:ゆ

2005年02月23日

「わたしのおじさん」湯本香樹実 植田真・画

わたしのおじさん
湯本 香樹実
偕成社 2004-10


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なぜかこの本は声に出して読みたい気分になりました。
80ページほどの薄い本で、余白が多く、挿し絵がたくさん入っています。

娘達が幼い頃は絵本を読み聞かせたりしたものでしたが、もう10年も前のこと。
久しぶりの音読は滑舌悪く、詰まることもしばしば。
でも声に出して読むと、目だけで読むよりも、描かれている情景がより浮かび上がってくるように感じました。
なかなか楽しい。

3分の1くらい読み進めた頃、「わたし」と「コウちゃん」の関係がわかってきました。
音読する自分の声がふるえました。

あまんきみこさんの「きつねのおきゃくさま」という絵本を娘達に読み聞かせた時、最後には涙声になってしまったことを思い出しました。

余白いっぱい挿し絵いっぱいの薄い本とはいえ、80ページの本ですので、幼児向け絵本とは量がちがいます。
でも最後まで音読しました。涙もいっぱい出ました。
もし目だけで読んだなら、涙は出なかったかもしれません。

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1999年08月30日

「ポプラの秋」湯本香樹実

 「ポプラ荘」のおばあさんが亡くなったという佐々木さんからの電話。18年前、父を亡くしたばかりの私:千秋と母が、3年間暮らしていたポプラ荘。おばあちゃんとの日々がよみがえる。
 「夏の庭」同様、老人と子どもの心の交流が温かく描かれている。黄金色に色づいた揺れ、散るポプラの枝葉がやさしく心に映る。

ポプラの秋
湯本 香樹実
新潮社 1997-06


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1999年06月22日

「夏の庭 The Friends」湯本香樹実

 木山、山下、河辺は小学6年生の少年。6月、山下がおばあちゃんのお葬式で、学校を休む。「死ぬってどういうことなんだろう。死んだ人を見たい。」三人は近所に住む一人暮らしのおじいさんが、死なないか見張ることになる。
 書店で新刊の文庫の解説文に心惹かれ、図書館で探してみた。ドロドロしたミステリに食傷気味なときには、こういう小学高学年〜中学生向きの上質な物語が、心に沁みてくる。

夏の庭 The Friends
湯本 香樹実
新潮社 1994-03


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1999年03月22日

「心室細動」結城五郎

 医学部第三内科学教室の助教授:上原健治。教授選を前にした彼の元に、かつて勤務していた久保木記念病院の婦長:谷山智子から一通の封書が届く。20年前の医療過誤事件がよみがえってくる。
 サントリーミステリー大賞作ということで読んでみたが、私にはいまひとつ。登場人物にあまり魅力を感じられなかった。

心室細動
結城 五郎
文芸春秋 2001-06


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