酒見賢一

2007年06月18日

「陋巷に在り 12〈聖の巻〉,13〈魯の巻〉」酒見賢一

12〈聖の巻〉
尼丘崩壊。顔儒滅亡。子蓉の最期。
孔子が倒れる。
成城への総攻撃。
尼丘を訪れる孔子。
たくさんの人が命を落とし、いろいろなことが崩壊に向かっていき、虚しさを感じます。

陋巷に在り〈12〉聖の巻 
内容(「BOOK」データベースより)
孔子が魯の政権安定のために計画した三都毀壊の最終策、成城破壊は成兵の激しい抵抗にあい、一進一退の状況に陥る。城宰の公斂処父が孔子を霍乱するため、その故郷・尼丘に派遣した成兵たち。そのまえには顔儒たちが立ちはだかる。そして、尼山の神に受け入れられた子蓉は、その祠の前で最期の舞を踊りながら、邑に突入した成兵たちを次々と倒していく…。愛別離苦の第十二巻。
(2007.6.8 読了)

13〈魯の巻〉
少正卯との最後の戦い。
斉より送り込まれた女楽の媚によって、骨抜きにされる李桓子ら。
孔子、魯を出る。顔回も。
顔路と女予(よ)の掛け合いが好き。ほっとする。
女予の顔回への思いが切ない。

陋巷に在り〈13〉魯の巻
内容(「BOOK」データベースより)
宿敵・少正卯の誅殺に成功した孔子だったが、三桓家の策謀により、実権を持たない大司寇の位に祭り上げられ、魯の政権の中枢から遠ざけられてしまう。魯の改革に失敗した孔子は、己の無力さに失望し、「天命の求めるところ」を探すため、最愛の弟子・顔回らとともに魯の地を出て、放浪の旅に出ることを決意する。十年の歳月をかけて描き出した渾身の孔子伝、堂々完結の第十三巻。
(2007.6.10 読了)

最初は中国の歴史もわからず、地名や人物名が難しくてちっとも頭に入りませんでしたが、巻を追うにしたがって登場人物に愛着を感じるようになり、いつしか孔子や顔回や子路など、自分なりにイメージできるようになっていました。
古代の中国や儒教についても、ほんのちょっとだけ分かったような。
そしてこの物語で、孔子よりも顔回よりも印象的だったのは、悪子蓉。
多くの男たちが彼女に魅せられたように、私もいつしか彼女のファンになっていました。

何と言っても、全13巻を読み通せたことが嬉しい。  ★★★★_ 

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2007年06月03日

「陋巷に在り 10〈命の巻〉,11〈顔の巻〉」酒見賢一

10〈命の巻〉
女予(よ)が本来の彼女に。そして太長老と対面。
孔子の母:徴在の人となりが明かされる。
女予といい、子蓉といい、徴在といい、女人がとても生き生きして良いです。
その一方で、男たちの影が薄い。

陋巷に在り〈10〉命の巻
内容(「BOOK」データベースより)
尼山の祠に奉納する舞の舞手に選ばれた尼山顔氏の長の末娘顔徴在。激しく降りしきる雷雨の中、無我の境地で舞い続ける徴在に、激しい光が下り立った。彼女を包み込んだ尼山の神。その神が彼女に告げたのは、一生一人であることを運命づけられた彼女が、「三年後、子を生むことになる」という驚くべき「命」だった…。孔子出生の秘密がいよいよ明らかになる、空前絶後の第10巻。


11〈顔の巻〉
尼丘に向かう悪悦と成兵、子蓉、顔回。
尼丘で繰り広げられる戦闘。
顔氏の老兵たちの戦いが格好良い。
この話の主役は子蓉のような気さえしてきました。
いよいよクライマックスという感じで、面白くなってきました。

陋巷に在り〈11〉顔の巻
内容(「BOOK」データベースより)
魯の国の政権安定のために孔子が企てた三都毀壊策。その最終段階の成城討伐は、成の城宰・公斂処父の抵抗にあい、膠着状態におちいっていた。そこで、狂巫に身をやつした悪悦の使嗾をうけた処父は、孔子の動揺を誘うため、その故郷・尼丘襲撃に兵を向わせる。そして、その頃、子蓉も何ものかに誘われるように、尼丘を目指していた。孔子の故郷に危機が迫る、危急存亡の第十一巻。


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2007年05月19日

「陋巷に在り 8〈冥の巻〉,9〈眩の巻〉」酒見賢一

8〈冥の巻〉
月蠱と対決する医げい。
顔回はよを救うべく、祝融とともに九泉にくだる。
偽孔子の登場。祝融 vs 女魃
冥界の蘊蓄などで話がなかなか前に進まなくて、やきもき。

陋巷に在り〈8〉冥の巻 
内容(「BOOK」データベースより)
妖女・子蓉の媚術により、陋巷の美少女・よは次第に病み衰えていく。満月の強大な魔力を利用する子蓉と巫医の神である祝融の力を借りる異形の南方医との、命を賭けた闘いが始まった。孔子最愛の弟子・顔回は、よの内に潜む鬼魅を制するために、薬草漬けの酒で一時的に意識を殺し、九泉に向かった…。冥界に降りた顔回をめぐり、神同士が激しく相争う、驚天動地の第8巻。

9〈眩の巻〉
子蓉、よとともに三人で九泉を出ようとする顔回。
成城の公斂處父(こうれんしょほ)は、魯城に呼び出される。そして雨乞いの礼で…。
やはり子蓉が魅力的。

陋巷に在り〈9〉眩の巻 
内容(「MARC」データベースより)
数々の恐怖と苦労の試練のはてに、恋人と子蓉のもとに辿りついた顔回。生命力を蝕む冥界からの一刻も早い脱出が必要だ。冥界の掟に反した、3人揃っての帰還に固執する顔回に、子蓉は奇想天外な方策を提案するが…


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2007年05月07日

「陋巷に在り 6〈劇の巻〉,7〈医の巻〉」酒見賢一

6〈劇の巻〉
混乱する魯の街。
やっと顔回が‘よ’や五六の異変に気づき、行動を起こします。
ほっとしたのも束の間、魯の街は費兵との戦いの舞台に。
公山不狃が何とも哀れです。

陋巷に在り (6)
内容(「MARC」データベースより)
古代中国のシャーマンたち、孔子とその弟子たちを鮮やかに描く、超大作歴史小説の最新刊。瀕死の少女を救うために故郷で医学を学ぼうとする顔回の動揺と、費の奇襲攻撃に驚愕する孔子を描く。


7〈医の巻〉
新しく登場した医げいが魅力的です。彼の登場でやっと面白くなってきました。
医げいと子蓉の対決は両者ゆずらず、次巻へ持ち越しとなりました。

陋巷に在り〈7〉医の巻
内容(「MARC」データベースより)
南方を遍歴して医術をきわめた名医の登場で、瀕死の美少女は救われるのか。古代中国の医術と呪術の対決で新たな生彩を放つシリーズ第7巻。


 

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2007年04月25日

「陋巷に在り 5〈妨の巻〉」酒見賢一

なかなか物語が前に進まない感じ。
顔回の出番がほとんどなくて、つまらない……というか、五六たちが怪しげなことになっているのに、何故顔回が気づかないの?

陋巷に在り〈5〉妨の巻
内容(「MARC」データベースより)
いかに厳重に見張られていても、巧みに家を抜け出してゆく美少女に翻弄される五六。一方、孔子の使いとして費城に赴いた公冶長は、意外な裏切り者の存在を知る。春秋の世を戦国の世に踏み込ませていったのは誰か…。


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2007年04月15日

「陋巷に在り 3〈媚の巻〉, 4〈徒の巻〉」酒見賢一

3〈媚の巻〉
顔回と子蓉の対決にはらはらどきどき。
ああ、顔穆…。
陋巷に在り (3)
(文庫帯より)
恐るべき性魔術・媚術を駆使して儒者を骨抜きにしていく謎の美女・子芙蓉。そして魔の手はついに顔回にも及び……


4〈徒の巻〉
少正卯、尼丘へ。あの優しかった太長老様が…。
小正卯vs犬。
陋巷に在り〈4〉徒の巻
内容(「BOOK」データベースより)
孔子一門をねらいうちにしてゆく妖艶な性魔術使い子蓉は、唯一術をやぶられた顔回を籠絡すべく陋巷を訪れ、ついに顔回の許嫁の美少女に出会う。子蓉から鏡を貰った少女だが、そこには恐るべき媚術が施されていた…。一方、三都の連続毀壊を密かに企てた孔子は、協力を申し出た政敵少正卯の真意を測りかねていた?。想像を絶する凄まじい死闘が繰り広げられる急転直下の第四巻。


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2007年04月03日

「陋巷に在り 2 呪の巻」酒見賢一

陽虎との戦い。饕餮と対峙する顔回。
少正卯、悪悦、子蓉の登場。
饕餮(とうてつ)って、『十二国記』にも出てきたなぁ。

陋巷に在り〈2〉呪の巻
内容(「BOOK」データベースより)
儒者の抵抗によって思わぬ苦戦を強いられた陽虎は、太古の鬼神・饕餮を召喚。瞬く間に儒者の屍の山が築かれていった。その凄まじさに孔子の弟子たちは恐れをなすが、一人、顔回だけは落ちついていた…。土俗的な術を使う政敵との熾烈な闘い、媚術で弟子を次々に骨抜きにする謎の美女の登場…。


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2007年04月02日

「ピュタゴラスの旅」酒見賢一

短編集。「そしてすべて目に見えないもの」「ピュタゴラスの旅」「籤引き」「虐待者たち」「エピクテトス」の5編。
酒見さんと言えば、中華風…というイメージがあるのですが、これは違っていました。舞台も時代も作風も様々です。短編の一つ一つが「小さな世界」という感じでした。そしてその世界を外から眺めているのではなく、その世界に入っていくような感じで読んでいました。

奴隷でストア派の哲学者であったというエピクテトスという人物に惹かれました。

ピュタゴラスの旅 ★★★★_
内容(「BOOK」データベースより)
ミステリーの、ひいては小説の約束事に挑戦する「そしてすべて目に見えないもの」。魂の浄化を求めて果てのない旅を続ける哲人を描く表題作。物語の欺瞞と抑圧を暴き、その極北に挑む「籤引き」。みずみずしい創作活動の魂の軌跡をあざやかに示す酒見ワールドの原点。アイロニカルで寓意に富む5編からなる作品集。中島敦文学賞受賞作。


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2007年03月31日

「陋巷に在り 1儒の巻」酒見賢一

全13巻。まだ話の端緒で面白いかどうかも量りかねています。
登場人物を覚えるのが大変そう。

陋巷に在り〈1〉儒の巻
内容(「BOOK」データベースより)
聡明で強い呪術の能力を持ちながら、出世の野心なく、貧しい人々の住む陋巷に住み続けた顔回。孔子の最愛の弟子である彼は師に迫る様々な魑魅魍魎や政敵と戦うサイコ・ソルジャーだった…息づまる呪術の暗闘、政敵陽虎との闘争、影で孔子を護る巫儒の一族。論語に語られた逸話や人物を操りつつ、大胆な発想で謎に包まれた孔子の生涯を描く壮大な歴史長編、第一部。


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2007年02月13日

「後宮小説」酒見賢一

再読です。前に読んだのは多分十数年前。 とても印象的だった冒頭部。これは覚えていました。

中国っぽい国が舞台。あたかも史料を読み解くような体裁の大法螺話。好奇心いっぱいの14歳の銀河、コリューン、同室の3人、角先生、行き当たりばったりの渾沌と幻影達らが、生き生きと「時代」を駆け抜けていました。さて、いつの時代やら。

後宮小説 ★★★★_
内容(「BOOK」データベースより)
時は槐暦元年、腹上死した先帝の後を継いで素乾国の帝王となった槐宗の後宮に田舎娘の銀河が入宮することにあいなった。物おじしないこの銀河、女大学での奇抜な講義を修めるや、みごと正妃の座を射止めた。ところが折り悪しく、反乱軍の蜂起が勃発し、銀河は後宮軍隊を組織して反乱軍に立ち向かうはめに…。さて、銀河の運命やいかに。第一回ファンタジーノベル大賞受賞作。
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