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2007年03月05日

「東京バンドワゴン」小路幸也

東京下町の古本屋さんを舞台とした4世代8人家族の賑やかな日々。ちょっとした謎解き有り人情話有りと、楽しい展開。和気藹々のホームドラマ。

最初に登場人物紹介はあるものの、家族の多さに誰が誰だか分からなくなりました。そこで家系図(名前と年齢)をメモに書いてみました。そうするとすっきり。続柄もばっちり頭に入りました。この方法はオススメです。

東京バンドワゴン ★★★☆_
下町の老舗古書店「東京バンドワゴン」。ちょっと風変わりな四世代の大家族が、転がりこんでくる事件を解決する。おかしくて、時に切なく優しい、下町情緒あふれる春夏秋冬の物語。
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2007年02月26日

「若者はなぜ3年で辞めるのか?」城繁幸

サブタイトルは「年功序列が奪う日本の未来」
2000年の厚生省の調査では大卒入社3年以内に離職した人が、36.5%だとか。3人に一人が辞めていることになります。
タイトルから予想した内容は、仕事をすぐに辞めてしまう若者への、年長者からの苦言かと思っていました。
ところが著者は1973年生まれ。この本が出版されたときは32〜3歳だったと思われます。つまり本書は「若者の視点」からの主張・提言と言えそうです。
昭和型の年功序列制のほころびと、それでもなお年功序列から抜け出せない企業。既卒者の現実は「再チャレンジ」には程遠いもののようです。この先、日本はどうなるんだろう。

若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来 ★★★☆_
内容(「MARC」データベースより)
仕事がつまらない、先が見えない。若者が感じる閉塞感の原因はどこに? 3年で3割辞める新卒離職率、心の病を抱える30代社員の急増、ニート、フリーター問題…。若者の視点でいまの若者をとりまく問題の核心に迫る。


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2007年01月14日

「ショートカット」柴崎友香

柴崎さんは初読みの作家さんです。芥川賞候補とのことだったので、図書館で見かけたこの本を借りてみました。
短編集。「ショートカット」「やさしさ」「パーティー」「ポラロイド」の4編。

空間の距離、時間の距離、心の距離。空間の移動に使われるのは、電車やバスや船、そして徒歩だったり自転車だったり。「マイカー」が出てこないことで、その空間の距離がより切実なものに感じられました。そして空間を繋ぐ電話という媒体の優しさと頼りなさ。
空間や距離感を表したものとして、電車のドアに挟まれた鞄の内と外、蝉の鳴き声とその分布の話などが印象的でした。
登場人物の大阪弁が心地よいです。

でも島本理生さんの 「ナラタージュ」でも感じたことですが、私はやはり若い女性が書く恋愛小説というのは苦手です。

ショートカット ★★★__
内容(「MARC」データベースより)
遠くにいる人を好きなのはとてもつらい。でも、離れた場所や時間でも、会いたいと思えば会える-。遠く離れて恋する男女のせつない思いを描く。


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2006年12月29日

「東京公園」小路幸也

公園の家族を写真に撮る圭司。彼が写し出す昼下がりの公園の空気をそのまま切り取ったようなお話でした。光に満ちていて暖かくて穏やかで。彼がレンズを通して見る、百合香さんやかりんちゃんの笑顔の描写は読んでいてドキッとするくらい美しくて、愛らしいです。
でも、このお話を「きれいな写真」…絵空事としか思えない。そんなふうに感じてしまう自分が、そして今の社会が寂しいです。美しいものを見つけようとする努力が必要なのかな。暖かくなったら公園を散歩してみよう。きれいなモノを探してみよう。

東京公園 ★★★☆_
内容(「BOOK」データベースより)
「幼い娘と公園に出かける妻を尾行して、写真を撮ってほしい」?くつろぐ親子の写真を撮ることを趣味にしている大学生の圭司は、ある日偶然出会った男から奇妙な頼み事をされる。バイト感覚で引き受けた圭司だが、いつのまにかファインダーを通して、話したこともない美しい被写体に恋をしている自分に気づく…。すれ違ったり、ぶつかったり、絡まったりしながらも暖かい光を浴びて芽吹く、柔らかな恋の物語。


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2006年12月16日

「キサトア」小路幸也

キサとトアは6歳の双子の女の子。お兄ちゃんのアーチの友達は二人のことをキサトアちゃんと呼びます。
懐かしいなぁ。我が家の双子姉妹A&Bも小学生時代は友達やご近所のお母さん達から、BAちゃんって呼ばれていました。(ABちゃんと呼ぶ人もいましたが、BAの方が言いやすかったのか、主流)中学生になってから一纏めにBAちゃんと呼ばれることは少なくなったかな。
キサとトアの舌足らずの言葉や、二人が作った歌のことを読むと、娘たちの小さい頃のカタコトや自由きままな節を付けてなにやら訳の分からない歌を歌っていたことを思い出します。
キサトアの年齢から10年も年を重ねた我が家の双子達。愛くるしかった子どもらしい仕草はいつの間にか失われてしまいました。でもフウガさんのこんな言葉がありました。「なにかを失っているんじゃない。逆になにかを得ているんだ」

それにしても、以前は双子の出てくる話を読むと、「その年齢の頃に娘たちはどうなっているだろう」と思いを馳せていたのが、「あの頃はあんなだったなぁ」なんて懐かしむようになってしまいました。そんなことを再確認した物語。

描き出される風景も、登場する人々も、みな穏やかで優しい。静かに心に満ちてくるようなお話でした。

キサトア ★★★☆_
内容(「BOOK」データベースより)
色を失くした僕と、時間を失くした妹たちが海辺の町をかけめぐる日々。僕らの心の中にある、世界のほとりの物語。


子ども向けに書かれるお話は、メッセージがそのままの言葉で書かれていて、そのストレートなメッセージが心にぶつかります。それが良いのか悪いのかはよく分からないのだけれど。

以下はちょっと書き残してみたくなったの言葉です。未読の方はこれから先は読まないでください。続きを読む

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2006年11月30日

「チェーザレ・ボルジア あるいは優雅なる冷酷」塩野七生

何とか最後まで読み通すことができました。
15世紀末から16世紀初めのイタリアに生きたチェーザレ・ボルジア。彼の生涯を読みながら、ふと織田信長を思い浮かべました。強くて残酷で、国の統一を目前にしながら、運命に見放される…。ちょっと似ていませんか。そういえば、チェーザレの妹:ルクレツィアと、織田信長の妹のお市の方も、似通った運命にあるような。
とりあえず、チェーザレ・ボルジアという人物の辿った道筋はおぼろに見えてきたかな。世界史のこの時代のことって全く頭に入っていません。でもちょこっと知っている人物(レオナルド・ダ・ヴィンチやカテリーナ・スフォルツァ)が登場すると、わくわくしました。だから歴史好きの人はもっと楽しめるのだろうと思います。
そしてタイトルが格好いい。

チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷 ★★★

(裏表紙紹介文より)
ルネサンス期、初めてイタリア統一の野望をいだいた一人の若者……父である法王アレッサンドロ六世の教会勢力を背景に、弟妹を利用し、妻方の親族フランス王ルイ十二世の全面的援助を受け、自分の王国を創立しようとする。
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2006年05月31日

「花まんま」朱川湊人

昭和30〜40年代の大阪の下町を舞台としたちょっと不思議な6つの短編。直木賞受賞作。
「トカビの夜」…私(ユキオ)とチェンホを結びつけたのは“怪獣”だった。それはチェンホが亡くなって一週間ばかりした頃から起こり始めた。
「妖精生物」…私(世津子)が十歳の時に、国電の高架下にいた男から買った奇妙な生き物“妖精生物”。男は「幸せを運んでくれる生き物」と言ったが…。
「摩訶不思議」…アキラの叔父:ツトムのおっちゃんが死んだ。酔っぱらって歩道橋の階段から落っこちて。そんなおっちゃんを乗せた霊柩車が動かなくなってしまう。たこ焼きの二本の爪楊枝。
「花まんま」…フミ子は俺(俊樹)の三歳下の妹。4歳の冬の夜を境に可愛かったフミ子がガラリと変わってしまった。
「送りん婆」…小学三年生の夏、私(みさ子)は初めてオクリンバァの手伝いをし、キヨちゃんの父親を送った。
「凍蝶」…私(ミチオ)は兄が話していた鉄橋人間のように寂しい少年だった。転校生のマサヒロと仲良くなったのも束の間、またひとりぽっちに逆戻り。そんな時、M霊園で私はミワさんに出会う。

 6つの物語はすべて回想として書かれています。語り手が自らの子ども時代を振り返ります。その子ども時代というのが、ちょうど私の子どもの頃と重なります。ウルトラマンに出てくる怪獣、ピースマーク、コインロッカーベビー、妖怪人間ベム…物語にちりばめられたそんな小物によって、当時のことが懐かしく思い出されました。著者と同年代というのはこういうのがいいですね。
 特に心に残ったのは表題作の「花まんま」と「トカビの夜」でしょうか。「花まんま」のフミ子が作ったお弁当。幼い頃、花を摘んで同じような遊びをしたものでした。
 「送りん婆」はデスノートを思い浮かべました。

花まんま ★★★★


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2005年06月28日

「ナラタージュ」島本理生

ナラタージュ 大学2年の春、私:工藤泉の携帯電話から聞こえてきたのは高校の演劇部の顧問だった葉山貴司の声だった。夏休み明けの始業式で発表する芝居に卒業生として参加して欲しいというものだった。同期の山田志緒、黒川博文と彼の友人の小野玲二と在校生3人、葉山先生が、高校の教室で顔合わせをする。
 揺れ動く若い心の一年間を描く。
 
 帯に書かれた言葉は「二十歳の恋」「情熱的な恋愛小説」……これを見たとき、読まなくてもいいかなと思っていたんです。でもネットのレビューではかなり高く評価している人が多く、島本さんの淡々とした透明感のある文体は嫌いじゃないので、手に取ってみました。
 読後思ったこと……やはり私は「恋愛小説」は苦手。若い頃に読んだらもっと共感できたのかなぁ。演劇部の練習のところなどは結構好きでした。「恋愛小説」って銘打たれていなかったら、別の読み方が出来たかもしれないのに、残念。

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2005年06月15日

「がんばっていきまっしょい」敷村良子

がんばっていきまっしょい 篠村悦子が入学した松山東高校には女子ボート部がなかった。悦子は女子部を設立するが、最低5人は必要なメンバーが集まらない。しばらくは男子部と一緒に練習することになった。
 高校入学から高2の新人戦までを描いた表題作と、その後の悦子の卒業までを描いた「イージーオール」の2編収載。「がんばっていきまっしょい」は第4回坊ちゃん文学賞受賞作。

 7月から放映されるTVドラマにあわせての文庫化。再読です。
 舞台は昭和50年代の四国松山。高校時代の劣等感や挫折感、やり遂げた達成感、部活動の仲間ならではの友情、ほのかな恋愛……そんなものが詰まっていて、自分の高校時代が懐かしく思い出されます。

 以下は個人的な思い出話中心になります。続きを読む

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2005年06月14日

「都市伝説セピア」朱川湊人

都市伝説セピア 短編集。「フクロウ男」は第41回オール讀物推理小説新人賞受賞作。
「アイスマン」 私:カズキは二十五年前の夏祭りでノンコという少女に誘われ、「河童の氷漬け」なるものを見た。
「昨日公園」 三十数年前、遠藤は悪友のマチこと町田隆男とこの公園でキャッチボールをしていた。その日の夕方、マチはタクシーに撥ねられる。
「フクロウ男」 フクロウ男は人間界に紛れ込んだフクロウの化身。男が鳴いたら、同じ鳴き真似を返さなければならない…そんな都市伝説。僕はそのフクロウ男だ。
「死者恋」 女流画家・鼎凛子がフリーライターの久美子に、人生を変えた激しい恋の話を語る。凛子が朔田公彦を知ったのは死の前日までの彼の日記をまとめた一冊の本だった。
「月の石」 藤田が乗る通勤電車の窓から見える煉瓦色のマンションの窓辺に、会社をリストラされた本村が佇んでいた。

 都市伝説…という表題の通り、ちょっぴり怖くて禍々しい、でもどこか懐かしく切なげな短編集。どれも完成度が高く読み応えあります。
 「昨日公園」の切なさが好き。

以下、ちょっぴりネタばれを含みます。続きを読む

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2005年05月11日

「さよならの空」朱川湊人

さよならの空 二十世紀後半にオゾンの破壊を加速度的に進める物質:フロンが誕生した。テレサ・クライントンが発明したウェアジゾンはフロン分子と結合しオゾンを破壊する力をなくさせる物質である。オゾンホールの拡大を防ぐために地球規模でのウェアジゾンの散布が始められた。しかしそれには「夕焼けを消してしまう」という思わぬ副作用があった。

 老科学者:テレサと弟を交通事故で失った少年:トモル、そして謎のキャラメル・ボーイが、日本での夕焼け最後の日を案内してくれます。
 プロローグにノックアウトされました。図書館でこの3ページを読んで「読みたい!」と思いました。
 人物設定も展開もよく楽しめたのですが、小さくまとまっちゃったかなという印象。もっとふくらませてもっと書き込んで欲しかった。この2倍くらいの分量の長編で読みたかったです。続きを読む

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2005年04月16日

「指の音楽」志賀泉

指の音楽 僕:小林は美術系大学の映像学部の三年生。「セルフプローモーションビデオ」という課題制作のため、幼なじみの達雄に協力を頼み、故郷の廃線になった鉄道を撮ることにした。その踏み切りでは9年前に同い年のミドリちゃんが事故死していた。大学に戻った僕は、右手の人差し指の先がない女の子:筑紫らいなに出会う。
 第20回太宰治賞受賞作。

 描かれている風景が印象的でした。炎天下の踏み切りわきに咲くヒマワリ、漉き舟で和紙を漉くらいなと水、和紙の茶室が見せるさまざまな表情。映像で見てみたくなるような情景でした。しっとりとした美しい物語でした。

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2005年04月01日

「野ブタ。をプロデュース」白岩玄

野ブタ。をプロデュース 桐谷修二。高校2年生。彼の語りで物語は進んでいく。学校生活や友人関係に内心嫌悪感・違和感を覚えながらも、そんなことはおくびにも出さずスマートな人気者「桐谷修二」を演じる毎日。11月のある日、クラスに編入生:小谷信太がやってくる。オドオドしたデブのそいつはクラスメイトからはシカトされ、不良たちのイジメの対象となる。そんな彼をプロデュースし、クラスの愛する人気者にする。修二と野ブタの二人三脚が始まる。
 文芸賞受賞作。芥川賞の最終選考に残った作品。

 軽快な語り口、テンポの良い展開。修二の思惑通りに野ブタこと小谷がクラスに馴染んでいく過程を楽しめました。が、ここを楽しく読んだだけに、ラストへの展開に気持ちが沈みました。

以下は既読の方のみどうぞ。続きを読む

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2005年03月23日

「僕の双子の妹たち」白石公子

 安藤直毅24才、郵便配達員。家族は四才違いの双子の妹:実のりと穂のか。そして二世帯住宅の離れで暮らす祖父。両親が交通事故で急逝した後の安藤家の2年半を描く。

 この本を手に取ったのは題名に惹かれたから。うちにも双子の姉妹がいますから。
 「僕の双子の妹たち」…という、いとおしさと慈しみと独占欲のこもった兄バカの言葉で始まります。ほのぼのとしたお話かなと思いきや、‘僕’は両親の交通事故死、実のりの不倫問題、失恋etc.という具合に結構深刻な問題を抱えています。祖父の作った夕食を兄妹がそろって食べる。お互いを気遣いながら…この構図が瀬尾まいこさんの「幸福な食卓」と重なりました。
 それにしてもじいちゃんのお料理が美味しそうでした。ともすれば暗くなりがちな物語に、ぽっと灯りがともる感じでした。疲れた心をいちばん癒してくれるのは美味しい食べ物なのかもしれません。
僕の双子の妹たち
白石 公子
集英社 2004-06




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2002年11月16日

「ゴージャス」篠原一

 1989年1月7日。昭和天皇崩御のその日、僕:椎名憧子は大本命の中学校に落っこちた。その結果、弾みで入学した浮世ばなれした学校で十代の大半を過ごすことになる。そして高2。僕の成績は惨憺たるものだった。春休みから筆を折っていた僕だったが、5月には小説を書くべくノートパソコンを開けていた。
 17才で文学界新人賞を受賞した著者の自伝的小説とのこと。我が家の娘たちも将来の夢は作家だそうだけれど、高校生ぐらいになると親に隠れて学校のお勉強もそっちのけに、コソコソと小説なんか書いてたりするのかしら? ううむ、心配じゃ。
ゴージャス
篠原 一
角川書店 1998-12


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2001年02月18日

「ハサミ男」殊能将之

 ハサミ男の三番目の犠牲者として、樽宮由紀子に白羽の矢が当たった。出版社にアルバイトとして働くかたわら、由紀子の周辺を調査しつつ、自殺未遂を繰り返す“ハサミ男”。
 “ハサミ男”というタイトルに猟奇的な雰囲気を感じ、また“本格推理”というのはいまひとつわたしにはしっくりこなくて、敬遠していた作品でした。
 が、いざ読んでみると…気持ちよくだまされました。脱帽です。文字で読んでこその楽しみが味わえる作品って大好き。
ハサミ男
殊能 将之
講談社 2002-08


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2001年02月07日

「みんな家族」清水義範

 64年1月7日。テレビをつけた作家:百瀬昭範は、妻の初美に「おーい、大変」と声をかける。天皇崩御。昭範は名古屋に住む父の喜久雄に取材依頼の電話をする。
 この小説の登場人物は“みんな家族”です。昭和という時代を生きた小市民の姿が、“昭範”“初美”の祖父母の代からの家族の生き様に映し出されています。
みんな家族
清水 義範
文芸春秋 2004-08


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2000年11月07日

「やっとかめ探偵団とゴミ袋の死体」清水義範

 名古屋市中川区。分別ができているかゴミ置き場をチェックしていた早坂千代は、破れたゴミ袋の中に、人間の腕を発見。お菓子屋「ことぶき屋」の波川まつ尾ばあさんたちの推理開始!
 清水義範といえば、10年ぐらい前にはまり、何冊か読みました。「蕎麦ときしめん」「国語入試問題必勝法」「神々の午睡」tec. その中に「やっとかめ探偵団」もあったはず。(内容はすっかり忘れちゃったけど)ばあちゃんたちのキャラも良いし、テンポも良い。ゴミ問題のお勉強にもなります。
やっとかめ探偵団とゴミ袋の死体
清水 義範
祥伝社 2000-10


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1999年11月21日

「父と母 悔恨の手記「少年A」この子を生んで……」「少年A」の父母

 神戸の事件の父母の手記。どうしてあの事件は起こったのか?どんな家庭環境に育ったのか? この手記を読む限りにおいては、両親は我が子を思い、我が子の罪を嘆く、どこにでもごく普通にいるような親にしか見えなかった。
 私は自分の子どものことを、どれだけ知っているのだろう?
「少年A」この子を生んで…… 父と母悔恨の手記
「少年A」の父母
文芸春秋 2001-07


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1998年12月26日

「明日は明日のカキクケコ」敷村良子

 3月。大学の合格発表ボードに有田温子の受験番号はなかった。しかし、四国の西の果ての実家に戻る気はない。東京の街をさまよい、予備校目指したつもりが、たどり着いたのは専修学校帝京ビジネスアカデミー。田舎出のさえない女の子の等身大の物語が始まる。
 著者の敷村さんとは高校時代同じ教室で過ごしたことがある。映画化された「がんばっていきまっしょい」の原作が彼女。著者を知っていると、頭の中で主人公をその人に置き換えてしまう。
同世代だけに共感できる描写が多い。たとえば自分たちの世代を語っているこの言葉。「日本の経済と一緒に成長し、心に制服を着て、共通一次に凝縮された受験システムに取り込まれ、政治や経済に関心を持たないように去勢された子供たち」

明日は明日のカキクケコ
敷村 良子
マガジンハウス 1998-08


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