2013年07月10日

裁判官の予断を数値化する

法廷で裁判官の訴訟指揮や尋問を聞いていると、だいたい彼/彼女の考えていることが分かる。あまりにも予断偏見に満ちている尋問や一方的な訴訟指揮をされて腹が立ってくることは決して少なくない。しかし、法廷で裁判官の立ち居振る舞いや発言に対して異議申立てをすることは、絶対にないわけではないが、ほとんどない。当の裁判官に異議を言ってもそれが通る訳はない。上訴理由に取り上げても、高裁の裁判官がそれを受け入れることはまず期待できない。さらに、裁判官の発言が予断に満ちているというだけでは具体的な証拠の採否や証拠の評価に直結するわけではないから、「判決に影響を及ぼすことが明らかとは言えない」などと言って一蹴されるのが落ちだ。

昔の弁護士はよく「地獄部」「極楽部」などと言って、裁判官を評価した。被告人の言い分には一切耳を傾けず、切って捨てるように被告人の主張を退ける、そんな裁判長の合議体を「地獄部」と言い、被告人の話に耳を傾け、その言い分や証拠を良く評価してくれる裁判長の合議体を「極楽部」と言っていた。最近は、「極楽部」というものは存在しない。絶滅した。さまざまな程度・種類の地獄があるだけである。いずれにしても、裁判官ごとに一定の傾向がある。同じ裁判官があるときは地獄の閻魔様になり、別の事件では仏様になるということはない。被告人に対する予断偏見というものは裁判官ごとに恒常的に認めらる。

裁判官ごとの被告人に対する予断偏見の傾向を、知能テストや被暗示性テストのように、客観的な指標によって数値化できないだろうか。そうすれば、「A裁判官は予断指数が12で、Bさんより公正だ」とか、「C裁判官は、去年は40だったが、今年は20に下がった」というような議論ができる。弁護士会に提出する「裁判官評価票」につける資料としても使えるのではないか。訴訟指揮を数値化するのはかなり難しいが、裁判官の証人尋問ならば数値化できそうな気がする。

このような発想から思いついたのが、ここに紹介する「裁判官予断尋問指数」(Judge’s Prejudicial Question Index: JPQI)である。

裁判官が証人や被告人に対して行った尋問を次の5種類に分類する。
1)検察側証人を助ける尋問(FP)
2)被告側証人・被告人を弾劾する尋問(AD)
3)どちらとも言えない尋問(N)
4)検察側証人を弾劾する尋問(AP))
5)被告側証人・被告人を助ける尋問(FD)


各種の尋問に次の点数を配点する。
FPとADは1点;Nは0点;APとFDは−1点

裁判官の質問の合計点(n)を全質問数(N)で割り、最後に100を掛けて得られた数字が裁判官予断尋問指数(JPQI)である。

JPQI=n×100/N
−100≦JPQI≦100

最も被告人に有利な裁判官の指数は−100
最も被告人に不利な裁判官の指数は+100

ということになる。

試しに、私がかかわった何人かの裁判官についてJPQIを計算してみた。
毎回被告側の証人や被告人を弾劾し、時にはあからさまに不快の念を示すある裁判長はJPQI=88.2だった。
高裁で逆転無罪を出した事件のある陪席裁判官の場合は、JPQI=−30だった。

こうしたデータが集積されて、この国の刑事裁判官のキャラクターに対する幻想がなくなれば良い。


plltakano at 22:05コメント(0)トラックバック(0)裁判官 | 刑事裁判 

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高野隆

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