明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。さて、新年の抱負というわけでもないのかも知れませんが、
インド古典音楽についてのこと
最近、古典声楽をよく聴いています。
華やかな器楽も素敵ですが、人間の声の魅力は素晴らしいですね。
聴き込むにつれて、やっぱり、Ragaは、
インドで生まれ育った音楽ですが、
地域の固有のアレンジをされることもありますが、
本質は、普遍性があり未来を志向する音楽で、
だから、人類が共有できる音楽だと思うのです。
大がかりな舞台装置や高価で希少な楽器が必要な音楽
権威や権力に支えられる音楽に、どれだけ
サステナビリティ(持続可能性)があるか・・疑問に思ったりします。
音楽は、人の心の中にあるもの
ここでも何回か紹介している「古今集仮名序」の冒頭文が
まさにRagaの本質を伝えてくれています。
やまとうたは、人の心を種として、万の言の葉とぞなれりける 世の中にある人、ことわざ繁きものなれば、心に思ふ事を、見るもの聞くものにつけて、言ひ出せるなり 花に鳴く鶯、水に住む蛙の声を聞けば、生きとし生きるもの、いづれか歌をよまざりける 力をも入れずして天地を動かし、目に見えぬ鬼神をもあはれと思はせ、男女のなかをもやはらげ、猛き武士の心をも慰むるは、歌なり「古今集仮名序」の冒頭文
それを、多くの方にどう伝えていくか・・
自分ですら、まだ学ぶことが多い音楽です。
いつも暗中模索をしながら音楽をしています。
とりあえず、
何か参考になるようなボーカルの例を出してみようかな
ラーガ ドルガ
Pt. Venkatesh Kumar: Raag Durga
Raga Durga(ラーガ ドルガ)は5音音階の調べです。
日本の民謡などでもよくある音階ですので、親しみやすいですね。
つまり、ドレファソラド です。
南インド由来のRagaだそうです。
時間(伝統的に言い伝えられている時間の雰囲気)
夜(午後10時〜午前1時)
ドルガはヒンディの美しい女神の名前でもあります。
この女神は、トラの背中に乗って剣を持ってにこやかに
悪魔を血だらけにして退治している姿で描き表されています。
朴訥で親しみやすいドルガの音階は
例えば民謡の「木曽節」や唱歌「砂山」を思い出させるような旋律もあり
「日本(アジア)の穏やかな里 郷愁」といったイメージも私は持つのですが。
この女神のイメージは、美人なのだけれど
剣を構えてトラに乗っている、しかも
悪魔を血だらけにして微笑んでいるのです。
まるで
「はたらく細胞」のマクロファージみたいです
・・不思議に思います。
でも、美人で勇猛で、まるで人間とは思えない圧倒的存在・・
だから神様なのでしょうね。
リズム(ターラ)は10拍子(2+3+2+3)
ですが慣れない方はあまり気にしないで聴かれて大丈夫です。
ゆったりしたリズムに乗って歌われる旋律を楽しまれたら良いかも知れません。
13:11くらいから、早い4拍子系の(16拍)リズムになります。
リズムは細かくなりますが、
ラーガドルガのゆったりして朴訥な優しい気分は続いていますね。