2005年06月14日

「都市伝説セピア」朱川湊人

都市伝説セピア 短編集。「フクロウ男」は第41回オール讀物推理小説新人賞受賞作。
「アイスマン」 私:カズキは二十五年前の夏祭りでノンコという少女に誘われ、「河童の氷漬け」なるものを見た。
「昨日公園」 三十数年前、遠藤は悪友のマチこと町田隆男とこの公園でキャッチボールをしていた。その日の夕方、マチはタクシーに撥ねられる。
「フクロウ男」 フクロウ男は人間界に紛れ込んだフクロウの化身。男が鳴いたら、同じ鳴き真似を返さなければならない…そんな都市伝説。僕はそのフクロウ男だ。
「死者恋」 女流画家・鼎凛子がフリーライターの久美子に、人生を変えた激しい恋の話を語る。凛子が朔田公彦を知ったのは死の前日までの彼の日記をまとめた一冊の本だった。
「月の石」 藤田が乗る通勤電車の窓から見える煉瓦色のマンションの窓辺に、会社をリストラされた本村が佇んでいた。

 都市伝説…という表題の通り、ちょっぴり怖くて禍々しい、でもどこか懐かしく切なげな短編集。どれも完成度が高く読み応えあります。
 「昨日公園」の切なさが好き。

以下、ちょっぴりネタばれを含みます。

ネタばれ注意! 引き返す方はこちらから



「アイスマン」を読み終わった後、思わず先に読了していた次女にこう言いました。
「これって、乙一さんの『●●●●●』(←ネタばれ注意)」だよね。
ストーリーは全く違うのですが、ラストシーンがまるでデジャヴ。
私の後に読んだ長女も同じ感想でした。

これが尾を引いてしまったせいかもしれませんが、「乙一さんをちょっとウェットにした感じ」…というのが全編を読んでの印象でした。
 朱川さんの本を読むのは「さよならの空」に続いて2冊目。他の作品も読んでみたいと思わせる作家さんです。

pleiades91 at 10:47│Comments(2)TrackBack(0):し 

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この記事へのコメント

1. Posted by 木曽   2005年06月16日 18:27
こんにちは。
「昨日公園」はよかったですね。泣けました。
「フクロウ男」は殊能将之「ハサミ男」に似すぎているような気もしますが。
2. Posted by 小葉   2005年06月17日 07:40
>木曽さん
「昨日公園」はラストの一歩手前でも
十分切ない気持ちになっているのに、
ラストはもう駄目押しって感じでした。

「ハサミ男」・・・言われてみればそうですね。

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