サーラ・オリソンテのライヴ感想
10月29日土曜日は二宮のアットホームなスタジオでのライブでした。
フルートの中瀬香寿子さん
ヨガのseikoさんのワークショップとのコラボです。
前半はseikoさん指導のヨガと音楽(フルート&シタール)のコラボ
コラボ自体は数か月前にも同じスタジオでやったのですが
今回は音楽はかなり自由に音を付けていきました。
椅子に座っての呼吸法のワークショップ
これはフルートの息遣いが合うようにも感じました。
後半、インド古典音楽シタールとタンプーラの演奏
午後のラーガ Raga bhimpalasi
今回は特にタンプーラの効果を意識しました。
器楽用のタンプーラはシタールと音色がとても近いので、
丁寧に合せることで二重奏のような立体感や遠近感の効果が生まれることに気付きました。
絵画で言えば「空気遠近法」のようなものでしょうか。
小さな音、地味な音なのに、強烈な印象あるものはインパクトが大きいです。
インドでもシタール演奏でタンプーラは重要視された使われ方が少なく思うのですが、それはこの繊細で優れた楽器の音色を活かさずもったいない気がしています。
2曲目は、日本のわらべ歌をテーマにした
シタールとバスフルートの即興演奏
タンプーラも加えて「奥行」をつけました。
中瀬さんの演奏はフルートも素敵ですがバスフルートもとても良いです。
工夫して音を出されているのか、とても民族音楽的な響きを感じました。
わらべ歌がテーマでしたので、ちょっと即興的なボイスも一部に使うことで臨場感をつけました。
楽器と声の素材のコラボは良かったです。
これは深めていっても、それなりに深まる気がします。
3曲目は3コードの曲
弦楽器として3コードの響きを作るのことは興味深いです。
ギターやウクレレなどの洋楽器の弦楽器は和音を作るための構造的な工夫がされています。
シタールで出来るだけ綺麗な和音の響きを作るためには技術と練習が必要です。
シタールがアルペジオ、フルートが旋律というパターンを試しました。
けっこう自然な感じで、シタールで無理やり和音を弾いているという感じはなく演奏できた気がしています。
純正律の和音の響きとまではいかなかったのが「宿題」ですけれどね。純正律の音楽を聴き込めば純正律の響きを再現できるのでしょうか。
すべての演奏は実験的な意味合いも大きくて、
それぞれの曲に、それぞれ新しい演奏テクニックを試しました。
作品としての仕上がりになってきていたようです。
中瀬さんの優れた演奏技術や音楽性に支えられたことが大きいのですが、
自分としては割と自然に演奏が出来たように思います。