みどりの緑陰日記

香港で始めたプレイルームどんぐりから数えて28年、子ども達に絵本や児童書を手渡し続けてきました。保育士養成の場で仕事をしたこともありますが、今は図書館にかかわる仕事をしています。絵本や児童書のこと、文庫活動のことなどを綴っています♪

寺小屋という地域の子どもの居場所にて

7月25日(水)7:00〜 @知多市大智院IMG_1928


愛知県で40度を超える記録的な猛暑が続いている中、知多市へ行ってきました。右の画像は宿の窓から見る伊勢湾。




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今回は、ご縁があって、知多市大智院にて、NPO法人東京児童文化協会主催の全国読み聞かせキャラバン、子ども読書フォーラムの講師を務めさせていただきました。

昨年は同じ東京児童文化協会の糸魚川でのフォーラムで講師をしました。(→その時の記事はこちら



今年は愛知県知多市で、しかも会場は真言宗大智院という歴史の古いお寺。


ここでは、88年前から夏休みに寺子屋を続けているそうです。


前日、40度近い猛暑の名古屋に降り立ち、名鉄で知多市新舞子へ。

夜7時からの午前中の読み聞かせキャラバンでおはなし会を担当されるボランティアグループ'おはなし・みずぐるま’のリハーサルにも参加しました。



そして当日は朝7時に宿にお迎えが来て、大智院に到着。
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7時半には子どもたちが続々集まってきました。持ち物はみんな風呂敷に包んできます。


参加人数なんと90名。


知多市だけでなく、お隣の常滑市からも参加するそうで、中には祖父母親子三代で寺子屋に参加している子も多いそうです。



長谷川住職は、地域の中で育つことが子どもにとっては大切だとおっしゃっていて、その通りに地域の子育て支援センターという役割を担っていることに感動しました。


子ども達は集まってくると、異年齢のグループに分かれます。このグループは1週間の寺子屋開催中、ずっと同じで、男女比のバランス、1年生から6年生までの学年のバランス、そして小学校も違うように組み合わせにも配慮があります。

また、各グループごとに地域の方々がボランティアとして補助につきます。多くの方が元教師であったIMG_1939り、地域で責任のある仕事をされてリタイアされて、地域の子ども達のためにと集まってこられています。

8時の読経から始まって、挨拶もしっかりと交わし、40分間の集中的な学習をまずはします。異年齢のグループなので、自然と高学年の子が低学年の子の面倒を見たりしていました。

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そして9時過ぎから、約1時間半、たっぷりと読み聞かせキャラバンのおはなし会です。


絵本の読み聞かせあり、パネルシアターあり、紙芝居あり、巻物絵本あり・・・盛りだくさんの演目でしたが、誰一人飽きることなく、集中してお話の中に入り込んでいました。


おはなし会が終わると、各グループごとに決められた場所の掃除をします。IMG_1962


子ども達が、自分で考えてきちんと行動している姿に、これぞ理想の地域での子育てだなって思いました。


同じことを東京で・・・といっても難しいのはわかっているのですが、今、私が所属している教会でも地域の子育て支援センターとして何かできないかと話し合いが行われているので、参考になればいいなって思いました。



で、子ども達が11時半過ぎに帰って行ったあと、午後の読み聞かせ講座の準備に移りました。(寺子屋の案内状、なんと講演会の案内が「じんぼかずこの世界」になっていてびっくり!→こちら


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午後からの講座には、寺子屋でボランティアを務めた方や、読み聞かせキャラバンのおはなし会を担当された方のほかに、お子さんたちを寺子屋に通わせているお母さんたちが、一旦帰宅してから、もう一度足を運んでくださいました。


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「読書で広がる子どもの世界」というテーマで、幼児期〜小学生時代にどんな本を読み聞かせるかが、将来の子どもが自分で読むという力につながるという話を、具体的な事例を紹介しながらおはなししました。


終了後に、子育て中のお母さんたちが積極的に質問をしてくださったのが、すごく嬉しかったです。

それもきっと普段から寺子屋を通して、読書の大切さを伝え続けている大智院の積み重ねのおかげなんだなと感謝の気持ちでいっぱいになりました。

今回の旅では、’おはなし・みずぐるま’のメンバーのお一人に東京に就職したお子さんがいるという方とのご縁もいただいきました。4人のお子さんのお母さんというところに共通点があって、お嬢さんがおつとめのイタリアン・バルが、なんとうちから近いところにあることもわかりました。IMG_2016

そのレストラン、メリルにも早速翌週行ってきましたよ♪

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知多市とのご縁に感謝しています。

かたりba絵本@あーちゃんハウス

7月21日(土) 13:00〜 @colvo7あーちゃんハウス

あーちゃんハウスでのかたりba絵本の会に参加してきました。今回のテーマは「詩の絵本」。暑い暑い土曜日の昼下がりでしたが、主宰のあーちゃんを含めて7人が集まりました。

あーちゃんハウスでの絵本の勉強会の特徴は、あーちゃんが用意してくれるおやつ!IMG_1908





この日は35度を超す猛暑日。勉強会を始める前に冷たいおやつ、フルーツポンチが出てきました♪小玉スイカをくり抜いて、見た目も涼やか





それぞれが、「詩の絵本」で一番のおすすめを持ち寄りました。

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まず「詩ってなあに?」という問いかけから始めたメンバーもいて、絵本のテキストがかなり詩に近いものがあるなという気づきもあったようです。




特に海外の絵本でロングセラーになっているものの中には、詩に絵がつけられているものがあったり、テキストそのものが詩のリズムをもっていたり、そんなことも話し合いで出ました。

私が持って行ったのは、次の4冊。

『おやすみなさい またあした』神沢利子/詩 西巻茅子/絵 のら書店 1988
おやすみなさい またあした (幼い子どものための詩の本)
神沢 利子
のら書店
1988-09-01




この詩集、神沢さんの詩なのですが、幼い子どもの立場での生活詩です。西巻茅子さんのイラストも優しくて、娘たちによく読んであげていました♪



『朝』谷川俊太郎/詩 吉村和敏/写真 アリス館 2004
あさ/朝
谷川 俊太郎
アリス館
2004-07-01






ネスカフェのCMでも流れた「朝のリレー」が収録されている詩集。谷川俊太郎さんの朝をテーマにしたいろいろな詩に合わせての写真がすごく美しいのです。


『ワイズ・ブラウンの詩の絵本』マーガレット・ワイズ・ブラウン/詩 レナード・ワイスガード/絵
木坂涼/訳 フレーベル館 2018

ワイズ・ブラウンの詩の絵本
マーガレット ワイズ・ブラウン
フレーベル館
2018-03-01



ワイズ・ブラウンの詩集。2006年に出版されたものが、今年また再版されました。韻を踏んだ詩も、そしてレナード・ワイスガードの絵も、すごく素敵です。海外では詩は子どものころから暗誦する習慣があって、詩にすごく親しんでいるんです。

季節ごとに、その季節に合う詩を選んで子ども達と一緒に読んでほしいなって思います。


『詩ふたつ』長田弘/詩 グスタフ・クリムト/画 クレヨンハウス 2010
詩ふたつ
長田 弘
クレヨンハウス
2010-05-20





長田弘さんが、亡くなった妻に捧げる詩ふたつ。「花を持って、会いにゆく」と、「人生は森のなかの一日」。どちらも死がふたりと分かつとも心はいつまでも共にいるのだというメッセージを感じます。

詩に合わせて選ばれたクリムトの花の絵がとても美しく、心を打ちます。



Yさんが紹介してくださったのは、ずばり『詩ってなあに?』ミーシャ・アーチャー/作 石津ちひろ/訳 BL出版 2017
詩ってなあに
ミーシャ・アーチャーIMG_1911
ビーエル出版
2017-06-12





Aちゃんが紹介してくれたのは、『フレデリックーちょっとかわったねずみのはなし』レオ=レオニ/作 谷川俊太郎/訳 好学社 1969



あーちゃんは、『はじまりの日 for ever young』ボブ・ディラン/作 アーサー・ビナード/訳 岩崎書店 2010
はじまりの日
ボブ・ディランIMG_1914
岩崎書店
2010-02-13




この日、ほかにも紹介されたのに、ごめんなさい。3枚しか写真を撮ってなくてTさんやYさんの紹介した絵本、失念しています。(その時にメモしたノートも会社に置きっぱなし。今日はお盆休みで手元にIMG_1915ないので、また週末にでも加筆することにします。)




21日は、16時からのクレヨンハウス子どもの本の学校、角野栄子さんの講演を聞きに行くことになっていたので・・・15時には出なきゃいけなかったのですが、その前にあーちゃんからもう一つデザートが



6月30日にあーちゃんハウスで行われた「梅しごと」で出来た梅シロップで作られた梅ゼリーIMG_1916



さっぱりとして、すごく美味しかったあーちゃん、ごちそうさまでした。


この後、角野栄子さんのクレヨンハウス子どもの本の学校の様子は→こちら

絵本の100年と未来研究会に参加しました!

7月18日(水) 19:00〜 学下珈琲

絵本コーディネーター東條さんが主宰する「絵本の100年と未来研究会」7月の会に参加してきました。

今回のテーマは「ヨシタケシンスケを読む」

特に今回はみなさんがヨシタケシンスケ作『ふまんがあります』を読んだ感想を述べあいます。
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参加者は、子どもの本の編集者、子どもの本専門店主、絵本作家、図書館司書、絵本作家を目指している人etc


今、どこの書店に行っても平積みになっている今をときめく絵本作家の作品なので、好ましい意見が飛び交うのかなって予想していました。

たぶん、辛口は私だけだろうと・・・それが意外にも^^

でも、開けてびっくり!ヨシタケシンスケさんの作品が好きという方もいましたが、どっちかというと辛口批評が相次ぎました。

かといって、以前テーマにしたのぶみの作品と違い、「積極的に勧めることはないけれど、子ども達が喜ぶのもわかるし、可もなく不可もなく」、「言ってみれば毒のないのぶみ」という意見が大半でした。

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朝日新聞で『ロダンのこころ』を書いていた作家さんは、イラスト入りの感想を書いてこられました。



「わかりやすく面白く哲学をやろうとしているところがスヌーピーだと思う」

「絵本という入れもの入ったマンガだと思う」すごく的を得ています。

あっ、内田かずひろさん、『りゆうがあります』は「痛快な面白さを感じる」と褒めています♪

こんな感じで、参加者がいろいろ意見を述べあいました。


皆さんの意見は、「「絵本の100年と未来研究会」でいずれ詳しく公表されるでしょうから、私の意見だけを記しておきます。


さて、うちの文庫に来る小学生にも人気が高く、今年度上半期の文庫助成では熱いリクエストに応えて数冊ほど購入したほどです。


さて、ヨシタケさんがデビューする前にイラスト担当した「考える絵本シリーズ」


ヨシタケシンスケさんがイラストレーターとして出会ったこの作品。考える絵本シリーズ6『子ども・大人』大月書店 2009
子ども・大人 (考える絵本)
野上 暁
大月書店
2009-10-01

野上曉さんとひこ・田中さんが、「子ども」と「大人」の違いについて、哲学的に論じていくもの。この本にヨシタケさんがイラストを描いているのです。



IMG_1888この本、すごく面白いのです。


子どもの言い分が的を得ていて、それに対して大人がいろいろ屁理屈を並べて言い訳をする・・・ねっ、これってまさに後のヨシタケさんの絵本のテーマでしょ。

『ふまんがあります』の親子もまさにそう・・・


この本のイラストを担当した後に、ヨシタケさんは『りんごかもしれない』で絵本デビューします。
りんごかもしれない
ヨシタケシンスケ
ブロンズ新社
2013-04-17


この絵本が出た時には、私の周りの絵本を研究している友人たちの間でも絶賛する声が多かったのです。で、もちろん私は手に取ってみましたが・・・ダメでした。



これ、読むくらいだったら野上曉さんとひこ・田中さんの『子ども・大人』がよほど面白い。ヨシタケさんの挿絵もすごくマッチしていていい。



つまりですね・・・そういうことなのです。



その後、どんどん作品を発表していますが、私にとっては説明しすぎで、うざくて最後まで読み通す気にならない。

(あまり説明していない、絵でその面白さがストレートに伝わってくる『もうぬげない』はヨシタケさんの作品の中で唯一好きなものです)


で、小学生や中学生の、ちょっと大人に対して不信感を持っている年代には、逆に胸のすく思いがして面白いのかもしれない。まさに今回文庫でリクエストしてくれた年代には、需要があるのは理解できます。


ただ、やっぱり積極的にはお勧めはしないかなと思います。

唯一お勧めは・・・
もう ぬげない
ヨシタケ シンスケ
ブロンズ新社
2015-10-08




茗荷谷にある子どもの本専門店でも、お店のラインナップとのバランスを考えると置かない、もちろんお客さんからの問い合わせは多いけれど、それは大型書店で買ってと思うということでしたが、最新作だけは置いたそうです。

みえるとか みえないとか
ヨシタケシンスケ
アリス館
2018-07-12


『みえるとか みえないとか』、これは自分の立場を離れて、他を理解するという面白い視点で、障碍者差別解消やLGBTへの理解の助けになるのではというのです。


読んでみました。たしかに面白かった。でも、この絵本でなきゃいけない理由はないなと思いました。


それにやっぱり説明が多い。コミックスとしてYA世代には向いてるけれど、これを子どもの本としてどう評価するかというと、私は△を付けざるを得ないかなって思います。

みなさんはどう思いますか?ヨシタケシンスケさんの熱狂的なファンが多いから、反対意見はきっと多いと思います。好き、という方にどういうところがよいか、教えてもらえたらなと思います。


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