エセ説話

2007年04月08日

趙某という男が実家の蔵で黒い木箱を見つけた。蓋を開けてみると、切り取られたばかりのような子供の首が入っていた。あなや、と驚いてよく見ると、それは自分のものであった。



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2007年04月07日

天人

かつて石霞という名の利剣があった。あるときこれが砕け、その五つの破片はそれぞれ男女の天人になったという。彼らは七の七十乗の劫を生き、天界の最上層に住まうと伝えられている。

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2007年04月04日

斗夏

昔、とある山中深くに斗夏と呼ばれる大蛇がいた。一度慈悲を垂れればいかなる恵みも人に与えると云われ、多くの人間がそれの蟠る姿を探したが、ただの一人もそれに遭うことはなかった。しかし一説には斗夏は慈悲というものを知らぬ神であり、人肉を好むこと甚だしいとも云う。

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2007年04月02日

メールから再録

寒光

子直曰く、新たに鍛えた剣を十年間月光に曝し、月の無い夜には灯火の上に翳した古い剣の光で照らし続けると、新しい剣はおのずから光を発するようになる。この光を浴びた者は刎頚の禍をまぬかれ得ず、この剣が創った傷は常に血を流し続ける。


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2007年04月01日

ハハハ

これから中国エセ説話を書きはじめます。「聊斎志異」に書かれていそうなことを資料がないから自分で書いてしまおうという痛い企画です。

 河西回廊の西の沙漠のいずこかに小さな隊商都市があった。その都の人々はみな腎臓の形をした赤鉄鉱を好み、砂丘の懐深くを彷徨ってはそれを採り護符とする。毎年百を下らぬ男女がその探険行で命を落としているが、それでも住人たちは石を珍重することを止めないという。

 

 

こんな感じ。昨日書いたSSとあわせて毎日更新を目指します。



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