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2007年05月22日

「螺旋迷宮」海堂尊

今回の舞台は前作でちらっと出てきていた桜宮病院。語り手は東城大学医学部に在籍する落ちこぼれ医学生の天馬大吉。白鳥もなんと医者として登場。医師免許は持っているようです。田口先生もちらり。そしてついに氷姫が姿を見せます。こんな娘だったのね。これまで白鳥にいろいろ言われてきたのも、うなずけるような…。
終末医療のあり方や死体検案など、「死」が絡んでくる領域についての問題提起がなされていたように思います。
今回もちょっと詰め込みすぎかな。双子姉妹のキャラクターが今ひとつ。
桜宮病院の長男の存在が気になります。今までに登場しただれかか、これから登場するのか。

螺鈿迷宮 ★★★__ 
出版社 / 著者からの内容紹介
この病院は、あまりにも、人が死にすぎる??
日本の医療界を震撼させた「バチスタ・スキャンダル」から一年半。その舞台となった東城大学に医学生として通う天馬は、留年を繰り返し既に医学の道をリタイア寸前だった。ある日、幼なじみの新聞記者・葉子から、碧翠院桜宮病院に潜入できないかと依頼を受ける。東城大学の近隣病院である桜宮病院は、老人介護センター、ホスピス施設と寺院を一体化させた複合型病院であり、終末医療の最先端施設としてメディアの注目を集めていた。しかし、その経営には黒い噂が絶えないという。天馬は葉子の依頼を受け、看護ボランティアとして桜宮病院に通い始める。そのうちに、奇妙な皮膚科医・白鳥と看護師・姫宮と出会うことになり……。


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2007年03月11日

「ナイチンゲールの沈黙」海堂尊

ナイチンゲールで思い浮かべるものといえば、白衣の天使のナイチンゲールとアンデルセンの童話にも出てくる夜鶯。タイトルはこの二つを掛けているようです。魅惑的な歌を歌う小児科ナースが登場します。

警察庁の加納という新キャラが登場。小児科の猫田師長も存在感があります。そのためレギュラーメンバーの田口、白鳥の影が薄くなってしまったような…。医療モノに刑事モノ、さらに音楽、純愛も加わって、ちょっとごちゃごちゃしてしまった印象。

ナイチンゲールの沈黙 ★★★__
内容(「MARC」データベースより)
東城大学医学部付属病院・小児科病棟に勤務する浜田小夜は、子供たちのメンタルサポートを不定愁訴外来・田口に依頼する。その渦中、患児の父親が殺され、思いもかけない展開を…。メディカル・エンターテインメント第2弾。


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2007年02月16日

「ビート・キッズ」風野潮

一口に吹奏楽部と言っても、いろんな活動の仕方があるんですね。
竹内望が主人公の横山英二を勧誘したときの言葉。
私、吹奏楽部でクラやってるんやけどな、最近パーカスの一年がやめてしもて、来年春に万博公園であるドリルフェスに出られへんかもしれんのよ。で、ドラメの菅野君が
娘たちが吹奏楽部員なので、「クラ」と「パーカス」は分かりましたが、「ドリルフェス」と「ドラメ」は分かりませんでした。
ドリル(あるいはマーチング)というのは、歩きながら図形を作ったりしながら演奏するもののようです。そして東中吹奏楽部は吹奏楽コンクールとかではなく、ドリルフェスティバルに向けての練習をしています。
私の知っている(娘たちの学校の)吹奏楽部とかなり違っていて、ずっと違和感を覚えながら読むことになり、そのため気持ちが話に入っていくことが出来ませんでした。

ビート・キッズ ★★★__
内容(「BOOK」データベースより)
ドラムのひびきは、俺の心の花火やねん!英二がたたく。七生が打つ。ふたりの大阪少年が、16ビートで笑って泣かせる!第38回講談社児童文学新人賞受賞作。



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2007年02月05日

「削除ボーイズ0326」方波見大志

私にとって消してしまいたい事ってなんだろう?
すぐに思いつかないって事は、それなりに今の自分に満足しているってことなのかな? 悔しかったり苦しかったり辛かったり悲しかったりしたことも、過ぎてしまえばそれなりに昇華されているってことでしょうか?

削除ボーイズ0326 ★★★__
内容(「BOOK」データベースより)
主人公、直都が手に入れたのは、出来事を「削除」できる装置だった。削除したいのは深爪の傷、息苦しい現実、それとも忘れられない過ち?生命力に満ちた人物造形と疾走感あふれる筆致が織りなす、まったく新しいリアル・エンターテインメント。第1回ポプラ社小説大賞受賞。
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2006年11月27日

「チーム・バチスタの栄光」海堂尊

バチスタ手術の学術的正式名称は左心室縮小形成術。創始者R・バチスタ博士の名を冠した俗称の方が通りがよい…とありますが、正直、タイトル見ても「バチスタって何?」でした。表紙の注射器やメスの絵で何とか医療関係の話なのかなと予想。

前半は不定愁訴外来の田口公平医師が、医療に疎い読者にも分かるようなのんびりしたペースで関係者の聞き取り調査をします。でもこれって一体事件なの? こんなので真相に辿り着けるの?と思ったところに、破天荒な白鳥圭輔登場。
あの、ゆっくりゆっくり上っていって、一気に下っていくというジェットコースターの感覚。

ここでは明らかにされていない白鳥と高階病院長の関係とか、氷姫こと姫宮のこととか、気になります。次作では氷姫は登場するのかな? 是非お目にかかりたい。

チーム・バチスタの栄光 ★★★☆

出版社 / 著者からの内容紹介
東城大学医学部付属病院では、心臓移植の代替手術であるバチスタ手術の専門チーム「チーム・バチスタ」を作り、次々に成功を収めていた。ところが今、三例続けて術中死が発生している。しかも次は、海外からのゲリラ少年兵士が患者ということもあり、マスコミの注目を集めている。そこで内部調査の役目を押し付けられたのが、神経内科教室の万年講師で、不定愁訴外来責任者・田口と、厚生労働省の変人役人・白鳥だった……。


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2006年11月24日

「海辺でLSD」川島誠

LSDとはLong Slow Distanceの略称。スポーツ選手が体の基礎を作る時に行う長距離低負荷の運動のこと…だそうです。幻覚誘発剤のlysergic acid diethylamideのことではありません。でももしかすると、著者は掛け詞として使っているのかも。そんな少々退廃的な空気も漂っています。

主人公の海辺の街の沢井三兄弟。無口な長男の裕、おちゃべりな次男の零、そして末っ子のぼく(健)。ぼくは二人の兄が通った地元の高校ではなく、電車で一時間かかる県庁所在地の街にある進学校に進学し、陸上競技部に入部する。種目はロング・ディスタンス。長距離走(5000m)。

高校の陸上部と言えば、佐藤多佳子さんの「一瞬の風になれ」の春野台高校を思い浮かべますが、あの熱い熱い春高の仲間達に比べ、健の学校の陸上部は温度が低い。二年生の夏休みには受験勉強を始め、予備校に通うのが中心の生活。陸上部の練習は二年生は自主参加。主人公の健も、陸上一筋というわけではなく、年上の女の子と付き合ったり、禁止されているアルバイトをしたり。

「一瞬の風になれ」の熱くひたむきな春高陸上部の余韻のため、この冷めた空気に少々肩すかしを食ったような気持ちになりましたが、こういう高校生もたしかにいそうです。むしろ多数派かも。

海辺でLSD ★★★
内容(「BOOK」データベースより)
二人の兄のこと、兄の同級生で年上のガールフレンドのこと、遠い街の高校と陸上部、夏のバイト先のホテルで出会った宿泊客の老女…。何かを選び、何かを捨てながら、ゆっくりと大人になってゆく少年をスケッチするように描いた、まぶしいまでに瑞々しい、七つの物語。


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2006年10月09日

「アマゾニア」粕谷知世

歴史とファンタジーがほどよくミックスされたアマゾンの森を堪能することができました。物語の中にちらちらと挟み込まれる史実によって、ちょっと賢くなった気分も味わえます。

守護精霊<森の娘>に守られた女だけの部族である泉の部族。男子禁制の泉の森に男達が訪れるのは結びの宴に限られています。森には様々な部族が集落を作っている。鰐の部族、亀の部族、猿の部族、そしてオンサの部族。
大弓部隊長の赤弓はオンサの部族に家族を殺され、他の部族の協力を得て、その復習を果たします。
平和が訪れたかと思われた森にスペイン人の探検隊員が迷い込みます。髭のへレスと巻き毛のアルベルト。<森の娘>はへレスを長年待ちこがれた思い人だと主張する。守護精霊自身が掟を破って、男を招き入れる…泉の部族の運命や如何に。

先月から本の内容紹介はamazonさんから引用させてもらっているのですが、つい「こんな話よ」と紹介したくなる本でした。

赤弓が凛々しくて素敵です。守り人シリーズのバルサを思わせます。でも若い分迷いも多く、そこが可愛い。
夢見鳥、小夜鳥、夕羽など、その他の女たちの名前も美しいです。
私は実は外国が舞台の小説は苦手です。その理由の一つに、地名や名前が覚えられないというのがあります。「アマゾニア」はアマゾン川流域が舞台となっていますが、漢字を当てた女たちの名前が少しも不自然ではありませんでした。そして表意文字である漢字によって登場人物がとてもイメージしやすかったです。

アマゾニア ★★★★
内容(「MARC」データベースより)
家族を殺された怨みを抱く女戦士・赤弓。想い人に未練を残す守護精霊「森の娘」。復讐と再会が森の部族の平和な暮らしを揺るがす…。濃密な生命と聖霊に満ちた密林に展開する、魂の喪失と再生の物語


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2006年09月19日

「クロニカ 太陽と死者の記録」粕谷知世

マチュピチュ、クスコ、ナスカ…南米の文明に惹かれます。
それらが謎に包まれているだけに、余計に。
インカ文明は文字を持たなかったと言います。

文字を待たない彼らは、木乃伊と話す術を知っていました。(と、本書は語ります)
インカの終焉が、フランシスコ・ピサロが進撃した16世紀前期と、その約100年後を二重写しするような形で描かれます。
少年アマルたちに語る大祖様(ワマン)の木乃伊の口調は、おじいちゃんが孫に語るかのように、優しく朴訥で、温かい。
しかしその内容は過酷で哀しいものでした。

インカの歴史や風習など、詳しく深い知識の上に立って書かれているという印象を受けました。
著者の粕谷知世さんはイスパニア語科卒業とのこと。
地球儀で地名を確かめながら読んだり、「歴史新聞」でインカ関連の記事を探してみたり(インカの記事はほんのちょっとしか、なかったけれど)と、もっと「知りたい」気持ちにさせられました。

クロニカ?太陽と死者の記録 ★★★★
内容(「MARC」データベースより)
「文字の文化」イスパニアと「文字なき文化」インカ帝国との戦争-三人の牧童と信仰に悩む一人の少年の波乱に満ちた運命を壮大に描く、感動の年代記。第13回日本ファンタジーノベル大賞受賞
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2006年09月12日

「ひなのころ」粕谷知世

ひなのころ ★★★★
描かれている「家」がとても懐かしい。
子どもの頃を思い出しました。
タイルが描く模様とか、外便所とか、額縁のご先祖様とか。
天井の木目が妙に怖かった幼い頃。
埃とクモの巣だらけの物置となった天井裏。
今は建て替えられてしまった私の実家のかつての姿が甦るようでした。

梨木香歩さんの「りかさん」を思い出させるシーンもあります。

内容(「MARC」データベースより)ゆうべのことは、おひなさんとわたしだけの秘密なんだね…。懐かしい風景の中、四季を通して風美が経験するちょっと不思議な出来事。季節のおとないとともに成長する少女と家族を描いた物語。
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2005年07月26日

「夏のこどもたち」川島誠

夏のこどもたち 表題作+3つの短編。子どもたち(小中学生)を描いている。
 笑われたい…中一の四月に転校してきたケンジ(佐藤健司)はギャグをやり続けた。ケンジは二年の春、俺と同じバスケットボール部にはいってきた。
 インステップ…ぼく:高井雅弘は五年生の五月に転校してきた。前の学校でもやっていたサッカークラブに入るが…。
 バトン・パス…リレーに出場することになった。六年生の部。ぼくは第三走者。
 夏の子どもたち…ぼく(朽木元)は十段階評価で五教科がオール10、小学校からずっと学級委員をやってきたような優等生だ。ぼくには左目がない。担任の瀬川先生が、ぼくを校則問題特別委員に指名する。その委員会で転校生の中井に出会う。

 笹生陽子さんの描く小中学生達が「陽」ならば、こちらは「陰」に近いかもしれません。表題作や「笑われたい」の語り手の、同級生や大人を見つめる冷めた目にドキッとさせられます。
 この中ではラストにほっとできる「バトン・パス」が好き。

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2005年05月03日

「インディゴの夜」加藤実秋

インディゴの夜 私:高原晶のフリーライターとしていろんな仕事をしてきたが、最近は健康ものの実用書のゴーストがほとんど。それは表の顔。ちょっとした思いつきの言葉がきっかけとなり、編集者の塩谷さんとともにのオーナーとなる。は渋谷の片隅の一風変わったホストクラブ。
 晶とindigoの仲間たちが街で起こった事件を追ってゆく連作短編。インディゴの夜/原色の娘/センター街NPボーイズ/夜を駆る者の4編。表題作は創元推理短編賞受賞。

 ホストクラブなんぞ今までもこれからも私には縁のないところ。こうやって小説の中でのぞき見るくらいがちょうどいい。
 都会の夜の街が舞台となっているにしてはさほどドロドロしてなくてヴァイオレンス要素も少なく、テンポの良い語り口で読みやすかったです。個性豊かな男の子たちの不思議な名前の由来や、敏腕マネージャー憂夜さんと塩谷さんの関係も気になるところ。

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2002年10月07日

「レヴォリューション No.3」金城一紀

 有名進学校ばかりが集まっている新宿区の中に陸の孤島のごとく存在している典型的オチコボレ男子校が僕の通う高校だ。『ザ・ゾンビーズ』は良家の子女がかよう『聖和女学院』の学園祭に乗り込むべく、今年もまた作戦を練る。 レヴォリューション No.3/ラン、ボーイス、ラン/異教徒たちの踊り
 前作の『GO』が良かっただけに、ちょっと読むのが怖かったけれど(2作目でガッカリ…というのはよくある話)、これも良かったです。『ごくせん』に出てくるような高校生たちのお話。真っ直ぐなオチコボレ高校生たちがとても微笑ましい。

レヴォリューションNo.3
金城 一紀
講談社 2001-09-30


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参考:ごくせん (1)

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2002年09月14日

「かりそめエマノン」梶尾真治

 荏口拓麻は養護施設:愛護園から小学校に上がる前に今の両親に引き取られた。彼には愛護園にやってきたと時に、一人ではなかったというぼんやりとした記憶があった。握っていたその手は誰のものだったのか?
 エマノンのシリーズとしてはめずらしく長編です。双子の兄妹として生まれてきた二人。その存在の意味は…。エマノンの世代交代の仕組み(?)が分かったかな。拓麻くんもなかなか心惹かれる人物像でした
かりそめエマノン
梶尾 真治
徳間書店 2001-10


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2001年05月20日

「タンポポの雪が降ってた」加納諒一

 若き日の想い出の1ページを描き出した短編集。 海を撃つ日/タンポポの雪が降ってた/世界は夜に終わる/ジンバラン・カフェ/歳月/大空と大地/不良の樹
 淡々とした筆致で、過去の‘ある日’を描いています。記憶の底の‘ある日’は人生の分岐点となった日かもしれない。

タンポポの雪が降ってた
香納 諒一
角川書店 2001-03


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2001年02月14日

「おもいでエマノン」梶尾真治

 ジーンズに粗編みのセーター。胸まである長い髪。彫りの深い異国的な顔立ちのそばかすの少女。ナップザックに縫い込まれたE・Nのイニシャル。NO NAMEの逆さ綴り:エマノン。地球に生物が生まれてからの記憶をもつエマノンをめぐる短編集。 おもいでエマノン/さかしまエングラム/ゆくずりアムネジア/とまどいマクトゥーヴ/うらぎりガリオン/たそがれコンタクト/しおかぜエヴォリューション/あしびきデイドリーム
 1983年に出版されたものに、「あしびきデイドリーム」を加えて刊行されたもののようです。20年ぐらい前に書かれたものですが、あまり古さを感じませんでした。
おもいでエマノン
梶尾 真治
徳間書店 2000-09


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2000年12月04日

「黄泉がえり」梶尾真治

 熊本市周辺で奇妙な現象が起こっていた。何年も前に死んだ人たちが、その当時の姿のまま、戻ってくるという。戸惑う周囲の人々、混乱する行政。
 死者のよみがえりというと小野不由美さんの『屍鬼』のようなおどろおどろしいものを思い浮かべましたが、本書は爽やか系でした。恩田陸さんの『月の裏側』といろんな面で似通いつつ対照的。“水の町”と“火の国”という場面設定がそのまま両作品の印象となっているように思います。
黄泉がえり
梶尾 真治
新潮社 2002-11


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2000年11月12日

「大江山幻鬼行」加門七海

 『鬼』をテーマにした小説依頼を受けたものの、アイディアが湧かない。十年来の友人朝子に相談すると、大江山への取材を勧められ、一枚のキアゲハの写真を見せられる。揚羽蝶には“鬼車”という別名があるという。
 “鬼”というと思い出すのが、木原敏江さんのマンガ『夢の碑』。けっこう好きだったのよね。加門さんも鬼びいきということで、他の伝奇ものを読んでみたいなという気持ちにさせられました。本書は案内編って感じかな。

大江山幻鬼行
加門 七海
祥伝社 2000-10


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参考:大江山花伝 - 夢の碑番外編
大江山花伝- 夢の碑番外編


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2000年08月15日

「GO」金城一紀

 韓国籍の“僕”は日本で生まれ、日本に暮らしている。今は高校三年生。中学2年までは朝鮮籍だった。中学までは民族学校に通っていたが、今は日本の高校に「杉原」という通称名で通っている。腕っ節が強く、周囲からは一目置かれる存在。そんな“僕”の前に「桜井」という美しい少女が現れ、二人楽しい時を過ごす。
 直木賞受賞作。とてもいい。文体が若々しくて、登場人物たちもまっすぐで、心地よい小説。“国籍”ということ、今の日本という国についても考えさせられます。冒頭の『ロミオとジュリエット』からの引用も効果的。

GO
金城 一紀
講談社 2003-03


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1999年11月01日

「学校崩壊」河上亮一

 現役中学教師が現代の教育現場について語る。
 よく聞くような話や論説ばかりで、表題の割には切迫感がない。懐古的な印象が強く、共感できる部分は少なかった。不登校の対応については著者と同感である。

学校崩壊
河上 亮一
草思社 1999-02


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1999年09月06日

「インターネット・マザー」香川リカ

 精神科医の著者が、近年の世相や事件に触れながら、現代の若者や電子メディアについて語る。
 「電子メディア、電子ネットワークなどの空間は、人に『ふたつの顔』を矛盾なく持つことを可能にする力を持っている」・・・妙に納得できる言葉。ネットの中の私は、私であって、私ではない。

インターネット・マザー
香山 リカ
河出書房新社 2002-06


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1999年01月22日

「テレビゲームと癒し」香山リカ

 子どもに悪影響を与えるのでは…と、とかく悪者になりがちなテレビゲームだが、果たして本当にテレビゲームは有害なのか、自らの体験や精神科医としての臨床例からテレビゲームの「癒し」としての作用に目を向ける。
 “ゲーム研究の場合は、最初に研究者が「好き」という態度で臨むか、それとも「嫌い」「心配だ」という態度で臨むかによって、結論がほぼ決定されてしまう傾向にある。”“それまでのゲーム研究がいかに研究者の主観に依存し、科学的でなかったか”“先入観や主観とは無縁の科学的研究を数多く行う必要がある”(「第2章 ゲーム批判の系譜」より)
 そういえば、テレビもマンガも世に出た当初は「悪者」にされてたよね。

テレビゲームと癒し
香山 リカ
岩波書店 1996-10


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1999年01月09日

「こどもはおもしろい」河合隼雄

 臨床心理学者:河合隼雄氏と、現職の教師および教経験者との対談集。
 ユニークな実践をされている先生方の話は興味深い。とりわけ画家の安野光雄氏(小学校での美術教師の経験有り)との対談がおもしろかった。

こどもはおもしろい
河合 隼雄
講談社 1995-10


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1998年12月06日

「愛するもののために ある母の教師とのたたかい」門野晴子

 門野晴子…最近書店で目にしたような気がする。たしかNHKの朝のドラマ「天うらら」の原案本「寝たきり婆…」とかいうエッセイの筆者ではなかったかな。図書館でその名前にひかれてふと手にしてパラパラっとめくってみた。面白い!
 学校・教師・PTA・そして同じ立場の母親達までも「本音」で一刀両断にしている。自称“教育難民親子”は教育安住の地を求めて転々とするが、学校にモノ言う親はどこに行こうが、“住めば地獄”。そんな筆者の16年間の学校との“ケンカ”のノウハウがここにある。読めばすっきり。でも門野さんにはなれそうにないわ・・・あっ、どこからか叱責の声が。「あなたは、親でしょ!」
 それにしても、この本、タイトルで損してると思う。

愛するもののために-ある母の教師とのたたかい
門野 晴子
学陽書房 1987-10


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