辰野基康のブログ

音楽会のご報告 日々の雑記などをメモしています。 メインのサイトは http://sitar.holy.jp/ ご連絡は tatsuno123@yahoo.co.jp

2006年11月

風土の音、根っ子のある音

<知人宛ての手紙の抜粋より>

そちらは、もうすっかり冬の季節でしょうね。
こちらも、少しずつ日が短くなって晩秋の風景です。

最近、ICカード録音機で、音楽用のものが出てきましたよね。
ZOOMのh4を買いましたが、これがなかなか使えるのです。
ICカードはモーター音がないので、マイクと本体の一体型が効果的です。
値段もそれほど高価ではないので、簡易録音には最適です。
パソコンとの相性も良く、ちょうどデジカメのデーターのように扱えます。
SONYにも高級機種はありますが、業務用の感じで高価です(たぶん丈夫なのでしょうが)
ここ数年で、かなり実用的で廉価なものが出てくることを期待しています。



音の記録の技術は日に日に進歩していると感じますが、
同時に、記録されたものではない、即興音楽の意味の深さも、
自分の中で整理していかなければ、と思っています。

「日本」という島について考えることがあります。
島の風土が育んだ音楽、
外から訪れた音楽を島々の人たちは、どうやって受け入れて
土地の風土や暮らしに取り込んでいったのか・・

風土に根付いている音、音楽

アイヌの文化や沖縄の島歌の伝統なども
少しずつ学んでいきたいものです。

島

ワークショップ

11月15日

調布市北部公民館にて

これはNPO法人アジア芸術文化協会が、提案した、市民講座です。
アジアの楽器に親しんでもらい、国際理解を深めるという催しでした。
楽器の紹介、演奏の紹介などで、あっという間の90分でした。

平日の日中にも関わらず、多くの方にお越しいただき、
また、熱心にお聞きいただいて、とてもありがとうございました。


11 月17日

横浜市港北区社会福祉協議会の建物で、
北綱島養護学校の生徒さんたちへの演奏

みんな、とても可愛くて、感激しました。

言葉にできなくとも、何かを感じ、そして何かを伝えたいという願いも
伝わってきましたよ。

子供達の愛らしさは、きっと、
お子さん方が健やかに育っていくことを願うご親族の方々の想いや
明るく学び、育っていくことを願う学校の方々の想いに育まれているのだろうな・・と感じたひとときでした。

けれど、ただ愛らしいだけではなくて、
日々を生きることを真摯に向き合っている懸命さを感じるのです。
そして、そのことに、心打たれるのです。


母子像

民族楽器への想い・サワリのためのクモの巣

部屋を少し整理していたら、「クモの巣」が出てきた。
これは、サンザ(カリンバ)のサワリの研究のためにと、
以前、家の外を掃除したときに出てきたものを、大事にしまっていたものである。
たぶん今後も使わない気がするが、一応写真をとっておいた。

サンザはアフリカの民族楽器
「親指ピアノ」という呼び方もされるけれど、ピアノとは、多くの点で異なる。
幼児用玩具である「がらがら」は、
サンザとよく似たものであるような気もしている。

楽器としての位置づけがどこにあるか、よくわからないのだけれど、
自分なりに感じる魅力としては、サワリあるいは音色を自分で工夫できる点にある。
空き缶を小さく切った断片、王冠、小石などで、楽器にサワリをつけていく。

とても原始的な方法に思えるが、
これを、稚拙であると一概に判断していいものだろうか?




熟練した楽器職人が丹精込めて作った楽器。
立派なコンサートホールで一流の演奏家が集う音楽会。
それらは、もちろん素晴らしいものである。
それを実現するためには、
そこに関わる多くの方の生活を考え合わせてみれば、現実的にお金がかかる。

一方では、
お金だけで音楽のすべての価値が決められるのだろうか?
心の感動の大きさが決められるのだろうか?
そういう想いもある。
(ここの部分でよく妻とケンカしてしまう。もっとも彼女の言い分も良く分かるけれど)

いつも、こんな自己矛盾を抱えながら、暮らしている。



蜘蛛の巣


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