2005年07月14日

【来日ライブ日記】エマーソン、レイク&パーマー(1972年)

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エマーソン、レイク&パーマー(略してEL&P)は1970年にデビューしたイギリスのバンドで、当時、やっと普及し始めたばかりのシンセサイザーをメインにした演奏を特徴とし、いわゆるプログレッシブのはしりです。

代表作はアルバム「展覧会の絵」です。

EL&P


ムソルグスキー作曲の同名作品のライブ演奏をそのままアルバムにしたもので、日本でも大ヒットしました。
こちらで試聴できます。
更に、日本ではこのアルバムの最後にオマケのように収録されていた「ナット・ロッカー」(チャイコフスキーの「クルミ割り人形」)もよくエアプレーされていました。

来日したのは、彼らの名前が日本に浸透した1972年です。
東京での公演は後楽園球場でした。
東京での様子はこちらに書かれています。

東京公演は無事に行われたようですが、一方、大阪公演は演奏途中で中断、そのまま打ちきりになるという残念な結果に終わりました。
よく、演奏開始前、マナーが守られない場合は公演を中止しますと言う注意事項がアナウンスされることがありますが、実際に中止された珍しい例です。

当時、大阪球場や府立体育館が、大阪で多数の観客を収容できるライブ会場として使われていまいた。
ところが、EL&P公演の会場は、甲子園球場でした。
それまで、来日アーチストの公演が甲子園球場で行われたことはなく、驚いたものです。

東京公演と違い、6月にもかかわらず甲子園は天候にも恵まれ、無事演奏が始まりました。
現在のようなコンパクトなシンセサイザーと異なり、球場グランドの中央付近に設営されたステージ上はバカでかい機械で埋め尽くされ、彼らはそのスキマで演奏していると言う感じでした。
演奏が進行し、かなり盛り上がって来たところで、シンセ奏者のキース・エマーソンによるパフォーマンスが始まりました。
その時、ハプニングが発生しました。

彼のパフォーマンスは、キーボードを離れてステージから下り、STAR WARSのライト・セイバーのようなものを手に持ってグランド走り回るというものでした。
どう言うしくみか分かりませんが、そのライト・セイバーの動きに合わせて音が変化します。
ところが、このパフォーマンスに興奮したのか、一部の観客が客席とグラウンドとを隔てる金網によじ登り、暴れ始めました。
そして、ついに何人かの観客が金網を乗り越えてグランドに乱入しました。
それを見て、他の観客も次々にグランドに飛び降り、グランド内は大混乱になりました。

EL&Pは逃げるようにグランドから去り、球場のライトが全て点灯されました。
そのまま終了です。
残されたものと言えば、あちこちで破れたり変形してしまった金網と、グランド内で追いかけっこをしている警備員と乱入者たち、そして、むなしく帰っていく観客達だけでした。

その後、甲子園球場では、2度と来日アーチスト公演は行われませんでした。

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