2000年04月02日

「月の裏側」恩田陸

 音楽プロデューサーの塚崎多聞が元大学教授の三隅協一郎をたずねて訪れたのは、水郷の街:箭納倉(YANAKURA)。多聞は協一郎から三人の老女の失踪事件についての話を聞く。
 水郷の街と聞いて思い出すのが、福永武彦の『廃市』(映画化もされています)。小説のタイトルが作中に散りばめられるのが恩田流ってことで、『廃市』も“箭納倉を舞台とした名作”として出てきました。“白秋だって、福永だって、みんな気づいていた。その断片を、自分の作品の中でメッセージにして送っていたんです。”というように、福永の名前も出てきます。本筋と関係なく、こんなところに喜んでしまう私。福永の『廃市』で感じた、けだるいもの悲しい空気がこの物語にも漂っているように思いました。
 『廃市』とともにこの物語の下敷きとなっているのが『盗まれた街』
 恩田さんの小説では、作中の作品タイトルを見る度に、読んでいないことを残念に感じてしまうのですが、今回は予習しただけあって、その気持ちは少なかったです。でも『盗まれた街』を読んでいなかった方が、ぞくぞくした怖さを味わえたかな…とも思いました。

月の裏側
恩田 陸
幻冬舎 2002-08


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参考:廃市・飛ぶ男
廃市・飛ぶ男


pleiades91 at 00:00│Comments(0)TrackBack(1)恩田陸 

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1. 「月の裏側」恩田陸  [ 本を読む女。改訂版 ]   2005年06月06日 10:08
月の裏側posted with 簡単リンクくん at 2005. 6. 2恩田 陸 / 恩田 陸著幻冬舎 (2002.8)通常2〜3日以内に発送します。オンライン書店ビーケーワンで詳細を見る 堀が街中を走る九州のある街で、謎の連続失踪事件が発生する。 失踪した人々は、2,3日でふいに戻ってきて

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