2006年10月12日

「ブラバン」津原泰水

ハードカバーは図書館で…を心がけているのですが、その表紙を見ると手に取らずにはいられませんでした。トランペットを吹く制服姿の少女の横顔。「ブラバン」というタイトル。吹奏楽関係なら娘たちは絶対に読む。手元に置いておきたいと思うはず。他の文庫や雑誌と一緒にレジに運んでいたのでありました。

ブラバン…今では吹奏楽のことをブラスバンドと言うことはあまりなくなったようです。高校で吹奏楽部に入っている娘たちの話によると、brassだと金管楽器だけになってしまうからとのこと。でも私たちの高校時代には吹奏楽部は「ブラバン」でした。著者の津原泰水さんは1964年生。私よりほんの少しお若いですが、ほぼ同世代と言えそうです。吹奏楽部が「ブラバン」だった頃。

四半世紀振りに高校の吹奏楽部員が集まって演奏しようという、実現不可能にも思われる計画が、少しずつ少しずつ形になっていきます。そしてそこに織り込まれていく高校時代のエピソード。

ジャズやロックの話題もかなりあり、そちらのことは全く分からないのですが、娘たちの吹奏楽部と重ね合わせたり、私自身の高校時代(コーラス部でした)を懐かしく思い出したりと、いろんな意味で楽しむことができました。

ブラバン ★★★★
内容(「BOOK」データベースより)
大麻を隠し持って来日したポール・マッカートニーが一曲も演奏することなく母国に送還され、ビル・エヴァンスがジョン・ボーナムがジョン・レノンまでも死んでしまった、1980年(昭和55年)。醒めた熱狂の季節に、音楽にイカれバンドに入れあげるボーイズ&ガールズが織り成す、青春グラフィティ。クラシックの、ジャズの、ロックの名曲にのせ、総勢三十四名のメンバーたちが繰り広げる、大群像劇。四半世紀の時を経て僕らは再結成に向かう。吹奏楽部を舞台にしたほろ苦い「青春」小説。


楽器の人数調整で、次女は中学時代にやってた楽器(ユーフォニウム)ではなく、コントラバスをすることになりました。この物語の語り手である他片等が担当する楽器であり、著者の津原氏もやっていたというコントラバス。それだけでもう親近感。吹奏楽団の中の弦バスとしての感じ方など、とても興味深かったです。

私は自分の高校時代を振り返りながら読んだわけですが、高校生である娘たちはどんな風に感じるかな。

pleiades91 at 00:42│Comments(11)TrackBack(7):つ 

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1. ブラバン  [ おかぼれもん。 ]   2006年10月20日 21:57
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2. ブラバン  [ take a break ]   2006年10月31日 12:53
ブラバンという響きの懐かしさそしてトランペットを吹く女子学生の表紙絵に「これは読まなきゃ!」と思いました。 広島県にある県立高校の吹奏楽部の卒業生たちが卒業後二十数年を経て再結成する!というと良き仲間の和気藹々としたストーリーかなと思いきや、結構ほろ苦で...
3. 「ブラバン」津原泰水  [ 本を読む女。改訂版 ]   2006年11月04日 03:33
ブラバン発売元: バジリコ価格: ¥ 1,680発売日: 2006/09/20売上ランキング: 4018posted with Socialtunes at 2006/11/02 津原泰水氏の本を読むのは三冊目です。 最初は「赤い竪琴」を読み、オトナな恋愛小説にうっとりし、次に「綺譚集」を読み、 その耽美的怪奇ホラ...
4. ブラバン 津原泰水  [ 粋な提案 ]   2006年12月10日 03:21
装画・挿画は福山庸治。装丁は松本美紀。 大学卒業後、八年間、少女小説作家として活動。1997年「妖都」を上梓。主な作品「少年トレチア」「綺譚集」「赤い竪琴」など。 語り手の他片等(たひらひとし)は、赤字続きの酒堀
5. ブラバン [津原泰水]  [ + ChiekoaLibrary + ]   2006年12月14日 14:25
ブラバン津原 泰水 バジリコ 2006-09-20 「結婚式の披露宴で高校時代の吹奏楽部のバンドに演奏してほしい」―当時の先輩・桜井からそんな依頼をされた他片。四十代になり、今はそれぞれの生活を送っている総勢三十四名のメンバーたち。「再結成」のために動きだした彼らと...
6. 「ブラバン」津原泰水  [ 本のある生活 ]   2007年01月01日 15:01
ブラバン 津原さんはホラーから恋愛小説、近未来SFまでジャンルを軽々と飛び越えて、色々書く人だとは思ってました。一番好きなのは恋愛小説の「赤い竪琴」ですが、基本的に血がドバーとか耽美ってイメージを持ってたところに、今回はなんと青春小説です。驚きました。....
7. 「ブラバン」津原泰水  [ AOCHAN-Blog ]   2007年01月18日 20:41
タイトル:ブラバン 著者  :津原泰水 出版社 :バジリコ 読書期間:2006/12/29 - 2007/01/03 お勧め度:★★★ [ Amazon | bk1 | 楽天ブックス ] 大麻を隠し持って来日したポール・マッカートニーが一曲も演奏することなく母国に送還され、ビル・エヴァンスがジ...

この記事へのコメント

1. Posted by pico   2006年10月20日 21:55
こんばんは〜♪
TBありがとうございます。

なるほど!
ブラバンは、吹奏楽部というのですね。
そういえば、顧問の化粧の厚い先生がそんなこといっていたような気がしないでもないです。(笑)
お嬢様は、ユーフォニウムもされてらしたのですね。
これ読みながら、ユーフォ担当の子の顔を思い出せるのですが、ユーフォの音色が思い出せなくって・・・^^*
私も、フルートやっていて、コンクールによっては、弦バスに回されたりとかしました。
本当に懐かしいです。

お嬢さん読まれた時の感想、私も気になります。
また、こっそり教えてくださいね。
2. Posted by 小葉   2006年10月21日 09:19
> picoさん
次女はまだ少しユーフォにも未練があるようです。
ユーフォは低音が主旋律になるときなど、活躍するようで、そういう曲の時はうらやましがっています。
弦バスはまだまだ初心者です。

学校の朝読書と休み時間が娘たちの主たる読書timeなのですが、この本はちょっと大きくて、学校に持っていくのは…ということで、娘たちが読むのはまだ先になりそうです。
3. Posted by みらくる   2006年10月31日 13:06
私がブラバンに入っていたのは小学生の3年間なのですが、トランペット、エスコルネットを担当していたのでこの表紙絵に惹かれました。
入部したての頃は腹筋と足上げなどのトレーニングとマウスピースのみで音を出す練習など。正直つまらないなぁ〜と思っていたのですが、楽器を持たされて演奏に参加出来た時はすごく嬉しかったです。
そういう色んな思い出を思い出しながら読むことが出来ましたし、もちろんこの小説自体とても面白かったです。
小葉さんの娘さんも気に入られたようで、良かったですね♪
4. Posted by 小葉   2006年10月31日 21:55
>みらくるさん
トランペットをされていたのなら、あの表紙はぐっときますね。
娘が卒業した中学校では何年か前にチューバを3階から落とした生徒がいたそうです。原因など詳細はわからないのですが、同じようなエピソードに喜んでいました。
5. Posted by ざれこ   2006年11月04日 03:38
こんばんは。
私もユーフォニウム経験者で今はトロンボーン吹いてますが、弦バス、絶対カッコいいですよ。って娘さんにお伝えください。吹奏楽業界では地味な楽器かもしれないけど、音楽をずっと続けていくにはすごくいいです。コードがわかってると全然違いますし。
正直ユーフォは吹奏楽にしかないですが、弦バスはジャズだったら主役ですもの。ベース、私の憧れです。頑張ってほしいなあ。

・・すいません熱く語りました。(笑)娘さんのこの本の感想、私も知りたいです。
6. Posted by 小葉   2006年11月05日 08:36
>ざれこさん
次女が高校で楽器を決めるとき、弦バスは第2希望の楽器で、やってみたくはあったようです。第3希望がチューバと大きな楽器が好きみたいです。
ユーフォは時々中音部の主旋律を吹くときもあり、そういう曲の時は、羨ましく思うようです。
「ブラバン」は面白かったと言っていました。
中学から少し離れた高校に進学したので、中学時代の吹奏楽部仲間とは離れてしまいました。だから高校での「今」よりもむしろ、中学時代のことが思い出されたようです。あの時のメンバーともう一度演奏したい…みたいな感じかな。
7. Posted by 藍色   2006年12月10日 03:29
こんばんは。
前回はトラバのみで失礼しました。
初めてのご訪問先でコメント記入後にトラバしても届かなくて、悲しい思いをしたことから、反映を確認してからコメントするつもりでしたが、先にトラバ返していただいて・・・ありがとうございます(汗)。

私は、ブラバン経験者ではなかったのですが文化系クラブで、やっぱり高校時代のことを思い出しました。
記事を読ませていただくと、ご自身はコーラス部、娘さんたちは吹奏楽部なのですね。
音楽が身近にある親子の関係って、いいなぁ、と思います。

コメントやトラバ返しなどいただけたらうれしいです。
お気軽にどうぞ。
8. Posted by 小葉   2006年12月10日 08:35
>藍色さん
TB&コメントありがとうございます。
高校時代の部活仲間の何人かとは、今も年賀状で細々と繋がってはいるものの、もう何年も会っていない人がほとんどです。
懐かしい気持ちにさせられた本でした。
9. Posted by june   2007年01月01日 15:24
小葉さん、こんにちわ。
ブラバンのことは楽器すらよくわかっていなかったのですが、それでも楽しく読むことができました。
娘さんブラバンで弦バスなさってるんですね。他片が色々語ってるので、あの楽器を!となんだかうらやましくなってしまいました。これを読んだらいっそう楽器に愛着がわいたりするんでしょうか。
それにしても昔の仲間と会うって、年を経るごとに難しくなりますよね。そしてこんなふうにちょt
10. Posted by june   2007年01月01日 15:27
↑すみません。変なところで送信しちゃいました。続きです。
そしてこんなふうにちょっと苦くなったりしそうです。
11. Posted by 小葉   2007年01月01日 21:25
>juneさん
次女は高校から弦バスを始めたので、まだまだ初心者ですが、少しずつ自分でも上達しているのを感じることができるようになったみたいです。
「吹奏」の中の「弦」というと、ちょっと影が薄い存在ですが、この小説では主人公の楽器ということで、嬉しかったみたいです。
昔の友達って、会いたいようでいて、ちょっと会うのが怖いです。

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