乙一

2002年11月14日

「GOTH」乙一

 僕とクラスメイトの森野夜は、猟奇的な事件に心惹かれるという習性を持つ。そんな二人が遭遇した事件を描いた連作ミステリー。 暗黒系/リストカット事件/犬/記憶/土/声
 心に闇の部分を持つ人達を淡々と描き出しています。そうしなければならない犯罪者の哀しみ…のようなものを感じさせ、単なるホラーに終わっていないところが、乙一さんらしいと言えるかもしれません。GOTHとGOTHICの略で、ヴィクトリア朝ロンドンで流行した「フランケンシュタイン」や「吸血鬼ドラキュラ」などのGOTHIC小説がもとになっているのだとか。

GOTH?リストカット事件

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2002年08月16日

「暗いところで待ち合わせ」乙一

 徐々に視力を失っていき、たった一人の家族であった父とも死に別れ、一人暮らしをしているミチル。列車事故の後、ミチルの家の居間の片隅にひっそりと潜んでいるアキヒロ。暗闇の中でミチルは、かすかに何者かが家の中に居ることを察知するが…。
乙一さんの作品には‘若者の孤独な心’がよく描き出されている。この作品もそう。淡々とした描き方がじれったいようでいて、心にやさしい。ほっと出来る一冊でした。

暗いところで待ち合わせ
乙一
幻冬舎 2002-04


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2001年10月12日

「死にぞこないの青」乙一

 僕:マサオは5年生。大学を卒業したばかりの羽田光則先生は、サッカーがうまくすぐにクラスの男子とうちとけた。僕はとある行き違いから嘘つき呼ばわりされ、それ以来先生の視線が気になるようになる。
 かなり重く酷い内容です。乙一ファンの娘がわたしに先立って読みましたが、いつものような「おもしろかった!」という反応ではありませんでした。でもおもしろくなかったわけではないという言葉。読んでみて娘の反応に納得。マサオと同じ5年生の娘にはさらに生々しく感じられたのではないかと思います。重松清氏も子どもの世界を描いた作品をよく描かれます。重松氏が外側から見ているなら、乙一さんは内側から…という印象でしょうか。幻想的でありながらもリアルです。

死にぞこないの青
乙一
幻冬舎 2001-10


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2001年09月30日

「暗黒童話」乙一

 わたし:白木菜深は、ある雪の日に左眼を失うとともに、それまでの記憶をなくしてしまう。手術によって他人の眼球を移植するが、その時から菜深の左眼は夢のような光景を映し出すようになった。
 ホラーとファンタジーとミステリーがミックスされたようなお話でした。非常に不気味な情景を描きながらもどこか静謐な感じを受けるのが、乙一さんの世界なのかもしれません。全体を流れるトーンは好きなんだけど、一部の描写が、わたしはちょっと苦手だ。

暗黒童話
乙一
集英社 2004-05


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2001年07月30日

「天帝妖狐」乙一

 喫煙癖のあるぼく:上村は、めったに人の来ない剣道場の裏側のトイレの個室を喫煙室としていた。ある日トイレの壁に「ラクガキスベカラズ」という落書きがされていた。(A MASKED BALL) ひとり狐狗狸をしたことで、異形となった夜木の告白。(天帝妖狐)の2編。
 「A MASKED BALL」の‘学校’という場のつかみ所のない不気味さというのは、恩田陸さんの学園物を思わせました。小5の娘が乙一さんの小説のファンなのですが、「はじめてタバコを吸ったのは6年前。小学5年生の時だった」という書き出しにをいをい…と思い、「真似しちゃだめよ〜」と言ってしまった母です。

天帝妖狐
乙一
集英社 2001-07


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2001年06月02日

「きみにしか聞こえない CALLING YOU」乙一

 わたしは携帯電話を持っていない女子高校生。頭の中に携帯電話を想像しては楽しんでいる。ある時、その携帯電話が鳴った…。 Calling You /傷-KIZ/KIDS/華歌の3編。
 孤独な若い心がリリカルに描き出されています。表題作がいちばん好み。

きみにしか聞こえない -CALLING YOU
乙一
角川書店 2001-05


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2001年03月15日

「失踪HOLIDAY」乙一

 表題作--- ナオは6歳の時母の再婚によって「菅原ナオ」になった。その2年後母が亡くなり、それから6年。ナオは14才。半年前パパが再婚したキョウコとうまくいかず、家出を試みる。
 「しあわせは子猫のかたち」 --- 内向的で孤独な青年が一人暮らしを始めたその家の前の住人:雪村サキは、三週間前に家の玄関先で何者かに刺殺されたのだった。
 2編収載。「しあわせは子猫のかたち」の方が、好みかな。乙一さんのお話に出てくる幽霊はちっとも怖くないどころか、かわいらしく、いとおしい。

失踪HOLIDAY
乙一
角川書店 2000-12


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2001年02月27日

「石ノ目」乙一

 「石ノ目」---その地方に昔から伝わる“石ノ目”の伝説。わたしは同僚とともに、その伝説の山に入り遭難する。
 「はじめ」---ぼく:管耕平と木園淳男が作り出した幻影の女の子“はじめ”。
 「BLUE」---ぬいぐるみ作家のケリーが不思議な生地で縫い上げた5体の人形。
 「平面いぬ。」---高校生のわたしは、魅力的な中国人女性の彫師に、左の二の腕に犬の刺青を掘ってもらった。
 4編収載。どれも不思議で、ちょっぴり怖くて、それでいてほろりとするようなお話。「ぶたぶた」ファンの私としては、やはりイチオシはぬいぐるみ人形の「BLUE」です。「ぶたぶた」が陽なら、こちらは陰の雰囲気かな。

石ノ目
乙一
集英社 2000-07


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集英社文庫の「平面いぬ。」に同じ作品が収載されています。平面いぬ。

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2001年02月24日

「夏と花火と私の死体」乙一

 わたし:五月が九歳の夏。一番の仲よしの同級生の橘弥生ちゃんとは毎日一緒に遊び回っていた。弥生ちゃんの二歳年上のお兄ちゃんの健くんと一緒に。その日の夕方、森の秘密基地の木に登って、弥生ちゃんとおしゃべりしているときに、わたしは背中に熱い手を感じ、枝から滑り落ちた。わたしは死んだ。表題作他、短編の「優子」収載。
 死体となった“わたし”が淡々と語ります。そこには恨みや悔いはありません。森や神社の描写が、子どもの頃遊んだ田舎の風景と重なり、懐かしさを覚えました。これが著者16歳で書いた作品だなんて…。

夏と花火と私の死体
乙一
集英社 2000-05


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