2006年12月29日

「東京公園」小路幸也

公園の家族を写真に撮る圭司。彼が写し出す昼下がりの公園の空気をそのまま切り取ったようなお話でした。光に満ちていて暖かくて穏やかで。彼がレンズを通して見る、百合香さんやかりんちゃんの笑顔の描写は読んでいてドキッとするくらい美しくて、愛らしいです。
でも、このお話を「きれいな写真」…絵空事としか思えない。そんなふうに感じてしまう自分が、そして今の社会が寂しいです。美しいものを見つけようとする努力が必要なのかな。暖かくなったら公園を散歩してみよう。きれいなモノを探してみよう。

東京公園 ★★★☆_
内容(「BOOK」データベースより)
「幼い娘と公園に出かける妻を尾行して、写真を撮ってほしい」?くつろぐ親子の写真を撮ることを趣味にしている大学生の圭司は、ある日偶然出会った男から奇妙な頼み事をされる。バイト感覚で引き受けた圭司だが、いつのまにかファインダーを通して、話したこともない美しい被写体に恋をしている自分に気づく…。すれ違ったり、ぶつかったり、絡まったりしながらも暖かい光を浴びて芽吹く、柔らかな恋の物語。


pleiades91 at 20:30│Comments(2)TrackBack(3):し 

トラックバックURL

この記事へのトラックバック

1. 東京公園 小路幸也  [ 粋な提案 ]   2007年01月06日 02:34
カバー写真は広瀬達郎(新潮社写真部)。装幀は新潮社装幀室。書き下ろし。 主人公で語り手の志田圭司は、旭川出身でカメラマン志望の大学生。建築工学を学びながら「家族」を自分のテーマに決めて、公園でくつろぐ家族写真の撮影をし??Α
2. 東京公園  小路 幸也  [ モンガの独り言 読書日記通信 ]   2007年01月31日 00:24
東京公園 小路 幸也  07−29 ★★★★☆  【東京公園】 小路 幸也 著  新潮社  《ファインダー越しに見る、柔らかな恋とは、……》  内容(「BOOK」データベースより) 「幼い娘と公園に出かける妻を尾行して、写真を撮ってほしい」―くつろぐ親子...
3. 東京公園<小路幸也>−(本:2008年5冊目)−  [ デコ親父はいつも減量中 ]   2008年01月06日 01:12
東京公園 出版社: 新潮社 (2006/10/28) ISBN-10: 4104718025 評価:86点 穏やかで心地よい小説だった。 心ゆるがせるような大事件は起きないが(富永の言動は結構派手だが)、淡々と書かれる日常の中に、人が人とかかわっていくなかで大事にするべきものがしっか....

この記事へのコメント

1. Posted by 藍色   2007年01月06日 02:32
小葉さん、あけましておめでとうございます。
ごあいさつ、遅くなりました(汗)。
おすすめ、読んでいただけたのですね。うれしいです。
ちょっと絵空事過ぎましたでしょうか(汗)。でも、前向きに締めくくられてますので、そう悪くなかったのでは・・・。
星三つ半がどれくらいか、わからないのですけど。
今年もどうぞよろしくお願いします。
2. Posted by 小葉   2007年01月06日 09:02
>藍色さん
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

読みやすいし、ステキな場面もいろいろあったのですが、手放しに「好き」とは思えませんでした。
愛だ恋だに夢を見られなくなったおばちゃんには、ちょっと気恥ずかしいといいますか…。
男性である著者が、ラストの初島一家(特に百合香さん)に「幸せ」を描こうとすることに、反発を感じてしまったみたいです。

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔   
 
 
 
TrackBack People

・・・・・・・