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2007年05月16日

「星降る楽園でおやすみ」青井夏海

無認可保育園アイリスに二人組の男が乱入し、そこにいた5人の園児の保護者にそれぞれ500万の身代金を要求。園の関係者に手引きした者がいる? それぞれの子の親は…。
テンポのいい軽いタッチのミステリーですが、保育園の内情や子供を預けるそれぞれの家庭の事情(働く母、専業主婦、片親の家庭)など、現代社会が抱えている問題も描かれています。

星降る楽園でおやすみ ★★★☆_ 
出版社/著者からの内容紹介
無認可保育室に二人組の男が籠城、五人の子どもが人質に。身代金はひとり五百万円という微妙な額だった。身内に犯人を手引きした人物がいる?疑心暗鬼の園長。そして人質家族の人間模様。


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2007年04月13日

「奇跡と呼ばれた学校」荒瀬克己

サブタイトルは「国公立合格者30倍のひみつ」
京都市立堀川高校は1999年4月、校舎の全面改築と共に、普通科に「探求科」という新しい専門学科を創設し、改革にのりだします。そして2002年春、前年度6人だった国公立現役合格者が106年に。「堀川の奇跡!」として新聞や雑誌に取り上げられたとか。荒瀬克己氏はその堀川高校の現校長とのこと。改革への準備や中身、生徒たちの様子などが紹介されています。

堀川高校の改革の目玉は「人間探求科」「自然探求科」の設置だったと思うのですが、この探求科ってやっていることは新指導要領の「総合的な学習の時間」と似ているように思いました。批判も多く聞こえてくる総合学習だけど、うまく機能すれば子どもの力を大きく伸ばせるということかな。

奇跡と呼ばれた学校?国公立大合格者30倍のひみつ ★★★__
出版社 / 著者からの内容紹介
 日本でいちばん「躍進」している公立高校の校長が、自分の教育論を縦横無尽に語る。「すべては君の『知りたい』から始まる」というモットーを掲げ、2002年、国公立大学合格者をひとケタから一挙100人以上に。「教育はサービス業、生徒はお客さん」と公言する、その実践例を公開。京都の革新市政時代は組合の「闘士」だった熱血校長の、自伝かつ決意表明の一冊。この一冊に、公立校変身の秘訣満載。



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2007年01月31日

「猫町∞ mugen」天沼春樹

猫は大好きなのですが、どことなく冷ややかそうで妖しげなイメージもあります。化け猫伝説やポーの「黒猫」など印象が刷り込まれているのかな?
この「猫町∞」も幻想的でちょっと不気味で妖しげなお話。∞は無限であるとともに夢幻でもあるのでしょう。
出向という名目で関連会社のあいだを次々ところがされていた「ぼく」の新しい職場はM皮革。仕事は三味線の胴皮のための<ネコトリ>。その日は「猫町」と呼ばれる多猫の地区に仕事に出ることになりますが…。

澱んだような薄暗くひんやりとする雰囲気。「ぼく」と一緒に猫町に迷い込んだ気分になります。城戸光子さんの『青猫屋』がこんな雰囲気だったように思います。これもタイトルに「猫」の字が。でも猫は出てこなかったかな。

萩原朔太郎が「猫町」という短編小説を書いているようです。これを踏まえて書かれたお話なのでしょうか? 気になります。

猫町∞ ★★★☆_
内容(「MARC」データベースより)
それは夏の夜の夢。ぼくは猫街の迷路にまよいこんだ。陽炎のなかで揺らいでいたその町。眠りのなか、闇のなかからの声に導かれるように始まる、奇妙な味わいの迷宮小説。

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2007年01月21日

「レインツリーの国」有川浩

「図書館内乱」の中に登場するこの本、「図書館内乱」の表紙イラストにある装画とほぼ同じというのが、いいですね。

はじまりは10年以上も前に出版されたライトノベルシリーズの感想。同じように感じながらも、ちょっと違う。ためらいながらもメールを送る。返ってくる。繋がる。このあたりのドキドキ、分かるなぁ。

伸が言います。「完全には理解できへんのやから、言いたいことをいおう」
私も、お互いに完全に理解するなんて無理だと思っています。でも知ろうとすること、知ってもらおうとすることは無駄ではないと信じたい。ただ、「知ってもらおうとすること」って難しいんだよね。

レインツリーの国 ★★★__
内容(「BOOK」データベースより)
きっかけは「忘れられない本」そこから始まったメールの交換。あなたを想う。心が揺れる。でも、会うことはできません。ごめんなさい。かたくなに会うのを拒む彼女には、ある理由があった?。青春恋愛小説に、新スタンダード。
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2006年12月19日

「図書館内乱」有川浩

図書館シリーズ第2弾。
私としては今回の方が好きかも。前回に比べ、戦闘シーンが極めて少なかったので、安心して読めました。戦闘シーンってあまり好きではないので。
主要な登場人物の家族関係や過去などが少しずつ明らかにされます。こんな風に物語の世界が前作から広がったり深まったりのは、楽しいです。読者の気持ちを掴むのが上手いなぁ。
「母」という立場のせいか、「家族(特に親子関係)」が気になります。
郁の母親の、彼女を心配するあまりの視野狭窄な言葉は、彼女をいらだたせ、それを読んでいる私もイライラさせます。でも我が身を振り返ると、自分の中にも郁の母親と同じような気持ちがあります。子離れしなくちゃなぁ。
主人公達含め、脇役陣のロマンスもゆっくりと進行中。図書館の明日とともに、こちらも見逃せません。

図書館内乱 ★★★☆_
出版社 / 著者からの内容紹介
相も変わらず図書館は四方八方敵だらけ! 山猿ヒロインの両親襲来かと思いきや小さな恋のメロディを 叩き潰さんとする無粋な良化「査問」委員会。 迎え撃つ図書館側にも不穏な動きがありやなしや!? どう打って出る行政戦隊図書レンジャー! いろんな意味でやきもき度絶好調の『図書館戦争』シリーズ第2弾、ここに推参!
??図書館の明日はどっちだ!?


前作「図書館戦争」の感想はこちら

以下は心にとまった言葉。未読の方は読まない方がよろしいかと思います。続きを読む

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2006年10月17日

「図書館戦争」有川浩

楽しく読めました。
師弟系とでも言いましょうか。「アラベスク」「エースをねらえ」などを思い浮かべました。ありがちなというか、見え見えの展開でしたが(見え見えだからこそ?)楽しめました。

冒頭&目次タイトルにもなっている「図書館の自由に関する宣言」って実際に存在するんですね。
日本図書館協会のホームページの「図書館に関する資料」の中に、「 図書館の自由に関する宣言」が同じ文言でありました。

中学生のフォーラム参加の場面がよかったです。共感する中高生も多いのではないかしら。自由に好きな本を選んで読める社会であってほしいです。「本を焼く国はいずれ人を焼く」…日本がそんな国になりませんように。

図書館戦争 ★★★☆
内容(「BOOK」データベースより)
正義の味方、図書館を駆ける!?公序良俗を乱し人権を侵害する表現を取り締まる法律として『メディア良化法』が成立・施行された現代。超法規的検閲に対抗するため、立てよ図書館!狩られる本を、明日を守れ。
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2006年06月22日

「盗作」飯田譲治 梓河人

 越ヶ谷彩子は、古い民宿を営む両親と祖母、聾児の弟のカズキの五人家族。高校一年生のある日、彩子は赤い雨の中を疾走する男の夢を見る。そして訪れた創作の時。彩子はその夢をキャンパスに描く。その絵は見る人を魅了する。が・・・。
 彩子に訪れた「完璧な創作」とそれに翻弄される彩子と周囲の人たちの運命。

盗作(上)盗作(下) ★★★☆続きを読む

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2005年05月14日

「ちーちゃんは悠久の向こう」日日日

ちーちゃんは悠久の向こう 幽霊とか妖怪とかが大好きなちーちゃんこと歌島千草は、子どもの頃は怖がる僕(モンちゃん:久野悠斗)を押入に連れ込んでは暗闇の中で妖怪話や怪談を聞かせるのだった。僕らは同じ高校に進学する。
 新風舎文庫大賞受賞作。

 どうにかバランスを保っていた危うい世界が崩れていく様が描かれています。でもその世界が崩れる前でさえ、「僕」の現実は既に破綻していたものでした。「つまらない日常こそが人類の得られる最大幸福なんだよ」
 よく言われることですが、幽霊よりも怖いものは人間。続きを読む

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2005年04月21日

「新解さんの謎」赤瀬川原平

新解さんの謎  SMくんから電話があった。「わたしいま、しんめいかいに来てるんです」
 「しんめいかい」とは新明解国語辞典。著者:赤瀬川氏は、SM嬢の手引きによって親切で可愛くて不気味で苦労性な新解さんの深い森へと誘われてゆく。読者もまた、然り。
 「紙」から地球環境を考える(?)「紙がみの消息」も収載。

 国語辞典を片手に本を読んだのなんて、学生時代に国語の宿題で教科書の意味調べをしたとき以来かも。
 言葉の解説もだけれど、用例がこんなに楽しいなんて。でも本書で紹介されている例文の多くは「第四版」のものとのこと。たしかに手許にある「第六版」の用例はここの例よりもずいぶんあっさりしています。 ahahaさんところの情報によると、第六版は文学作品からの引用をやめたのだそうです。川上も雪子も田中もいなくなってしまいました。それでもやっぱり楽しい新解節。時々辞書を開いては掘り出し語はないかと、探してしまいます。
 辞書の楽しさを教えてくれたSM嬢と赤瀬川さんに感謝。

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2005年04月19日

「雪の夜話」浅倉卓弥

雪の夜話 高校二年の冬、相模一樹は真夜中の雪の公園で真っ白なダッフルコートの不思議な少女に出会う。東京の美大に進学した一樹はバイト先で知り合った水原さんに誘われるままに、卒業後は彼の会社に入社するが…。故郷に帰った彼は雪の夜の公園で再び少女を見つける。彼女は8年前と同じ姿をしていた。

 淡々と一人称で語られる物語は、その雪の描写と相まって、まるで無声映画でも見ているような感じを受けました。四国で生まれ育った私には‘雪自らが放つ不思議な世界’というのを実感することはできませんが、描き出される雪の情景がとても美しく印象的でした。冬に読みたかったです。続きを読む

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2005年04月03日

「グランド・フィナーレ」阿部和重

グランド・フィナーレ わたし:沢見は離婚して親権を失い、仕事も首になり、ほとんど素寒貧の状態で田舎:神町に舞い戻ってきた37歳の男。大好きな一人娘:ちーちゃんの8回目の誕生日にも、わたしは彼女に会うどころか、その姿を垣間見ることすら叶わなかった。
 芥川賞受賞の表題作の他、「馬小屋の乙女」「新宿ヨドバシカメラ」「20世紀」の3編収載。

 娘を心から愛している沢見。でもそれは歪んだ愛情。「グランド・フィナーレ」を読みながら「永遠の仔」を思い浮かべました。仄かに光明を感じされるラストではあるものの、どことなく居心地の悪さを感じてしまいます。続きを読む

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2001年11月09日

「珍妃の井戸」浅田次郎

 義和団の事件に乗じて連合軍が北京になだれ込んだその日、光緒帝の愛妃:珍妃が紫禁城内で命を落とした。英国海軍のソールスベリー提督他、シュミット大佐(独)、ペトロヴィッチ公爵(露)、松平忠永教授等は事件の調査に乗り出す。
 『蒼穹の昴』の後日譯あるいは番外編的位置づけになるのかな。春児や蘭珍との再会はうれしかったけれど、なんとなくすっきりしない。真相は‘藪の中’ならぬ井戸の中というところでしょうか。

珍妃の井戸
浅田 次郎
講談社 1997-12


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2001年10月17日

「蒼穹の昴」浅田次郎

 大清国光緒12年(1886年)冬。梁家屯の貧農の子:李春雲は村に住む媼:白太太から「汝の守護星は胡の星、昴」という占いを受ける。また同じ梁家屯の名主の次男:梁文秀もまた、媼から「長じて天下の政を司ることになろう」というお告げを受けていた。この二人を軸に清朝末期の歴史の中に生きる人々を描く。
 西太后・李鴻章・袁世凱など、遠い昔の中学か高校の歴史の時間で聞いたような名前が登場しました。どこまでが史実でどこまでがフィクションなのかよく分からない。
 ‘泣かせの浅田’との風評通り、随所で泣かされました。でもいまひとつ不消化気味。中国史が分かっていないだけに、この後歴史がどう流れているのかが分からないのですね。簡単な後日譯を添えてくれるといいのに…。
 実は以前「見知らぬ妻へ」を読んで、この人のはもう読みたくないなと思ったのです。女性の描き方が好きじゃなかった。待つ女、耐える女…って感じで。本書の女性も若干その点でひっかかるところもありましたが、読んてよかったと思える小説でした。

蒼穹の昴(1)
浅田 次郎
講談社 2004-10-15


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 蒼穹の昴(2) 蒼穹の昴(3) 蒼穹の昴(4)

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2001年09月28日

「人形はライブハウスで推理する」我孫子武丸

 わたし:妹尾睦月と腹話術師:朝永嘉夫の関係はかたつむりの歩みのような進展。弟が上京したり、弟子が現れたり。小田切警部と野坂先生も相変わらずの連作短編集。 人形はライブハウスで推理する/ママは空に消える/ゲーム好きの死体/人形は楽屋で推理する/腹話術志願/夏の記憶
 睦月ってどこの出身だったかや? 弟:葉月の方言がいい味ですちゃ。巻末に我孫子武丸×いっこく堂の対談あり。
人形はライブハウスで推理する
我孫子 武丸
講談社 2004-08


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2001年09月20日

「人形は眠れない」我孫子武丸

 柏木先生の結婚式の二次会に同席した関口さんになぜか気に入られ、しつこくデートに誘われる睦月。その待ち合わせ場所の近くで火事が!
 人形探偵:第3弾。鞠夫誕生秘話もあります。「短編の面白さを兼ね備えた長編」を目指したということですが、小さなエピソードが一つにまとまっていくのが楽しかったです。
人形は眠れない
我孫子 武丸
講談社 1996-04


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2001年09月18日

「人形は遠足で推理する」我孫子武丸

 めぐみ幼稚園は自然公園まで路線バスに乗って行く。朝永嘉雄と鞠夫も同行することになった。そのバスが拳銃を持った若い男にバスジャックされる。めぐみ幼稚園御一行と運転手、乗り合わせた一人の老人が人質に。
 人形探偵:第2弾。今回は長編です。バスジャック犯の宙ぶらりんな感じの若者の描き方が上手いと思いました。鞠夫は今回も大活躍。おむつの天然ぶりもスカッとして楽しい。
人形は遠足で推理する
我孫子 武丸
講談社 1995-07


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2001年09月17日

「人形はこたつで推理する」我孫子武丸

 わたし:妹尾睦月こと‘おむつ’が勤める、めぐみ幼稚園のクリスマス会に、腹話術師:朝永嘉夫がやってきた。人形の名前は鞠小路鞠夫。すばらしい腹話術に感心するわたしだが、そこにはある秘密が…。そして幼稚園ではユキコが原因不明で死ぬ。連作短編集。 人形はこたつで推理する/人形はテントで推理する/人形は劇場で推理する/人形をなくした腹話術師
 登場人物が生き生きしていて、テンポが良く、後味が良い、楽しめる作品でした。これを読んで思い浮かんだのがギャリコの「七つの人形の恋物語」。どちらも人形を介したラブストーリー(と言ってもいいよね?)なのですが、カラーは全く違います。でもどちらも大好き。やはり人形ものはいいなぁ。
人形はこたつで推理する
我孫子 武丸
講談社 1995-06


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2001年05月23日

「猫の地球儀」秋山瑞人

 トルクは宇宙に浮かぶ島。猫が‘天使’たちが残したロボットとともに生活している。スカイウォーカーの幽(かすか)は、‘天使’の姿をしたロボット:クリスマスに出会う。一方、戦いを生業とするスパイラルダイバーの焔(ほむら)は、最強の‘ドルゴン’斑(まだら)に戦いを挑もうとしていた。そして焔の追っかけ猫:天真爛漫な楽(かぐら)が織りなす物語。
 猫たちが主人公のSFです。話の背景を想像力で補わなくてはならないので、SF慣れしていない者にとっては、すこし不消化な感も。孤独な宇宙猫たちの友情のお話ともいえるかな。ラストは不覚にも、涙。

猫の地球儀 焔の章 猫の地球儀〈その2〉幽の章

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2001年05月14日

「スタジアム 虹の事件簿」青井夏海

 東海レインボーズの新オーナー:虹森多佳子は野球に関しては全くの無知。野球について学ぶべく、多佳子はきょうも球場に足を運ぶ。そして出会う事件の数々。連作短編。 幻の虹/見えない虹/破れた虹/騒々しい虹/ダイヤモンドにかかる虹
 野球のルールに事件の謎解きを絡めているのが楽しい。ただ‘事件’の全貌がいまひとつぼやけているような…。
 川原泉のマンガ『メイプル戦記』を読み返したくなった。

スタジアム 虹の事件簿
青井 夏海
東京創元社 2001-04


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参考:メイプル戦記 (第1巻)
メイプル戦記 (第1巻)




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2001年02月19日

「鬼子母神」安東能明

 保健センターに勤務する保健婦:工藤公恵。3歳児健診で同僚の宮内を手こずらせていた渡井敦子・弥音母子の名前を、匿名の虐待通報で聞くことになる。

鬼子母神
安東 能明
幻冬舎 2003-10


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以下、ネタばれを含みます。



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2000年12月17日

「殺人方程式 切断された死体の問題」綾辻行人

 御玉神照命会の教主:貴伝名光子の列車飛び込み自殺から2ヶ月後、教団ビルの川向かいのマンション、レジデンスKの屋上で首のない男の死体が発見された。警視庁捜査第一課の若手刑事:明日香井叶が操作にあたる。
 死体が苦手な刑事:叶に、いまだ大学に在籍している一卵性双生児の響(ともに、キョウと読む)が成り代わって事件を解決していきます。双子である必然性はあるのかな? という気もしないではないけれど、叶と響と叶の妻の深雪の掛け合いは楽しい。
殺人方程式 〈切断された死体の問題〉
綾辻 行人
講談社 2005-02-10


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2000年10月04日

「おとぎの国の郵便切手」安野光雅

 むかしむかし、ある国の大臣が「郵便というものを始めませんか?」と王様に提案し、切手の役目などを説明しました。大臣はペンタという、その国でたった一人の修行中の絵描きに、絵を考えるように命じるのですが、なかなかこれといった絵が出来ません。この絵本はペンタの考えた切手の図案集です。
 古今東西のおとぎ話が図案になっているのですが、西洋の物語が日本風になっていて、日本の昔話が外国風の図柄になっています。ちなみにピーチボーイ(桃太郎)の図柄はエジプト風。これらの絵を見ながら思い出したのが、開高健の短編『裸の王様』でした。

おとぎの国の郵便切手
安野 光雅
岩崎書店 2000-05


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参考:パニック・裸の王様
パニック・裸の王様


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2000年08月24日

「泣けない魚たち」阿部夏丸

 六年生の春、僕(さとる)のクラスにやってきた無口な転校生、岩田こうすけ。こうすけは学校ではしゃべれないけれど、ぼくの友達。ふたりの遊び場は川だ。表題作他、かいぼり/金さんの魚 の三編。
 坪田譲治賞受賞作。主人公はいずれも小学生の男の子。子ども同士や子どもと大人の、川を通じての心の交流や、自然への思いが描き出されている秀作です。でもここに描き出されているような川が、我が子の身近にないのが、かなしい。
泣けない魚たち
阿部 夏丸
ブロンズ新社 1995-05


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2000年08月12日

「孤島パズル」有栖川有栖

 英都大学推理小説研究会の紅一点:有馬麻里亜。彼女に誘われて、アリスと部長の江神二郎は南の島の別荘に招かれる。その島自体がパズルになっている嘉敷島には麻里亜の亡くなった祖父:有馬鉄之助が時価数億円のダイアを隠したという。
 シリーズ第二作。三作目の『双頭の悪魔』で麻里亜が失踪するきっかけとなった島での事件というのが、これで分かりました。でも麻里亜とアリスと江神さんの関係は…謎だなぁ。
孤島パズル
有栖川 有栖
東京創元社 1996-08


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2000年08月11日

「アナン 上・下」梓河人・飯田譲治

 記憶喪失のホームレスの“流”は、生きる気力を失い、その初雪の日を自分の命日と決めていた。最後の晩餐にと高級割烹『石田屋』ゴミ袋を漁っているときに、ゴミ袋の中に人間の赤ん坊を見つけた。“アナン”と名付けられた赤ん坊は、ホームレス仲間達のありったけの愛情受けながら育っていく。赤ん坊の不思議な力、そして旅立ち。タイルとの出会いと開花する才能。上巻は流の視点で、下巻は成長したアナンと流とが交互に語っている。
 これは現代を舞台に借りたメルヘンです。アナンを見つけるホームレス達の優しい眼差し。アナンの作り出す美しいモザイク。ステンドグラスの建物の中にいるような気持ちを味わえました。 『グリーン・マイル』にでてくるコーフィとアナンとがダブります。

アナン〈上〉 アナン〈下〉

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2000年07月24日

「月光ゲーム Yの悲劇'88 」有栖川有栖

 英都大学推理小説研究会の4人は、夏休みの合宿に矢吹山キャンプ場を選び、そこで雄林大学・神南学院短期大学のグループとともに時を過ごす。突然の矢吹山の噴火。仲間の失踪と殺人事件…。
 学生:有栖の第一作とのこと。
月光ゲーム Yの悲劇’88
有栖川 有栖
東京創元社 1994-07


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2000年07月14日

「双頭の悪魔」有栖川有栖

 傷心旅行に出かけた有馬麻里亜は、四国山地の山奥にある芸術家達10人ほどがひっそりと暮らしている木更村を訪れ、そこに滞在する。麻里亜の父の依頼を受け、江神次郎・有栖川有栖ら英都大学推理小説研究会の面々は、麻里亜を説得し連れ戻すべく四国へ向かう。
 四国が舞台となっているということで読んでみましたが、シリーズ物の三作目だったようです。話としては独立しているので、これだけ読んでも大丈夫でしたが、順番に読んだ方が登場人物の性格や人間関係などよくわかって良かったかなと、ちょっと後悔。
 途中三度「読者への挑戦」が挟まれます。これは好き好きだと思いますが、“謎解き”としてでなく、“物語”として読むタイプの私には、話が中断されるようで、あまりいただけませんでした。
双頭の悪魔
有栖川 有栖
東京創元社 1999-04


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2000年06月12日

「ハッピーバースデー 命かがやく瞬間」青木和雄

 藤原あすか。小学5年生。11才の誕生日にあすかは兄:直人とママの話し声を聞く。「あすかなんて、生まなきゃよかったなあ。」その時からあすかは声を失ってしまう。そんな彼女が、田舎に暮らす祖父母の愛情に触れて、声を取り戻す。そして…。
 課題図書にもなり、アニメ化もされた作品のようです。以前小4の娘がアニメ版の本を欲しそうに眺めていたことがあったのを思い出し、図書館で借りてきました。
 傷ついた少女が声を取り戻す過程、学級内のいじめ、祖母と友人の死、両親との和解…エピソードてんこ盛りで詰め込みすぎ、展開が速すぎ安易すぎ…と思いつつも、いくつもの場面で泣かされてしまいました。我が子もこんな本を読むようになったのねぇと、少し複雑な気持ち。(親子の葛藤が描かれているだけに。)
 著者の青木和雄氏は教育カウンセラーとのこと。教育相談で出会った子供たちとの対話から、この物語が作られたようです。

ハッピーバースデー - 命かがやく瞬間
青木 和雄
金の星社 2004-02


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2000年06月09日

「百枚の定家」梓澤 要

 秋岡渉は一年後にオープンをひかえた武蔵野美術館の学芸員である。画商:海野毅からニューヨークのオークションで高額落札した小倉色紙『あはち嶋』の販売が、武蔵野美術館にもちかけられる。書道家宇田川皐楓の遺族から寄贈されたコレクションのなかにもまた、小倉色紙『なげけとて』があった。藤原定家が選んだという百人一首。その定家が書いたと伝えられ、多くが散逸した小倉色紙。秋岡は美術館の開館記念展の企画として、『百枚の定家 --- 小倉色紙の謎』を打ち出す。
 古美術・書跡の真贋を見極めるというのは人間業ではないような気さえします。ましてやそこに秘められた歴史というものは、深い闇に包まれています。その闇の世界を想像力によってほんのりと浮かび上がらせてくれる作品でした。また美術館の企画展開催の労苦なども興味深く読めました。

百枚の定家〈上〉
梓沢 要
幻冬舎 2001-08


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2000年05月14日

「ふたご」雨宮雨彦

 僕が引っ越してきた家の隣には、僕と同じ中学校の同級生の双子姉妹、田村雪子と露子がいた。二人は一卵性でよく似ていたが、全然印象が違っていた。表題作の「ふたご」と、SF短編「転送事故」「アキコ」の3編。
 全く対照的な明暗の印象を持つ双子姉妹の間で揺れる少年の心が描かれています。雪子と露子ほどではないものの、印象・性格の違いという点で、我が家の双子姉妹にも通じるところがありました。SF短編もなかなか面白かったです。ロボットの「アキコ」はどこかで読んだことのあるような話でしたが…。(樹なつみさんの「OZ」っぽい話です。)

「ふたご」雨宮雨彦 鳥影社 1997.3.10

参考:OZ 完全収録版1



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