◆TOPPANホール
TOPPANホールは西洋クラシック音楽の専用ホールで木の響きが良いところだそうです。
音響設計されたホールで音を出せるというのは貴重な機会ですので、出来れば生音で演奏したいのですが楽器の音量が十分だろうか気になるところではあります。自分の中では、横浜の三渓園での観月祭の延長として位置付けです。
観月会、秋の虫の音が聴こえる室町時代の古刹の庭先での音楽でした。
今回は、日本の仏教の声明です。声明はお経の中でも音楽的ですね。
日本の仏教はインドから伝わりましたが、長い時間をかけ人達の暮らしに寄り添い育まれてきました。
インド音楽の響きとどこか共鳴するものがあるのでしょうか。
一応使う楽器の調整などでは半年ほどかけて準備しました。タンプーラの音色もシタールに合うようにして弦の響きを活かせるように工夫しました。
もっとも音色とか奏法は試行錯誤しているものなのですけれど。
日本文化を愛したタゴールの歌も声明と、気持ちの中でつながっているようにも思います。
◆ホールの残響時間
音楽専用ホール、残響時間が設計がされていることはうれしいです。
おおよそ石作りの空間で鳴っている楽器ですから。
自分の弾く楽器の生音について、とても良い音色かどうか、あまり自信はありませんが、まあそこそこの心地よさはあるようには調整しています。
そうしたホールで音を出せるということで、生音への期待感がけっこう高まっています。
以前、音響で有名な神奈川県立音楽堂で音を出したことがありました。
ものすごく期待していましたが、自然な響きはあったけれど、まあこんなものかという感じ。
でもそれは、自分の出す音を追及してきたというよりは、会場の響きに委ねようということ、つまり他人任せの考えがあったのかも知れません。
それと、それまでがイベントとかライブハイスとか音量をしっかり上げての演奏が多く、そうなると音響装置頼みが癖のようになってしまっていたのですよね。
エフェクトに頼って音作りをするようになったりします。
それはそれで、そういった音楽になるのでしょうけれど、室内楽の優雅さ、音の余韻を楽しむこととは少し離れるのでしょう。
そんなことで、今回、古典曲の演奏の時には、「光」をテーマに考えました。
「光」の表現は、印象派の絵、特にモネのイメージが。
あるいは・・例えばゴッホの跳ね橋。
音楽では、ドビッシーの月の光の透明感
西洋美術や音楽ばかりではなく、日本美術なら、円空菩薩のほほえみにも「光」を感じます。
龍安寺の石庭、苔寺の木漏れ日
イメージは広がりますが、それに対してどれだけしっかり弾けるでしょうか。
けれども、少なくともチューニングはちゃんとしておきましょう。
チューニングは演奏中にずれてくることがよくあるし、シタールはそういったものでもあります。
その日の気候、温度湿度の変化、体調などによって、変化することがあります。
チューニングがずれてしまうと、音の透明度が落ちるようです。
ずれないための幾つかの対策を考えます。
□音の饗宴 声明
2025年7月5日(土)
開演16:00
TOPPANホール
2500円(税込) 全席自由 一般
TOPPANホールチケットセンター
https://www.toppanhall.com/



