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282回目はポラロイドSX-70ソナーの登場です。

ポラロイドカメラのファンというのは、カメラ好きの中でもそう多くはない勢力だと思うし、そのファンもポラロイドカメラのすべてが好きというわけではないと思います。しかしこのSX-70(シリーズ)だけは別格で、ポラロイドカメラファンはもちろん、ポラロイドカメラにあまり興味のない人でも好きなカメラ、あるいは興味のあるカメラだと思います。本機はそのSX-70シリーズのなかでオートフォーカス(AF)が利くようにしたタイプです。初代のSX-70には「アラジン」という愛称があり、これはもちろんアラビアンナイトの「魔法のランプ」からきており「完全無欠のロックンローラー」のアラジンとはなんの関係もありません。もちろんポラロイドカメラの最高峰ですから、ちゃんと使えるやつなんか結構な高値で取引されています。デザインもユニークながら品があり、カメラそのものの作りもいい上、現像・プリントの革新性など、良い意味であらゆるひとの注目を集めた20世紀の傑作機のひとつといっていいでしょう。

さて、AFは大きく分けてアクティブ方式とパッシブ方式があって、パッシブ方式にはさらに位相差AF、像面位相差AF、コントラストAFに分かれます。もちろんponkotsutousanのことですから、その違いなんか分かるわけがありません。しかしSX-70はそのいずれでもない超音波方式。この方式はポラロイドだけが実現したものでしたが、暗い場所や壁のようなコントラストがつきにくい被写体を映すのにたいへん有利な方式。それ以外にもテレビに向けてシャッターを切るとチャンネルが変わりますし、肩とか腰に向けてシャッターを切ると痛みがすこしラクになります。ガラス越しの被写体とか壁のような平らなところを斜めから測距しようとする場合には不利と云われていますが、そういうことで文句を云うような人は、モノがカメラでなくても文句ばっかり云ってるような人に違いありません。そういうめんどくさい人は放っておいてかまいません。だってこのカメラ、MFでのピント合わせだってできるんですから。ただ測距装置がじゃまでちょっとやりにくい。またその測距装置のせいで、同じSX-70でも初代の人気に及びません。ない姿のほうがやっぱ優雅ですからね。

で、このSX-70ソナーはキタムのジャンクコーナーで2500円も出して購入したものです。もう清水の舞台から飛び降りるような気持でした。しかしそれでもこれほどの歴史的名機ですから、いくら高くても買うこと自体に迷いは迷いなんかはありませいやあの、ありましありません。ええ、ありませんとも。で、使うのかというと、その気はまったくなし。というのもフィルムがバカ高い。昔、スペクトラフィルムが定価で2500前後してた頃にスペクトラProを使ってたのは、バブル期でponkotsutousanも世間並みにいちびっていたからであって、ジャンクコーナーにあったこのSX-70ソナーに1パック3000円近くのフィルム()を詰めるなんて気はさらさらありません。今のponkotsutousanの経済力ではそもそも使う資格がありません。

もちろんすでにポラロイド社純正のフィルムはなく、インポッシブル社というところから出ているもののみですが、このご時世作ってくれているだけでもありがたいものです。1パック3000円という価格もたいへん良心的だと思います。

精密なカメラを作ることのなかった(作れなかった)アメリカ。このSX-70ソナーもニコンやライカのようなギッチリ詰まった精密感のかけらもありませんが、それらのカメラに負けない存在感や優雅さがあります。なにしろ宣伝に世界的な名優のローレンス・オリビエを起用してたくらいですからね。ニコンなんかせいぜいキムタクですから。このカメラやコダック・エクトラ、スピードグラフィック、そして大判カメラの最高峰ディアドルフがあるせいで、日本やドイツが簡単にアメリカのカメラ産業をバカにできないわけです。ファインダーも決して見やすくないし、写真の仕上がりも(スペクトラProを使ってた経験からすると)ボヤ~んとしたものだったんでしょうけど、革命的かつ歴史的なカメラであったことに、異論ををさしはさむ余地はありません。持ってるだけでうれしいカメラ、それがこのSX-70です。こういうカメラはもっと大切にされなければならないと思います。
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