2005年09月
2005年09月29日
温暖化のこと
今朝はさらに気温が下がった。半そでが心許ない。6時すぎに外へ出ると太陽の角度も低く、そこら中が横からの光で陰影が強くきらきらとしている。晴れた日の朝の美しいのは日が高くなるまでの数十分だけだろう。真夏でも朝の僅かな時間は比較的過ごしやすいし空気も澄んでいる。だけど日中から夜はたまらん。毎年6月から9月まで4ヶ月間はこんな日々を過ごさねばならない。冬の期間はそう長く感じないが、この期間は長い。そして困ったことに確実に温暖化が進んで、さらにその期間が長くなっていくことは確実。標高や緯度の高いところへ行けば気温は下がるが、地球の温暖化とは関係が無い。いったい我々が出来ることは何なのだろう。もう遅いのだろうか。企業レベルでの温暖化防止への努力は勿論だが、ひとりづつが意識することでは無かろうか。
高度成長期のことを振り返ると、なんでもありのような時代があった。空気や町が美しいと言うことが、あたりまえにそこにあるもので、少々のことなら影響が無いだろうという安易な考えがあったと思う。
私個人としてもそのころ、たばこを吸っていたし吸殻を道に捨てることがあった。今から思えば他にも恥ずべきことが多くあるが、繰り返さないようにはしなければならない。
2005年09月28日
ジャングル風呂
過去にジャングル風呂というのがヘルスセンターの普及とともに出来た。それはみな、すさまじい大空間を持っていた。温泉が「全社集結慰安大宴会型」の時代に大量集客、娯楽宿泊を伴なう受け皿として全国的に拡大していた。時代が変化し宴会型の慰安旅行も減り、大空間の浴室そのものが、人が少ないと居所の無い空間でしかなくなり、ジャングルもそうゆう殺伐感を増長する要素にしかならなくなった。
そのような大浴室は空調換気が難しいし巨大なランニングコストがかかる、大空間がゆえに鉄骨造で露出させざるを得ず、湿度により結露し、防錆が不可能に近いという種々問題を抱える。
ふと思う。時代が変わっていくということと、建物のような耐久性のあるものを生産することのペースと言うかスパンが合わない。ますます10年で終わりとか、5年とか極端に短い期間の使用に耐えればよく、あとは廃墟化していくか撤去されるようになっていく。そうゆうものならばく大な費用がかからない方法はないものか。
みんなで大宴会なんて時代は再度流行るとは思えないから。
2005年09月27日
散歩のときのごみ
昨日から朝がぐっと秋になった。昼間は汗ばむが、今朝はさらにひんやりとした朝になった。一日のうち少しでも気持ちの良い時間を持つことは救いになっている。ところでいつもの散歩コースにときどきごみが捨てられている。嵩高く拾っても持っていけないようなときもあるくらい。少しでもと思えるときは拾う。
幸い公園の終点にごみの集積場がありそこまで運ぶことは出来る。家まで持ってきて分別までして捨てるのもつらい。飲料缶とスーパーのレジ袋、飴の小袋、そしてやはりたばこの吸殻。ヨソの犬のウンチまであるときもある。これは拾えない。
散歩していちばん気分の悪いのがごみの散乱していることなので、恐らく同じ思いをするひとが居ると思うのでなんとなくそうしている。
2005年09月24日
役の行者のこと
役の行者は葛城に生まれた修験道の開祖ということなのだが、いくつの山、修験霊場の開基だろうか。
低山を歩いて、大抵の霊場となっている山は案内などによると役の行者が開基なのである。いくつと数えたことはないが交通機関が無い時代そんなに多く開山出来る筈がないのではないか。
-峻険の山のなかに行場があり、大抵立派なお寺がある。建物が残っていないでもそのあとがうかがえる場合も多い。ということは、長い時代ににわたり人々に広まっていたということである。そしていまでも隆盛を誇る寺院もある。
私はこのような山に信心なく通い遊ぶ。風雨に晒されても快適な装備に守られて修行とは程遠いがほんの少し役の行者さまの山を開かれたときのことを感じながら、同時におそらくほとんど1300年前というそのときとあまり変わらないでいる四季の自然を堪能したいと思っている。
2005年09月22日
送迎バス
温浴に送迎バスを運行しているところがある。
商圏やターミナルを巡回しながらやってくる。乗るのも恥ずかしい大きなロゴで施設名を書いて天然温泉などともかいて。29人乗りのバスなどは画面も大きく都合よい。
最悪、仮に誰も乗ってなくとも宣伝効果はかなりあるものと思われる。だから駅前など人が多いところで停車していたい。勿論、満席の状態で走っていたりすると拍手を贈りたくなるくらい。
高齢者の利用が中心になるだろうが、飲んで運転が出来ないから、ふろ上りの一杯もこのバスを利用すれば、高齢者でなくとも利用価値は高く、浸透すればかなりの集客効果をもっているものと思われる。
地域によるし、採算分岐点が見えにくいところだが、積極経営をすすめる経営者にとっては最も採用しやすいものではないだろうか。看板広告塔が移動しながら広報活動をしてくれるという大変効率の良いものなのである。
2005年09月20日
低山歩き
休日に近くの低山歩きをしている。もともとバスに乗るか自動車で近くの駐車場に停めて日帰りで登るという安楽なもの。たまには遠くの標高のある山にも行くが、ほとんど家から二時間以内で到達できるところの山を歩いている。空荷では心もとないので、一応どこにでも行けるようなツェルトという非常用テントや水などの入った一応のザックを担ぐことと、山靴を履くことを鉄則としている。家族連れなどは我々を見て過剰な荷物や靴で奇異な目で見られることが多いが、これでずっと通している。
昔、山登りをしていたときには六甲山中などにテント泊まり、いつもキスリングという黄土色の横長のザックを担いでいた。超特大キスリングの略でチョーキスと言う。それを少し小さめにパッキングと称し荷詰めで形をうまくつくった。からだになじみ、使いやすいものであったがいまは全く見かけもしない。
かたちも大きさも変わったが、このときの癖が多少ではあるがそのまま低山歩きでも続いている。
2005年09月17日
お子様お断りの温浴施設
都市部で子供を入場させない温浴施設がオープンして、人気を呼んでいる。
とくに女性をターゲットにした大人のための癒し空間をコンセプトにするものにとって子供は敵である。
うるさい、鳴きわめく、走る、転がる、汚い、何もかもが癒しの大人の空間にとって排除すべきものなのである。
公共的施設には子供はつきものと言える。だから公共性のある公衆浴場と大人の癒し空間とはちがいがあって当然。片方では価値観の多様性により少子化がすすみ人口構成の変化がさまざま問題をもたらしている。子供は社会がまもり育てるのが義務だろう。子供を排除して快適な時間を過ごすことに重点をおいてしまうことに従事するものにとって居心地の悪さを感じるだろう。
転じてスーパー銭湯利用者のうち、かなりの人が子供の(一部大人も含めて)マナーの悪さが理由で、ああいうところにはゼッタイ行かない、または敬遠している人が居ると考えられ、お子様お断り施設はそれらとは一線を画することにより、利用客の差別化をはかったと考えられる。また周辺にスーパー銭湯が競合関係を形成している地域に温浴で進出する場合の差別化の手段となることだろう。スーパー銭湯における子供の利用割合はそう高くなく、しかも利用料金は安い。しかし家族での利用をコンセプトにしてきた施設の集客に影響が出るのは間違いなく、今後どのように集客構成を考えていくか大きなポイントである。
もともとサウナ施設や健康ランドの高料金型施設ではスーパー銭湯など廉価、繰り返し利用型施設とちがい、料金体系が子供入場の妨げになっていたので問題化しにくい面があったが、もとより子供の利用者が少なければ排除しても運営上の影響も少なく制度導入しやすいと考えた結果であろう。
2005年09月16日
山の温泉
一昨夏、北海道の旭岳にいったとき間宮岳から中岳分岐から下りの途中、中岳温泉という渓流沿いに湧出している温泉に立ち寄った。
広大なお花畑を通ってきたあとに急坂を下ったところにある。事前情報を蒐集せず歩いたため、先着の数人が昼食をしていたり、足湯にしていたり。いや、上の湯のほうにすでに全裸で数人入っているではないか。そして私としては当然ながら予定外の入浴となった。しかしこれは浴槽では無く沢の小さな淵にすぎなく砂利の川底から湧出する熱い温泉に雪渓から沢水が流れ込む水量を石で調節して温度制御しながら無理に入浴するというもの。周辺も湯船の中も卵の黄身色の硫化水素泉で硫黄臭が漂っている。
先に入った人がうまく温度調節出来るようにしてくれていたようで比較的入りやすいものであった。しかし難儀なのは水深が30センチ程度で腰湯程度でしかない。大の字になって入ろうとすると女性も居るところであまりにあんまりなので腰湯状態で我慢する。標高が1900ｍくらいと高く、北海道ということもあり高原の涼風が吹き、肩まで浸かれたらもっとよかったのに。実際に入れるこのような高地にある温泉は国内でも数えるほどしかないと思う。高校山岳部時代に黒部川沿いにこれに似たふろに入った覚えはある。それがどこか覚えていないが。しかし清澄な空気、開放感と山肌の緑、残雪、真っ青な空、雲の下で居ることがすでに天国のようなのに、そこに風呂があり浸かれると言うのは何ものにも変えがたい。風呂づくりを職業としている立場としては、これと同じものをつくることは不可能かもしれないがエッセンスとして捉え、季節を感じ天候に影響もされながらちょっとでも感動があるような風呂を考え実現したいと思うのである。
2005年09月15日
自転車の社会的地位のこと
自転車がもっと社会的地位を得られないだろうか。自動車に乗る人は車道を走る自転車をただただ邪魔扱いして、歩行者にとって歩道を暴走する自転車は凶器になる。ママチャリで、ガにまたの自転車が車道を走るというより居ると邪魔になるし、高速スポーツバイクが歩道を走るのもおかしいし危ない。そこらへんをうまく通らせる方法が出来れば都市部の交通状況が変化しないだろうか。それと放置される安い自転車である。安いから放置される。なかには高価なものもあるのかも知れない。だけど相対的に地位が低すぎる。先日、タレント氏の160万円もする超高級自転車がパクられたとニュースになっていた。これは高すぎるが、ホームセンターでは1万円未満で防犯登録までついてくる。パクられても次のを買ってしまうことになる。そうするとパクられたものは大事に誰かが乗っているとは考えにくい。すなわち道路わきの粗大ゴミに化しているに違いない。
変わるが、世界のトヨタ系列の高級車販売店がスタートしたとこれもニュースになっていた。これは全く庶民には手が届かない。一部の選ばれた人が利用するもので、庶民には関係無い。しかしどうか、高級車、いや自動車はガソリンを焚き、CO2排出量はどれほどだろう。夏場、狭い道路で車とすれ違うときのボディの熱。卵焼きができる位暑い。中の人はクーラーの外気への熱置換によって涼しげにふんぞり返りながら通っていく。高額な車両代金支払い、さらに高価ガソリンで納税しているから当然の権利なのか。そのために私達は暑い目にあっても仕方がないのか。自動車そのものが必要な生活環境や仕事の人も多い。そのように社会そのものが変化してきたことも大いに関係がある。
しかしそれにしても限りあるものをもう少し意識して大事にしていかないと、人類破滅への道のりが加速度的に近づいていると思う。状況に応じて、歩いたり、自転車を利用したり、環境負荷を少しづつでも考えながら、おたがいになんとかやれないものだろうか、そうゆう社会にならないだろうか。
2005年09月14日
温浴施設にとってのタバコ
国民の健康に関する法律やらにより、公共施設や学校病院など全面禁煙化されつつある。東京では道路でも歩行禁煙とと言うところも多くなった。いくら言っても喫煙者に嫌煙者や子供の受動喫煙者のことはわからないかも知れない。吸いたいから吸う。欲望の一種であり、あちこち禁煙エリアが増えれば文句をいうような御仁は最初からマナーとは無縁の人であろう。
温浴施設は健康増進や清潔感がイメージであり重要な課題である。基本的には喫煙は出来ないのが良いに決まっているのだが、風呂上りや飲食後の一服が出来るようにしなければそのような利用客は見向きもしなくなり利用客が減ってしまう。逆に禁煙施設の希望者は増えることもあり得るがどちらともいえない。
現状ではホールや休憩コーナーの一画に喫煙コーナーや喫煙室を設けて分煙をするくらいのもの。常識的に脱衣室、浴室は禁煙でも文句は出ないが、露天風呂で喫煙コーナーをつくったり脱衣室から縁側などの外に出て喫煙スペースを設けたりさまざま。飲食ゾーンは全面禁煙にするところが出てきた。非常に分煙が難しく、トラブルも多い場所でもあってこれもむつかしい。
あとは趨勢が解決してくれるものと考える。
大阪の歩道の捨てられたたばこの多さや排水溝に詰まった吸殻の量に驚き、喫煙自転車が駆け抜けてゆく危機感など結局制度やルールで縛ってゆくしかないのだろうが、近い将来そうならざるを得なくなる。そのときはいいにくい全館禁煙を実施できるようになるだろう。
2005年09月13日
ふろ上りの履き物
癒しや心遣いを売り物にする高級？旅館では、消毒済みなどの履物を館内で利用出来る施設が多くなっている。同じ施設をはだしや裸で利用したりする場合のひとの気持ちに配慮したもので、過去のスリッパ(今でも見かけるが)を履かされることからは大きく変化が見える。和の風情をもち、優雅に時間を過ごすことを商品にする旅館にとって処理困難なこの問題で苦しんでいる経営者や運営者が多いと思われる。
ただその場合も大浴場が履物を利用出来ないので策が無い。全身を洗い、出て行くときに足の裏だけは最後まで洗えない。まして湯上りで、入ってくる人の「まだ洗っていない足の裏と接するような気になる」とも潔癖でなくとも思うものだろう。出入口を別に設けるとかやっているところも見受けるが結局、自分が脱衣したところへはだしで戻るのが常。
高級旅館でも大いに限界が見られ、どの場合も店側の心遣いがどこまであるのか客側は分るもので、放りっぱなしの施設は床清掃や水切り場のマット類の湿潤状態などにより判断できる。温浴施設にとってこの部分の問題が低料金で大量集客をしなければならない店側の事情と相反し、苦しいところであるが、先程のとおり、清掃と、利用客の水切り体拭きを促すこと、マット類の頻繁な交換などで対応していくほか無い。
ハードとしては風呂場出入口の構造、プランで工夫するところがあり、装置としても横着客向けにタオル代わりに風を当て、水分を吹き飛ばすとかもあるし、床の水流装置も見受けられる。
履物(靴下のような)を工夫して湯上りに利用出来るものをつくればいくぶん改善されるだろうが。
2005年09月12日
温浴施設を利用しない人
温浴が幅広く支持され利用者が増え続け、大きな産業として位置付けられるようになってきた。
地域につくられる公共温泉施設や、民間スーパー銭湯が増えつづけていることで利用機会が増え、利用者の絶対数が増えていることは事実であろう。
ところが私自身、身のまわりの人をみる限り、半分ぐらいの人は全くそのような日帰り温浴施設を利用しないか、またはほとんど利用しない人なのである。
何らかのアンケートなどで出るだろうが、かなりの人が敬遠していると考えている。障害のある人やはだかでの利用となることが原因で物理的に利用しにくい人も結構あるのだろうし、なにも無くても利用しないひとがかなり居る。
逆に、利用する人の頻度は右肩上がりで来ていると思われる。お気に入りの施設を見つけてリピーターになったり、車であちこちの施設を利用したり。
オープンして間もない施設に入浴しながらとなりの客に聞く話などから、結構広い範囲の近隣施設の温泉の泉質のことや、利用料金、内容の良し悪しを評論している。興味を持って新施設には来訪し、リピーターになろうとするのか、たまに利用しようか自分にとってどうか考えている。
全く利用しないか、それに近い人はなにを思っているだろうか。子供がうるさい、うっとうしい、他人のシャワーや掛湯がかかる。他人とのトラブル。入浴マナーの悪さ、風呂が不衛生、他人が利用した腰掛や湯桶を使う、ひいては床の汚れを足裏に感じる。混雑がある。脱衣場が不衛生、脱衣箱からなにかうつりそう、などと際限がないだろう。
社会全体がマナーを維持できないことと切り離せないことであり、自らがなす事で他人がなにを感じるのか分かり合える社会を目指すことが大きな社会的課題であり、公共的な場が不快な場所でしか無いことが改善していくことと共に変化を期待するところである。
おそらく比率は減っていくだろうが、「公共的」温浴施設を利用しない人は居つづけることに違いない。
2005年09月11日
さんた(飼い犬)の脱走
第二土曜で休日にしている今日、さまざま用事があり、昼前から外出した。
今朝もいつも同様散歩につれていき、ちょっと頭にくるような「水性ウンチ」を草むらにされて、草についたやわらかめのそのものを「こそぎとり」ながら、もうちょっとすぐ隣の砂地でやってくれれば、全く楽にとれたものをと、うらみながら帰ってきた。
そしてきょうの夕方、雷鳴を聞き、危ないなと思いながら帰宅してみれば、脱走してご近所の他所の家に上がり込んでお世話になっているという、どうしても人間がらみのつらいことであった。
ご近所の方、申し訳ないです。すみません。最近雷が多いこともあり、数回この家の人にお世話になっているので。
これは躾の問題だけでは片付かない。
脱出防止にワイヤーで繋いでおくと、雷の後、がんじがらめになって白目をむいた状態になってしまう。開放しておくとどこからとも無く敷地から脱出する。だけど老犬で、躾どころか、いまさらどうにもなるまいと諦めている。
2005年09月09日
期日前投票所
物件の調査で市役所へ立ち寄ったら、期日前投票所が設けられ大盛況であった。勿論、広範囲の人が来るので一投票所の比ではないことは想像がつくが、今回の選挙の注目度が高いことを感じさせる。
しかし浮動票をあつめて、民主党や社民党、共産党他が躍進して小泉自民党と公明党が過半数を割ることは考えにくい状況ではないだろうか。選挙区ごとの事情はさまざまにしても、大勢がどうか。派手な小泉劇場により優勢を保っていた(かも)挑戦者が敗者になってしまう、ということだろう。
近々やってくるベビーブーム世代の大量退職により、今でも多い老人人口が一挙に増えることになる。そして少子化はとまらない。おそらくどのように政権が移行しても、大勢は変わらず無力感がぬぐえないだろう。
こここそビジネスチャンスと考えてやっている人も多いと思うが、選挙も仕事もやはり人のこころを理解し、そこに入り込むことではないか。
2005年09月08日
あさの散歩��
けさはかなり涼しくなった。早朝を過ぎるとどんどん気温が上がっていつもどおりに近くなり、暑い暑いと言っているが、気持ちの良い「朝のいぬとの散歩」であった。
季節の変わり目は夏から秋へ、冬から春へが良く、秋から冬、春から夏はいつもしんどい。子供のときは逆だったような気もするが、もう長くこんな季節感を持っている。
気持ちよくといえば、風呂の設計で自分が気持ちよく利用することが出来る、もの作りが最小限必要であると思っている。
飲食を提供するレストランを考えるときに経営者自身が美味しくも無いものを客に出して事業がうまくいくはずが無いのと同じであるように思う。
風呂嫌いの人が風呂を云々してもうまくいくはずが無いのと同じ。
2005年09月07日
あさの散歩で��
台風通過中だけどほとんど雨が降ってないのでいぬの散歩に出た。さすがにいつも見る人も犬も見ない。大木が大きくゆれるようなことはふだんめったになく、あたりまえの暑い朝から幾分開放されながらのことであった。しかし強風が運んでいる空気は重たく湿気を含んだもので、向かい風は相当な重量。
こういうとき四足はさすがに強い。かみなりは嫌がるが強風はむしろ楽しんでいるように見える。人間も災害はいやだが、暑い何の変哲もない朝が続くよりなんとなく気分が楽。
こんなときいつも思う。こういうような風とか雨とかあるいは雪とか樹木のような自然が本来持っているものをかたち(建築)にして、ひとびとが親しめるような「ものづくり」がしたいと思う。
風が吹くときのその動きを感じさせるものや、軒先から雨が落ちるときがもつ雰囲気や、それをあつめて水流になって地面を流れるそのすがたなど、何ものより美しいと思うときがよくある。
激流になって人を飲み込むようなこともその先にはあるかも知れないが、こういう事と付き合ってきたから日本人的感性が生まれているのだと思う。
2005年09月06日
2005年09月03日
湯気抜き換気
銭湯の建築に携わっていたことがある。
いくつも銭湯をつくって来た先達たちの英知がみられるところがあるが、湯気抜きはそのひとつである。
関西と関東でその違いはあるが意図は大きく違わない。
施設全体が浴室を中心に、周辺に大小の窓や往来のための戸が設けられており、そこから気流を入れ、浴室の高所の湯気抜き窓に流していく大掛かりな自然換気装置になっている。当然、浴室の湯気抜きがいちばん高く、周辺は比較的低く設定されている。よく言う、「風呂に入るときに気持ちの良い高い天井」というのはこれを指す。だから私としては単に高い天井が良いというのではなく、形状やその仕上げ、雰囲気までそういうものにしたいと思っているのである。
2005年09月01日
建築仕上げのことでふと
建築仕上げというものが、見た目のそこそこのグレードに見える(及第点がとれる)材料で工程全体を見たときに結果的に安価であるということが、建築現場で最も重要なことがらになっている。
手に触れるところは別としても、その他は一種のジオラマのようになっているように感じる。「見えるところに金を掛け、見えないところ(というより見えないところにする)を精一杯はしょる。」だけどこれはしょうがない。全体予算は安価に抑えることが大命題でもあるので。
そしてこの見えるという人のもつ感覚のひとつに訴えていかなければならない。例えば床は触れる、踏む、お尻で座る、寝る。寝たときには目のすぐそばに床があるようなこともある。勿論手でも触る。
だけど高い天井の面は目が遠く、近づくことも少ない。増して触ることなどほとんどない。踏まれることもない。だから目標が床とは違う。色と形と見え方(遠目の)だけなのである。だから平滑なのに色柄で立体的に見えるような欺いたようなものでも,欺かない(馬鹿正直)で安っぽいよりも良いものという評価が生まれる。
もっと凄いのは、コンクリート打設に失敗した打ちっ放し仕上げを、左官でこすって(平滑に均して)着色し、木コンあともベニヤの継ぎ目も描き込みしてよみがえらせる。そんなものはよみがえってない、これは偽者なのだが。だから見えないところは本物の打ちっ放しという滑稽なことになる。だけどこういうことはニーズがある限り永遠につづくのだろう。
遠くから見て良く見えることを重視して化粧をしたり、近くで見られることなのか、触れることが前提なのか、ひとの見え方、金のかけかたとかさなってきておかしい。
