今年の初年度ドラフトですが、何度も書いてるように今までと同路線で行く予定です。先に書いた予算枠の範囲内で、この方針に基づいて買える馬を探していきます。ここでは、その考え方の基本を自分への戒めとして書いておきます。これは、私の過去の黒歴史への反省の為です。

●欲しいほしい病
 多くの一口出資者が煩い、完治は不可能で、一口収支を悪化させていく恐怖の病に「欲しい欲しい病」というのがあります。「あれも走りそう」「これも走りそう」。「これは俺にしか価値がわからないから安い、絶対にお得!」「活躍したら後悔する・・・」「好きな馬の仔、弟妹だから」「仔馬の時に見たから」などの思いが重なり、際限なく出資をしてしまいます。こういった所謂「中二病」的な病気は、人生経験をつむことで免疫がつきますが、年齢を重ねてもかかる人がいます。これを酷くわずらうと、一世代に何十頭も出資しちゃうこともあります・・・。人並みはずれた岡田総帥以上の選馬眼をもつか、損しても耐えられる十分な資金力が無い限り、これではリアルな生活をも苛みます。(勿論、人によってそんな損は何でもなく、馬の走る喜びのほうが上回る人もいます。家庭内可処分所得額、パラサイトシングルか、家庭持ちか、共働きか、子どもの有無などでも状況は違いますので、楽しみ方は人それぞれです。なので人のことに口を挟むつもりは毛頭無いです)趣味ですので、生活に支障の無い範囲で楽しめれば、それが最高なんですから。
 かつては「(出資割合が大きくて)馬代金が高かった」のと「アナログでの申し込み」という手間があったために少しはこれが緩和されてました。しかし近年では、ネット投票が可能になって「ポチ」っとなで簡単に出資できるように成り、そのハードルが下がりました。また、小口化が進んだことで一頭あたりの単価が下がり、リスクを吟味せずに気軽に出資できるようになりました。これがこの病気を蔓延させています・・・。(繰り返しますが、支障なく楽しめてれば、一病息災で共存できて幸せだと思ってます。私は、それを治したかっただけですので)

●私の一口での黒歴史
 私もこの時代の波に飲み込まれ、この病を発症し、苦しんできました。一番多い年には、同一世代を12頭も揃え、現役出資馬の合計が20頭以上に膨れ上がった時があります。(2000年産:社台2、社台地方2、キャロ3、ユニオン4、シルク1)こうなると、出資馬の割合にも差が出て収支計算が複雑になります。そして、万が一の幸運で活躍馬がでても、それが出資割合が低い場合には全体の収支を改善させないという最悪のパターンになります。(因みに2000年産は10口出資のシルクボンバイエが活躍しましたが、カバーし切れませんでした)。我々世代のギャンブルの神様である故 阿佐田哲也氏は、車券が当たらないのは大した問題ではなく、車券が当たっても儲からないのが大きな問題だ、というようなことを言っていましたが、まさにその状態です。
 気軽に出資した馬というのは、やはり検討も等閑で、結果も良くないことが多いです。勿論、その中から走る馬が出ることも有りますが、機会を増やしていくと必ず「大数の法則」の中に収斂していきます。等閑な検討で大金を出す人はいない(客観的には大金でも、その人にとっては大金で無い)でしょうから、どうしても収支は悪化しがちです。
 そうなると、多くの馬を持つために馬代金を節約するようになります。馬が出てない週末が寂しくなりますので、ますますこういう傾向が強いです。資本主義社会では、自分だけが価値を見出せる商品は市場原理によって価格は抑えられますので、そういった馬(と、自分が信じてる)を選ぶようになります。かつてのラフィアン全盛期の岡田総帥のビジネスモデルですね。私は馬体が見れないので、血統、配合でこれを目指しましたが、結局手痛い目にあいました・・・
(その2に続く)