辰野基康のブログ

音楽会のご報告 日々の雑記などをメモしています。 メインのサイトは http://sitar.holy.jp/ ご連絡は tatsuno123@yahoo.co.jp

2006年03月

シタールと朗読の午後


シタールと朗読の午後

3月25日(土)
地元の教会・「岡上 みんなの広場」でのソロ・コンサートでした。
地元の知り合いの教会関係の方が集って下さり
心暖まるコンサートになりました。

録音された音も、いいものなのでしょうが
私自身、シタールの生の音に、どうしてもこだわりを持っています。
これは、自分が弾く楽器の生音を何十年と聴き続けてきたから
きっと「もうどうしようもない定め」という部分もあるのでしょう。

このコンサートでは、シタールの細かい音色まで
味わっていただきました。

聖書の朗読にシタールひとつで伴奏をつけるという試みは、
なかなかよかったように自分では思っています。

最後に、賛美歌・聖歌の伴奏をしました。
歌の伴奏をするというのは、不慣れなもので、
伴奏というよりさりげない旋律に来ていただいた方々に
歌をつけていただいた、という形でした。

舞台に伝わってくる歌声の美しさには、感動しました。
美しいものを思い、声が合わさっていく力は、大きなものです。
どんなに時代が移り、どんなに素晴らしい楽器が出来たとしても
人は自分の声で歌う。声を合わせて生きていく。

そう感じました。


ご来場いただいた方々へお配りしたプログラムに掲載した文章を
転記いたします。


地域のための音楽
 30年インドの楽器シタールを弾いてきました。
インドの楽器、インドの音楽を紹介する、ということもそうですが、
それを通じて、かつて暮らしの中にあった音楽を改めて見直すことや、
暮らしの中で作っていく音楽が生まれるささやかなきっかけになって欲しい、
と考えることがある。
と、最近、ブログに書きました。

今回は、みんなの広場・石井啓司さん、ゆみさんご夫婦のご理解とご協力で、
地元の演奏会の運びとなりました。
インドの曲、聖書朗読の伴奏、日本歌曲と賛美歌・聖歌メドレーという
プログラムです。

祈りの場と音楽
 インドは仏教、キリスト教に縁があるようで全国の寺院で演奏をしてきましたし、
かつて東京YWCAのチャペルでクリスチャンの方、そうではない方も参加して、
内なる心の声に耳を傾ける黙想のための演奏会を続けてきたことがあります。
祈りの場には、美しい響きを引き出す力が宿るような気もしています。

手作りの美味しいケーキも用意していただきました。
ゆったりとした午後のひとときをお楽しみ下さい。

シタール 辰野基康

高明寺でのお彼岸法要の演奏

高明寺お彼岸

3月21日 春分の日
横浜市東神奈川にある高明寺でのお彼岸の日の演奏でした。
高明寺では、インド楽器などを用いて
仏教賛歌を作る試みをされています。
「なむあみだぶつの歌」「浄土論の歌」
「般若心経の歌」など

今回は
浄土論の歌と般若心経の歌。

歌 住職 三木悟さん 志賀久子さん
パーカション 吉口克彰さん
篠笛・タンブーラ 仲林利恵さん
シタール 辰野基康

演奏とは別に、般若心経について、住職からのお話しがありました。
仏陀がシャーリプトラへ伝えた、深遠なる智慧の言葉だということです。

音楽を通じ自分や人の心に美しい響きが生まれることを願いながらも、
悟りや深遠な智慧には程遠い、凡人の私です。

けれども、お話しを聴くことや、
自分を省みる時を持つことで
「彼岸に至る道」に少しは近づけるのかな


  そんなことを思ったお彼岸の一日でした。

光が丘公民館シタールコンサート



光が丘公民館1

3月12日(日)午後2時〜4時
地元、相模原市光が丘公民館文化部の事業
「外国文化にふれる」で、シタールの演奏とお話しをさせていただきました。

公民館の館区内の方が対象の催しでした。

 ○ シタールの演奏と楽器の紹介
 ○ 私なりのインド文化への想い
    など、お伝えしました。

いらした方々、おひとりおひとり熱心に聴いて下さり、心暖かい催しになりました。

後半は、参加いただいた方にシタールの音を体感していただけるように
楽器を持って皆様のそばまでいって、音を聴いていただきました。

情報化社会では、文字や音、あるいは知識として
「情報」を得る機会は増えているのでしょう。
それが、いわゆる「便利さ」でもあるのでしょうが
その場に足を運んで参加することの意義をどこか作りたかったのです。
この方法は、高校の授業でも取り入れています。


   □ ■ □ ■


地元での活動については、いつも私なりに考えています。

インドの楽器、インドの音楽を紹介する、ということもそうですが
それを通じて、かつて暮らしの中にあった音楽を改めて見直すことや、
暮らしの中で作っていく音楽が生まれるささやかなきっかけになればいいな、と。

馬子唄、田植え歌、木挽き歌のような日常の労働歌
婚礼歌、祭り囃子 などお祝いの歌

かつては、それぞれの土地にそれぞれの風土があり、自然と人とが育んだ音楽や文化があり、
それらに対して、人は誇りを持って育ててきました。

「日本の歌」というよりも「風土の歌」
大陸の外れに位置して、寒流と暖流が交わる島の暮らしは、海流にのって海を渡ってきた人たちが、風土に溶け込み、穏やかに交流する土地柄。
民族という大きな枠組みよりも、もっと細やかな風土の違いの暮らしがあって、そんな小さな違いを尊重しあってきた。
日本の島文化の伝統が繊細な仕事を好むのには、そんな土地柄があるからではないでしょうか。

日本の伝統音楽、地域の音楽、芸能について
自分でも学ぶ機会は少ないのですが、民族楽器を演奏する者として、
少しずつでも学んでいきたいものです。

どこからか与えられる音楽や暮らしからほど遠い音楽ではなく、
生活の中から生まれてくる音楽が育っていって欲しい

・・そんな願いがあります。

光が丘公民館2光が丘公民館3
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