2007年05月12日

インド本の紹介 「ITとカースト」

ここんとこ、殆どトレードしてないので、暇をもてあまして
読んだ本を紹介したいと思います。

ITとカースト インド・成長の秘密と苦悩
 伊藤洋一 著 日本経済新聞社 1700円

最近出てるインド本の一つです。

筆者は、IT産業をインドを救った「超カースト」産業と捉え、
「最下層の人間でも、能力さえあれば入っていける。
 それがインド社会にITが持ち込んだ衝撃だったのではないか」
という仮説を提示しています。P49

そして、
 カースト制による階層社会→経済の停滞
 →IT産業が風穴を開けた→経済成長への道
と、結論づけています。
 
 でも、カースト制の実態や、それが経済に及ぼす影響に
ついての分析もないし、読んでもIT産業の実態が分からない
のです。
せいぜい分かるのは、欧米のソフトのアウトソーシングで
儲けてるってことぐらいでしょうか。

IIT(インド工科大学)がすごいと言うのは分かる。
入学するのは大変らしい。
NHKスペシャル「インドの衝撃」でもやっていました。
でも、どこがどう凄いんだ。
インドが国家戦略の一環としてIITを育ててきたのか。
どうも読んでいるとそうでもなさそうです。

評価としては、読みやすいけど内容は希薄という印象です。

筆者は、取材で3度訪印してるそうです。取材旅行ですから、
我々がする観光旅行と違って、内容は充実してるものと思います。

しかし、たった3度の旅行で本が書けてしまうというのが、
我々のインド理解の実態なんだなと思います。
アメリカや中国では考えられないではないでしょうか。
それだけ、インドとのつながりが薄いんですよね。





poesaku1 at 22:50│Comments(0)TrackBack(0) この本で儲けよ | アジア株

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