2005年06月09日

「蒲公英草紙 常野物語」恩田陸

蒲公英草紙?常野物語 私(中島峰子)が思い出すのは、二十世紀を迎えたばかりの明治のあの頃のことばかり。温かく幸せだった日々の記憶……。
 大地主の槇村家の末娘:聡子は身体が弱くて外出もままならない。峰子は聡子の遊び相手として、お屋敷に通うようになる。その屋敷に暮らす人たちが、峰子の語りによって生き生きと動き出す。

 「常野物語」の第2弾ですが、「光の帝国」の続編ではありませんでした。時代はむしろ遡り、「光の帝国」の「大きな引き出し」の春田家の祖先と思われる家族が登場します。
 明治時代のゆったりとした時間の流れ、里山の自然、心優しい穏やかな人々…そんな物語の空気に心地よく身を委ねることができました。

 「光の帝国」は恩田本のMy Best。(それに続くのが「夜のピクニック」「ドミノ」「六番目の小夜子」…見事にジャンルがばらばら!)まだ読めていない図書館の本も山のような積ん読本もわきにやって、この本を読み始めました。
 「光の帝国」では泣けて仕方なかったけれど、この「蒲公英草紙」も泣いてしまいました。予想された結末だったけれど、それでも泣けました。
 「光の帝国」と「蒲公英草紙」を比べることはできません。どちらも「常野物語」というひとつの大きなお話の一部。常野の世界がこれからどのように広がっていくか、楽しみでなりません。

 しかし、「光の帝国」が手元になくてもどかしかったです(単身赴任中の夫の本棚の中)。ストーリーには直接関係ないとはいえ、いろいろ確認したくなりました。


 もひとつ追記。
 最初の船出についての語りって「指輪物語」だよなぁと、「小説以外」を読んだばかりの私は思うのでありました。

pleiades91 at 00:21│Comments(16)TrackBack(12)恩田陸 

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蒲公英草紙―常野物語恩田 陸集英社 2005-06売り上げランキング : 151Amazonで詳しく見る by G-Tools 恩田陸の『蒲公英草紙 常野物語』。 「でも、確かに私たちはこの世に存在するのです。目に見えない風や時が存在するのと同じように」 『光の帝国 常野物語』はとても好.
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12. 蒲公英草紙 常野物語  [ 蒼天百景 ]   2005年11月25日 23:42
「蒲公英草紙 常野物語」恩田陸(集英社) 恩田陸さんの著者の中で好きなシリーズも

この記事へのコメント

1. Posted by みらくる   2005年06月09日 21:11
小葉さん、こんばんは!

私も今日読み終えました〜♪

>予想された結末だったけれど、それでも泣けました。

私もそうでした。ああなるだろうと分かってたのにダメでした。
どんどん常野物語の世界が広がっていくと嬉しいですね!
この『蒲公英草紙』も何度も読み返しちゃうんだろうなって思います。
あ!私も今まで読んだ恩田さんの作品の中でベストは『光の帝国』でした☆


それから『百鬼夜行抄』試しに一巻買ってみたのですが、小葉さんのおっしゃるとおりでした。『しゃばけ』の世界を彷彿とさせてくれますね!
すっかりハマってしまいました!全巻集めようと思います。
教えて下さってありがとうございます〜♪
2. Posted by ワルツ   2005年06月09日 21:56
小葉さん、こんにちは。
読んでないのに、感想読ませてもらってどきどきしてます。
みらくるさんも・・・いいなぁ・・・
早くお二人の会話に交じりたいです。
>「光の帝国」は恩田本のMy Best。(それに続くのが「夜のピクニック」「ドミノ」「六番目の小夜子」…見事にジャンルがばらばら!)
恩田さんの作品ってホント、その時その時に独特の雰囲気に溢れてて、読み終えたときは、これがベストって思っちゃうんですよね。
あげられてる本、私も大好きです。あと、最近読んだ、「ユージニア」も!
3. Posted by 小葉   2005年06月10日 07:52
>みらくるさん
「光の帝国」が大好きなだけに、
期待はずれだったらどうしよう…と思いましたが、杞憂でした。
この舞台が過去になったり、現代になったりするところ
「ポーの一族」っぽいと思いませんでした?

「百鬼夜行抄」…気に入ってもらえたようで、よかったです。
人にお勧めするときはいつもちょっと緊張します。
4. Posted by 小葉   2005年06月10日 07:55
>ワルツさん
集英社のサイトに「蒲公英草紙」のHPができてます。
http://www.shueisha.co.jp/tokono/
これがまた、凝った作りでいい雰囲気なのです。
「指輪物語」のラストを彷彿とさせるような冒頭部が読めますよ〜。

「ユージニア」買ってはいるのですが、積んだままになっています。
図書館で借りてる本が読めたら、とりかかろうかな。
でもその前に返却期限が来て、
新しい図書館の本を仕入れてたりするんですよね。(^_^;)
5. Posted by pico   2005年06月10日 13:23
こんにちは!
TB&コメント、ありがとうございました!
1回目の虫干し(笑)終わりましたので、
TBさせていただきました。
小葉さんのお言葉も、少し引用させていただいちゃいました。
事後報告ですみません。ありがとうございます。

さて、私。
非常に、にわか恩田ファンなんです。
ユージニアで、すっぽりはまって、恩田ワールドに、とっぷりつかってしまいました。
恩田ファンの皆様のお声をお伺いすると、どうも、光りの帝国がよいとのことで、
最後まで、とっておいたんですね。
ですので、今回は、光りの帝国〜蒲公英草子と一気読みしたんです。
もぉ、ありえない感じの幸福感につつまれてます。笑
次回が、本当に、楽しみです。
6. Posted by 小葉   2005年06月11日 09:26
>picoさん
私のつたない記事の引用&リンク、ありがとうございます。
「光の帝国」「蒲公英草紙」一気読みとは羨ましい!
私はすぐに忘れちゃう人なので、
「光の帝国」もとにかく好きだったってことしか覚えておらず、
少しもどかしく思うところもありました。

恩田さんにはずっと「常野物語」を書いていってほしいです。
早く次を読みたいという気持ちはありますが、
じっくり温めて納得のいくお話にしてほしいと思います。
7. Posted by ワルツ   2005年06月19日 12:54
小葉さん、こんにちは。
私も読み終えましたー。
TBさせてもらおうと思ってたら、先に頂き、ありがとうございます。
ホントに、素敵なご本でしたねー。
そして・・これで、やっと紹介して下さった「蒲公英草紙」のHPも覗きに行けました。
優しい感じが物語にぴったり!
まったりしてきました。
小葉さん、本当にありがとうございます。

これからも常野の物語は読み続けていけたら幸せですね。
8. Posted by トラキチ   2005年06月19日 20:02
小葉さん、こんばんは♪
先日は新刊グランプリへのご投票ありがとうございます。

今日は宣伝でお伺いしました。
TBさせていただきましたが、新ブログ立ち上げました。

お暇なときに是非お立ち寄りいただけたら嬉しく思います。
9. Posted by 小葉   2005年06月20日 10:36
>トラキチさん
楽しい企画へのお誘いありがとうございます。
早速伊坂作品のマイベスト3に参加させて頂きました。
恩田さんの方はもう少し迷ってから投票に伺います。
10. Posted by 小葉   2005年06月20日 10:39
>ワルツさん
いい本を読んだときに、
感想を分け合える人がいるって幸せですね。
いろんな方の感想を読んでは、うんうんと頷いています。
11. Posted by ゆこりん   2005年06月26日 15:03
こんにちは〜♪
やっと読むことが出来ました(*^▽^*)
期待通りのすばらしい作品ですね♪
12. Posted by 小葉   2005年06月27日 14:14
>ゆこりんさん
常野シリーズの「エンド・ゲーム」が
雑誌連載ではもう終了したとのことで、本になるのが楽しみです。
それまでに「光の帝国」の復習をしておきたいです。
13. Posted by EKKO   2005年07月03日 23:04
はじめまして。
ゆこりんさんのところからとんできました。
いつも恩田さんの本を読むときはどきどき不安を感じながら読むのですが(それが快感)、この本は、ゆったりした流れで、落ち着いて読めました。
静かな感動にひたっています。
小葉さんの感想を拝見し、とても共感しています。TBさせていただきました。
14. Posted by 小葉   2005年07月04日 17:26
>EKKOさん
はじめまして。TBありがとうございます。
恩田さんの本はここ2〜3年、ピンとくるものがなかったのですが、
今年になって読んだ「夜のピクニック」「蒲公英草紙」はどちらもよかったです。
15. Posted by なな   2005年07月04日 23:43
小葉さん、こんばんは。
私も「光の帝国」→「蒲公英草紙」と続けて読みました。
すっかり「常野」の世界のファンです。
恩田さん今年になってはまって少しずつ読んでいるのですが
「光の帝国」はベスト3に入りますね。
「常野」の続きもあると知って幸せな気持ちです。
16. Posted by 小葉   2005年07月06日 09:03
>ななさん
続けて読めると、いいですね。
私は「光の帝国」を読んでから、かなり経っていたので、
いろいろ忘れてしまっている自分がもどかしくて……。
新作の単行本化が待ち遠しいです。

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