無理


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PS4とPSVITAのアクションゲーム。開発はMoppin。

ストーリーも前置きもない。ゲーム開始後すぐに穴から飛び降り、ただひたすら落下し続けるだけのゲーム。
個人で制作された超低予算なゲームで、映像もファミコンレベルにチープだが、ひたすら落下するため背景もモンスターも直ぐに画面から過ぎ去っていくので映像レベルは気にならない。
インディーズらしい平面的な2D映像は、落下の絵作りを分かりやすく表現しているし、地面や敵との距離感覚も掴みやすい。個人制作のゲームは妥協して2D映像を採用しているものも少なくないが、これはゲームシステム的に平面的な映像が合ってる。
操作性もシンプルで、アクションは移動とジャンプの2つだけ。
アクションは単純で、目的は分かりやすく、映像もシンプル。無駄な飾り付けもない。非常に弁えた作りのゲームで、それ故にプレイヤーは自分が何をすれば良いか分かりやすく、ゲームクリアーだけを見据えて集中しやすい。

しかし、クリアーできない。無理だろこれ。難し過ぎる。
最大の問題が、一度でも死んだら真っさらな状態に戻ってやり直しを強いられること。
ステージはもちろん、体力やスタミナのアップグレード、装備、お金。道中で手に入れたものは死んだ瞬間全て無に還る。ある意味で究極のリアリズム。
僅かに経験値みたいなものは蓄積されてスタイルという特殊能力はアンロックされるが、ガンモジュールが出やすい代わりにお店が見つかりにくくなったり、HPが多い代わりにアップグレードの選択肢が少なくなったりと、ピーキーで劇的に状況を打開してはくれない。
まぁステージの構造や敵の配置を覚えれば良いだけじゃね?と、最初は思ったが、これも直ぐに無駄だと気づく。
このゲーム、ランダムでステージが生成されてやがる。全く違う地形、敵の配置に変化してる。
死ぬ度にプレイヤーの分身は初期状態にリセットされ、世界は新しくなる。そして最初からやり直し。もちろんイージーモードなんてない。
プレイヤーに対して妥協を許さず、やれるものならやってみろと真剣勝負を挑んでくる。少しでもビジネスを意識したらできない、非常に独善的なゲームバランスだ。実に個人制作らしくて素晴らしい。

しかし、死んでも僅かずつ積み上がっていくものがある。プレイヤースキルだ。
ステージがランダム生成とは言え、スキルや経験は大きく影響する。ブーストの塩梅だったり、コンボの繋げ方だったり、アップグレードの良し悪しだったり。
特に三角飛びを覚えて落下するだけでなく上にあがるという手段を覚えた時は結構楽になったな。
暗記という付け焼き刃なやり方が通用しないからこそ、純粋なプレイヤースキルを求められ、フィーリングではなく経験に基づいた確かな感覚で攻略できるのがとても面白い。
なんて偉そうな事を言ってるけど、クリアーできてません。未だに3面止まり。
だって無理だもん。死ぬほど苦労して自己記録を更新しても、死んだらまた0からやり直しは辛すぎる。
シンプル過ぎるからこそゲームの目的が分かりやすくて集中しやすいが、逆を言えば、シンプル過ぎるからこそ別にそこまで無理してクリアーしなくても良いやと躊躇いなく見放せてしまう。クリアーしたいという気持ちにさせるものがない。
トロフィーを見た感じ、全エリア4面+ボスがいるって感じか。トロフィーの取得率でプレイヤーの大体の到達度が分かるけど、最後のボス倒したの1.2パーセントしかいないんだね。エリア3まで行った人もたった10パーセント。じゃあ俺頑張った方じゃね?

非常に個人制作らしいゲームだったが、これを作ったMoppin氏は任天堂に入ったとのこと。大人数で規模の大きいゲームを作りたかったらしい。
自分のやりたい事ができないからメーカーを抜けてインディーで作りたいものを作るという話は良く聞くけど、その逆のパターンか。
恐らく任天堂ではこんな趣味的なバランス感覚に基づいたゲームは作れないだろうが、予算や人手が無ければ作れないゲームもたくさんある。
次のMoppin氏が関わったゲームはクリアーできると良いな。