重松清

2006年06月17日

「その日のまえに」重松清

「その日」をモチーフとした7つの連作短編集。
「ひこうき雲」…30年近く前。小学6年生の時。「ガンリュウ」というあだ名の同級生が入院した。彼女宛にクラス全員で色紙を書き、それを持って見舞いに行くことになったが…。
「朝日のあたる家」…ぷくさんは42才。高校教師。中学生の娘:明日奈と二人暮らし。日課は出勤前のジョギング。ある朝かつての教え子、武口修太に呼び止められる。
「潮騒」…余命三ヶ月の宣告を受けた佐藤俊治の足は、小学3,4年生の夏休みを過ごした砂浜に向かっていた。
「ヒア・カムズ・ザ・サン」…母一人子一人の母子家庭。45歳の母ちゃんはストリートミュージシャンのカオルくんに夢中。健康診断の結果のことを匂わしたきり、話してくれない。
「その日のまえに」…僕と和美は20年前の新婚時代に暮らしていた町を訪れた。「歩けるうちに、シンマチに帰っておきたい」和美の希望だった。
そして、「その日」「その日のあとで」に続いていく。

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2001年09月20日

「舞姫通信」重松清

 僕:岸田宏海が着任した女子校には舞姫伝説があり、発行人不明の‘舞姫通信’が生徒達に配られる。舞姫とは十年前に学校で飛び降り自殺をした生徒のことだった。そして僕の双子の兄:陸男もまた原因も分からないままにビルから身を投げた日から5年になる。兄の恋人だった八木佐智子は、心中の生き残りの少年:城真吾をタレントとして売り出そうとしていた。
 死者を想いながら、死を思いながら生きること…がテーマでしょうか。悪くはないんだけど、やはり‘遺された双子’という設定は双子の母である私には面白くないです。
舞姫通信
重松 清
新潮社 1999-03


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2001年05月11日

「口笛吹いて」重松清

 市井に暮らす平凡な中年のお父さんとその家族を描いた短編集。 口笛吹いて/タンタン/かたつむりの疾走/春になれば/グッド・ラック
 キーワードは「リストラ・家族・父親」あたりかな。重松さんの本は‘ケンミンの焼きビーフン’みたいです。懐かしい家族の味がして、♪たまに食べるとおいしいよ〜。毎日食べるとちょっと飽きる〜♪(ケンミン焼きビーフンCMより)ってな感じ。ちょっと飽きてきていた重松味でしたが、久しぶりだったので美味しくいただけました。
口笛吹いて
重松 清
文藝春秋 2004-03-12


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2001年02月28日

「リビング」重松清

 家族をテーマとした短編集。 となりの花園−春/いらかの波/千代に八千代に/ミナナミナナヤミ/となりの花園−夏/一泊ふつつか/分家レボリューション/となりの花園−秋/YAZAWA/息子白書/となりの花園−冬/モッちん最後の日 の12編。
 久しぶりに読む重松清さんですが、やはり読みやすい。前に続けざまに読んだときはマンネリを感じてしまったのですが、時間をおいて読むと、流石だなって思います。特に“離婚”“別離”をテーマとした作品が目を引きました。「息子白書」が好き。
リビング
重松 清
中央公論新社 2003-10


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2000年11月23日

「さつき断景」重松清

 タカユキ、ヤマグチさん、アサダ氏それぞれ平凡な人たちの1995年〜2000年の5月1日を描く。
 こんなこともあったなぁと、思い出されることが多かったです。最も親近感を思えたのは同年代のヤマグチさん。娘との関係の変化がこれからの我が家を予測するような…。タカユキやアサダ氏についても我が子や義父の姿が重なりました。
さつき断景
重松 清
祥伝社 2000-11


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2000年09月10日

「ビタミンF」重松清

 四十歳前後の“オヤジ”の視点で描かれた短編集。 ゲンコツ/はずれくじ/パンドラ/セッちゃん/なぎさホテルにて/かさぶたまぶた/母帰る の7編。
 作者の後記によると、Family,Father,Friend,Fight,Fragile,Fortune....などFで始まる言葉がそれぞれの物語のキーワードとなっているそうです。平凡な、どこにでもありそうな家庭で、悩みつつもちょっとイイ結末を導き出せたお父さんたちのお話だけど、どこかわびしくて哀しい。これから思春期を迎える“娘”を持つ親には、「パンドラ」「セッちゃん」は、ずしんと重かったです。
ビタミンF
重松 清
新潮社 2003-06


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2000年09月03日

「四十回のまばたき」重松清

 24歳の耀子(ぼく:圭司の妻:玲子の妹)は、13年間冬を知らない。“季節性感情障害(季節性鬱病)”のため、冬になると眠り続ける。18歳で両親を失った耀子は、その年から姉:玲子の家(即ちぼくの家)で冬を過ごすようになった。その間、家にいる売れない翻訳家のぼくが冬眠中の耀子の面倒をみることになった。耀子との冬を過ごすようになって7年目の夏、玲子が交通事故で即死。その冬も耀子はぼくの家で冬眠するという。おまけに妊娠していると…。
 これまで私が読んできた重松作品とは少し趣が異なるような感じを受けました。他の作品が“見張り塔”から眺めた風景を描いているとすれば、こちらは作家の内面を描いているような印象を受けました。“おもしろい”とは違う、何とも表現しがたい味があります。
四十回のまばたき
重松 清
幻冬舎 2000-08


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2000年07月17日

「ナイフ」重松清

 10代の少年少女をとりまく学校と家庭を描いた短編集。 ワニとハブとひょうたん池で/ナイフ/キャッチボール日和/えびすくん/ビタースィート・ホーム の5編。
 「ビタースィート・ホーム」以外は“いじめ”がテーマとなっています。本人の立場から、親の立場から、傍観者として、過去を振り返って…と、違った角度から光を当てています。ここに描かれる“いじめられっ子”たちは、いじめに立ち向かうでなく、ただ流れに身を任せて嵐が過ぎ去るのをじっと待っている、そして案外したたかで…という印象です。実際多くの場合がそうなのかもしれません。
ナイフ
重松 清
新潮社 2000-06


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2000年07月03日

「カカシの夏休み」重松清

 中編3編。「カカシの夏休み」---故郷の日羽山がダムの底に沈んでから22年、小谷は小学校教師となり5年生を担任している。中学の同級生の告別式で、3人の同級生に再会する。「ライオン先生」---妻の智子が癌で逝ってから17年、二十歳になる娘:恵理と二人暮らしの高校教師:高村雄介の目下の気がかりはクラスの不登校生と…。「未来」---三年前、わたし:笹岡みゆきは“ひとごろし”と呼ばれた。そして今、弟の同級生がいじめを苦に遺書を残して自殺する。 
 過去を振り返りつつ、手探りで「今」を生きようとする人たち。三編ともに“学校”と“家庭”とを交錯しながら描かれています。
カカシの夏休み
重松 清
文芸春秋 2003-05


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2000年04月29日

「定年ゴジラ」重松清

 連作短編集。定年ゴジラ/ふうまん/きのうのジョー/夢はいまもめぐりて/憂々自適/くぬぎ台ツアー/家族写真。大手私鉄の沿線開発の一環として造成されたくぬぎ台ニュータウンに住む、山崎さんは、一ヶ月前に長年勤めた銀行を定年退職したばかり。ニュータウン内を散歩が山崎さんの日課となり、定年散歩仲間と出会う。
 定年退職後の“お父さん”の視点でのニュータウンや家族への思いが淡々としたやさしい文章で描かれています。いつもながら重松清さんの描く市井に生きる人々は、血が通っているという印象。
定年ゴジラ
重松 清
講談社 2001-02


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2000年04月08日

「日曜日の夕刊」重松清

 日常の一場面を切りとった12の短編集。 チマ男とガサ子/カーネーション/桜桃忌の恋人/サマーキャンプへようこそ/セプテンバー'81/寂しさ霜降り/さかあがりの神様/すし、食いねェ/サンタにお願い/後藤を待ちながら/柑橘計パパ/卒業ホームラン。
 ミステリに食傷気味になったときには、重松さんの描く日常の物語が心に沁みます。そのほとんどは平凡な“家族”が描かれています。「サマーキャンプにようこそ」「さかあがりの神様」「すし、食いねェ」「卒業ホームラン」など、幼少年期の子を持つ親にはいろいろ思い当たることが…。「桜桃忌の恋人」はタイトルからも想像できるように、太宰かぶれの青年が登場。太宰作品の懐かしいフレーズが色々出てきて、楽しかった。私の学生時代にもいたなぁ、太宰好きの子。今時の若者も、太宰にはまる子はいるのでしょうか。
日曜日の夕刊
重松 清
新潮社 2002-06


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2000年03月03日

「見張り塔から ずっと」重松清

 バブル後の郊外のニュータウンを舞台にした「カラス」、幼子を失った夫婦を描く「扉を開けて」、18才で結婚し、姑や夫の意にそえないでいる若い妻の語る「陽だまりの猫」の三編収録。
 描かれているのは市井に暮らす平凡な人たちの、どこにでもありそうな暮らしです。それがどこにでもありそうなだけに、底知れぬ怖さを覚えます。「カラス」の語り手の妻:友美の心に巣くったカラスは、私自身の心の中にも住んでいると言えます。重松清さんは、日常を描くのが本当に上手い。フリーライターとして多くの事件を見つめてきたというあとがきで、それを納得しました。
見張り塔からずっと
重松 清
新潮社 1999-08


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2000年01月31日

「半パン・デイズ」重松清

 小学校入学を前に、ぼく:矢沢ヒロシは東京から瀬戸内の海の近くの町に引っ越してきた。9章からなる連作短編は、ヒロシの小学校の6年間を映し出す。
 昭和40年代の小学生の日常が描かれています。国語の教科書で読んだ井上靖の「しろばんば」をふと思い出しました。1年生・2年生…と学年を追うごとに成長していくヒロシ。自分自身の小学生時代を懐かしく思うとともに(主人公と同年代なので、タイムトリップもしやすい)、小3の娘たちの「これから」を思い描いてしまいました。
 また、第5章「しゃぼんだま」、第8章「アマリリス」では障害を持つ同級生・下級生との関わりがテーマとなっており、“バリアフリー”について考える本としても、いいかもしれません。
半パン・デイズ
重松 清
講談社 2002-11


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参考:しろばんば
しろばんば


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1999年12月09日

「エイジ」重松清

 エイジは中学2年生。学校での成績はまあまあ。高校教師の父親に専業主婦の母、高校生の姉。クラスメイトの相沢志穂に片思い中。膝の痛みのため、バスケットボール部は休部。ごく普通の中学生だ。中学時代のちょうど真ん中の2学期、クラスメイトが通り魔の容疑者として逮捕された。
 中学生の心の揺れ、誰の心にも潜んでいる「その気」が主人公を通じて生き生きと描かれています。読後感はさわやか。
エイジ
重松 清
新潮社 2004-06


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