辰野基康のブログ

音楽会のご報告 日々の雑記などをメモしています。 メインのサイトは http://sitar.holy.jp/ ご連絡は tatsuno123@yahoo.co.jp

日々の雑記

ラビンドラナート・タゴール「少年時代」


「良書とは何か」ということはよくわかりませんが
人生の中で、長い時間にわたって寄り添ってくれる本はあります。

岩波の新書や文庫の、林家辰三郎の「歌舞伎以前」や「枕草子」は、今も愛読書です。
半世紀以上、読んでいることになります。
その割に、内容を熟知しておらず、気分的な「読書子」ではあります。


インド音楽に出会い楽器そのを演奏しながらも、いつも日本やアジア全体の文化史など、自分が生きてきた暮らしの中に息づいている文化の土壌、根っ子をさらに知りたいと思っています。
そうした視点をもつことで、自分の根っ子にある文化的な大切なことを観ることができる。
また「外国の華やかな文化」への憧れというのも大事ではあるけれど、それだけのことだと、音楽の中にある大切なことを見失ってしまいそうで。



ラビンドラナート・タゴール「少年時代」


タゴール自身の幼年〜青年時代の回想録のような作品です。

ベンガル語がわからないのにタゴールソングを聴き慣れてきて、タゴールの詩のリズム感や抑揚、韻などが何だか面白いように感じてきたこの頃。

そんなタゴール自身の子供時代の想い出を中心に、子供に戻ったような瑞々しい文体で書かれています。
そして、その文体の中にあるリズム感が心地よいです。
土地に根差した土着的な調べや物語。
タゴール少年が眼を輝かせて、わくわくしていきたこと。
小鳥のさえずりのように語られます。

本編だけではなく「解説」がとても充実しています。
タゴール家の歴史やタゴールの祖父、両親、兄弟などが丁寧に説明されています。
こちらだけでも一読の価値があります。

久々の良書に出会えました。
美しい装丁です。
出版社. めこん ・ 発売日. 2022/10/16


タンブーラの修理で「駒」を買い届けていただいた大西正幸さんの訳です。

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Sur-o-Jhankar製のタンブーラの駒の入手情報をお持ちの方がいらしたら、ご連絡ください

女性用ボーカルタンブーラを修理で預かったのだけれど、何と駒(ジャワリ)がなかったのです。
これには困った。

弦が切れていたり、ボディが痛んでいたりというのだと、何とか修理の工夫は出来そうだけれど、さすがに、楽器として音色の命のような駒がない、というのはかなり痛いです。

自作すれば、ということも考えたのですが、もともととても立派な仕上げの楽器のようだし、その中にある精度の高い精密な部品を手作りするのは、苦手です。

メーカーの名前も住所もわかっているのだけれど、ジャワリだけを購入できるのか?
どうやって問い合わせてよいのやら・・
Sur-o-Jhankar
7,RAMESH MITRA Rd CAL

女性用タンブーラ

Sur-o-jhankar



戸惑っているうちに時間が過ぎていきます。

面倒になって、このままでネットオークションで売り出したら、数千円くらいでも買い手は出るでしょうけれど。

でも、良い楽器なので、ちゃんと整備して整った音が出るようにして、まだまだ大切に使っていけるようにしたいものですけれど・・・

狭い家に暮らしているので、生活の都合上もう部屋の中にはおけないので、屋外の物置に移す予定です。
ただ、屋外の物置は温度変化も大きいし、湿度も高いし、置いておくと、カビが発生したりして劣化が激しいですね。
数年もすれば、もう適切な実用に耐えられないくらい劣化する、つまりジャンク品になるかも知れません。これも困ります。実はそれに近い状態の楽器を幾つか持っています。オークション行き候補の楽器です。



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でも、このタンブーラはまだ良い状態なので、何とか駒をつけて、演奏可能にしてあげたいのです。
きちんと手入れしたら、美しい音で鳴り響くと思えるボディと棹です。

美しい音が出る可能性あるものを失うのは残念です。
今の時代、音なんていくらでも、パソコンで作れると思われてもいますけれど、
スピーカーを通した音と、楽器自体のボディや棹などが振動して、そのひとつひとつが音源である生の音とは、絶対に違いがあるものなんです。
こっちは柔らかな音、ここは固い音、ここは籠ったような音色、低音が響く場所、楽器全体での響き、などが混ざり合っての音です。
歴史ある生の楽器は、長い時間をかけて、楽器職人や演奏家たちが苦労して、ベストな音のバランスを追求してきたものです。
あるいは、現在進行形で、さらにベストなものを試行錯誤されているかも知れません。


Sur-o-Jhankar製のタンブーラの駒の入手情報をお持ちの方がいらしたら、ご連絡ください。

よろしくお願いいたします


辰野 まで



■ 追記 2023年9月24日

ジャワリ(駒)について、来月インドに行かれる方がタンブーラのジャワリを探して下さることになりました。本当に助かりました。多くの方のご厚意に感謝いたします。

ふと、これは音楽の女神、サラスワティSarasvatī、弁財天のお導きなのかとも思ってみたりします。

自分としては、ただ感謝の心で、
手にした新たな駒を調整して、再び美しい響きが戻ってくることに尽くすことだけです。

治療、闘病  facebookより

近況報告です。

■治療、闘病
2017年の末の血液透析の導入から4年になります。
糖尿病ではないのですが、
原因は不明で病院で分かった時は、腎臓はかなり機能しなくなっていました。

現在、腎機能はおよそ5パーセント程度です。
なにもしないと、毒素が体内に溜まり死んでしまうのですが、現代の医療は透析という腎臓代替療法が確立されていて、長期間の生存も可能にはなっています。


多少の食事の管理、制限などはありますが、それでも日常生活には大きな差し障りはありません。
ただ、透析はあくまでも人工のものですので、腎臓の代役を完全にはカバー出来ていません。

現在、予後は良いのですけれども、医療の過信も出来ないから、なるように任せています。
人間いずれは死んでいくもので、後は自然の成り行きに任せていいかなと、思ったりしています。
週3日、4時間の透析のために近所のクリニックに通院しています。


最初の頃は、この4時間がとても長いと感じていましたが、今は、リラックできる時間のような感じでのんびりと過ごしています。

TVをみたり映画を観たり、音楽を聴いたり、読書したり、ベッドでストレッチをする方もいるようです。
透析日、休息、透析日という繰り返しで、あっという間に日が過ぎてしまいます。



次回は、日々の音楽、音作りのことなどを書きます。
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