みどりの緑陰日記

香港で始めたプレイルームどんぐりから数えて28年、子ども達に絵本や児童書を手渡し続けてきました。保育士養成の場で仕事をしたこともありますが、今は図書館にかかわる仕事をしています。絵本や児童書のこと、文庫活動のことなどを綴っています♪

2011年08月

「わたしはあかねこ」にじんわり

8月20日(土) @N図書館

絵本作家サトシンさんによる「絵本であそぼう!」イベントがありました。

DSCN3694東京は雨の後で涼しくなっていましたが、雨は降らず申し込んでくれた親子が参加してくれました。中には遠方からサトシンさんのファンの女性も♪

サトシンさんは、ご自身の作品を紹介しながら、まわりを笑いの渦に巻き込んで行きます。参加してくれた元気のよい子ども達も、サトシンワールドに惹き込まれていました。

DSCN3695
NHKのEテレでおなじみの「みーつけた」で放送中の「おてて絵本」は、サトシンさんが主夫として子育て中にお子さんたちと楽しみ、広めたもの。

DSCN3696元気のよい子どもたちから、どんどんおはなしを引き出していました。





サトシンさんといえば、昨年各地のさまざまな絵本の賞をとった『うんこ』が代表作ですが
うんこ!うんこ!
著者:サトシン
販売元:文溪堂
(2009-12)





同じ西村敏夫さん絵の新作『わたしはあかねこ』が、とてもいいのです。
わたしはあかねこわたしはあかねこ
著者:サトシン
販売元:文溪堂
(2011-08)





昨年、初めて大人絵本会オフでお目にかかった時に、「ソング絵本」としての「あかねこ」を聴いていましたが・・・絵本になって、その味がさらに増しています。

「みんなと違っていても、わたしはわたし」というメッセージ。お互いに違っているそれぞれの「よさ」を認め合いましょうということが、嫌みなく、さらりと伝わる絵本になっています。

最後にこの絵本を使って、歌を歌ってくださいました。12分もある歌でしたが、ちびっこ達もじっと聴き入っていました。きっとメッセージが伝わりましたね。

DSCN3693サトシンさんファンの方が制作した、あみぐるみのあかねこちゃんもサトシンさんもキュート♪

『うんこ!』や『とこやさんにいったライオン』などなど、おやじギャグのノリで創作した絵本が売れているサトシンさん。

これを見ずに、印象派は語れない。

8月15日 午後

国立新美術館で9月5日まで開催中の「ワシントン ナショナル・ギャラリー展」に行ってきました。 お盆休みの真っ盛り。会場は予想通り混んでいましたが・・・こちらもゆっくりできる時間ががあるので、時間をかけて83点の絵を鑑賞し尽くしてきました110815_144758(実はこの日の夕食は娘達が作ってくれることになっていて急いで帰宅する必要がなかったのです(*'-'*)

日本にも明治から大正時代の富豪のコレクションを展示した私立美術館はたくさんあるのですが・・・〈私が中でも好きなのは根津美術館、出光美術館、サントリー美術館、山種美術館、松岡美術館、静嘉堂文庫美術館などなど〉・・・ワシントンナショナル・ギャラリーは、19世紀末から20世紀にかけて銀行家、実業家として財を成し、合衆国財務長官、イギリス大使を歴任したアンドリュー・メロンが生涯をかけて収集したコレクションと美術館設立のための資金を連邦政府に寄贈して、建てられた美術館なのです。
鉄道パンフ

そういえば、家族が住むL.A.郊外のPasadenaにある、ノートン・サイモン美術館は、まさにそんな私立美術館で、しっかり名まえが冠されていますが、アンドリュー・メロンは、寄贈の条件に美術館に自分の名前を冠さないことを申し出、自分の志に賛同した人からの寄贈を受け付けること、ただし寄贈を受ける基準は自分のコレクションのレベルを維持することであったということ。

ワシントンナショナル・ギャラリーが所蔵する12世紀から現代に至るまでの西洋美術コレクション約12万点は、すべてアンドリュー・メロンとその志に賛同した一般市民から国への寄贈によるものだけというのが、驚きです。

図録の巻頭には「アメリカ国民が創った奇跡のコレクション」と記されていますが、今年70周年を迎え大規模改修をするために、印象派・ポスト印象派の傑作から84点も貸出が可能になったという、今回の「ワシントンナショナル・ギャラリー展」は類稀なる美術展なのです。

特にクールベやコローらバルビゾン派や写実主義を導入部とし、印象派の先駆者といわれるブーダンやマネを経て、モネ、ルノワール、ピサロ、ドガ、カサットら印象派に至り、セザンヌ、ゴッホ、ゴーギャン、スーラらのポスト印象派らの傑作の数々。ナショナル・ギャラリーの心臓部といえる作品群、しかも美術館の顔といえる常設作品を今回9点も貸し出している。今まで5点以上同時に貸し出すことがなかったというのですから・・・それだけでも「これを見ずに、印象派は語れない」とは、まさに一堂に見る機会は、ワシントンDCに行かない限り無いチャンス。時間が取れれば、もう一度行きたいくらいです(*゚▽゚*)

「1印象派登場まで」のコーナーで目がとまったのは、ジャン=バティスト=カミーユ・コローの《うなぎを獲る人々》、ギュスターヴ・クールベ《ルー川の洞窟》、そしてアンリ・ファンタン=ラトゥールの《皿の上の3つの桃》でした。
うなぎを獲る人々
ルー川の洞窟
皿の上の3つの桃
「2印象派」のコーナーでは、クロード・モネの《ヴィトゥイユの画家の庭》、そしてピエール=オーギュスト・ルノワールの《踊り子》。

「3紙の上の印象派」では、油彩画ではなく素描、パステル画、エッチングやリトグラフ、水彩画などの作品が展示されていて、これもまた新鮮な驚きでした。

特にメアリー・カサットの作品群は、日本の浮世絵に感動した彼女が試みた多色刷りの版画。《浴女》、《入浴》、《果物狩り》は、構図といい色使いといい、浮世絵と対比してみても面白い作品群でした。

「4ポスト印象派以降」では、やはりフィンセント・ファン・ゴッホに目が行きました。
パンフレットにもなっているゴッホの《自画像》、そしてゴッホの最後の作品になるのだろうか、《薔薇》は見るものを惹きつける力がありました。1890年5月、ゴッホはこの白い薔薇を描いた後にサン=レミを発ちオーヴェル=シュル=オワーズの新しい住まいに引っ越す時には、絵の具が乾かずこの作品をサン=レミのアトリエに残してきたのだという・・・それが乾いて新しい住まいに届いたのが6月末。その絵が届いたちょうど1カ月後にゴッホは自ら命を絶ったというのですから。
ゴッホパンフ
ゴッホが1889年5月に度重なる鬱状態と、突飛な行動の末、自分の左耳を切り取るという事件を起こしてアルルを離れて1年。プロヴァンスにあるサン=レミでの約1年は自信を取り戻し、白い薔薇の花のかぐわしい香りが画面いっぱいにあふれるかのように描ききっているこの1枚は図録によると、「むしろ薔薇は、春のもたらす肥沃とよろこびに溢れる自然の目覚めに対する賛美以外のなにものでもなく、フィンセントの満足した精神状態をそのままあらわしたもののようにみえる。画家の溢れんばかりの喜びは、その色彩の配置と筆づかいのうちにもあきらかである。」

それなのに、これを最後の1枚にしてしまった天才画家の想い・・・たった10年という画家としての活躍期間を思い・・・しばらくその絵の前で逡巡したのでした。

bara

さて、ゆっくりと絵を堪能した後は、twitter大人絵本会の皆さんの間で話題になっているウェスト青山ガーデンのホットケーキを!と、今回初めて乃木坂経由で国立新美術館に訪れ、帰りも乃木坂の駅の近くのウェスト青山ガーデンへ。

110815_171505「ぐりとぐら」をテーマにした大人絵本会以来、ずっと話題になり続けている、美味しく焼けたホットケーキを、こちらも堪能してきました。フレッシュハーブティーも爽やかで、展覧会の余韻を楽しみながら図録を手にして、ゆったりとアフタヌーンティーを楽しんできました。

Road Showへ

8月10日(水) 19:00~

ユーミンの09年以来のコンサートツアー「Road Show」へLAから一時帰国中の次女と一緒に行ってきました^^110810_214010

09年のコンサート「もう一度夢見るだろう」の日記はこちら 

オープニングは、4月にリリースされたアルバム「Road Show」から「ひとつの恋が終わるとき」

♪強くなる もっと強くなれば 失くさずにいられる・・・
つらくても あとになれば 美しく思える


ちょっと切ない歌で始まり・・・
新しいアルバムだけでなく、次女もわかる懐かしい曲も散りばめて
2時間半・・・まるで映画を見ているような素敵な時間でした。

特に、「春よ、来い」では、NHK SONGSとの共同企画、被災地の人へ想いを届けと、世界中の人がコーラスした「(みんなの)春よ、来い」プロジェクトバージョンが歌われて、涙が出てきそうでした。

3.11は、今回のコンサートツアーのリハーサル初日だったのだとか・・・だから余計にユーミンが被災された方々へ寄せる想いの強さを感じました。また一期一会、こうして会場に足を運んで歌を聞いてくれるお客さまに感謝しているというユーミンの溢れる想いが、ひしひしと伝わり、私たち聴く側もユーミンとのこの時間がかけがえのないものだと愛おしく感じました。

すべての曲が終わり、一旦コンサート終了のアナウンスが流れ、会場が明るくなった後、入口に近い人達から三々五々出て行きかけた時に、ユーミンが再登場。
ひとりでスポットライトを浴びながら、会場の皆にコンサートに来てくれたことをお礼を言い、「やさしさに包まれたなら」を歌ったのです。

♪小さい頃は、神様がいて 不思議に夢をかなえてくれた
やさしい気持ちで 目覚めた朝は おとなになっても
奇跡は起こるよ

カーテンを開いて 静かな木洩れ陽の やさしさに包まれたなら
きっと 目に映る全てのことは メッセージ♪

会場中が、ユーミンの声に合わせて口ずさみながら感動の涙を流していました。
その歌声に、祈りを感じ・・・ぐっと胸に迫るものがあったからでした。

実はその直前の週末6日にぎっくり腰になって、月曜日まで満足に歩くこともできなかったのですが、整骨院での治療が功を奏して、何とかコンサートに行けてほんとうによかった^^次女も、新しいアルバムは予習で聴く暇ないままでしたが、知っている曲が何曲かあり、楽しめたようです♪

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110810_214100「ひとつの恋が終わるとき」*
「TUXEDO RAIN」
「たぶんあなたはむかえに来ない」
「恋の苦さとため息と」
「I Love You」*
「少しだけ片思い」
「太陽と黒いバラ」*
「大連慕情」
「春よ、来い」
「ただわけもなく」
「Blue Planet」
「夏は過ぎてゆき」*
「わき役でいいから」
「ガールフレンズ」
「静かなまぼろし〜私はフランソワーズ」
「Mysterious Flower」*
「今すぐレイチェル」*
「Love Wars」
「瞳はどしゃ降り〜DESTINY」
「コインの裏側」*
「カンナ8号」
「ダンスのように抱き寄せたい」*
(*は「Road Show」より)

そして最後に・・・「やさしさに包まれたなら」

2つの絵本原画展へ

8月4日(木) 

うらわ美術館で8月31日まで開催中の「ブラティスラヴァ世界絵本原画展―世界の絵本がやってきた」と、板橋区立美術館で8月14日まで開催されていた「2011イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」に行ってきました。 

まずはうらわ美術館での「ブラティスラヴァ世界絵本原画展」での圧巻は、2009年に金牌を取った日本の絵本『ぼくがうまれた音』近藤等則・文/智内兄助・絵 福音館書店の原画。その立体的で力強い作品は平 面になって印刷された絵本からはうかがい知ることができないほどの迫力があります。一見の価値があり!お近くの方、ぜひお時間を見つけてご覧になってくださいね〜

ぼくがうまれた音 (日本傑作絵本シリーズ)ぼくがうまれた音 (日本傑作絵本シリーズ)
著者:近藤 等則
販売元:福音館書店
(2007-03-01)





ブラティスラヴァはスロヴァキア共和国の首都。そこで1967年以降、2年に1度おこわなわれる世界最大規模の絵本原画展で2009年が22回目。その時に受賞した作品の巡回展です。

公式サイトによると「世界各国から国内選考を経て出品された原画が一堂に展示され、4日間にわたる国際審査により賞が決まります。またこの絵本原画展は、絵本としてすでに出版されていることが参加条件となっているため、世界各国の個性豊かなベテラン作家の競演を楽しむ機会となっています。本展では2009年展のグランプリをはじめとする受賞者11名と8名の日本人作家の原画作品、そして同展出品の各国の絵本を展示します。」と、あるように、どの原画もすでに絵本になって出版されており、それぞれの作品を会場で1冊1冊手にとって、ゆっくり読むことができるのです。

日本の作家の作品では・・・
ほなまた (わくわくたべものおはなしえほん)ほなまた (わくわくたべものおはなしえほん)
著者:こしだ ミカ
販売元:農山漁村文化協会
(2008-04)




『ほなまた』が一番印象的でした。秋に山にキノコ狩りに来たおじいちゃんと孫のやりとり。自然の恵みをいただきながらも、取り過ぎない。他の動物たちのことも考え「食べるぶんだけ」と、慎み深い。そんな営みを力強いタッチの絵で活き活きと描き出していました。

去年、西内ミナミさんと一緒に多古町へ行った時に、帰りの電車の中でプレゼントしていただいた絵本『とんがとぴんがのプレゼント』スズキコージ画も、原画は圧倒的でした。
とんがとぴんがのプレゼント (日本傑作絵本シリーズ)とんがとぴんがのプレゼント (日本傑作絵本シリーズ)
著者:西内 ミナミ
販売元:福音館書店
(2008-10-01)





スズキコージさんらしい自由な発想で、画面いっぱいに描き込んであるのですが、とにかく賑やかで楽しいのです。

高畠純さんの『どうするどうするあなのなか』も縦長で、おとぼけな5匹のやりとりが楽しい絵本でした。
どうする どうする あなのなか(日本傑作絵本シリーズ)どうする どうする あなのなか(日本傑作絵本シリーズ)
著者:きむら ゆういち
販売元:福音館書店
(2008-06-19)





その他には、荒井良二さんの『えほんのこども』、ささめやゆきさんの『だんまり』、あべ弘士さんの『ねこのおいしゃさん』、つかさおさむさんの『おばあのものがたり』、山口マオさんの『わにわにのおでかけ』の原画に出会うことができます。
えほんのこども (講談社の創作絵本)
えほんのこども (講談社の創作絵本)

だんまり
だんまり

ねこのおいしゃさん (ケロちゃんえほん)
ねこのおいしゃさん (ケロちゃんえほん)

おばあのものがたり
おばあのものがたり

わにわにのおでかけ (幼児絵本シリーズ)
わにわにのおでかけ (幼児絵本シリーズ)

海外の作品では、ヨースタイン・ゴルデルの『カエルの城』の細密な絵・・・絵をよく見ると色んなところに葉っぱが貼りつけてあって♪
カエルの城カエルの城
著者:ヨースタイン ゴルデル
販売元:日本放送出版協会
(1998-11)





他の海外の作品は、残念ながら日本で翻訳出版されていないのですが、どれも面白い絵本たちばかりでした。

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美術館を出ると浦和の街はスコール。激しく降る雨をついて駅に戻り、板橋区立美術館へ。
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板橋美術館は、これで「ボローニャ絵本原画展」に来るのは5回目なのですがとにかく不便なところにあるのですよね。

東武東上線の成増駅からバスで15分くらいでしょうか。
→の、美術館横の幟には「不便でゴメン×_×」とあるほど!

板橋区立美術館でのボローニャ国際絵本原画展は1981年より毎年開催されているので、何と今年で31回目。

こちらの原画展は、ブラティスラヴァ絵本原画展と違って、絵本になる前の作品を出品できるのです。イラストレーターやグラフィックデザイナーが子ども向けの作品を5枚一組にすれば、誰でも出品ができます。まだ絵本作家としてデビューをしていない作品も多く含まれ、ここで才能を見いだされて、その後いろいろな国の出版社からオファーを受けて絵本を出版する機会を得ることも多く、絵本作家への登竜門として位置づけられています。

ここ10年位の傾向は、とてもグラフィカルな作品が多いということ。その辺りが、ブラティスラヴァ絵本原画展と作品の傾向の違いを感じさせます。

まっくろくろのおばけちゃんのぼうけんまっくろくろのおばけちゃんのぼうけん
著者:デヴィッド カリ
販売元:岩崎書店
(2010-08-24)





『まくろくろのおばけちゃんのぼうけん」を描いたフィリップ・ジョルダーノの特別展示では、彼の新作『かぐや姫』の原画が展示されていたのですが、その絵はまるで映画『千と千尋の神隠し』に出てくる八百万の妖怪たちみたいで、日本の古典がこのように解釈され、描かれることに不思議な感覚を覚えました。
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『くっついた』などの赤ちゃん絵本で、今とても注目されている三浦太郎さんも、絵本作家になるきっかけは、ボローニャ絵本原画展だったと、クレヨンハウスの「子どもの本の学校」でおはなししてくださいました。→その時の記事はこちら

また先日の国際子ども図書館での「いま、子どものほんは?オランダ・ベルギーの本」講演会では、ボローニャ絵本原画展が絵本作家デビューし、絵本を売る為に、とても大切な機会になっていることを、ベルギーの絵本作家キティ・クローザーさんのお話から伺ったところでした。

2011年は世界58カ国の2836人ものイラストレーターからの応募があり、日本人19人(組)を含む76人(組)の作家が入選しています。その入選全作品が展示されており、絵本の新しい潮流を垣間見ることが出来ました。

110804_164534110804_164545美術館を出たのは、4時半過ぎ。

板橋も雨が降った後でした。

前庭の彫像の前に一匹の茶とらネコが♪
近づいても逃げず・・・思わず近寄って写真撮りました!





AKB48に学ぶ学校図書館戦略♪


第28回子どもの本全国研究集会110802_121526

8 月1日(月)と2日(火)の二日間に渡り、国立オリンピック記念青少年記念総合センターにおいて、「〈ひろげよう読書の世界〉"本が引き出す子どもの 力"」というテーマで、公立図書館、学校図書館や文庫活動などを通して子ども達に本を手渡す活動をしている方々が一堂に会しました。講演会、実践報告に、 会場からの活発な質問が飛び交うパネルディスカッションと、大変充実した学びの時になりました。110802_121453 (1)

その中でも、衝撃的に印象に残っているのが初日の午後に行われた実践報告2。一番眠くなる3時からだったのですが、いきなりBGMにAKB48の「Everybady、カチューシャ」が流れ、えっ?っと思わせ、たたき込むようなプレゼン、見事でした。

報告したのは、千葉市稲毛高等学校付属中学校の司書教諭、永井博子先生。「学びを支える学校図書館」と題して「AKB48に学ぶ学校図書館戦略」を報告しました。

これからの学校図書館戦略として、今の子どもたちを惹きつけて止まないAKB48の売り出し戦略に学ばない手はないしょう!と。
1.大衆性(本好きの子だけでもなく、誰もが学校図書館に足を運ぶ)、2.徹底的な競争社会(生徒が利用してくれなければ意味がない。生徒が本を手にしなければ意味がない、来たくなる図書館を目指す)、3.顧客のニーズに対応する力(教育課程に寄与する蔵書構成で司書の力量問われる、子どもの視点を持った選書)、4.顧客獲得のための営業力(図書館で待っているだけではなく、魅せる授業で図書館に足を運んでもらう)、5.顧客保護(釣った魚を育てる力、)、6.グローバル化(教育の流れに常に敏感であること)を、取り上げられました。この6点は、そのまま公共図書館の運営戦略になるなぁ〜♪

蔵書に関しては、生涯学習の観点から選書をするとおっしゃったことも、大変参考になりました。「読む体力」をつけるために、軽読書、ライトノベルばかり読んでいては身につかない、新書や専門書も読める力をつけるために生とノ将来を考えて「堅い選書」、厳しく選書することの大切さを強調されていました。

図書館に惹きつけておいて、しかも読み易い本だけではなく、知識の本の海への航海を促す・・・これぞ、図書館の役割だなぁと思いました。


その他にも、実践報告1の練馬区立小学校の司書教諭の吉成順子さん「国語科の取り組みから」と題した報告の中で興味深かったのは、「本の持ち寄りパーティー」 でした。今まで読んでもらった本、あるいは自分で読んだ本の中から、お友だちにも薦めたいという本をクラスのみんなが1冊ずつ持ち寄って、紹介し合うとい う取り組みです。紹介しあうという中で、より深く本の世界に入り込み、理解できるようになる、またそれを友だちが読んでみたい!と思えるように、上手に紹 介することで、深く読むことができるという取り組み。公共図書館の児童向け読書会などに使えるアイディアだなと思いました。

吉成さんが最後に強調された言葉、「児童 は本があるだけでは手に取らない。そこには本を手渡す人が必要です。本のことをよく知り、本の良さを伝えられる人の力が必要です。その人を通して本が身近 に感じられ、本の魅力を知り、本を読むことができるようになるのです。」という言葉は、そのまま公共図書館の児童サービス担当者の役割にあてはまると思い ました。


2日目の実践報告3では、川崎市学校図書館コーディネーターだった小林公子さんが、学校図書館と地域のボランティアの活動をつなぐ働きにすいて報告しました。
川 崎市の学校には学校司書が配置されておらず、学校図書館コーディネーターが各学校図書館を巡回しながら、各校の図書ボランティアの方々の支援と助言を行っ ているそうです。そうした中で、子ども達が行きたくなるような図書館、使いやすい図書館になるように提案をしてきたとのこと。学校図書館システムが公共図 書館の管理システムを利用していることで、公共図書館との連携ができていることが特徴だそうです。ただ、やはりコーディネーターでは限界があり、学校司書 がいれば、オリエンテーションや調べ学習のためのパスファインダー作り、ブックトークなど、もっといろいろなことが出来たのではとおっしゃっていました。
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こちらの画像は、川崎の学校図書館ボランティアの方々の図書館ディスプレイの一部!子どもたちを惹きつける工夫がいっぱいです♪




実 践報告4では、荒川区立小学校司書教諭の稲村千賀さんが、「学校図書館の活用を授業の中心に据えて」と題して報告しました。荒川区では前項に学校司書が配 置され、また学校図書館支援センターが設置されていて司書の研修など行い(年間23回)、各校を巡回して指導を行っているとのこと。
「荒川モデルプラン」という学校図書館に対する施策により、教師と学校司書とが共に手を携えて子ども達の読書支援、調べ学習支援をしているという羨ましい報告でした。
また区立図書館との連携も進んでおり、おはなし会や団体貸出などで区立図書館の司書さんとも一緒に子どもたちの読書活動を推進する活動を展開しているということでした。

パ ネルディスカッションでは、公立図書館民営化の動きや、司書教諭・学校司書配置問題などの課題を含め、子ども達に本を手渡すものは、どのようにこの活動に 向き合っていくのか、児童文学作家、公立小学校司書教諭、児童書専門店店主、公立図書館司書、家庭文庫主宰のさまざまな立場から意見が出され、会場からの 質疑応答も活発に行われました。そのどれもに共通していたのは、子どもが自ら本を選択し、課題を解いていく読書環境の整備はどうすすめられているのか、そ こに関わる大人たちの役割はどうあるべきなのか、という点でした。私は、そこでも図書館の児童サービス担当の力量が問われるところだと思いました。

子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画(第二次)」の第5章「子どもの読書活動の推進のための方策―地域における子どもの読書活動の推進」には、公共図書館の役割が明確にされています。私達はこの基本をしっかりと押さえて、日常の業務の中で児童サービスを展開していかなければならないと、改めて感じました。

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