みどりの緑陰日記

香港で始めたプレイルームどんぐりから数えて28年、子ども達に絵本や児童書を手渡し続けてきました。保育士養成の場で仕事をしたこともありますが、今は図書館にかかわる仕事をしています。絵本や児童書のこと、文庫活動のことなどを綴っています♪

2010年12月

穏やかな大晦日の日に・・・(我が家の十大ニュース?)

12月31日(金)13:30〜

昨夜ロスから一時帰国した夫と、門前仲町にあるフレンチレストランpivoineに今年最後のランチをいただきに行ってきました 

DSCN3281オードブルは白子のフランとムニエル 春菊のソースで、ジャガイモのチップ と、鮟鱇の肝とキャビアDSCN3282、昆布のゼリーを合わせた一品。 

それぞれを二人でシェアしました♪

スープはカリフラワーのポタージュ。
写真には撮らなかったけれど、純白の濃厚な味で美味しかったです☆

メインは、DSCN3285鮟鱇のソテーと、オーストラリア産仔羊の煮込み ナバラン風を取って、こちらも二人でシェアDSCN3286




その間にワインを1本空けてしまいました。
2009 Pinot Blanc Domaine Riefle
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デザートはショコラケーキにいちごのアイスクリームでした♪

うう〜幸せ



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このレストランは、夫の趣味仲間がワインを楽しむために集まるお店らしく、新年会もここに集まるとのこと。そのワイン会のためにカリフォルニアから持ち帰ったワインを預けに行くついでのランチでしたが・・・大晦日に大掃除もせず(結局自室だけ完了せずorz)、お節料理も作らず(今年は旬亭「よこ田」のお節料理をメインにして、後は肉料理しかしない予定)のんびりとフレンチに舌鼓を打ってるなんて.。゚+.(・∀・)゚+.゚なんてのんびりしたこと。

(実は年賀状もまだ50通しか書いてないのですが、焦っても元旦には間に合わないと開き直り気味)

さて美味しいお料理とワインをいただきながら、我が家の十大ニュースってなんだろ?なんて話しておりました。

・次女のハイスクール卒業とそのための私のロス渡航
・夏休みに長女と次男がロス訪問。夫と次女の4人でラスベガス、ザイオン国立公園、プライスキャニオン、アンテロープキャニオン、グランドキャニオンツアーに行ったこと
・次男の小6最後のミニバスケの試合で惜しくも区大会で3位だったこと
・長男の就職内定
・夫の仕事での渡欧
・twitter上で大人絵本会に参加できたことと、そこから広がった友達の輪
・長女の研究室決定(コラーゲンペプチドの研究室) 
・仕事で角野栄子さんを講演会に招聘したこと
・次男の中学入学
・次女のカレッジ入学
順位はつけがたいけれど、こんなことかしら?とにかく家族が東京とロスに離れているのだけど、それぞれが元気で過ごせたことが何より感謝だなぁと思った次第。

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 DSCN3288お腹いっぱいいただいたあとは、私にとっては初めての門前仲町の散策をしました。大横川では、のんびりはぜ釣りしている老親子^^昔は糸を垂れてるだけで100匹は釣れたのだとか・・・今はそこまで釣れないけど、最近水が綺麗になって、また釣れるようになったよ、と午後の暖かい陽射しの中で笑っていました!バケツの中には数匹のはぜがいました

富岡八幡宮から、深川公園を抜け、深川不動堂をぐるっと回ってきました。DSCN3289 



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池波正太郎の小説に出てきそうな風情ある佇まいが残っていて、散策するだけでも楽しかったです。

 参道には初詣客向けの屋台の準備が始まっていました。DSCN3291



深川かすてらと、揚げ饅頭を買って帰ってきました。下町の風情を感じて歩くことができて楽しかったです♪

さて、今年も残すところ40分足らず。家族がみんな元気でそれぞれの場で活き活きと過ごせたことが何より感謝なことでした。
 
一緒に文庫活動(文庫やラッコ)をしている仲間達、仕事で出会った図書館のスタッフや会社のテクニカルサポート室のメンバー達、大人絵本会で出会った絵本好きな友達の輪。多くの人に支えられて今年一年も無事に過ごすことができました。心から感謝しつつ今年最後のブログをUPします 

来年もどうぞよろしくお願いいたします(*'-'*) 

この本だいすきの会☆年の暮れの会へ

12月26日(日) 13:30〜 @市川グランドホテル

10月の「この本だいすきの会」多古町支部主催の西内ミナミさんの講演会をきっかけに入会した「この本だいすきの会」

その年の暮れの会に参加してきました。

14:30〜長谷川知子さんの講演会
「私の仕事、後藤竜二さんとの仕事」DSCN3263
 
長谷川先生は私より一回り年上なのですが、そんなことを感じさせない若々しい方でした。

絵本の仕事をするようになったきっかけが後藤先生との出会いだったこと、一緒に作った本の思い出などを熱く語ってくださいました。

「1ねん1くみ」シリーズの絵への想い、スケッチ旅行のことなど、絵本の絵をひとつ描くだけでも何枚も何枚も描き直して納得のいくものを作り上げる過程など、とても興味深く感じました。
1ねん1くみ1ばんワル (こどもおはなしランド (2))1ねん1くみ1ばんワル (こどもおはなしランド (2))
著者:後藤 竜二
ポプラ社(1984-11)

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休憩時間には市川駅をはさんだ駅南図書館に行ってきました!

ここは勤務先の会社が受託している図書館です。昨年度受託1年目は児童サービス担当者とおはなし会のことや、児童室便り作成について話し合ったり、研修のために数回以上行きましたが、その後行く機会がないままになっていました。

DSCN3264児童室の展示コーナーには、スタッフ手作りのアドヴェントカレンダーが♪

ひとつひとつの窓の中は、館長をはじめ駅南のスタッフ全員がひとつずつ作成したのだそうです。サンタクロースもいろいろな表情のものがあり、とても素敵でした♪

 DSCN3265児童室の奥の展示コーナーには「市川の市の花」のバラの装飾が・・・
実はこのバラの折り紙は、昨年4月に新規オープンする際に、お手伝いに伺った時に私が飾り付けたものです。バラの花は当時小学6年だった次男が折ってくれたものでした。 

1年半過ぎても、こうして残っていると、なんだか懐かしくて嬉しかったです 

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さて、30分ほどで会場に戻り、17:00〜「児童文学作家・画家・編集者を囲む交流会」に参加しました。DSCN3266

ゲストとして参加された方は、一色悦子さん 岩崎京子さん 内田麟太郎さん 丘修三さん 江川多喜雄さん 岡崎ひでたかさん 加藤純子さん きたやまようこさん 木村裕一さん 国松俊英さん 黒井健さん 小林豊さん こやま峰子さん せなけいこさん 田島征三さん 田畑精一さん とよたかずひこさん 長野ヒデ子さん 長谷川知子さん 浜田桂子さん 広瀬恒子さん 保坂重政さん 最上一平さん 山口節子さん 和歌山静子さん・・・と豪華でした。

一緒に飲んで食べて笑って、そして一気に親しくなっていくという雰囲気が会場中に溢れていました。私たちのテーブルには新潟から参加された達がいて、来年夏の交流会は佐渡で開催されるとのこと、その話題で盛り上がりました。また参加者がみんながボランティアとして、あるいは学校司書、図書館司書、教師、保育士という立場で絵本を子どもたちに読む活動をしている方々で、共通の話題がいっぱいですぐに打ち解けることができました。

 DSCN3269ご挨拶されるせなけいこさん。とっても可愛らしい方(おばあちゃま)でした♪
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長野ヒデ子さんは、お嬢様の長野麻子さんとの合作絵本「すっすっ はっはっ こ・きゅ・う」を読んでくださいました♪

会の最後はみんなで輪になって歌います。私はなんと木村裕一さんのお隣で手を繋ぎました^^
デビュー23年とのこと。「いないいないばああそび」のシリーズは上の子達が赤ちゃんの時に手にした本でした。
いないいないばああそび (あかちゃんのあそびえほん)いないいないばああそび (あかちゃんのあそびえほん)
著者:木村 裕一
偕成社(1989-02)


「あらしのよるに」のシリーズも、うちの子も文庫に来る子にも大人気でした。
あらしのよるに ちいさな絵童話 りとるあらしのよるに ちいさな絵童話 りとる
著者:木村 裕一
講談社(1994-10-20)

そんなお話をじかにできるなんて、ほんとうに贅沢な時間でした♪

 

Christmas amazement♪

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クリスマスイブに、ちょっとした奇跡が起きるんですね♪

今日の午後は、2月に中野区の図書館で予定している乳児を持つママたちのための絵本講座の打ち合わせに出かける準備をして、デスクのPCをログオフしていた矢先、オフィスに来訪者が!

そして受付の女の子がそばに来て「○○さんにお客様です。旧姓しか知らないということですが、おはなしの内容から○○さんを訪ねて来られているようです。」とのこと。

一瞬?
いろんなことが頭を巡りました。先日大学院の同窓会の案内が、昔住んでいた山口の住所に送られていたのが巡り巡って両親の所に届き、大学の事務局に現住所の更新をしたところでした。その時も同窓会の東京支部の方から電話があったので、その関係の方かしら?

それとも、出版社の方や図書館関係の方に今年随分twitter上で知り合い、その後いろいろなイベントや会議で出会って名刺を交換しているから、その関係の方かしら(いや、だったら現在の姓を知ってるわけだし〜)と・・・考えたわけです。

でも、考えても仕方がないwということで、ミーティングルームへ行ってみるとw(*゚o゚*)w

高校生の時から大学時代にかけて文通をしていた友人でした!

私の中学生時代、かれこれ35年以上前は空前の文通ブームだったのです。と我が子達に言っても、きっと理解されないと思うけどw
由緒正しき旺文社「中1時代」とか学研「中1コース」とかいう学習雑誌やその他のティーンズ雑誌や学生新聞には必ずと言っていいほど「文通相手募集」「ペンパル募集」というのがあって、同年代の遠くの友人と手紙というアナログで時間のかかるツールを使って、ゆるやかに情報を交換したり、想いを共有したりしていたのでした。(パソコンも携帯電話もなく、メールという手段もない時代でした)e0095130_21183967

中2の時、同じクラスの女の子が文通していた相手の友人が文通相手を探しているから、やってみない?と紹介されたのです。その子が文通している相手は、天下の灘中の同学年の男の子。その友人ということで、どんな頭のいい人たちなんだろうか?と、田舎の垢ぬけない女の子はそれだけで興味深々。すぐに紹介してもらったのが、今は亡き一正くんでした。思春期らしく、学校の事、進路の事、友人関係や淡い恋心のことなど、誰でもが抱くような不安や悩みを、とりとめもなく書いては、送るという文通。当時は投函して芦屋のペンパル宅に届くのにも2,3日はかかっていたし、返事だってすぐには書けないから、1,2週間、あるいはもっと時間が経ってポストに手紙が届く・・・という交流をしていたのでした。

一正くんは、文学少年で詩を書いていました。すごく繊細で、優しい文章を書く人でした・・・
高校2年生の冬、その一正くんは突然居なくなりました・・・自死でした。
「ぼくは正義の味方、月光仮面にはなれなかった」と言い残して。当時は文通だけが精いっぱいの世界の広がりで、一正くんとは結局会うということもないまま・・・

その事を知らせてくれたのが、今回会いに来てくれた友人でした。
そしてその時から、つまり高校2年の冬から、私たちの文通は始ったのでした。やはり他愛のない学校生活の事、進路の事、友達の事・・・
写メなんてないから、まるで証明写真のような写真を交換したくらいで、ずっとずっと手紙のやりとりだけで・・・

mailart01ただ同年代の異性が何を感じ、どんなことを思っているのか、それを理解する手掛かりをお互いの文通で探っていたのかもしれません。方や日本を代表する名門進学校。こちらは田舎の小さな学校。学力もさることながら、生活の様式も、レベルも、いろんなことがかけ離れていて、それがまたとても刺激的に感じていました。まだ見ぬ(当時はね^^)おしゃれな神戸とか芦屋への憧憬というものも感じていました。

大学で私は福岡へ、彼は東大へ・・・進む道もまったく違っていましたが、時々ぽつりぽつりと手紙を交換し、互いにキャンパスライフを謳歌している様子を綴っていました。

私が大学4年の夏に、インカレが福岡で行われ、ヨット部だった友人が当時男子学生の憧れだった白いセリカに乗って「都落ち」してきたことがありました。それが初めてリアルで会った時でした。

その後、私が大学院で兵庫に行った時に、神戸で再会しているのですが、リアルに会ったのはその2回だけ。

私が院を修了した後は年賀状の交換だけ。結婚後はそれも途絶えていました。

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シンガポールに駐在中、日本人会館図書室で何気なく手にした雑誌「プレジデント」に、40代前半で取締役に就任したという記事を読んでいました。
そして帰国後の07年に日経新聞の人物欄に「○屋銀座社長就任」という記事が!その記事は切り抜いておいたほど。
 
そこは、教文館ナルニア国に毎月子どもの本の選書に行くたびに寄っている場所。シンガポールに行く前からも、改まって洋服や靴を買おうと出かけていくのは○屋だったのです。友人の社長就任記事には出来る限り開店時には自らお客様を出迎えていると書いてあり、開店と同時に行けば会えるかもなんて思いつつも実行には移さないまま。

高校・大学時代のことだし、もうすっかり忘れているよね^^なんて思っていましたが、たまたまtwitter上で同店の紳士服売り場の方をフォローすることになった時に、何気なく「昔の文通相手が・・・」って呟いてみたのでした(^_^)それがSPYSEEに自動的に取り込まれていたのですね。びっくり。

そして、そのSPYSEEを見た友人が、私のブログを読んでくれて、もしImage840や?ということで、オフィスまで訪ねてきてくれたというわけでした。

 それにしても、わざわざ探してくれて、会いにきてくれたということが、とても嬉しくてびっくりしました。予定より午後の図書館訪問の資料作成に時間がかかったのも、何かの巡り合わせ。(当初、2時半ごろに外出する予定だったので、そうしたら再会できなかったんですもの)

27年ぶりの再会。クリスマスイブのamazementでした きっとこのブログも読んでくれていることでしょう^^
おしゃれで、若々しく、若い頃の面影がそのままでしたよ 

クリスマス☆おはなし会へ@H図書館

12月22日(水) 午後3時〜

H図書館でのクリスマス☆おはなし会のお手伝いに行ってきました 

DSCN3250児童担当スタッフのNさんと、ボランティアのNさんとそして私の3人で担当しました♪

3時より前にたくさんの子どもたちが集まったので、ボランティアのNさんが手作りミニ紙芝居でクイズを出している所♪

プログラム

1 絵本「ちいさなろば」 私が担当
ちいさな ろば(こどものとも絵本)ちいさな ろば(こどものとも絵本)
著者:ルース エインズワース
福音館書店(2002-11-15)

とても地味な絵本だけど、とても素敵なお話なので子どもたちに知ってほしくて選んだ本。
おはなし会の終了後、複本4冊用意していたのですが、みんな借りて行ってくれました。他にも借りたい子がいて、他館に回送かけました。意外とクリスマスの絵本だと気がつかないのか、他館では貸出になっておらず、翌日には手元に届きそうでホッとしました。

長いおはなしですが、子ども達みんなぐいぐい惹きこまれて聴いてくれました。

2 絵本「ゆきのまちかどに」ボランティアのNさん 担当
ゆきのまちかどに (ポプラせかいの絵本)ゆきのまちかどに (ポプラせかいの絵本)
著者:ケイト ディカミロ
ポプラ社(2008-10)

先日の大人絵本会で取り上げられた1冊。

DSCN3252
今日の子ども達は、キリスト教関係の幼稚園の子もいなかったのかな?ちょっとピンときていないようでしたが、ママ達は見入っていました。やはり絵がきれいですね。最後のフランシスが「よろこびをおとどけします。」というシーンでは子どもたちもにっこりしていました。
 
3 大型絵本「まどからおくりもの」
まどから★おくりもの (ビッグブック―五味太郎・しかけ絵本)まどから★おくりもの (ビッグブック―五味太郎・しかけ絵本)
著者:五味 太郎
偕成社(2003-11)

スタッフのNさんが読んで、私が補助をしました。小さなお友だちもとっても喜んでくれました。
 
4 パネルシアター「あわてんぼうのサンタクロース」
ボランティアのNさんが、ちえの木の実で教えてもらったという、オリジナルパネルシアターをしてくださいました。おしゃまな女の子たちがサンタさんの着替えを手伝ってくれて、大盛り上がりでした☆DSCN3253 
 
そのあと、みんなで「あわてんぼうのサンタクロース」を大合唱♪
 
楽しかったですねw DSCN3254


クリスマスのおはなし会ということで、特別プレゼント
スタッフのNさん手作りのミニカードが、参加したお友だち、ひとりひとりに手渡されました。

DSCN3255参加した子ども達22人、ママやパパ13人。

みんながにこにこ笑顔で家路につきました。

私はその後図書館に残って児童担当責任者のスタッフや、館長と次年度の業務計画や、児童サービスの研修などについて話し合いを勤務時間いっぱい使ってしました。 

その中で、児童担当さんが特集コーナーの飾りの一部を見せてくれました。ペーパークイリングという手法を使ったクラフトです。お正月用の飾りだそうです^^DSCN3257

細長い紙をくるくる巻いていろいろなものを形作っています。

ちなみに今コーナーを飾っているものはこちら 

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DSCN3210DSCN3211 

世にも不思議な音楽会

12月20日(月) 19:00〜

eX.のコンサート Dieter Schnebel「ディーター・シュネーベル研究」にご縁があって行ってきました。

このコンサートのことを知ったのは、12月4日に行われたクレヨンハウス「子どもの本の学校」の長野ヒデ子さんの講演の時。お嬢さんの長野麻子さんと一緒に出された絵本『すっすはっはっ こ・きゅ・う』の持っている意味を、麻子さんご自身がお話くださった時に、このコンサートのことを伺ったのです。

麻子さんはディーター・シュネーベル研究の第一人者で、東京藝術大学大学院で博士論文を書かれている音楽学博士。

すっすっはっはっ こ・きゅ・う (絵本・こどものひろば)すっすっはっはっ こ・きゅ・う (絵本・こどものひろば)
著者:長野 麻子
童心社(2010-11-17)

この絵本を読んでくださり、また参加者も一緒に声を出して、息を吸ったり、吐いたり、そして笑ったり・・・の過程がとても面白く、そうした呼吸法のベースにディーター・シュネーベルの音楽理論があると伺ったので、どんな考え方なのか知りたいと思い、サイン会の時に伺いたい旨お伝えしておいたのでした。

ディーター・シュネーベルはドイツの現代音楽界の巨匠・・・案内のチラシにはそう書かれていたものの、今ひとつピンときていませんでした。

とにかく「世にも不思議な」と感じたのは、私にとってはということなのですが、現代音楽といっても今ひとつ理解していなかったので、ほお!こんな音楽の捉え方があったんだ!と驚きの連続でした。

最初にシュネーベル氏ご本人のビデオメッセージ。
赤ちゃんがまだ言葉を話し始める前に、自分の呼吸に合わせて音を発し始める。うっく、うっくん。あーあー。ぷぷぷぷ。ぱっぱっ。まんまんま・・・

それが既に音楽をなしている・・・人は言葉を獲得する前に歌を口ずさんでいたのだ・・・その音楽には魂の躍動があると思うと。


さてさて始まってみると例えばプログラム1のリアクション〜一人の演奏者と聴衆のための(1960−61)は、「さあご一緒に楽しい音楽を作りませんか?黙って聞いているだけなんて、つまらないではありませんか!拍手喝采声援大歓迎、もちろんブーイングも咳払いもご遠慮なくどうぞ!」というふれこみで、ピアニストはとにかく自由にピアノに向かい、ある時は額で鍵盤を叩いてみたり、ピアノの蓋や脇板を叩いてみたり、ペダルをすごい勢いで踏んだり、途中で立ってみたり。

聴衆も笑ったり、一緒に手を叩いてみたり、中にはコインを投げる人がいて、ピアニストが転がるコインを追いかけてみたり、おはじきのように飛ばして遊んでみたり・・・

長野麻子さんの解説には「そこでは身ぶりなどの身体性や視覚性が音楽の生成にいかに重要であるかが問題にされる。音楽とは人間から生まれ、その身体を介したコミュニケーションの無限の広がりなのだ。しかし西洋近代音楽では合理主義的思考のもと、純粋な楽音や形式が絶対とされ、身体的なものは音楽に付随するものとしか見なされてこなかった。同様に近代がもたらした演奏会の制度や作曲家、演奏家、聴衆という主従関係も各々の創造や解釈の余地を制限し、音楽の生成の自由を妨げてきたといえる。シュネーベルはこのことお早くから批判し、とりわけ演奏の身振りに着目することで、身体的・視覚的要素を作曲に取り入れ、音楽を多層的かつ人間性豊かに表現することを試みた作曲家である。」と、ありました。なるほど〜そういうことなんですね!とにかく聴衆と自由にコミュニケーションを取り入れながらの自由な演奏ということ。

プログラムの2つめ、ノスタルジー〜一人の指揮者のための(1962)では、指揮者の譜面台が7つ。指揮者は一人で、それぞれの譜面台の前を行き来して、それぞれのスコアの指示に従って身振り手振り・・・つまり音のない指揮者の動きを楽しむという演目。

確かにオーケストラのコンサートで、聴衆は指揮者の後姿しか見ておらず、どんな表情で指揮棒を振っているのか見ることが出来ないわけで、それが聴衆に向けて、ある時は大胆に、ある時は繊細に、ある時は神経質に、タクトを振る様子を堪能できるってわけ(´∀`*)

解説によると「《ノスタルジー》は、もともとシュネーベルの《可視的音楽Ⅰ》(1960−62)を原典とし、自由な解釈を前提とする星座図のようなグラフィックスコアから発生している。よって《ノスタルジー》のスコアは、それを指揮者のためにディクテーションしたものである。そこには一切の音符の記譜がない。その代わり手の動きや形を示す図、テンポ、足取り、身体の動きなどが提案として記されており、指揮者はそれを手がかりに、全身で空想の音楽を編み出してゆくのである。さらにスコアで特徴的なのが、イタリア語による大量の楽想の指示である。それらは「leggiero軽く」「agitato激する」「amabile甘美に」など伝統的に用いられているものがほとんどであるが、なかには「ondeggiante con abbandobo感情の赴くままに揺れて」「zoppo e desolate不安で苦悩にひしがれた」など、より具体的な心理状態を表した指示もある。したがって、ここから年とも情感に満ちた音楽が作られるのではないかと予想されるが、一方でそこから読み取れるのは、音楽が感情の表現によって成り立つというシュネーベルの意図であろう。」piano4

プログラム3のマウルヴェルケ〜調音器官と再生機器のための(1968−74)は、「《呼吸》、《喉頭の緊張、喉の回転》、《口腔の作品》、《舌打ちと唇の遊び》と呼ばれる調音器官の4つの主要な領域に基づいて作られたグラフィックな指示譜とその手引書をもとに実践がなされる。」

これが『すっすっすっはっはっ こ・きゅ・う』に繋がっているのですね^^

さらに解説を読むと、「このような表現が音楽と理解される由縁に、シュネーベルの呼吸に対する一つの解釈が存在する。それは呼吸とはヘブライ語の意味を遡ると「神の霊」を意味することである。シュネーベルは音楽とは神の言葉を世俗の言葉で伝えることであるとも前作《声のために(・・・ミサは終われり)》を通して、世俗化の神学の観点から表明している。世俗の言葉とは私たちの呼吸や呼吸から生まれる声や感情、身振りである。つまりそれらは自由や平安を求める人間の欲求であり、生きるための進行かつ精神的な現象なのだ。そしてそれは音楽と言い換えることができる。呼吸という身体行為にそのすべてが内在しているということは、音楽は人間にとってきわめて本質的な問題を提起しているのではないか。この解釈は少々何回であるが、もし魂の表現や叫びなどというものの確かさを信じるのであれば、それこそ音楽であると理解されたい。」

字面を読むだけだと、とても難解なのですが・・・そしてはっはっという息遣いや、金切り声、まるで叫びのような声の重なりが音楽であるという解釈も初めてだったのですが、とにかく現代音楽というジャンルのコンサートを初体験し、なんだかいろんなことに私達は囚われているけど、もっと自由でいいのかもと思った次第。たとえば絵本表現にしても・・・

長野麻子さんの絵本の解説に、「空気を吸って「すうー」、はいて「はー」。大きく小さく吸ったりはいたりしていたら、笑い出しちゃった。あれ、声って呼吸からでるんだね!声でいろんな気持ちを伝えることができるんだ。呼吸することで声を発し、さまざまなコミュニケーションを行っていること、声は思いや感情を自由に伝える不思議な言葉でもあることが楽しく実感できます。」とありました♪なるほど〜と合点した次第(*'-'*)
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