2019年01月03日

明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。

さて、新年の抱負というわけでもないのかも知れませんが、
インド古典音楽についてのこと

最近、古典声楽をよく聴いています。
華やかな器楽も素敵ですが、人間の声の魅力は素晴らしいですね。

聴き込むにつれて、やっぱり、Ragaは、
インドで生まれ育った音楽ですが、
地域の固有のアレンジをされることもありますが、
本質は、普遍性があり未来を志向する音楽で、
だから、人類が共有できる音楽だと思うのです。



大がかりな舞台装置や高価で希少な楽器が必要な音楽
権威や権力に支えられる音楽に、どれだけ
サステナビリティ(持続可能性)があるか・・疑問に思ったりします。

音楽は、人の心の中にあるもの

ここでも何回か紹介している「古今集仮名序」の冒頭文が
まさにRagaの本質を伝えてくれています。

やまとうたは、人の心を種として、万の言の葉とぞなれりける 世の中にある人、ことわざ繁きものなれば、心に思ふ事を、見るもの聞くものにつけて、言ひ出せるなり 花に鳴く鶯、水に住む蛙の声を聞けば、生きとし生きるもの、いづれか歌をよまざりける 力をも入れずして天地を動かし、目に見えぬ鬼神をもあはれと思はせ、男女のなかをもやはらげ、猛き武士の心をも慰むるは、歌なり
「古今集仮名序」の冒頭文


それを、多くの方にどう伝えていくか・・

自分ですら、まだ学ぶことが多い音楽です。
いつも暗中模索をしながら音楽をしています。



とりあえず、
何か参考になるようなボーカルの例を出してみようかな

ラーガ ドルガ



 
Pt. Venkatesh Kumar: Raag Durga

Raga Durga(ラーガ ドルガ)は5音音階の調べです。
日本の民謡などでもよくある音階ですので、親しみやすいですね。
つまり、ドレファソラド です。
南インド由来のRagaだそうです。

時間(伝統的に言い伝えられている時間の雰囲気)
 夜(午後10時〜午前1時)

ドルガはヒンディの美しい女神の名前でもあります。
この女神は、トラの背中に乗って剣を持ってにこやかに
悪魔を血だらけにして退治している姿で描き表されています。
朴訥で親しみやすいドルガの音階は
例えば民謡の「木曽節」や唱歌「砂山」を思い出させるような旋律もあり
「日本(アジア)の穏やかな里 郷愁」といったイメージも私は持つのですが。

この女神のイメージは、美人なのだけれど
剣を構えてトラに乗っている、しかも
悪魔を血だらけにして微笑んでいるのです。
まるで
「はたらく細胞」のマクロファージみたいです
・・不思議に思います。
でも、美人で勇猛で、まるで人間とは思えない圧倒的存在・・
だから神様なのでしょうね。


リズム(ターラ)は10拍子(2+3+2+3)
ですが慣れない方はあまり気にしないで聴かれて大丈夫です。
ゆったりしたリズムに乗って歌われる旋律を楽しまれたら良いかも知れません。
13:11くらいから、早い4拍子系の(16拍)リズムになります。
リズムは細かくなりますが、
ラーガドルガのゆったりして朴訥な優しい気分は続いていますね。






辰野基康pohh at 16:19│シタール | 音楽

2018年11月30日

ベジタリアンの方には、ごめんなさい。
個人的なことですが、最近、醤油ラーメンがお気に入りです。

減塩などもしているので、外食は控え目ですが
それでも、思い出したように、近所の醤油ラーメンを食べ歩きます。

割と近所に、気に入ったラーメン屋を見つけました。
営業時間が短いし、品切れしたらその日は終わり、という店なのですが、
ファンにサポートされてマイペースでやっているところです。
枯葉ライン

そのラーメンの話ではなく、
前回に書いた、ラーガ・バイラヴィのこと

このラーガって、私にとって醤油ラーメンみたいだなぁと、ふと思ったのでした。

町の古い「中華料理屋」に必ずといっていいくらいある料理です。
以前は「中華そば」と呼ばれていました。
しかし中国にはない料理です。
(カレーパンが、インドではないのと同じ)

バー

RagaBhairaviも、とても人気あるラーガです。
そうえいば、かなり昔の話ですが、
お正月恒例企画テレビ番組で「かくし芸大会」という企画がありました。
一度、当時人気だったいかりや長介さんのバンド「ドリフターズ」が
シュスマ小俣さんの指導で、ラーガ・バイラヴィをシタールで2〜3分弾いていましたね。

bar450

チェーン店のラーメンがあるが如く
軽音楽風のバイラヴィもあります。これもなかなか良いです。

情感あふれる情緒的なバラードのような演奏も可能だし、
敬虔な祈りの感じの演奏、
アップテンポでPOPなダンサブルな演奏や
エキサイティングな演奏だって可能な気がします。

要するに、応用範囲が広いのです。
つまり、醤油ラーメンのようなものです。
麺やトッピングを変えるだけでも、全然印象が変わるのです。

また、ダシや作り方が違えば、また違った味わいになるところも
バイラヴィと醤油ラーメンの共通点でしょうか。

駅前食堂のラーメンというのも、
昭和感あふれる味が想像できますが、
「駅前食堂ラーメン風Bhairavi」というものもありそうな気がします。

全国のご当地ラーメンのように
インド各地のバイラヴィの音階での民謡がありそうな気がします。


「和風バイラヴィ」も面白いかも知れません。
・・というより、
これは、ぜひチャレンジしてみたいと思ったりします。

ここで問題になるのが
<何をもって 和風(日本音楽風)とするか>なんですよね。

音階はバイラヴィの音階ですので、日本の音階ではありません。

楽器?
例えば、「琵琶」でバイラヴィのフレーズを弾いてみたら、それで「和風」ですか??
それってただ、楽器を持ち替えただけですよね?

簡単には答えなんてでるはずもないことなのです。

つまりは
「日本音楽」とは何であるか、
さらに、「日本」とは何なのか
といった、根源的な問いかけにつながるからです。

けっこう今までも問いかけていたことのようです。

<日本の音楽について シリーズ>






辰野基康pohh at 09:47│音楽 |  日本音楽

2018年11月23日

魅了されるRagaバイラヴィ


シタールを始めてまだ、インド音楽に馴染んでいない最初の頃から、
Ragaバイラヴィ(Bhairavi)は、魅了された素敵なRagaでした。

朝のラガーだと言われて、それも何となくイメージ出来ました。
静かな朝焼け、ゆっくりと静かに陽が登ってくる風景、
きらきらと輝く朝の光
そんなイメージ

バイラヴィは、女性名詞ですよね
実際に、「Bhairaviさん」という名前の女性もいらっしゃることでしょう。

Ragaに対する、この自分のイメージをどれだけ演奏に反映できるか、
それは楽しみでもあります。

どのようなリズムで、テンポで、演奏するかも、
想像が膨らみます。

想像力は、たくさんの情報を与えられたれるより
芯になるものがあって、
そこに時や想いが積み重なることで、
軽やかに飛躍していくのではないかな・・とも思えてきます。

人間の心の不思議ですね。



Kaushiki Chakrabarty
A devotional bhajan in raga Bhairavi with Soumik Datta and Vijay Ghate


カワセミ2蓮3tatsu



《続く》



辰野基康pohh at 17:14│シタール | 音楽