最近、いろいろ気付くことがあるのですが、
自分の演奏の音が、毎回、違って聴こえるのです。
といっても、だいたいは同じ感じなのですが
それでも、毎回、どうも「違う音」なのです。
その違いは、なかなか具体的に言えませんが、
あえていえば
音の粘度というのでしょうか・・
余計分かりにくいですね(笑)
音が、弾力のある何か塊のようになって、
それが砕けて飛び散り、また、その粒が集まりだして
今度は、薄い霧のように、靄のように空間を満たす・・といったような感じ?
フラクタルの図を作っていますので
その印象をアップすれば、こんな感じとか・・
たぶん、音自体は、もしかしたら同じようなことなのかも知れませんが
それを聴く自分の心持ち・・心のあり方が変化しているのでしょうか?
時々、音楽とは一期一会のものではないかと思ったりします。
音楽は、紡ぐ先から、消えていく
消えた音は、比喩的に言えば、宇宙の彼方に消えていって
戻りはしません。
人が奏で歌う音楽は
同じような演奏はあっても、全く同じ演奏はないのだと思っています。
機械的な仕組みで作られた音、
例えばオルゴールの演奏とか、録音物の再生とか
それは、機械的な条件が同じなら、同じ演奏になるのですが。
人は何らかの形で、常に成長、あるいは変化していきます。
今の時代、録音技術があるから「音」は記録しておけるのですが、
聴いて心が動いたこと、その心の動きは、「録音」出来ません。
そして、その時、その瞬間、に生まれ消えていった音は
貴重なのでしょう。
しかし、世の中、音や騒音に満ちています。
商業的な刺激や娯楽は、静かに何かを感じ、
それを心の中で育てていく時間をあまり与えてくれないようなものが
とても多い気がしますよ。
音楽をゆっくり、豊かな気持ちで楽しむには
情報過多の時代なのかも知れませんね。