2 事案の概要及び争点

 

 1 事案の概要

 

()原審本訴請求事件は,控訴人らが被控訴人らに対し,以下の行為が控訴人らの名誉,信用を毀損したとして,不法行為に基づく損害賠償請求をした事案及び控訴人幸福の科学が被控訴人山口に対し,謝罪広告の掲載を求めた事案である。すなわち,(1)もと控訴人幸福の科学の会員であった被控訴人●●が,弁護士をする被控訴入山口を訴訟代理人として,控訴人らに対し,控訴人××及び控訴人△△が共謀して被控訴人●●を脅迫し,控訴人幸福の科学への献金名下に26400万円の金員を不法に交付させたなどとする虚偽の事実を訴状に記載して損害賠償請求訴訟を提起するとともに,これについて記者会見を開き,不法行為者として,控訴人××及び控訴人△△の人名などが記載された訴状を配布し,かつ,その席上,尾行やいたずら電話など控訴人幸福の科学の組織的な嫌がらせも続いている等と虚偽の事実まで公表し,新聞紙上及びテレビにおいてその旨の報道をさせたこと,(2)被控訴人山口において,全国の約400人の弁護士に対し,記者会見における配付資料や本件訴状の写し等の資料を送付し,日弁連消費者セミナー等において,控訴人幸福の科学をあたかも他の霊感商法や宗教関連被害事案と同様にコメントするなどしたこと等が控訴人らの名誉を毀損したとして,控訴人らから被控訴人らに対して上記各請求がされたものである。

 

(二)原審反訴請求事件は,被控訴入山口が控訴人幸福の科学に対してした原審本訴事件の提起が同被控訴人の業務妨害や弁護士としての活動及び訴訟行為に対する威嚇を目的として提起された不当訴訟に該当するとして,不法行為による損害賠償請求権に基づき,慰籍科その他の損害賠償を求めた事案である。

 

(三)原審は,被控訴人らが訴訟提起後記者会見を開き,被控訴人●●のコメントを発表したことなどは,控訴人幸福の科学の名誉を毀損する行為と認められるが,その余の控訴人の名誉は毀損されていないとし,また控訴人主張の被控訴人山口の各行為は控訴人らの名誉を毀損しないとしたうえ,上記名誉毀損行為につき真実であると信ずるにつき相当の理由があったとして,控訴人らの請求をいずれも棄却するとともに,本訴の提起は威嚇を目的とした訴訟の制度趣旨,目的を逸脱する不当訴訟に当たるとして,被控訴人山口の反訴請求を100万円の限度で認めた。

 これに対し,控訴人らが上記原審認定判断には事実誤認及び法的評価の誤りがあり,ひっきょう結論を是認することができないとして控訴を提起し,他方被控訴入山口が敗訴部分の取消しと請求認容  を求めて本件附帯控訴した。

 

(略)