加納朋子

2007年01月02日

「モノレールねこ」加納朋子

短編集です。それぞれの作品の繋がりはないけれど、どれもほっこりと心があったまるような読後感でした。いろいろな過去を、生きる辛さを抱えながらも、誠実に日々を生きようとしている人たち。脆いようでいて、しっかりと繋がっている家族の姿が描かれています。作者の人間への暖かい眼差しが感じられます。
ロクデナシの叔父:クズテツ、ロクデナシのクソオヤジ。そんな彼らが愛おしいです。

モノレールねこ ★★★★_

内容(「BOOK」データベースより)
時をこえて届くあの頃からの贈りもの。儚いけれど、揺るぎない?「家族」という絆。
デブねこの赤い首輪にはさんだ手紙がつなぐ、ぼくとタカキの友情(「モノレールねこ」)。
夫を待つ時間に取り組んだ白いパズルの中に、犬の気配が(「パズルの中の犬」)。
家族をいっぺんに失った中学生の私と、ダメ叔父さんの二人暮らし(「マイ・フーリッシュ・アンクル」)。
私と偽装結婚したミノさんは、死んだ婚約者がそばにいると信じていた(「シンデレラのお城」)。
ロクデナシのクソオヤジに苦しめられてきた俺に、新しい家族ができた(「ポトスの樹」)。
会社で、学校で、悩みを抱えた家族の姿を見守るザリガニの俺(「バルタン最期の日」)。

上記の他、2編。
年に一度だけ亡くなった人に会えるというホテル 「セイムタイム・ネクストイヤー」
僕は新規開店したラーメン屋の二号店の店長 「ちょうちょう」

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2005年07月21日

「てるてるあした」加納朋子

てるてるあした 春。巨大な旅行カバンを持って、私:雨宮照代は佐々良の駅に降り立った。夜逃げ…してきたのだ。何もかも無計画な浪費家の両親のせい。私と両親をつなぐのはプリペイド式の携帯電話だけ。雨の中、母の遠い親戚だという見ず知らずの鈴木久代の家を探す。

 「ささらさや」と同じ佐々良の街が舞台となっています。続編ではなく姉妹編。「ささらさや」に出てきた人たちがたくさん登場するので既読なら懐かしい気持ちになりますが、未読でも大丈夫です。
 第一志望の高校に合格し満足感にひたっている照代に青天の霹靂。両親のせいで何もかも失ってしまうのですから、照代がひねくれて心を閉ざしてしまうのもわかります。佐々良の街で照代がどんな人たちとの出会い変わっていくかは、読んでのお楽しみ。
 優しい気持ちでページを閉じることができました。

以下は少々ネタばれを含みますので、未読の方は読まない方がいいです。続きを読む

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2002年12月02日

「虹の家のアリス」加納朋子

 仁木探偵事務所の所長:仁木順平と助手の市村安梨沙とが、日常生活の中の小さな謎を解き明かす。連作短編集。虹の家のアリス/牢の家のアリス/猫の家のアリス/幻の家のアリス/鏡の家のアリス/夢の家のアリス
 「螺旋階段のアリス」の続編にあたります。優しいトーンで気持ちよく読めました。前作よりも登場人物がしっくりなじんできているように思いました。巻末のスペシャル・インタビュー、加納ファンにはたまりません。

虹の家のアリス
加納 朋子
文芸春秋 2002-10


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2001年10月01日

「ささら さや」加納朋子

 サヤと生まれたばかりのユウ坊と俺。幸せな家族3人の生活は、横断歩道に飛び込んできた赤い鉄のかたまりとともにいってしまった。サヤとユウ坊を連れて、伯母が残してくれた家がある‘佐々良’という街に引っ越してくる。
 もう一つの「いちばん初めにあった海」…というのが、この物語の印象です。設定や小さなエピソードに重なりを感じました。また、芦原すなおさんの「オカメインコに雨坊主」の世界を彷彿とさせました。赤ちゃんの世話に右往左往するサヤの姿は、母となられた著者:加納さんの姿を反映しているのかしらと微笑ましく思いました。ユウ坊を見るサヤやおばあちゃん達の目がとてもやさしい。

ささらさや
加納 朋子
幻冬舎 2004-04


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2000年11月28日

「螺旋階段のアリス」加納朋子

 『転身退職者支援制度』を利用して、私立探偵事務所を始めた仁木順平50才。しかし依頼人がやってこない。はじめての訪問客はアリスを思わせる市村安梨沙。仁木と押し掛け助手:安梨沙との探偵業、開始。 螺旋階段のアリス/裏窓のアリス/中庭のアリス/地下室のアリス/最上階のアリス/子供部屋のアリス/アリスのいない部屋 7つの連作短編。
 日常のたわいない依頼を二人が解決していきます。ドロドロした殺人事件のようなものは起こらず、あくまでもほんわかした雰囲気。でも、こんな依頼ばかりで果たして事務所はやっていけるのでしょうか? アリスのイメージがあるので、安梨沙の年齢設定にちょっと違和感有り。

螺旋階段のアリス 文春文庫
加納 朋子
文藝春秋 2003-11-08


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1999年12月25日

「魔法飛行」加納朋子

 女子大生の入江駒子は、瀬尾さんに手紙を書く。それは駒子の日常を書きとめた「物語」。 
 「ななつのこ」の続編ともいえる、4つの物語からなる連作短編集。有栖川有栖氏の解説の「作者が作ったガラス玉の首飾り」という表現に共感する。繊細なガラス玉が一つの首飾りとなったとき、それはいっそう光を増す。
 時間つぶしに入った隣町の図書館で見つけた。私にとってのクリスマスプレゼントのような一冊。「悪意」のない物語はクリスマスにふさわしく、また学生時代へのタイムスリップも楽しめた。

魔法飛行
加納 朋子
東京創元社 2000-02


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1999年12月03日

「掌の中の小鳥」加納朋子

 5つの連作短編。僕:冬城圭介は、学生時代に愛した容子との最後の電話の後、カフェバーで彼女に出会う。「きっかけなんて、大抵はつまらない偶然なのよ。」  
 加納さんお得意の連作短編だけど、プロローグにあたるSCENE 1が私にはなんとなくしっくりこない。第二話の「桜月夜」が好き。

掌の中の小鳥
加納 朋子
東京創元社 2001-02


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1999年11月28日

「沙羅は和子の名を呼ぶ」加納朋子

 10の短編集。「亡くなったもの」がテーマ。それは人であったり、時間であったり、思い出であったり・・・。
 実験的・・・と思われる作品もちらほら。「オレンジの半分」には双子が登場。「黒いベールの貴婦人」「天使の都」が私好み。

沙羅は和子の名を呼ぶ
加納 朋子
集英社 2002-09


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1999年05月12日

「ガラスの麒麟」加納朋子

 2月22日夜、学校からの帰り道に17才の安藤麻衣子が刺し殺される。麻衣子をめぐる人々のエピソードを連ねた連作短編。表題にもなっている第一話の「ガラスの麒麟」は日本推理作家協会賞を受賞。
 最終話に少し無理があるような感じもあるが、やはり加納さんのお話は好き。

ガラスの麒麟
加納 朋子
講談社 2000-06


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1999年04月30日

「月曜日の水玉模様」加納朋子

 7つの連作短編集。片桐陶子は通勤電車の車両で、毎朝同じ場所で幸せそうに眠りこけている<彼>を観察する。3着の背広と5本のネクタイのローテーション。月曜日のネクタイは水玉模様。

月曜日の水玉模様
加納 朋子
集英社 2001-10


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1999年04月25日

「いちばん初めにあった海」加納朋子

 毎日の騒音に悩まされる堀井千波は、アパートを引っ越そうと荷物の片づけをしようとして、見覚えのない一冊の本を見つける。高校時代と現在との時間が交錯する。「いちばん初めにあった海」「化石の樹」の2編。
 死に別れた双子(or バニシング ツイン)、未熟児室、友情・・・私好みの要素が多く、つぼにはまりました。

いちばん初めにあった海
加納 朋子
角川書店 2000-05


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1999年04月16日

「ななつのこ」加納朋子

 七つの連絡短編集。短大生の入江駒子は書店の新刊書コーナーで『ななつのこ』という短編集を偶然手にする。そしてその作者「佐伯綾乃」との文通が始まる。
 ちょっとした日常の謎解き。入れ子構造。北村薫氏の女子大生シリーズと感じが似ているかも。透明感があって、どろどろしたところがなく、読後感さわやか。好みでした。
 平成4年鮎川哲也賞受賞作。

ななつのこ
加納 朋子
東京創元社 1999-08


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ネタばれを含みますので、読んだ方のみ続きをどうぞ。続きを読む

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