元



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ゲームは、自分でキャラクターを動かす事ができる。キャラクターの体験を、自分の事のように感じ取ることができる。これはゲームの大きな特徴だ。
もちろん、あえてプレイヤーを傍観者として置いているゲームも多く存在するが、グラフィックが進化し、よりリアルに世界を体感できるようになった昨今では、特にプレイヤー=主人公であるという点を強調しているものが多い。
自分の意思でどこまでも自由に動けるシームレスなフィールド。プレイヤーの選択がダイレクトに反映され、自分自身の手でストーリーを動かせるインタラクティブな物語。いわゆるオープンワールドや自由度と呼ばれるものは、プレイヤーを主人公として見せる手法の際たるもの。全ては臨場感に繋がっている。
主人公とはプレイヤー自身であり、現実ではない世界で、現実ではあり得ない体験をする事ができる。

しかし、その世界は、あくまでもモニターの中での事。少し目線をずらせば現実世界が広がっているし、外からは日常の喧騒が聞こえてくる。
ハイエンドゲーム、特に資本を注ぎ込める大作ゲームは今、もっとリアルに、もっとゲームをプレイヤー自身の事として感じられるように、というシミュレーターとしての一途を辿っているが、どこまで行ってもゲームはゲームであり、モニターの中という制約がある以上、現実に迫ることはできなかった。

今までは。
2016年。ついにゲームは、リアルに迫りました。

VRとは、ヴァーチャルリアリティの略称で、要するに仮想現実を作り上げる。
どのように作り上げるのかと言うと、まず、ロボコップのようなバイザーを頭に被ります。するとあら不思議。私の周りが360度ヴァーチャル空間になっちゃった!
まぁ厳密に言うとプレイヤーの視野に合わせて空間が描写されているだけなので、360度広がっているわけではないが、視覚情報がほぼ100%バーチャルの世界になるので、本当に自分がその世界にいるような感覚を得られるわけだ。
従来のゲームでは決して表現できなかった、真にリアルな世界がそこにあると言っても過言ではない。

理屈としては、ね。全ては、自分で体験しないと分からない。
不安要素はいくらでもある。酔うのではないか。着け心地が悪くないか。装着が面倒ではないか。上手くトラッキングしてくれるのか。バーチャルリアリティの品質がチープなのではないか。などなど。
何しろ全く新しい領域。何が起こるのか全く予測が付かない。何も保証はされていない。
だから、ワクワクする。予約が始まった日、すぐに難波に走った。値段は48000円とリスクは高いが、新しいものを真っさらな状態で体験する価値には変えられない。

ゲームの最大の魅力は、個性だ。
ゲームではヒーローになれるし、殺人鬼にもなれるし、かと思えば夏休みを過ごす素朴な少年にだってなれる。ファンタジーの世界に行ったり、戦場に行ったり、昔の都市に行けたりもする。世界観に浸っても良いし、ストーリーに感動しても良いし、主人公になりきっても良いし、スコアを突き詰めても良い。更にはリモコンを振ったり、脳年齢を鍛えたり、体重計になったりまでする。
ゲームには、決められた形がない。どんな媒体にも柔軟に溶け込み、独自の発展を遂げる。ゲームはどこまでも可能性がある。
そしてついにゲームは、リアルになろうとしている。ディスプレイの概念を取っ払った、全く新しいゲームの次元。この目で確かめるしかない。


・開封〜セッティングまで

箱はSIEお得意の二重構造。表面を厚紙で覆っている。デカイし、邪魔。
厚紙を外すと、割とガッチリした化粧箱が現れる。その中に諸々の機器やケーブルが。
ケーブルの種類はかなり多いが、セッティングは簡単な部類かな。説明書がとても簡素で分かりやすいんだよね。
一つの手順ごとに2ページも使ってシンプルな図解で説明してくれるから、どう接続すれば良いか分からない、ということはまずないと思う。
ただ、ケーブルはかなりゴチャゴチャする。


・バイザー装着まで

セッティングが完了したら電源を押す。電源は、バイザーとプロセッサーを繋ぐケーブル途中にあるリモコンから操作できる。
リモコンにはマイクのオンオフ、音量のボリューム上げ下げボタンがあり、イヤホンもそのリモコンから接続する。
音量のボタンは厚みがあって分かりやすいけど、マイクのボタンは電源と同じく凹んでいて押し間違えやすい。装着している間は手元が確認できないのに気が利かない。

いよいよバイザー装着。調整できる部位は2種類。ヘッドバンドとスコープ。ヘッドバンドは背面のボタンを押しながら引っ張るようにして伸ばす。結構硬い。
レンズは逆にシュコシュコ軽快に動く。もちろんボタンでロックされているので意図せず勝手にズレることはない。装着したら、カメラとトラッキングして完了。
最初だけ装着の説明とトラッキングが入るが、2回目以降は電源ボタンを押してバイザー装着するだけでOK。終わるときも電源消してバイザーを外すだけ。他に必要な入力は一切無し。
装着感に関しては、想像以上に良好だった。バイザーの重さは610gだが、重さを感じる事は殆どなかった。ヘッドバンドも割と柔軟に動いてくれて、装着している間に微調整も容易。俺は眼鏡を使っているが、併用も全く問題なし。
当然、バイザーを装着している間は周囲の状況が分からない。が、スコープをズラせば手元は見る事ができる。疲れた時にスコープを離して落ち着くこともできるし、これは非常に便利。
ただし、どんなにキッチリ装着しても下の方に隙間が生まれ、現実の世界がチラチラと漏れてしまうのは残念。部屋を暗くしてやるのがベターかな。
あと気になるのは、髪の毛がかなりレンズまで侵食してくること。試してないけど、ニット帽を被ってやると良いかも。
他、バイザーがコードレスじゃないのはかなり煩わしい。ケーブルは太く、垂れ下がってる感がかなりある。
ちなみに音の方向が没入感において大事なのでイヤホンは必須だが、ケーブルだらけで煩わしいのは否めない。

最初の装着は大変だったけど、2回目以降は割とすんなりいける。まぁサッと被れてサッと外せるという程の手軽さはないけど、着け心地は悪くないし、起動も楽チン。何回も装着し直すのが躊躇われるというほどではなかった。
どうしても装着が面倒だったり着け心地が悪いと繰り返し使用する気になれないので、ここは非常にポイントが高いね。


・起動
装着したあとはいつも通り。いつも通りのメニューからいつも通りゲームを起動するだけ。メニューはシアターモードとして表示される。
そして、いよいよVRのゲームをスタート!


・オーシャンディセント

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一番初めて体験したVRはこれ。5つのゲームが詰め込まれたVR入門的なソフト、PSVRワールドの1コンテンツ。
ケージの中に入って深海を観察するゲーム。ゲームと言うか、眺めているだけの映像コンテンツだけど。
しかし眺めているだけと言っても、自分の視点を中心に世界が広がっていて、辺りをぐるりと見回す事ができる。上を見上げれば太陽の光が薄っすらと差し込み、横に頭を動かせば魚の大群が泳ぎ回る光景が目に入り、下を見下ろせば深い暗闇がポッカリと口を開けている。
映像は平面的ではない。そこには360度の世界がある。VRだから当たり前なのだが、初めての事なので感動する。凄い。俺はここにいるんだ。
次に思ったのは、映像しょべぇ・・・。うわーん、お魚さんもクラゲもマンタもみんなザラザラだよー。ここは現実じゃなく、ただのゲームの世界なんだと教えてくれる。テクスチャは流石のPS4クオリティだが、とにかく解像度が低いのでショボく見えてしまう。
ただ、そこまで深刻には気にならなかったりする。仮想現実はあくまで仮想なわけで、世界が綺麗に表現されている事が重要なのではなく、そこに自分がいるという感覚が得られる事が最も大切。その点は360度世界で達成されている。映像の品質は、没入感という意味ではそこまで問題にならなかった。
ならないが、綺麗に越した事はない。映像のクオリティは当然リアリティに直結するし、それは没入感に繋がる。何よりボケボケで目も疲れるし。スペックが上がるPS4PROなら多少改善されるんかな。

そうこうしている間に不穏な空気が流れる。水深はどんどん下がり、追跡ロボットが放つ光で何とか周りが見渡せる状態。
ん?何かがこっちに向かって来るんだが。あれサメじゃね?ホオジロじゃね?ホオジロザメが、俺が閉じ込められているケージをかすめながら悠然と通り過ぎて行く。
ふぅー。何とかやり過ごしたか。と思って背後を見ると、サメが旋回して再びこちらに向かって来る。おいおい、やべぇぞ。
サメがこちらに向き直り、体当たり。現実ではないが、感覚はリアル。怖い。サメはそのままボンベを引きちぎり、その衝撃でケージの正面のガードが外れてしまう。今、身を守るものは何もない。
焦らすように周囲を泳ぎ回るサメ。どうすることもできない。海中の中では奴は絶対王者だ。ただただケージが引き上げられるのを待つのみ。
サメが例のモーションに入る。かの有名なジョーズのポスターのあれである。これ、ロックオン入ってるよね。もう猶予ないよね。死ぬよね。何やってんの引き上げ隊は。
口を開けて迫るサメ。瞬間、頭の中で過去の記憶が走馬灯のように駆け巡る。FF15が大分占めてるな。やりたかったよ、FF15。まさかサメに食われて死ぬなんて。南無三。
直後、奴が開けた口に岩がクリーンヒット。そのまま深海へと逃げ帰って行く。神は俺を見放していなかった。今日もまた、元気にFF15までのカウントダウンが出来る事に感謝。

現実に帰る。ふぅ。
楽しいじゃないのVR。頭に被るだけで全く別の世界に行ける。さながら家に居ながら遊園地のアトラクションを遊んでる気分だ。この特別感は凄い。

まだまだ序の口ですが、文字数が大変な事になっているので分けます。
続く。