2006年01月25日

【日本でだけ大ヒット】愛の聖書★★★クリス・モンテス

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クリス・モンテスは1962年に「レッツ・ダンス」のヒットを飛ばし、アメリカでは名前の知られたPOPS系の歌手でしたが、その後ヒットに恵まれず、60年代後半にはAOR(大人向けのソフトなロック)に転向し、数枚のアルバムをA&Mレコードから発表しました。
アメリカではある程度の評判を得ましたが、日本ではヒットに恵まれませんでした。

ところが、日本でのA&Mレーベルの発売元のキング・レコードは、そんなアルバムの中に日本人向けの曲を見つけ出し、シングルとして発売したところ、大ヒットとなりました。
それが「愛の聖書」(原題は"Nothing To Hide")です。
ちなみに、作詞作曲はクリス・モンテス自身です。

nothingtohide

「愛の聖書」のmidiはこちらで聴くことができます。

ところで、元々この曲をご存知の方、あるいはMIDIをお聴きになった方は、この頃に流行った辺見マリの「経験」とよく似ているのに気付かれたと思います。
この辺の事情について少しお話ししたいと思います。

時間は少しさかのぼりますが、50年代から60年代前半にかけては、アメリカで日本人好みの曲が流行ると、日本人歌手が日本語の歌詞をつけてカバーしていました。
どちらかと言うと、カバー版の方がオリジナル版よりよく売れました。
ビートルズの初期のころには、まだまだカバー版も出されており、「抱きしめたい」や「プリーズ・プリーズ・ミー」など、カバー版もヒットしました。
しかし、「愛の聖書」(1969年)ころにはカバー版よりオリジナル版の方が圧倒的によく売れるようになり、カバー版はほとんど作られなくなりました。

代わって盛んになったのが、アメリカのヒット曲の一部をまねて新しい曲を作ることでした。
そんなわけで、「愛の聖書」が出た直後、誰が真っ先にヒットさせるか話題になったのですが、結局、「経験」がヒットしたと言う訳です。
他に、リン・アンダーセンの「ローズ・ガーデン」をマネた南沙織の「経験」等があります。

「愛の聖書」を含むクリス・モンテスのベスト盤。「愛の聖書」はじめ日本でだけ大ヒットを多数収録。


  

Posted by popandrock at 02:40Comments(1)TrackBack(0)

2005年08月03日

【日本でだけ大ヒット】孤独の世界★★★P.F.スローン(Part 2)

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P.F.スローンの「孤独の世界」の続きです。

「孤独の世界」のmidiはこちらで聴くことができます。

日本で「孤独の世界」がヒットしていると言う知らせは、すぐにP.F.スローンの耳に入り、本人はただちに来日するつもりでいたようですが、セッティングするスタッフに恵まれず、来日は果たせませんでした。
ところが、日本でのP.F.スローンの人気は根強く、彼がアメリカでライブをすれば必ず日本からファンが聞きに来ていたようで、90年代に入り、久々にレコーディングしたアルバムが日本でだけ発売されたのを機会に、1995年、ついに初来日しました。

ここで、この曲の歌詞の話をしたいと思います。

当時も今も、日本盤には歌詞とともに和訳が掲載されていることがよくあり、この曲の場合はシングルが2度発売されたため、2種類の和訳が存在します。

例えば2番を取り上げてみます。
原文は、

Have you ever seen a star fall from the sky
From a distance it looks like heaven's lost an eye
From a distance, from a distance, it looks like heaven's lost an eye
Now there's one less chance for god to see you and I
    星が空から流れ落ちて来るのを見たことがあるかな
    遠くから眺めていると
    天の神様が片眼をなくしてしまったように見えるよ
    君や僕を神様に見てもらえるチャンスが1回減ってしまうね
                         (訳:DAYS)
最初に出たビクター版では
 遠くの流れ星を見たかい
 あれは神様の目が落ちたんだ
 もう神様は僕等を見ることが出来ないじゃないか

少し、はしょってありますが、原文の意味はほぼ表現されています。

次に、ヒットした東芝版では
 流れ星を見た事があるかい
 神様の眼のような美しい流れ星を
 もう我々の神にはたった一つの眼
 たった一つのチャンスしか残ってないんだ

単に訳語を並べただけでまったく意味不明です。

ちなみに、ビクター版の訳者はTBSの北山幹男氏、東芝版の訳者はニッポン放送の亀淵昭信氏です。
さすがTBS、やっぱりなあニッポン放送、と言う印象です。

※訳文メモ
1行目は「流れ星」と訳したほうがいいのかも知れませんが、2行目との関係から「空から」を生かした方が良いと思い、回りくどい表現ですが「星が空から流れ落ちて来る」としました。
2行目の heaven はこの場合「天」「天国」ではなく「神様」です。お二人とも正しく訳されています。
4行目の one less は「1つ少ない」です。「1つ残る」ではありません。
また、you and I は文法的には you and me となるべきですが、前の行の eye と韻を踏むために敢えて me ではなく I が使われています。英語の世界ではよくあることです。
なお、you and I は文法的に誤りなので、you and eye と歌っているんだと言う説がありますが、you and eye の方こそ文法的にお誤りである上に、英語としてあり得ない表現です。更に、歌詞全体を通して読めば、ここには「眼」ではなく「私」がふさわしいと分かると思います。  
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2005年07月30日

【日本でだけ大ヒット】孤独の世界★★★P.F.スローン(Part 1)

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ある意味で、P.F.スローンは非運のアーティストです。
60年代に数々のヒット曲を書き、自身でも多くの曲を演奏したにもかかわらず、本国アメリカではビッグになるチャンスに恵まれませんでした。
彼が作曲した作品のうち、日本でもヒットした曲を何曲か挙げると、
「明日なき世界」バリー・マクガイア
「秘密諜報員」ジョニー・リバース、ベンチャーズ
「あの娘にご用心」ハーマンズ・ハーミッツ
「青春の渚」ジャンとディーン(←この曲も日本でだけヒット)

そんな彼が唯一P.F.スローンの名前でビッグヒットを放ったのが日本であり、その曲が今回紹介する「孤独の世界」です。
この曲は、当時、フォークロックと呼ばれ、メロディーはフォークソング的なシンプルなものながらバックの演奏はロック、と言う60年代後半に流行のスタイルです。
「孤独の世界」が当時の日本のフォークソングに及ぼした影響は大きく、類似のメローディーの曲、あるいは、この曲のアレンジをまねた演奏のレコードが多数見られました。

元々P.F.スローンは60年代前半、サーフィン・ミュージックの分野で活躍していました。
特に、当時この分野でビーチ・ボーイズと人気を2分していたジャンとディーンに気に入られ、バック・ミュージシャンとして多数のセッションに参加しました。
ジャンとディーンの代わりにP.F.スローンが歌った曲もあった程です。

ところが、それまでギター1本のシンプルな伴奏でフォークソングを歌っていたボブ・ディランが、突然ロックバンドをバックに歌い始め、アメリカ中に大きな衝撃を与えました。
P.F.スローンもその一人であったようで、ボブ・ディラン流にメッセージ性の強い曲「明日なき世界」を書き、これを、バリー・マクガイアがリリースしたところ全米1位の大ヒットとなりました。

数々のヒット曲を書いていたP.F.スローンですが、彼はあくまでもルー・アドラーと言うプロデューサーに週給何ドルで雇われていたスタッフにしか過ぎませんでした。
したがって、P.F.スローンにたくさん曲を書かせ、他のアーチストに取り上げてもらえば、ルー・アドラーは丸もうけとなるわけで、そのためのデモテープ代わりに多数の曲をレコーディングさせ、自身の経営するダンヒル・レコードから順次発売していきました。
元々ルー・アドラーはP.F.スローンを歌手として大々的に売り出すつもりはなかったわけですから、ダンヒルから発売された7枚のシングルのうちヒットしたのは「大人は知らない」くらいでした。

当初、日本ではビクターにダンヒル・レコードの配給権があり、数枚シングルがリリースされました。
その中には「孤独の世界」もありましたが、ほとんどヒットしませんでした。

fromadistance1



ところが、運命と言うものは分からないもので、1969年に日本での発売権が東芝に変わってチャンスが訪れました。
一般に発売権を新たに獲得した場合、過去のカタログを再点検して日本向けの曲があれば再発売し、強力にプッシュしてヒットすることが多いのですが、東芝は「孤独の世界」に目をつけ、1969年9月10日、ダンヒル獲得第1弾として発表しました。
fromadistance2


発売、即ヒット、と言うわけにいきませんでしたが、日本人好みのシンプルで美しいメローディは広く受け入れられ、ロングセラーとして愛されました。

ただ、残念なことに、日本だけのヒットであり、また、ダンヒルの発売権が数回移動した関係で、早く廃盤になり、入手困難になってしまいました。
1993年にアメリカで発売されたP.F.スローンのCD"Anthology"にはこの曲は収録されていません。
現在、日本でこの曲を聴くことができるのはミリオン・ヒッツ・コレクションと言う6枚組CDだけのようです。

「孤独の世界」のmidiはこちらで聴くことができます。

後日談と歌詞の内容については、Part2で。  
Posted by popandrock at 23:09Comments(8)TrackBack(0)

2005年06月30日

【日本でだけ大ヒット】ロック・アンド・ロール・ミュージック★★★ビートルズ

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ビートルズの「ロック・アンド・ロール・ミュージック」が大ヒットと聞いて意外に感じられる方もおられるかも知れません。
実は、大ヒットどころか、60年代、日本で発売されたビートルズのシングル盤の中で一番売れたのはチャック・ベリーのカバー曲「ロック・アンド・ロール・ミュージック」だったのです。
70年代以降に彼らの音楽を聞き始めた方々には理解しがたいことかもしれませんが、これが60年代の日本の状況だったのです。

現在、彼らの楽曲はイギリスEMIの完全に管理されており、世界中どの国でも同じCDが販売されています。
国ごとに人気の高い曲は異なっているにもかかわらず、その国のファン向けに編集盤を発売したり、シングルカットすることはできません。
ところが、彼らのデビュー後数年間は各国で自由に編集盤を発売したり、その国で売れそうな曲をアルバムから自由にシングルカットすることができました。

日本でも、「抱きしめたい」「シー・ラヴズ・ユー」等、彼らのオリジナルシングルも発売されましたが、それに加え、日本人向きの曲をアルバムから選曲してシングルカットされました。
もちろん、オリジナル曲もヒットしましたが、やはり、個性の強い彼らのサウンドは当時の日本では一般向けではなく、むしろ、日本人がなじみやすいカバー曲の方がセールスが好調でした。
例えば、「プリーズ・ミスター・ポストマン」の方がオリジナル曲より格段によく売れました。

pleasemisterpostman.jpg



そして、彼らの初の映画「ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!」が日本でも公開されました。
もちろん主題歌の「ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!(A Hard Day's Night)」は大ヒットしましたが、当時日本でよく売れたのは、アルバムからシングルカットされた日本人好みのメロディを持つ「恋する二人」でした。

Ishouldhaveknownbetter.jpg



続いて発売されたオリジナルシングル「アイ・フィール・ファイン」は、日本ではあまり売れませんでしたが、ほぼ同時期に発売されたアルバム「Beatles For Sale」には、日本人好みの曲が多数収録されていたため、日本独自にほとんどの曲がシングルカットされました。

その中の1枚が、「ロック・アンド・ロール・ミュージック」でした。

rockandrollmusic.jpg



ちなみに、66年の来日公演のライブでのオープニング曲は「ロック・アンド・ロール・ミュージック」でしたが、これは、日本での最大のヒットシングルが「ロック・アンド・ロール・ミュージック」だと聞いた彼らが、それまで海外ツアーでは一度も演奏したことのなかったこの曲を、わざわざ日本のファン向けに演奏してくれたものです。

なお、イギリスでの彼らの最大のヒット曲は「シー・ラブズ・ユー」でした。

「シー・ラブズ・ユー」のmidiはこちらで聴くことができます。

★ビートルズの代表曲と言えば「ロック・アンド・ロール・ミュージック」★

これは当時の日本の常識世界の非常識ということになります。
  
Posted by popandrock at 23:23Comments(1)TrackBack(0)

2005年05月29日

【日本でだけ大ヒット】孤独の太陽★★★ウォーカー・ブラザーズ

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辛口の評論で知られる竹村健一の最近の著書に「日本の常識世界の非常識」と言うのがあります。
「金持ちと貧乏人のいる社会は悪だ、銀行振込には手数料がかかる、会社は社員のためにある、北朝鮮国民は餓死寸前……これらは日本人のカン違い。気づいた人だけが成功する、世界の常識を解説」するのだそうです。

これを音楽の世界にあてはめると、「この歌手の代表曲と言えば〜〜〜に決まってる」が意外と世界の非常識である場合がよくあります。
そんな例として、今回はウォーカー・ブラザーズを取り上げます。

イギリスでの彼らの最初のヒット曲「涙でさようなら」と、それに続く「太陽はもう輝かない」は、当時、日本では大したヒットにはなりませんでした。
ただし、日本ではヒット曲が無いにもかかわらず、音楽雑誌の誌上では、ビートルズを凌ぐ人気とか言う触れ込みで彼らのイギリスでの加熱ぶりだけは報道され、名前と顔だけは知られていました。

そんな状況の中、彼らの1枚目のアルバムから日本独自にシングルカットされたのが「孤独の太陽」です。
元々この曲は、アメリカのコニー・スティーヴンスがオリジナルですが、聞き比べると、ウォーカー・ブラザーズ版はまるで別の曲に聞こえるくらい見事にアレンジされていることが分かります。

busstop.jpg


当時、日本ではアルバムを買えるのはほんの一部のお金持ちの子供たちだけでしたから、庶民の子供たち向け(私もその一人ですが)けっこう日本独自のシングルカットは多かったのですが、「孤独の太陽」については、彼らの日本での最初の大ヒットとなりました。

続いて、イギリスでのヒット「やさしい悪魔」が日本ではマイナーヒットに終わるや、レコード会社はまたまた日本独自のシングルカットに踏み切りました。
2枚目のアルバムの1曲目に収録されていた、「ダンス天国」です。

busstop.jpg


この曲も、オリジナルはアメリカのウィルソン・ピケットで、当時、日本ではどちらのバージョンもヒットしましたが、最終的にはウォーカー・ブラザーズの圧勝でした。

★ウォーカー・ブラザーズの代表曲と言えば「孤独の太陽」と「ダンス天国」★

これは日本の常識世界の非常識ということになります。

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更に、「ダンス天国」に続く日本でのヒット曲「二人の太陽」も、彼らの3枚目のアルバムから日本独自のシングルカットで、日本独自続きです。

なお、日本独自と言えば、
彼らは1967年5月に解散しましたが、日本での人気は衰えず、ついに翌年1月に日本でのみウォーカー・ブラザーズとしてライブツアーを行いました。

日本独自続きというより、日本独自づくしですね。

上に挙げたヒット曲を網羅している日本盤CDは
ダンス天国~ウォーカー・ブラザーズ
ウォーカー・ブラザーズ
ロープライス ¥1,696
新品 ¥1,696

格安なイギリス盤もあります。こちらは試聴もできます。
The Collection
The Walker Brothers
ロープライス ¥654
新品 ¥992

「孤独の太陽」のmidiはこちらで聴くことができます。
  
Posted by popandrock at 23:37Comments(1)TrackBack(0)