森見登美彦

2007年03月27日

「四畳半神話大系」森見登美彦

頭に浮かんだ言葉は、「省エネ」「コピペ」
デジャヴがいっぱい。ああ、楽しかった。

ぴかぴかの一回生の「私」の興味を惹いたちらしは4つ。映画サークル「みそぎ」、「弟子求ム」、ソフトボールサークル「ほんわか」、秘密機関<福猫飯店>どれを取るかが運命の分かれ目。そして分かれたはずの運命は、いつしか合流するのです。
人生とは通過ポイントが決められているオリエンテーリングのようなものかも。人との出会いは偶然のようでいて、赤や青や黒い糸で繋がった運命なのかも。そう思うとこのお話は、ものすごくロマンティックな話と言えなくもないような。

むにゅっとした感触を知りたくはないです。でももちぐまには触ってみたいです。

四畳半神話大系 ★★★☆_
内容(「MARC」データベースより)
大学3回生の春までの2年間を思い返して、実益のあることなど何一つしていないことを断言しておこう。打たんでも良い布石を狙い澄まして打ちまくってきたのは、なにゆえか? トンチキな大学生の妄想が京都の街を駆け巡る!


「海底二万海里」…未読なんですよね。読んでみようかな。地球儀とまち針を準備して。1年がかりで。
海底二万海里〈上〉 海底二万海里〈下〉

pleiades91 at 00:28|この記事のURLComments(2)TrackBack(2)

2007年03月18日

「【新釈】走れメロス 他四編」森見登美彦

「山月記」「藪の中」「走れメロス」「桜の森の満開の下」「百物語」を現代の京都を舞台に森見流に再構築。
これはもう、【文学】ではなく【文楽(‘ぶんがく’と読んでね)】です。楽しい楽しい読書の時間を過ごすことができました。
元ネタの文体や設定を生かしながら、これまでの自作ネタも取り入れ、新たに創り上げられる物語の世界。疾駆する言葉、京都の街を駈け、あるいは飛翔する登場人物たち。

森鴎外の「百物語」以外は、知っている話でした。やはり元ネタを知っている方がより楽しめると思いました。文体や使い回される言葉がなんとも懐かしい。また設定や展開の類似点、相違点を見つけるのも楽しかったです。
それぞれの味わいがあり、どの話も好きですが、私の一番は「走れメロス」です。あのバカバカしさが堪りません。芽野、芹名、図書館警察官長に乾杯! 詭弁論部万歳!

新釈 走れメロス 他四篇 ★★★★_
(帯より)
あの名作が、京の都に甦る!?
異様なテンションで京都の街を突っ走る表題作をはじめ、先達への敬意(リスペクト)が切なさと笑いをさそう、五つの傑作短編。
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pleiades91 at 11:03|この記事のURLComments(4)TrackBack(3)

2007年02月04日

「きつねのはなし」森見登美彦

「きつねのはなし」「果実の中の龍」「魔」「水神」の京の街が舞台の4編。
4編は別々の話ですが、ゆるく繋がっています。

四国の田舎から見ると、京都はとんでもない都会です。でも京都が舞台のこの本は、東京を舞台にした小説と違ってどことなく懐かしさや近しさを感じます。竹林や森や川や神社などの描写のせいでしょうか?
この本を読みながら感じていたのは、子供の頃、竹林や鎮守の森に足を踏み入れたときの、どことなく寂しくて怖い空気でした。何かが居るような、何かに見られているような…。実体のないものへの怖さ。

「きつねのはなし」の奈緒子は人を化かすきつねの話をします。狐といえば、化かすもの。それとともに「狐憑き」という言葉があります。この4つの話に出てきた人たちは、みな何かに「憑かれて」いるように思いました。ケモノだったり、嘘だったり。著者自身も京都という街に憑かれているのかもしれません。

それぞれの話は重なりながらも微妙にズレがあり、それがまた不可思議な雰囲気を醸し出しているようにも思えます。

私がこれまでに読んだのは「夜は短し歩けよ乙女」「太陽の塔」の2作品です。
摩訶不思議な世界は同じですが、ドタバタや男臭さが押さえられ、しっとりと落ち着いた京の街を見せてくれました。どちらの京都にも惹かれます。

きつねのはなし ★★★★_
内容(「BOOK」データベースより)
京の骨董店を舞台に現代の「百物語」の幕が開く。注目の俊英が放つ驚愕の新作。細長く薄気味悪い座敷に棲む狐面の男。闇と夜の狭間のような仄暗い空間で囁かれた奇妙な取引。私が差し出したものは、そして失ったものは、あれは何だったのか。さらに次々起こる怪異の結末は?。端整な筆致で紡がれ、妖しくも美しい幻燈に彩られた奇譚集。



以下、とりとめもないメモ。ネタばれを含むかも。続きを読む

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2006年12月21日

「太陽の塔」森見登美彦

おぞましきかなGキューブ。安藤兄弟風に言うならば、せせらぎキューブ。(by 『魔王』伊坂幸太郎)想像なんてしたくないし、その名前を書きたくもないのだけれど、気になってならないのです。京都にはそれが「実在」するのかどうか。どうぞ筆者の妄想の中のものでありますように。私にとって、いしいしんじさんの『ぶらんこ乗り』にでてきた「ローリング」と同格におぞましく、「ほんとうのことではありませんように」と願うものであります。固まっているものはおぞましい。かといって、それが解き放たれるのは更に恐ろしい。

ある意味、クリスマス前のこの季節にぴったりのお話でした。なにやら切なくて。学園祭からクリスマスに至る考察は、我が身に思い当たることはあらねども、周囲にはそういう気配があったようななかったような。
そしてプレゼントを贈るということはとても難しい。

太陽の塔 ★★★__
内容(「BOOK」データベースより)
私の大学生活には華がない。特に女性とは絶望的に縁がない。三回生の時、水尾さんという恋人ができた。毎日が愉快だった。しかし水尾さんはあろうことか、この私を振ったのであった!クリスマスの嵐が吹き荒れる京の都、巨大な妄想力の他に何も持たぬ男が無闇に疾走する。失恋を経験したすべての男たちとこれから失恋する予定の人に捧ぐ、日本ファンタジーノベル大賞受賞作。
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pleiades91 at 16:50|この記事のURLComments(10)TrackBack(8)

2006年12月17日

「夜は短し歩けよ乙女」森見登美彦

乙女は歩く、酒薫る春の夜の先斗町を。灼熱の夏の糺ノ森の古本市を。青春闇市たる晩秋の学園祭を。風邪の嵐吹き荒れる京の街を。
彼女と先輩と彼らを取り巻く面々の一年を描いた物語。

古本市で学生天狗の樋口氏が「彼女」に言います。
「今までの人生で読んできた本をすべて順に本棚に並べてみたい。誰かがそう書いたのを読んだことがある。そういう気持ちが君にはあるか」
これって、もしかして恩田陸さんの「三月は深き紅の淵を」にあった言葉?それとも他の書にも同じような言葉が書かれているのかな。「三月は…」の言葉だったら嬉しいな。むふっ。ちょっとほくそ笑んだのも束の間、さらに読み進めると高校時代に副読本として配られた「日本文学史」の中でお見受けしたような作家さんのお名前や本のタイトルが並びます(外国のモノも)。しかし哀しいかな実際には読んだことのないモノばかり。本の神様、ごめんなさい。私が「読みましたわよ」と、むんと胸を張って言えるのは、萩尾望都、大島弓子、川原泉、「マチルダは小さな大天才」「ナルニア国物語」「不思議の国のアリス」「ガラスの仮面」ぐらいでございました。嗚呼、漫画と児童書ばかり。
さらにこのタイトルがそうであるように、古今東西の名言名句名歌をもじったと思しき言葉が随所にちりばめられておりましたが、浅学の私が見落としているものも無数にございますことでしょう。それらを読みとれぬとは残念無念。

「鴨川ホルモー」とこれと、京都が舞台で京大生が主人公のお話(かつ京大出身の作家さん)を続けざまに読んだわけですが、どうしてこうも「変」なのでしょう。現実離れしているのでしょう。妄想に溢れているのでしょう。そして楽しいのでしょう。恋に一生懸命なのでしょう。
嗚呼、京都に行きたい。彼女が歩いた道を辿りたい。

夜は短し歩けよ乙女 ★★★★_
内容(「BOOK」データベースより)
私はなるべく彼女の目にとまるよう心がけてきた。吉田神社で、出町柳駅で、百万遍交差点で、銀閣寺で、哲学の道で、「偶然の」出逢いは頻発した。我ながらあからさまに怪しいのである。そんなにあらゆる街角に、俺が立っているはずがない。「ま、たまたま通りかかったもんだから」という台詞を喉から血が出るほど繰り返す私に、彼女は天真爛漫な笑みをもって応え続けた。「あ!先輩、奇遇ですねえ!」…「黒髪の乙女」に片想いしてしまった「先輩」。二人を待ち受けるのは、奇々怪々なる面々が起こす珍事件の数々、そして運命の大転回だった。天然キャラ女子に萌える男子の純情!キュートで奇抜な恋愛小説in京都。
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pleiades91 at 11:52|この記事のURLComments(9)TrackBack(12)
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