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2007年02月22日

「犬は本よりも電信柱が好き」吉野朔実

漫画エッセイ第4弾。
父→母→弟ときて、どうして犬なんだろうと思いましたが、吉野さん、犬を飼われているのですね。コーギーの「こおり」ちゃん。室内犬と本との共生はなかなか大変そうです。

この第4弾は読んだ本もあまりなかったし、私の食指が動く本もあまりありませんでした。
うんうんと頷いたのは、「待ち合わせは本屋で」。うちも家族で待ち合わせるときは、たいてい本屋さんです。

犬は本よりも電信柱が好き ★★★__
内容(「MARC」データベースより)
タイムスリップするということ、犬は本よりも電信柱が好き、ロンドンの古本屋、待ち合わせは本屋で…。『本の雑誌』などに掲載したものをまとめる。好調マンガ読書エッセイシリーズ第4弾。

その他の吉野朔実劇場の感想メモ
お父さんは時代小説が大好き
お母さんは『赤毛のアン』が大好き
弟の家には本棚がない続きを読む

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2007年01月30日

「さよなら妖精」米澤穂信

4月の雨の日に出会ったマーヤと名乗る不思議な日本語を話す少女は、ユーゴスラヴィアという国から来たと言います。マーヤが日本に滞在したのはほんの2ヶ月ちょっと。日常の中にちょっとした不思議を見つけるマーヤと、それを何とか説明しようとする高校生の守屋路行や太刀洗万智。その姿はあまりに日常的で、登場人物たち同様にだんだんとマーヤに親しみを感じてきます。それ故に別れはせつなく、「ユーゴスラヴィア」もまた、この本を読む前とは違った意味を持つようになりました。

この小説に描かれているのは1991年の春から夏にかけてと1992年の夏。15年の時を経てマーヤの故郷は今どうなっているのか…今までよりは関心を持って海外ニュースを見ることになりそうです。

それにしても、マーヤに日本語を教えた日本人って、どういう人だったんだろう?

さよなら妖精 ★★★★_
内容(「BOOK」データベースより)
一九九一年四月。雨宿りをするひとりの少女との偶然の出会いが、謎に満ちた日々への扉を開けた。遠い国からはるばるおれたちの街にやって来た少女、マーヤ。彼女と過ごす、謎に満ちた日常。そして彼女が帰国した後、おれたちの最大の謎解きが始まる。覗き込んでくる目、カールがかった黒髪、白い首筋、『哲学的意味がありますか?』、そして紫陽花。謎を解く鍵は記憶のなかに?。忘れ難い余韻をもたらす、出会いと祈りの物語。気鋭の新人が贈る清新な力作。

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2007年01月16日

「ボトルネック」米澤穂信

表紙の絵は東尋坊の絶壁と思われます。東尋坊は地名の由来が、そこから突き落とされた僧の名前であるとか、自殺の名所とか、かなり負のイメージ。そしてここが舞台となっている本書もまた、プラスのイメージとは言い難いです。
東尋坊には高校の修学旅行で行ったはずなのだけれど、どんなところだったか全く覚えていないのが悔しい。
【ボトルネック】
瓶の首は細くなっていて、水の流れを妨げる。
そこから、システム全体の効率を上げる場合の妨げとなる部分のことを、ボトルネックと呼ぶ。
全体の向上のためには、まずボトルネックを排除しなければならない。(p.127)

狭い通路や交通渋滞の箇所なども、ボトルネックと言うようです。通学路のイチョウの木はまさにその象徴。でも、それって「まず排除しなければならない」ものなのでしょうか? 自分の中で何かわだかまっていますが、それが何なのか答えは見つかりません。樹木のある風景、私は好きです。交通の流れは多少滞るかもしれないけれど。

金沢市内の「香林坊」という地名がでてくるのですが、Wikipediaで調べたところ、香林坊も東尋坊同様、僧の名前なのですね。比叡山の僧であった香林坊が還俗して、この地の町人向田家の嗣子となり、目薬の製造販売に成功して「香林坊家」として繁栄したのだとか。
絶壁から突き落とされた東尋坊と、還俗して家を繁栄させた香林坊。この二つの地名もなにやら象徴的です。

ボトルネック ★★★☆_
内容(「BOOK」データベースより)
恋人を弔うため東尋坊に来ていた僕は、強い眩暈に襲われ、そのまま崖下へ落ちてしまった。?はずだった。ところが、気づけば見慣れた金沢の街中にいる。不可解な想いを胸に自宅へ戻ると、存在しないはずの「姉」に出迎えられた。どうやらここは、「僕の産まれなかった世界」らしい。


以下は、未読の方は読まないでください。続きを読む

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2006年11月22日

「弟の家には本棚がない」吉野朔実

「お母さんは『赤毛のアン』が大好き」「お父さんが時代小説が大好き」に続く、漫画エッセイ吉野朔実劇場第3弾。

吉野さんは小学校高学年で初めて「星の王子さま」を読んだとき、あまり面白いと思わなかったのだそうです。同じです。私もそう。そして、中学生、高校生、20代と読む機会があり、その度に理解度や印象が変わってきたそうです。私も「星の王子さま」が大好きになったのは実は、大学時代でした。今読むとどんな感じだろう。また読み返してみようかな。

もう一つ大いに共感したのは、「憶えてないけど面白かった」
内容は憶えていないのに、面白かったことだけ憶えている…これ、あるんですよね。最近特にその傾向が強くなったような……年のせい? 吉野さんの以下の言葉、とてもとても共感しました。
読んでも中身を憶えていない、それで、“読んだ”と言えるのだろうか?
せめて、それらが私の心の奥深くに影響を与え、潜在意識として密やかに息づいていると信じたい。


今回紹介されている本は約40冊。そのうち私の既読はたったの5冊。海外物は苦手だから、あまり食指が動かない。でもひとつとても気になる本がありました。それは「トンパ文字」。市内の図書館にあるみたいだから、今度行ったときに借りてみよう。そして良さそうだったら買っちゃおう。

弟の家には本棚がない?吉野朔実劇場 ★★★☆

内容(「MARC」データベースより)
俳句短歌に怖い小説、競馬小説と映画の本。仕事場で飲み屋で打ち合わせの喫茶店で、今日も盛会読書交友。『本の雑誌』『ユリイカ』などに掲載したものをまとめる。好調マンガ読書エッセイシリーズ第3弾。
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2005年05月23日

「春期限定いちごタルト事件」米澤穂信

春期限定いちごタルト事件 小鳩常悟朗と小佐内ゆきは小市民道の同志。入学した船戸高校で完全なる小市民への飛躍を始めるため、二人は互いを言い訳にし、楯にするという約束を交わしている。が、旧友:堂島健吾が常悟朗に禁断の謎を運んでくる。
 盗まれたポシェット(羊の着ぐるみ)、世界で一番高尚な絵(For your eyes only)、乾いたシンク(おいしいココアの作り方)、割れた栄養ドリンク瓶(はらふくるるわざ)、轢かれた自転車(虎狼の心)等の謎を解いていくのだが…。

 日常生活の中の小さな謎を常悟朗とゆきが解いていくわけですが、一番謎めいているのはこの二人の関係と過去でしょう。特に小佐内ゆきの中学校生活がどんなだったのかが気になります。それにしても細っこいゆきちゃん、いっぱいケーキを食べますね、好きなんですね。そして美味しそう。でも食べ物の恨みは……。

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2005年04月04日

「お父さんは時代小説が大好き」吉野朔実

お父さんは時代小説(チャンバラ)が大好き 「本の雑誌」で連載された漫画エッセイ「吉野朔実劇場」を纏めた第一弾。「『咳をしても一人』は誰の句だったか?」「やっぱりアルジャーノンに花束を?」「いまさらアンドロイドが電気羊の夢を見るか?」「友人に薦めてもらった本はつまらないほど面白い。」etc.

 「お母さんは『赤毛のアン』が大好き」よりも知っている本がたくさん出てきて、吉野さんと対話をしているような気分で読めました。
 「咳をしてもひとり」を山頭火と思ってしまった恥ずかしい私。でも「いちめんのなのはな」の作者はばっちりでした。 
 友人にすすめられて面白かったという「悪童日記」三部作や「火車」は私も好きな本なのでちょっとにんまり。それにしても薦められた本をちゃんと読む吉野さんはすごい。私は誰かに薦められても自分に合わないと思うと読みません。(娘たちオススメのライトノベルとか。)だから読書の巾が広がらないんだなぁ。
 ところでこれを書かれてからかなり経つと思うのですが、吉野さんは「アルジャーノン…」を読まれたのでしょうか? 文庫にもなりましたが。

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2005年03月29日

「お母さんは『赤毛のアン』が大好き」吉野朔実

お母さんは「赤毛のアン」が大好き 本・読書に関する漫画エッセイ。「栞」「本の解説ー先に読むか後から読むか」「いつも本が入っている」「わたしのザムザ」「私はこれを“読み切った”自慢」「装丁の秘密」etc.

 この中には50冊ほど本の表紙の写真が載っているのですが、その中で私が読んだことのある本はたったの5冊。初っぱなの「オースターたち」で、オースターを全く知らない私は、この本を買ったは失敗だったかと思いました。が、知らない本だらけでも大丈夫でした。
 著者の吉野さんやこの本に出てくる読書家さんたちには遠く及ばない私ですが、それでもうんうんと頷きたくなるような箇所がいろいろありました。栞の使い方とか、外出の時にはたいてい文庫本を持って出るとか(実は本書も外出時に読みました)、「秘密」は図書館で借りて読んだのでカバーの裏は見なかったなぁとか(その後本屋さんでこっそり確認しました)。
 他の人の読書を垣間見るのは楽しいものですね。でも私のしているのはどうも「読書」(※新解さん定義)ではないようです。「新解さんの謎」と「新明解国語辞典」が欲しくなってしまいました。
 それと、眼鏡近視なので“お風呂で読書”ができないのが悔しい。

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2001年05月10日

「動機」横山秀夫

 一括保管していた30冊の警察手帳の紛失事件を描いた表題作他、3つの短編を収載。 動機/逆転の夏/ネタ元/密室の人
 落ち着いた筆致で登場人物の心情が淡々と描かれています。「逆転の夏」は長編で読みたかった。

動機
横山 秀夫
文芸春秋 2002-11


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2000年03月26日

「プライド」米内山明宏

 日本ろう者劇団代表、ろう俳優・演出家の米内山明宏氏が48年間の半生を語った書。
 著者は1952年東京生まれ。ろうの両親のもとに生まれた先天性ろう者。モダンボーイの父と映画マニアでおしゃべり好きな母の思い出、口話中心のろう教育への反発、芝居への思いなど。共同監督を務めた、映画「アイ・ラヴ・ユー」の裏話なども、興味深かったです。
プライド ろう者俳優米内山明宏の世界
米内山 明宏
法研 2000-02


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1999年08月26日

「はみ出し銀行マンの家庭崩壊」横田濱夫

 連日の残業、家族でおつきあい、職場でのいじめ、ノイローゼ、果ては過労死。銀行マンの摩訶不思議な慣例と家庭への波紋…。
 「家庭崩壊」という言葉にひかれ、暇つぶし用に買ってみた。シリーズ本のようだ。ここでは銀行マンが槍玉にあげられているが、「○○の裏側・内側」を告発する本はいろいろある。公務員、医者、教師 etc 。結局はどの世界も何かヘンってことなのかな。それにしても、ここにある話って実話なんだろうか…。
はみ出し銀行マンの家庭崩壊
横田 濱夫
角川書店 1997-02


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1999年05月22日

「アムリタ」吉本ばなな

 私:朔美の家で一緒に暮らしているのは、母、父親の違う弟の由男、いとこの幹子、母の幼なじみの純子。妹の真由は半年前に飲酒運転での交通事故で死亡。その後朔美は転んだ拍子に頭を打ち、それがもとで記憶があいまい。弟は感受性が強すぎて不登校。そんな家族を背景に、朔美の不思議な人たちとの出会いを描いていく。
 淡々とした語り口はキライじゃないし、文章表現の美しさは私好みだが、「永遠の仔」の余韻が強すぎて、物語の世界に入っていけなかった。こちらを先に読んでいたら、印象がまた違っていたかもしれない。

アムリタ〈上〉
吉本 ばなな
新潮社 2002-09


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 アムリタ〈下〉

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1999年02月17日

「SLY」吉本ばなな

 清瀬と日出雄はともに、かつて喬の恋人だった。その喬がHIVポジティブであることを知らされる。その1ヶ月後、三人はエジプト旅行に旅立つ。
 吉本氏自身のエジプト旅行を通して生まれた小説。その旅行の様子の写真も付されている。

SLY

「SLY」吉本ばなな 幻冬舎

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1999年02月13日

「哀しい予感」吉本ばなな

 弥生、ゆきの、哲生、正彦・・・登場人物はこの4人。透明感のある心と心の交感。
 最近ミステリーばかり読んでいたので、こういう淡々とした小説を読むと、ほっとする。

哀しい予感

「哀しい予感」吉本ばなな 角川文庫

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1999年01月22日

「N・P」吉本ばなな

 私:加納風美と、高瀬皿男の残した「N・P」という英文の短編小説をめぐる人たち(双子の姉弟:咲と乙彦、若い女性:萃)の一夏の不思議な交流を描く。
 吉本ばななを読むのは、本当に久しぶり。(十数年ぶり?)男女の双子が登場するというので、読んでみた。

N・P
吉本 ばなな
角川書店 1992-11


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1998年12月22日

「ツインズ」吉田直樹

 タイトルと、前作が日本推理サスペンス大賞の佳作入選ということだったので、図書館で借りてみた。半分くらい読んだところで、もう話の筋が見えてきた。話の進め方にもちょっと無理があるかなという感じ。「ツインズ」とはいっても、双子の話ではなかった。作中に「一卵性双生児」という言葉が出てきて、これは一時期流行った「一卵性母娘」と同じような意味あいでの使われ方とはわかるものの、双子の親としては「こんな使い方されたくないな〜」なんて変なところにこだわってみたりして。

ツインズ
吉田 直樹
新潮社 1997-02


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