服部まゆみ

2007年06月06日

「ラ・ロンド」服部まゆみ

「父のお気に入り」「猫の宇宙」「夜の歩み」の3編。
短編集と思いきや…。

そのタイトルの通りロンド形式。「ロンド形式とは、ある同じ旋律が異なる旋律を挟みながら何度も繰り返される楽曲の形式」とのこと。なるほど。
同じようなテーマが繰り返し現れます。恋愛、家族、哲学、芸術…。そして絡み合う人間関係。

綺麗に終わったようでいて、小さな棘が残っているような、そんな後味。

ラ・ロンド?恋愛小説 ★★★☆_ 
帯より
ふるえながら愛の迷宮をさまよう。
舞台女優と魅かれあう青年。少女に翻弄される謹厳な哲学教授等が織り成す愛の輪舞。


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2001年03月24日

「黒猫遁走曲」服部まゆみ

 その日、森本翠はM出版を定年退職した。送別会の後、S書房編集長の折橋瑠璃に会い、退職祝いにと翡翠のブローチをプレゼントされる。飲み過ごして一夜明け、飼い猫のメロウの姿がないのに気づく。妻の死体を前にふるえていた鳴海昭平の前に一匹の黒猫が現れた。
 ‘遁走曲:フーガ’というタイトルにも表れているように、翠と昭平の交互の視点が折り重なるように物語が進みます。一番魅力的に描かれていたのは黒猫のメロウかな。
黒猫遁走曲
服部 まゆみ
角川書店 1993-12


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2000年08月26日

「ハムレット狂詩曲」服部まゆみ

 23年前、12歳で日本を離れ、現在は英国籍の演出家:ケン・ベニング。彼の元に『劇団薔薇』の代表:仁科京子が劇団の劇場『薔薇座』柿落としに演じる『ハムレット』の演出依頼に訪れた。ケンは心にある思いを秘め、23年振りに日本の土を踏む。一方、仁科京子の息子不本意にも片桐雪雄はハムレットに抜てきされ、とまどう。ケンと雪雄の交互の独白によって物語は進んでゆく。
 やっぱり服部まゆみさんの世界はいいです。物語の世界に引き込まれていきます。雪雄の成長振りがもうちょっと書き込まれていてもいいかなとも思いましたが、ラストの切り返しもいいし、楽しく読めました。
ハムレット狂詩曲
服部 まゆみ
光文社 2000-11


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2000年06月26日

「一八八八切り裂きジャック」服部まゆみ

 僕:柏木薫のもとに憶えのない外国の女性からの手紙が届いた。「貴方はローミオでしょうか?」。想いは35年前、1888年のロンドンに向かう。そして蔵の中より35年前に綴った覚え書きを紐解く。25才の僕と鷹原惟光がロンドンで出会った人たち・事件が、霧の中から浮かび上がってくる。エレファント・マン、切り裂きジャック、初恋、書物との出会い…。 
 霧のロンドンのぼやっとした輪郭のせいでしょうか、なんだか眠くなる本でした。でもつまらないという意味ではありません。1888年のロンドンへの時間旅行を十二分に楽しめました。伯爵子息の「鷹原惟光」と語り手の「柏木薫」が、『源氏物語』の光源氏と薫を思い起こさせます。服部まゆみさんの独自の世界を堪能しました。
一八八八切り裂きジャック
服部 まゆみ
角川書店 2002-03


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登場人物考へ

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2000年06月11日

「シメール」服部まゆみ

 聖と翔…双子の兄弟。6年前のクリスマスの火事で木原家は家を失う。そして妻を交通事故で亡くしたばかりの片桐哲哉。彼は青山墓地の満開の桜の樹の下にいた精霊を見、桜の精の吐息の薫りに魅せらる。
 いかにも服部まゆみ!という感じの妖しくも美しい幻想の世界が紡ぎ出されています。双子のアイデンティティということについて考えてしまうのは、双子の母のサガでしょうか。
シメール
服部 まゆみ
文芸春秋 2000-05


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2000年05月25日

「時のかたち」服部まゆみ

 「怪奇クラブの殺人」/葡萄酒の色/時のかたち/桜 の5編の短編の他、1988〜1990年のエッセイ、北村薫氏他による服部まゆみインタビューが収録。
 別荘・旧家・美しい登場人物・油絵・クラシック音楽…いかにも服部まゆみワールドという感じの短編です。場面設定は現代の日本でも、どことなく西欧風なそして大正〜昭和初期あたりの雰囲気を感じてしまいます。銅版画家でもある彼女の手による数点の装画も、彼女の描く物語同様、精緻で妖しく美しい。
時のかたち
服部 まゆみ
東京創元社 1992-02


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2000年02月07日

「罪深き緑の夏」服部まゆみ 

 熱海の父の別荘に連れて行かれたその夏、12才の僕(山崎淳)は、美しい少女:鷹原百合の住む蔦屋敷に足を踏み入れ、魅惑の時を過ごす。そして12年後、新進画家として、兄の太郎、友人の山野とともに、画廊での個展に望むが、火災に遭い絵の全てを焼失する。
 美しい兄妹、神戸の異人館を思わせるような洋館、童話をテーマにした絵画。妖艶とか絢爛といった、画数の多い漢字を使いたくなります。
罪深き緑の夏
服部 まゆみ
角川書店 1991-03


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2000年02月05日

「時のアラベスク」服部まゆみ

 澤井慶の小説『魔物たちの夜』の出版記念会に贈られてきた薔薇の花束には、抜き身のナイフと。「KILL YOU! K.I.」と書かれたメッセージカードが添えられていた。そして『魔物たちの夜』の映画化のために訪れた欧州で、事件が繰り返される。
 この人には“耽美”という言葉が似合う。
時のアラベスク
服部 まゆみ
角川書店 1990-11


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1999年12月26日

「この闇と光」服部まゆみ

 幼い頃から、別荘に幽閉された美しい盲目のレイア姫。優しい「おとうさま」と、沈丁花の香の意地悪なダフネとの3人だけの世界。美しい音楽と物語の中で、静かに日々が過ぎてゆく。
 面白かったです。いつまでもこの物語の世界に幻惑されていたいような、そんな気分にしてくれた一冊。思わず最初から読み返してしまいました。「この結末は決して誰にも話さないでください。」なんて、表紙カバーに書いてあったりします。読書の愉しみに浸れました。
この闇と光
服部 まゆみ
角川書店 2001-08


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2001.9 再読

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