2/20東京 利上げか否か・注目の日銀政策決定会合

20日から明日にかけて、注目の日銀政策決定会合が開催される。今回の判断に重要な影響を与えると考えられていた06年10―12月期GDP速報値が先週15日に発表された。事前予想前期比年率でプラス3.8%のところ実際はプラス4.8%と予想を大幅に上回る結果となった。これを受けて利上げ期待が高まり、為替相場も円高の展開となっている。

 個人的には今回利上げをする可能性がかなり高いと考えているが、専門家の中では意見が真っ二つに分かれている。確かに、10―12月期のGDPの結果は予想を大きく上回るものではあったものの、この結果は、7―9月期の数字があまりに悪かったための反動であるという意見もある。確かに、半年にわたる2期を平均して見てみると、決して強いと言い切れない部分があるのは事実であろう。これが今回利上げは見送られると予想している人の主だった根拠となっている。この見方そのものは確かに一理あると思う。実際この間、決して強い景気拡大をしているわけではない。また、消費者物価指数も直近は年率でプラス0.1%と下落傾向にあり、今月発表される1月分はゼロになるのではないかという予想もある。


 しかしながら、こうした客観的なデータの分析よりも、前回の会合で利上げにかなり傾いていたのが、土壇場になって据置きという結果となったという点に注目すべきである。前回は執行部の2名が利上げに賛成すれば利上げが実施されるという環境にあった。したがって現在もムードとしては利上げに傾いているはずである。そんな中、何か利上げのきっかけが欲しい――。これが日銀の本音ではないだろうか。1月の会合以降に発表されたGDPが予想を大きく上回ったという事実は、利上げムードにある日銀にとっては渡りに船ではないかと私は考える。


 12月、1月には、事前にメディアが利上げの可能性を報じ、結果として勇み足となる局面があった。今回は情報が流れないように日銀も十分な注意をしているようである。おそらく前回はメディアが事前に報じたとことで、かえって政府からの圧力がかかってしまった。今回はその轍(てつ)を踏まないように、慎重に情報統制を行っているのではないかと推測する。これも利上げの可能性が高いと考える根拠である。


 しかしながら、これは私の私見だ。市場全体を見れば人によって意見が異なっている。そのため事前に利上げに対する市場のコンセンサスが形成できず、利上げを市場が十分に織り込めない状態にある。昨年の7月のときは、日銀はメディアなどを使って十分に市場との対話に努めた。その結果、市場が利上げを事前に十分に織り込んでいたために、利上げが実施されると逆に円安になるという展開となった。しかし、今回はどちらに転ぶか依然不透明な状況で、利上げを十分に織り込めない。この状態で利上げが実施されれば、ある程度円高になる可能性は高いと考えるのは自然で、ドル円で1、2円程度の円高になる可能性はある。しかし、国内金融機関や機関投資家、輸入業者などは利上げの実施による円高局面で円売りをしたいと手ぐすねを引いている。利上げは短期的に円高要因となるであろうが、1、2日して市場が利上げを織り込むと、そこからまたゆっくりとした円安相場に戻っていく可能性が高いと考えている。


 逆にもし、仮に利上げがなかったとすれば、市場は素直に円安に反応するであろう。今回利上げが実施できないとなれば、日銀に利上げのチャンスが当面訪れないからである。


 結局、利上げが実施されてもされなくても、結局はまだ円安基調が続くというのが筆者の意見である。金融政策を材料として、円高に向かう――。それは、日本の金利が継続的に上がっていきそうだというムードになったときだと考えている。(日経ネットFXマーケットウオッチ)

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