2007年03月18日

「【新釈】走れメロス 他四編」森見登美彦

「山月記」「藪の中」「走れメロス」「桜の森の満開の下」「百物語」を現代の京都を舞台に森見流に再構築。
これはもう、【文学】ではなく【文楽(‘ぶんがく’と読んでね)】です。楽しい楽しい読書の時間を過ごすことができました。
元ネタの文体や設定を生かしながら、これまでの自作ネタも取り入れ、新たに創り上げられる物語の世界。疾駆する言葉、京都の街を駈け、あるいは飛翔する登場人物たち。

森鴎外の「百物語」以外は、知っている話でした。やはり元ネタを知っている方がより楽しめると思いました。文体や使い回される言葉がなんとも懐かしい。また設定や展開の類似点、相違点を見つけるのも楽しかったです。
それぞれの味わいがあり、どの話も好きですが、私の一番は「走れメロス」です。あのバカバカしさが堪りません。芽野、芹名、図書館警察官長に乾杯! 詭弁論部万歳!

新釈 走れメロス 他四篇 ★★★★_
(帯より)
あの名作が、京の都に甦る!?
異様なテンションで京都の街を突っ走る表題作をはじめ、先達への敬意(リスペクト)が切なさと笑いをさそう、五つの傑作短編。


元ネタを読もう。
「山月記」中島敦
李陵・山月記

「藪の中」芥川龍之介
地獄変・邪宗門・好色・薮の中 他七篇

「走れメロス」太宰治
走れメロス

「桜の森の満開の下」坂口安吾
堕落論(この本に収載されています)

「百物語」森鴎外
「山椒大夫・高瀬舟」 新潮文庫 (この本に収載されているようです)



(おまけ)
知人が、大学時代に「転がれメロン」というパロディを書いたことを思い出しました。おばかな大学生はそこここに。

pleiades91 at 11:03│Comments(4)TrackBack(3)森見登美彦 

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1. 「新釈 走れメロス 他四篇」森見登美彦  [ しんちゃんの買い物帳 ]   2007年03月19日 17:42
新釈 走れメロス 他四篇森見 登美彦 (2007/03/13)祥伝社 この商品の詳細を見る 近代文学を森見風に独特の文体でアレンジ。 そして場所は京都の街。 時代も現代で、出てくる人物はやっぱりあの大学の学生たち。 それに一編ごと??$
2. 新釈走れメロス他四篇 森見登美彦  [ 粋な提案 ]   2007年04月04日 03:27
装幀はchutte。装画は山本祐布子。 「小説NON」2005年10月号から2007年3月号まで不定期掲載をまとめた短編集。 ・山月記・原作中島敦(既読) 孤高の大学生、斎藤秀太郎が大文字山で変化(へんげ)したのは…。抑え
3. 【新訳】走れメロス 森見登美彦  [ "やぎっちょ"のベストブックde幸せ読書!! ]   2007年04月06日 19:05
3 新釈 走れメロス 他四篇 ■やぎっちょ書評 森見登美彦さんの月。で、発送が一番早かった、そして最近出版されたこの本を読んでみる。正直文学は大の苦手だが果たしてだいじょうぶか!? 「走れメロス」他4編の短編から成ってますが、個人的には「走れメロス」が飛びぬけて...

この記事へのコメント

1. Posted by 木曽のあばら屋   2007年03月20日 22:17
こんにちは。
「走れメロス」のお馬鹿振りがもう最高で、他の作品がかすんでしまいました。
「桜の森の満開の下」は、今までの森見さんの作風とは違う、新機軸のように思えて、興味深く読みました。
「百物語」は「きつねのはなし」とよく似た雰囲気でしたが、面白かったです。
「森見君」が出てきたのにはびっくり。
2. Posted by 小葉   2007年03月22日 19:11
>木曽のあばら屋さん
「走れメロス」は笑ってしまいますね。
中学時代だったかに教科書で習った分、ちょっとした言い回しに「ああ、こういうのあったなぁ」と懐かしく思いました。
「桜の森の満開の下」は、少し前に坂口安吾のを読んだところだったので、現代への時代の移し方に感心しました。
森見君、出てきましたね。くすっと笑ってしまいます。
3. Posted by 藍色   2007年04月04日 03:50
こんばんは。
「走れメロス」がとっても笑えました。一番にうなづけます。私も乾杯!万歳!と心で言ってました(笑)。
後ろふたつを読んでなかったので、やはり元ネタを知っていたほうが、より楽しめたと思いました。
4. Posted by 小葉   2007年04月07日 11:22
>藍色さん
「走れメロス」は太宰の作品もですが、森見さんの他の作品(特に「夜は短し…」や「四畳半…」)を読んでいると、さらに楽しめる話だと思いました。
「四畳半神話大系」はこの本の後に読んだのですが、図書館警察とかが登場しました。

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