辰野基康のブログ

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2019年10月

一期一会の音楽 

最近、いろいろ気付くことがあるのですが、
自分の演奏の音が、毎回、違って聴こえるのです。

といっても、だいたいは同じ感じなのですが
それでも、毎回、どうも「違う音」なのです。

その違いは、なかなか具体的に言えませんが、
あえていえば
音の粘度というのでしょうか・・
余計分かりにくいですね(笑)

音が、弾力のある何か塊のようになって、
それが砕けて飛び散り、また、その粒が集まりだして
今度は、薄い霧のように、靄のように空間を満たす・・といったような感じ?

フラクタルの図を作っていますので
その印象をアップすれば、こんな感じとか・・

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たぶん、音自体は、もしかしたら同じようなことなのかも知れませんが
それを聴く自分の心持ち・・心のあり方が変化しているのでしょうか?



時々、音楽とは一期一会のものではないかと思ったりします。

音楽は、紡ぐ先から、消えていく
消えた音は、比喩的に言えば、宇宙の彼方に消えていって
戻りはしません。

人が奏で歌う音楽は
同じような演奏はあっても、全く同じ演奏はないのだと思っています。
機械的な仕組みで作られた音、
例えばオルゴールの演奏とか、録音物の再生とか
それは、機械的な条件が同じなら、同じ演奏になるのですが。

人は何らかの形で、常に成長、あるいは変化していきます。

今の時代、録音技術があるから「音」は記録しておけるのですが、
聴いて心が動いたこと、その心の動きは、「録音」出来ません。

そして、その時、その瞬間、に生まれ消えていった音は
貴重なのでしょう。



しかし、世の中、音や騒音に満ちています。

商業的な刺激や娯楽は、静かに何かを感じ、
それを心の中で育てていく時間をあまり与えてくれないようなものが
とても多い気がしますよ。


音楽をゆっくり、豊かな気持ちで楽しむには
情報過多の時代なのかも知れませんね。





楽器についても音楽についても、まだ初心者です

最近、よく感じるのだけれど、
もう40年くらい、シタールを人前で弾き続けてきたのに、
やっぱり、相変わらず初心者なのです。

楽器に触れていたり、音楽のことを考えたりすると
新しい発見があります。

発見した時には、とても嬉しくて、
「これは世紀の大発見だ!」と小躍りしたくなるほどです。
でも、翌日くらいになると、実に平凡で陳腐なことだと思えるのですね。
逆に、なんで今まで、そんな簡単なことに気づかなかったのか、
自分の愚鈍さに呆れるのです。

それでも、小さな発見でも、進歩ではないかとも思えるけれど、
またしばらくすると、その発見自体が、ひどい勘違いのような気がする・・

うん、確かに、勘違いだったね。と納得

そして、また、新たな発見をして(発見した気になって)喜ぶ。

・・この繰り返しです。


まあ、基本的にずっと初心者なのでしょう。

初心者で40年すぎて、けっこう初心者であることの心地よさみたいなものが
身についてしまったのでしょうか。

ただ、初心者であることも強みがあります。
それは、権威とか、評判とかに無関係だから
チャレンジャとしてやっていけることです。

初心者なので、技量不足の心配もあります。
もっとも、初心者だからこそ、ゆっくり技量を育てれば良いのです。

音楽と言う大海の岸辺で、小さな発見の日々です。




教えることをしてこなくて、良かったと思っています。
教える才能や自信は、まったくありませんし、
教えたこと自体が、また時間が経つと、ぜんぜん正しくないことと思えてくるでしょうから。

自分なりの音楽スタイルも作らず
後進の指導もせず、
ないないづくしの音楽人生です。

では、長年、楽器を弾いてきて、何が残せたか・・というと
何にも残せていません。
音は消えていくものです。
作っては消えて、作っては消えて、を繰り返してきただけです。

ただ、音楽をやるという「旅」は、続いています。

体が動いて楽器が弾けるうちは、楽器演奏。
もし、体が動かなくなっても、聴いて、学ぶことは出来ます。

道を歩むようなことなのでしょう。

魯迅の言葉を思い出します。

「多くの歩む人があって、道が出来る」




何となく、想いを書きました。
今後もまた、何か書き綴っていこう〜

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10月26日(土)11:00〜11:10 ディワリ・イン・ヨコハマ

演奏のお知らせです


ディワリ・イン・ヨコハマ


日時
10月26日(土)11:00〜11:10

オープニングセレモニーの前のシタールソロ演奏

バジャンの演奏を予定しています。




場所
横浜 山下公園






マハトマ・ガンジー生誕150周年


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