2010年03月02日
2010 五輪エキシビション感想(後篇)
◆キム・ヨナ/女子シングル・金メダル
キム選手、改めて金メダルおめでとう!やっぱりキャラ的には「おいおい!」って思うところはあるけれど、それにしてもキム選手の今回五輪でのスケーティングは素晴らしかった!正直、韓国人の期待度や、既に世界最高点をマークしちゃってることや、昨季の世界女王という看板背負ってることを考慮した場合、真央より重圧が酷かったと思う。そんな中でのあの演技、あの質は超人並みだよ。例えそれが韓国特有の「怨みの文化」から来るマイナス・エネルギーが源だとしても、キム選手の精神力には感服せずにおられんかったわ。何だかんだ言っても、キム選手はジュニア時代からの流れを見れば、真央よりもずっと悔しい思いをたくさんして来たことは事実だと思う。そして、それが彼女の精神力をここまで鍛え上げて来たわけで、多少(?)歪んでいたり、偉そうだったり、被害妄想だったりという副作用は出ちまったにせよ、勝負根性は立派なものだ。こればかりは、真央にも見習うべきところはある!と、叩かれるの承知で断言します。あと、FPでは美しかったよ。あのくらいのお化粧の方が、ずっと似合ってたよ。キム選手の清純な青色を感じさせるプロも、未だ健在だったね(腹の中のお色はともかくとしても)。
それはそれとして…EXのプロは最悪だったなぁ!偏見抜きで!今季ずっと使ってた‘Don't Stop the Music’ はろくに滑ってもいなかったから、メダル獲るつもりなら変えろと言っていたのは、他ならぬ私だけど。今回のEXプロは表現力重視の内容だったわけじゃが、一緒にアイスダンスのトップ選手達も滑るってのに、それはやっちゃダメだったんだよ!表現力は、やっぱりアイスダンスの皆さんの方が上なんです!シングル以上にそうした部分に重点が置かれる種目ですから!だから彼らと一緒にEXやる時は、シングルの選手は跳べ!跳んで、跳んで、跳びまくれ!なのにキム選手ったら更に、柔軟性飛び抜けてる未来の後に同じイナバウアーで反ったりしちゃって…あれは、痛かった。キム選手のことは基本的にどうでもいい私でさえも、激痛で救急車呼びたいくらい、痛かった。戦略にかけては世界一なはずのチーム・キムは、一体何を考えていたんじゃろ?勝ち負け関わってないから、手を抜いたかな?五輪用に新EXプロ用意してるって聞いた時は、どんな凄い代物を用意してくれてるのか、それなりに期待してたのに。試合の方であれだけ素晴らしい演技をするために、新EXなんかにはあまり時間を割けなかったのは理解できる。けどね…自国の選手権や自国開催の四大陸までブッチしたんだから、もちっとは何とかなったろう―がっ!金メダリストでスタオベ無かったのはキム選手だけって、ちょっといくら何でもヤバ過ぎだろ?◆申&趙組/ペア・金メダル
そして、キム選手にとっては最悪のイベント構成でしたが…彼女の次に滑ったのが、泣く子も黙る申&趙組!個人的にはフィギュア全種目において、プルの次にこの人達が神的存在だったりする。今季GPファイナルEXで、幸運にもナマで観られた彼らの演技は一生忘れられないと思う。鳥肌立ちまくり、圧倒されまくり。さすが、世界一の曲技団を誇る中国にお生まれになったお二人!彼らの場合は、もうフィギュアとかスケートとか超越しちゃってるんだよね。あの高いスローも、あの片手リフトも、何で人間にそんなことが出来ちゃうわけ?って、感じずにいられない。し・か・も!彼らは中国フィギュア界では大変珍しく、衣装のセンスも大変よろしくってよ~!まぁ、彼らともなればケチ臭い中国共産党でも、金を湯水のように惜しまないで出してくれるだろうが。しかも、彼らは年齢がもう30過ぎてるから涙モノ!ペアの選手はそりゃシングルよりも長く続けられるとは言え、プルが20代後半でカムバックしたのに勝るとも劣らない快挙だと思う。彼らは当たり前のように軽々と大技を連発するから、皮肉にも伝わり辛いんだけど、あの年齢まで体力維持してあんな演技をし続けるなんて、並大抵の努力じゃ無理に決まってる。でも、彼らはそれが不可能じゃないと、身をもって示してくれた。こんな素晴らしいアスリートは、そうそういない。
だもんで、プルが大技があまり評価されないフィギュアは死んだとか何とか言ってたのには基本的に同意するけど、それはシングルに限ってのこと。申&趙組には、出来の良さや芸術性をどんなに誇る選手が他にいたとしても、ジャッジは例え嫌でも高得点を出さざるを得ない。残念ながら、今回のプルの試合での演技は、そこまでの完成度は無かった。申&趙組と同等レベルのモノを持っていれば、軽くエヴァンを越える点数を、さすがの糞ジャッジどもですらプルにも出したはず。勿論、4回転や真央の3Aがもっと点数を出してもらえて然るべきだと私も思っている。だが、贅沢かもしれないけど、申&趙組の有無を言わさぬ技術とパワーを伴った4回転や3Aを、シングルの選手達には跳んで欲しい。それが達成できて他がノーミスならば、今の採点システムでも、ジャッジどもが糞でも、絶対に勝てる!そして、パトチャンみたいな大技の無い選手達も、否が応でも大技を習得せねばならん流れが生まれてくる。申&趙組のレベルに至ることが出来る選手は限られていることは確かだが、無理だと最初から諦められたら、私達は二度と彼らのような選手に出会えなくなってしまう。そんなのイヤッ!だから、シングルの選手も彼らに追いつく気持で頑張って!
◆エフゲニー・プルシェンコ/男子シングル・銀メダル
プルのEX、素晴らしかったよ!また滑りが雑で、ジャンプ斜めってたけど、もうそんなの関係ないよ、プルは。命かけて滑ってくれてたのが、ヒシヒシと伝わってきたから。プルにとっては、普通に歩いたり座ったりすること以上に、滑ることの方が当たり前になってるって感じられたから。エヴァンには悪いけど、少なくともEXではプルの方が王者だったと実感した。う~ん、何て言うのかな…エヴァンは決まったプログラムを上手に滑ってるだけなのに対して、プルの場合はまるで即興のような驚きと輝きがあるんだよなぁ。でも、エヴァンの名誉のために言っておくけど、それはプルだけのもので、他の選手にも勿論ない(申&趙組も含めて、だ)。エヴァンや他の皆さんが一般的な素晴らしい選手なんであって、プルが特殊なだけ。試合ではそうした魅力は点数には繋がらないから、プルは不利だ。でも、EXでは違う。やっぱりカリスマのある選手の方が、演技の出来の善し悪しに関わらず、観る側を虜にしてしまう。プルが採点に難癖つけようが何しようが、世界中から非難される一方で、やっぱりこれだけ愛され続けるのも当然。彼を心底嫌っている方々を、憐れまずにいられない。彼の素晴らしさを素直に受け止めれば、彼にしか作れないプルシェンコ・ワールドを存分に楽しめるのに。
プルの魅力を言葉にするのは難しい。スピードとか、迫力とか、どんな言葉を駆使しても、私の文章力じゃとても表現しきれない。でも、昔から一つだけ思ってきたのは、彼の中には幼少からの「スケート大好き少年」が未だに生き続けているってこと。彼の演技を観ていると、私は小学校の頃に必ず学年には何人かいた、運動神経抜群だった男の子達を思い出す。彼らが球技大会や運動会で同じチームにいてくれると、それだけでどれほど心強かったことか。勉強がダメダメでも、そういう子達は格好良かった。女子にも、同じ男子にもモテていた。彼らがドッジボール等の球技で活躍する姿を見ると、誰もが「スゲーッ!」と叫びながら、ただひたすら尊敬するばかりだった。多少天狗様になろうが、偉そうな態度を取ろうが、誰も彼らを嫌いにはなれなかった。もう少しで追いつけそうな程度に自分より上の存在なら、誰しも妬み嫉む。でも、自分の能力を遥かに超越した存在には、自然と頭が下がってしまう。彼らは、そんな少年達だった。そしてプルは、そんな一人がそのまま大人になったようなスケーターだ。だから、好き。だから、愛おしい。プルが死んだら、私はきっと号泣する…縁起でもないけど、これが私の最高位の称賛だ。
◆浅田真央/女子シングル・銀メダル
真央、銀メダルおめでとう!真央には金メダルを獲らせてやりたかった、勿論。でも、金メダルがどうこうよりも、真央がFPで目指していた最高の演技が出来なかった…本当に残念なのは、それだけ。でも、そんなことはスケーターなら競技人生に於いていくらでもあるって、真央は勿論分かってるだろうから、すぐに立ち直れるよね。真央はブレードが氷に引っかかっちゃったけど、信成は靴紐切れて、ロシェはお母様が急死しちゃって、嗚呼、人生何が起こるか分からない!ってヤツさね…。でも、充分良くやった。在り来たりだけど、今はそう言ってあげたい。そして、宣言した通り百発百中で3Aは全て成功させた!私が世界一好きな真央の美しい3Aを、五輪の大舞台で3回も見せてくれただけで、感謝感激!それにしても…何事も他者のせいにしない真央は絶対に認めないだろうけど、FP演技直前にキム選手にジャッジどもが出した点数は、真央にとっては銀メダル以下決定通告であり、その絶望感の中で滑らなければならなかった事実は、少なからずFPの出来に影響を及ぼしたと私は思っている。あれはやり過ぎを通り越して、犯罪だった。かの有名なmizumizuさんがブログで、男子と同じ飛距離と高さのあるキム選手の点数への加点が不当なのは、そうした男子のジャンプには同じ加点がつかないからだと記していらして、同氏のその一言で決着はついたと確信した。
ロシェが大会を終えた後、真央が3Aを果敢に跳んでる姿に勇気づけられ、アスリート魂の炎が再び燃えて演技をすることができた…というようなコメントをしたらしい。ロシェもまた、昨季後半から続いてきた気違いレベルのキム選手への加点から、自分の金メダルはあり得ないと分かっていたんだと思う。だからお母様が亡くなった時、「どうせ金メダルは獲れないのに、こんな苦しい中で出場する意味はあるのか?」と、間違いなく苦悩したはず。そんな彼女が敢えて前述のようなコメントを真央に関してしたのはリップ・サービス等ではなく、偽りの無い本心だったと思う。真央だって、心の奥底ではロシェ同様に金メダルは不可能と感じていたに違いない。それでも、真央はその事実を認めず、「不可能なことは何もない」と言い切って、自分ができる努力の全てを直向きに続けた。そんな真央にだからこそ、ロシェは心打たれて闘志を復活させることが出来たんだと思う。今回の五輪でのこの逸話もまた、私はずっと忘れない。
プルが主張するように、何故もっと大技が評価されるべきなのか?それは、スポーツの発展という一言だけで片づけられるべきではないと思う。ロシェがそうだったように、途轍もなく難しいことに敢えて挑む人間の姿は、多くの者の心を揺さぶり、希望を蘇らせてくれる力があるからだ。だからこそ、日頃は何ら運動をしていないような私でも、フィギュアだけでなく、様々なスポーツでの選手の活躍に惹きつけられるわけだ。単純に「凄い!」と感じることが、私達の日常で一体どれほどある?ほぼ、皆無。だからこそ、スポーツにしろ芸術にしろ、それらを実際に行う人達以外のためにも、それらは必要であり、無かったとしたら相当詰まらない世の中になっちゃう。感化、感激、感動…これらの刺激が、何れは老いて死にゆく運命の人間にとって、どれほど不可欠なものか忘れてはいけないと思う。
だから戦略的にどうであれ、今後も真央には好きなだけ3Aを跳びまくって頂きたい。本人が希望するなら、4回転に挑戦するのにも私は反対しない。苦手なルッツにも、また挑戦して欲しい。今までもそうだったように、今後も真央には挑む人であり続けてもらいたい。それを続ける限り、五輪が終わろうが何だろうが、真央のスケートに終わりは無い。これから真央がどんなコーチにつこうが、誰に振付を担当してもらおうが、真央のスケートの基本は変わらず、「出来なかったことを、出来るようになる」…それだけで、真央は素晴らしい。ご苦労様。そして、いつもながら、有難う。
最後の方は、明らかにEXの感想じゃなくなっちゃったな~!でも、それだけ感慨深いものが、やはり五輪にはあるということでしょうか。女子シングルの結果は悔しかったし、ジャッジはやっぱり嫌いだけど、トリノ五輪の時みたいに悲惨な自爆をする選手がほとんどいなくて良かったよ(女子は!男子は…)。皆さん、お疲れ様~♪ なるべく皆、世界選手権も出場してね~!
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この記事へのコメント
今回は本当に精神的に疲れました。ただ、あのものすごいプレッシャーの中
SP,LPともにパーフェクトにこなしたヨナ
には
悔しいがあっぱれです。
回転不足と言われようと2Aが3本でも、セカンドに3Tを2本
もって
これたのも大きい・・・。
EXは薄かったですけれどね。EXはSPの
ようなプログラムのほうが良かったかも。
しかしプル様のEXはやっぱり惹きつけられますよね。何故なんでしょうねぇ、あの魅力は・・・。
私も今回のEXで印象に残ったのは誰よりも
美姫選手でした。あのEXようのレクイエムは
本当に素晴らしいですね!
しかし、世界選手権見たいような見たくないような・・・。
ファンは真央選手本人の納得いく演技が見られれば
それでよし、と思うようになってしまいました。
採点競技は金輪際信用できませんしね~(特にフィギュア)
本当に後味悪かったっす。プルがいてくれて女子の採点にも異議を唱えてくれたのだけが救い。でも、隣国はこっちが採点に疑問を唱えてるってだけでサイバー・テロをやって2チャンのサーバをダウンまでさせるし…5万人規模で攻撃したそうですぜ、はぁ?私は2チャンネラーじゃないし、別に構わないのですが、そこまでやる?って感じ。どうしてキム選手のファンは彼女の勝利を汚すようなことをするのでしょう?あんな低俗な連中からの重圧を背負って滑らねばならなかったキム選手がさすがに気の毒に思えてきました。
美姫、良かったですよね!彼女こそ真央とキム選手の陰で、実力あるのに今大会は無視し続けられてしまった存在。仕方ない流れとは言え、4年前からこんなに成長したのに可哀想です。世界選手権は採点無視して応援します。友加里が引退決定したそうで、ちょっと淋しいんですが。今季は真央以上に辛かったのは友加里です。しばし彼女を忘れていたことに罪悪感です。
you tubeの鐘のモンタージュ、素晴しかったです。
イメージの貧困な私にはどう表現してよいか判りませんが、不毛な戦の中を生き続ける「ナウシカ」や「ジャンヌダルク」ですかね、思い浮かぶのは。
でも真央が「モスクワの鐘」をはずすと何と軽やかに見えることか。
もともとお雛様とか菩薩様を思わせると言われる外見ですから今回のモンタージュの和風もピッタリですね。
私も今回のキムの勝利について考え続けてきました。
ゴールドかシルバーかと争うことのむなしさも
教えられました。今はそこに至るまでの真央の成長をこそ称えたいですね。
何より戦さ(?)を続けてくれる真央の姿をこれからも見続けられるのが嬉しいです。
プル様、衝撃的でしたね。
やはり、ジャッジへの怒りだったのでしょうか?
同じシャンソンナンバーだったランビエルも、キングとなったライサチェクもさぞ燃えたことでしょうね。
手術を受けてソチに挑むその姿にも勇気付けられますね。
ブログ訪問&動画御覧くださって有難うございます~!動画に関しては真央の素晴らしい演技とタラソワの重厚な振付、そして川井さんの神々しい音楽と、至高の三者あってのもので、私はろくなことしてません。
昔、信成(だったと思う)がフィギュアの素晴らしさは何かと問われて、芸術性を伴うスポーツだからと答えていました。私は芸術点に該当するスコアの愚かさを何度か主張してきましたが、フィギュアの芸術性自体は心から愛しています。
だからこそ、フィギュアには最終的に採点や勝ち負けなど、何の意味もないと強く感じるようになりました。芸術性や観客が抱いた感動は、数字にすることなど不可能です。プルも、私の中では同様。プルは存在そのものが奇跡であり、芸術。どんなシステムも彼の素晴らしさを正当に評価などできようはずが無いと思います。






























