近藤史恵

2005年06月16日

「モップの精は深夜に現れる」近藤史恵

モップの精は深夜に現れる 「天使はモップを持って」の続編。4つの短編。
 「悪い芽」中間管理職の栗山係長は憂鬱だ。会社ではお茶も淹れてもらえず、家では一人娘のひかりが2週間も口をきいてくれない掃除のアルバイトの娘は服装も態度もなっていない。会社に新しい部長と中途入社の新人が3人やってきた。
 「鍵のない扉」本田くるみが勤める鹿原企画は小さな編集プロダクション。飲み会の後財布をなくしたことに気づいたくるみは事務所で夜を明かした。目覚めると見知らぬ女の子が目の前にいた。
 「オーバー・ザ・レインボー」モデル事務所に所属する葵。内緒で付き合っていたケンゾーが同じ事務所のサーシャと結婚すると聞き動揺する。おまけにその翌日、事務所のビルの屋上に閉め出されてしまう。ドアを開けてくれたのは背の低い女の子。
 「きみに会いたいと思うこと」キリコが家を出て行った。旅行に行くと。それも一ヶ月ぐらい。ぼくはずっと気がかりだった。彼女は頑張りすぎて、いつか糸が切れてしまうのではないかと。

 相変わらずおしゃれな出で立ちで、完璧にお仕事をこなすキリコちゃんです。前作では梶本大介という一人の人物の視点でしたが、今回はお話毎に語り手が替わり、それぞれの目から見たキリコちゃんが新鮮でした。むしろこちらの方が好きかも。続きを読む

pleiades91 at 10:15|この記事のURLComments(2)TrackBack(2)

2005年03月31日

「天使はモップを持って」近藤史恵

 ぴっかぴかの社会人一年生のぼく、梶本大介が配属されたのは、社内のオペレータールーム。入社から半月ぐらいたった頃、ぼくは清掃作業員の若い女の子:キリコに出会う。ぼくの周りで起きるオフィスの奇妙な事件をキリコが推理・解決していく連作短編。
 オペレータールームの怪/ピクルスが見ていた/心のしまい場所/ダイエット狂想曲/ロッカールームのひよこ/桃色のパンダ/シンデレラ/史上最悪のヒーロー

 <日常の謎>系の軽〜く読めるミステリー。
 外側からも内側からもオフィスをぴかぴかにしていくキリコちゃんに惚れます。一話毎変化するキリコちゃんのファッションも見どころです。
天使はモップを持って
近藤 史恵
実業之日本社 2003-03


続きを読む

pleiades91 at 23:52|この記事のURLComments(0)TrackBack(0)

2001年09月07日

「散りしかたみに」近藤史恵

 歌舞伎「本朝廿四孝」の芝居の途中に、毎日必ず一枚の花びらが散り落ちる。瀬川小菊は師匠の菊花にその謎を突き止めるように言われ、旧知である探偵の今泉文吾を訪ねる。
 舞う花びらと歌舞伎の舞台、愛憎劇が絡まり合って、いい雰囲気になっています。この方の文体にぴったりのお話だと思いました。「ねむりねずみ」とか北森鴻さんの「狂乱廿四孝」でも思ったのですが、歌舞伎や和服のことを知っていたなら、もっといろいろな描写を思い浮かべて楽しめるのだろうな。反面、歌舞伎の世界を知らないからこそ、気持ちよくだまされることができるってのもあるかもしれません。
散りしかたみに
近藤 史恵
角川書店 2001-08


by G-Tools


pleiades91 at 00:00|この記事のURLComments(0)TrackBack(0)

2001年03月22日

「ねむりねずみ」近藤史恵

 歌舞伎役者の中村銀弥(棚橋優)は、「ことばが、頭から消えていく」と、妻の一子に告げる。そんな折り、恵比寿座での芝居の最中に花道で刺殺された女性がいた。女形瀬川小菊のもとに、旧知の今泉文吾が‘探偵事務所’の名刺を持って訪れた。
 今泉文吾は『ガーデン』でも登場しましたが、‘火夜’が強烈だったため、あまり印象に残っていませんでした。この作品でも‘小菊’に押され気味?
ねむりねずみ
近藤 史恵
東京創元社 2000-11


by G-Tools


pleiades91 at 00:00|この記事のURLComments(0)TrackBack(0)

2000年11月09日

「この島でいちばん高いところ」近藤史恵

 夏休み。高校の同級生5人で二泊三日の海水浴。民宿で教えてもらった離れ島に渡ったものの、帰りの船に乗り遅れ、少女たちは島に取り残される。
 ストーリー的にはいまひとつ乗り切れなかったのですが、少女たちの性格・内面描写はうまい。
この島でいちばん高いところ
近藤 史恵
祥伝社 2000-10


by G-Tools


pleiades91 at 00:00|この記事のURLComments(0)TrackBack(0)

2000年09月28日

「ガーデン」近藤史恵

 二人で暮らしていた真波と火夜。遅い夏の日の突然の出会いのように、火夜は真波の部屋から姿を消した。それから二週間後、真波のもとに宅配便が届く。油紙に包まれていたのは、珊瑚色のエナメルが剥げかかった爪の小指の先だった。
 限られた数の登場人物が、次々に姿を消し、死んでゆく。退廃的かつ耽美な雰囲気が作品をおおっています。ストーリー的にはやや物足りない感じがしましたが、この雰囲気は嫌いではありません。
ガーデン
近藤 史恵
東京創元社 2002-12


by G-Tools


pleiades91 at 00:00|この記事のURLComments(0)TrackBack(0)

2000年06月14日

「茨姫はたたかう」近藤史絵

 弟の学生結婚で、家を出て一人暮らしすることを余儀なくされた書店員:久住梨花子。両隣の坂下早苗と桐生礼子とは、上手くやっていけそうにない印象。おまけに郵便物に何者かが触れたような形跡もある。梨花子の日常と、雑誌編集者:小松崎雄大の日常とが交互に描かれ、交差していく。
 「カナリヤは眠れない」のシリーズ二作目です。今回は整体師の合田先生の影がちょっと薄かったかな。現代を生きる若い女性への応援歌のような一冊。
茨姫はたたかう
近藤 史恵
祥伝社 2000-06


by G-Tools


pleiades91 at 00:00|この記事のURLComments(0)TrackBack(0)

2000年04月03日

「カナリヤは眠れない」近藤史恵

 古い雑居ビルの屋上に建つちゃちなプレハブ作りの合田接骨院。無愛想で口は悪いが腕は確かな整体師:合田力。不眠を訴えて彼を訪れた女性:墨田茜は買い物依存症だった。
 依存症のぞくっとする怖さあり、物語のテンポもいいし、軽い関西弁の味付けも絶妙。楽しめた一冊でした。私も合田先生に整体してもらいたい。
カナリヤは眠れない
近藤 史恵
祥伝社 1999-07


by G-Tools


pleiades91 at 00:00|この記事のURLComments(0)TrackBack(0)

2000年02月28日

「凍える島」近藤史恵

 喫茶店<北斎屋>の慰安旅行の参加者は、あやめさんとなつこさん、そして客の椋くん、うさぎくんとその彼女と友人、矢島鳥呼とその妻といった奇妙な取り合わせ。8人は瀬戸内海に浮かぶ無人島S島へ向かう。霧に包まれたその島で、事件が始まる。
 後味の悪い結末。でも殺人事件なのだから後味が悪くて、正しいのかもしれない。「あやめさん」の語りで淡々と語られていく様に、ふと山本文緒さんの「恋愛中毒」を思い出しました。
凍える島
近藤 史恵
東京創元社 1999-09


by G-Tools


pleiades91 at 00:00|この記事のURLComments(0)TrackBack(0)
TrackBack People

・・・・・・・