みどりの緑陰日記

香港で始めたプレイルームどんぐりから数えて28年、子ども達に絵本や児童書を手渡し続けてきました。保育士養成の場で仕事をしたこともありますが、今は図書館にかかわる仕事をしています。絵本や児童書のこと、文庫活動のことなどを綴っています♪

2013年01月

長野ヒデ子先生の講演会@方南図書館

1月27日(日) 14:00〜16:00 @杉並区立方南図書館

絵本作家の長野ヒデ子先生が、方南図書館へ来てくださいました♪

現場スタッフから子どもたちが大好きな絵本作家さんの講演会を企画したいとの相談を受けたのが3月下旬。私が絵本学会やJBBYの会合でお目にかかったことのなる方々を中心に何人か候補を挙げた中で、児童担当さんが一番会いたい!と言ったのが、長野ヒデ子さんでした。その後、メールの履歴を遡ると、JBBY事務局を通して長野先生の連絡先を問い合わせたのが4月9日。事務局から紹介のメールが来たのが 4月20日。そこには「講演会快諾」の文字が♪

即日、長野先生に直接メールを送り、直接講演会をお受けくださるというメールを受け取ったのが4月23日。そこからは図書館の現場スタッフにやりとりはお願いしていました。

そうして実現した講演会。 
会場の設えや、館内の展示を見ても、スタッフの方々のこの講演会への意気込みが見えました。

長野ヒデ子さん1長野ヒデ子さん2会場の天井からは、「せとうちたいこさん」や「たこえさん」がいっぱい♪

フェルトで作った鯛も泳いでいました。



長野ヒデ子さん3児童室の特集コーナーには、長野ヒデ子さんの作品がたくさん並べてありました。

絵本、紙芝居だけでなく、挿絵を手掛けた児童書などもたくさん。



長野ヒデ子さん5講演会は二部制で、前半の1時間は、大人向けに絵本作りのエピソードや、その中から得られる子育てのヒントなどを語ってくださいました。
 
転勤族のお連れ合いとあちこちお引越しをなさったこと。熊本や長崎、福岡と子育てしながらも、その土地土地での出会いを大切にされてきたこと。福岡で文庫活動をしていた時に葦書房の編集者さんに出会い、その方が私家版で作っていた『とうさん かあさん』を絵本として出版してくださったこと。(その本は、その後編集者が独立して石風社から出版されている)

その後、絵本の種を大事に大事にあたためながら、時機がきて『おかあさんがおかあさんになった日』を出版されたこと。


131-150x209とうさんかあさん
著者:長野 ヒデ子
販売元:葦書房
(1989-07)
販売元:Amazon.co.jp
とうさんかあさん
著者:ながの ひでこ
販売元:石風社
(2006-01)
販売元:Amazon.co.jp

『とうさんかあさん』は、子どもが親の子ども時代のことを聞いて答えてもらう絵本。そして、自分もその時代に生れていたらふたりの友だちになって一緒に遊べたのにな〜と思う絵本。
長野先生は、何気なくチラシの裏に絵を描いて綴じて作ったと仰ったのですが、それを見出された編集者の方は、子どものこころを捉える絵本の全てが詰まっているとおっしゃったのだそう。

自分の親の子ども時代の話を聞くのは、すごくわくわくした思い出があります。そして子ども時代の両親のことをいいな〜と思い、一緒に遊びたかったな〜と思える気持ちのなんて素敵なこと。普段から両親の愛情を一身に受けて育っているんだな〜ってわかります。

その後、挿絵の仕事はしつつも、絵本を作ろうと思っても作れずにいた期間があって、その時は「おかあさん」というテーマは決まっていたんだそう。
当時、お子さんたちが思春期を迎え、だんだん反抗をするようになったとき、「おかあさんが産んでやったのに!何を生意気な・・・」と思うことが増えた時、「いや、おかあさんが先にあったわけではなく、子どもが生れて時に自分もおかあさんとして出発したんだ。自分は子どもにおかあさんにしてもらったんだ!」と気付き、一番最初に我が子を迎えた時のことを思い出して『おかあさんがおかあさんになった日』を作ったのだそうです。
おかあさんがおかあさんになった日 (絵本・こどものひろば)おかあさんがおかあさんになった日 (絵本・こどものひろば)
著者:長野 ヒデ子
販売元:童心社
(1993-07)
販売元:Amazon.co.jp
この絵本は、いよいよ破水して入院したものの、なかなか産気づかず病院の中を歩いて歩いてその時を待っているお母さんの気持ち、いよいよ出産が始まった時の緊迫した空気、そして我が子を腕に抱きあげた瞬間の様子がそのままに描かれていて、出産を経験した人ならば、その時の気持ちを追体験できます。私も、そうだった・・・そうだった!と、読んだ記憶があります。特に第一子の長男の時は微弱陣痛で病院の中を行ったり来たり・・・新生児室を覗きながら「自分も無事に赤ちゃんを産めるのかなぁ〜この子、ちゃんと出て来てくれるかなぁ〜」と、永遠に我が子に会えないのではと思うくらい不安になりながらも、お腹の子に「早く出ておいでよ〜」と話しかけていたことを思い出しました。講演会で長野先生が読んでくださって、その時のことがまた甦って来てウルウルしてしまいました。
おとうさんがおとうさんになった日 (絵本・こどものひろば)おとうさんがおとうさんになった日 (絵本・こどものひろば)
著者:長野 ヒデ子
販売元:童心社
(2002-05)
販売元:Amazon.co.jp
その後、出版された『おとうさんがおとうさんになった日』を読んだ時は、私もびっくり。なんで長野先生は私のうちのことを知ってるの?と言いたくなるほど、とても状況が似ていたのです。こちらは自宅出産をして3人目の子を父親が取り上げる(勿論助産師さんはいますが)おはなし。我が家も第四子の次男は自宅出産でした。上の子達、長男、長女、次女が待つ中で、末っ子は生れてきました。転勤族でいつも出産の時期と海外転勤が重なって出産に立ち会えない(いつも首がすわった頃生後5カ月頃に対面)夫が、初めて出産に立ち会うこともできました。生れてくる瞬間を共有できたということは、とても大きな体験だったと思います。

長野先生は、以前は生活の中に人の生死が身近にあったのに、今は遠ざけられてしまっている、それが生命の尊厳を伝えられなくなっている原因ではないか、子どものいじめや自殺などの背景にもなっているのではないかとおっしゃいました。性教育の絵本として用いられるかと思ったら、それだけではなかったとのこと。子ども達は自分たちが生れて来た日を親がどう受け止めてくれていたかを確かめることで、元気がもらえるのではないかをおっしゃいました。

親として、子育てに疲れてしまった時も、原点に立ち返って、我が子が自分のもとに生れ出てくれた日の感動を思い出せば、辛いことも喜びに変えることができますね。

せとうちたいこさん デパートいきタイ (絵本・ちいさななかまたち)せとうちたいこさん デパートいきタイ (絵本・ちいさななかまたち)
著者:長野 ヒデ子
販売元:童心社
(1995-12)
販売元:Amazon.co.jp
『せとうちたいこさん』シリーズは、あちこちの出産を取材する中で生れた絵本。赤ちゃんが生まれるとしばらくの間はおかあさんは子育てに振り回され、自分の時間を持ちにくくなる・・・そんな気持ちを「たいこさん」が代わりに「行きたーい!行きたーい!」と実現させてくれる。絵本を読んだおかあさんの気持ちが楽になる・・・そんな絵本です。もちろん子どもたちと一緒に楽しめるわけですしね♪

長野ヒデ子さん4後半の1時間は子ども達もいっしょに長野先生の紙芝居や、折り紙を使った即興の遊びなどを楽しみました。

『せとうちたいこさん』の歌に合わせて踊ったりもしました♪

子ども達も参加したおとなもみんなが笑顔になった時間でした。


金原瑞人さんと楽しむ“古典の世界”2

1月23日(水) 18:00〜 @銀座・教文館ナルニア国ナルニアホール

金原さん翻案の『仮名手本忠臣蔵』(偕成社)についてのギャラリートークの会に参加してきました。11月14日の第1回目に続く2回目。そしてシェークスピアから始まって、今年度続いた「金原瑞人さんと楽しむ“古典の世界”」シリーズの最終回。

前回の様子は→こちら

仮名手本忠臣蔵仮名手本忠臣蔵
著者:金原 瑞人
販売元:偕成社
(2012-11-16)
販売元:Amazon.co.jp

今回も女流義太夫三味線の鶴澤寛也さんと、この本の挿絵を描かれた佐竹美保さんがゲストに来ていらっしゃいました。

鶴澤寛也さんは三味線で、六段目「身売りの段」の一部と、七段目「祇園一力茶屋の段」の一部を演奏して語ってくださいました。

佐竹さんは、どうして猫一座に「仮名手本忠臣蔵」を演じさせる設定で挿絵を描いたかのエピソードを語ってくださいました。

寛也さんが女流義太夫になったきっかけは、学生時代に通った歌舞伎公演。歌舞伎が好きで好きで舞台を見ているうちに、義太夫に興味が湧き、ある時「三味線のお稽古」の案内チラシに、もっと歌舞伎のことがわかるようになるかも!と通ったのがきっかけ。

それまではピアノやギターを演奏することはあっても三味線を弾いたことはなかったんだそう。びっくり!てっきりそういう御家柄なんだと思っていたんだけど・・・学生時代はフツーの歌舞伎好きの女子大生だったんですって♪
寛也さんのHPのプロフィールを読んだら、津田塾の数学科卒。金原さんとの掛け合いの中に、すごく論理的で鋭いことばを発する場面があって、理系だな!と感じることがあったのは、そういうことか^^

とにかく歌舞伎や文楽の歴史的な背景についても詳しく、金原さんがいい加減なことを言うと、「それは違う!」って・・・それがまた魅力的です。

佐竹さんは、もともと歌舞伎や文楽で演じられている「仮名手本忠臣蔵」。人間で描くとどうしても挿絵としてしっくりとこなかったという・・・歌舞伎の写真を見ていると歌舞伎役者の隈取が猫の模様に見えてきたんだそう^^
それで猫一座が歌舞伎を演じると言う設定での挿絵になったということでした。

ところで伝統芸能と呼ばれるようになったのは20世紀に入ってからと、金原さん。それまでは歌舞伎も文楽も庶民の楽しみとして普通に身近な芸能だったと・・・なるほど。

それから同じ演目でも、文楽と歌舞伎とではかなり違ったものになっているのは、文楽は台本があってそれにそって語って行くので、元本をいじることはあまりないが、歌舞伎の場合は役者が演じやすいように演じる、自分が目立ちたいように演じることが出来ていたからなんだそう。寛也さん曰く、昔はそういう芸能が師匠から弟子へ伝言ゲームみたく口承で伝えられてきたが、現在ではビデオ等で録画記録があり、逆に変えにくくなっているのだそう。
一方、金原さん曰く、ヨーロッパの演劇は演出家がいて、演出家の解釈次第でシェークスピアでさえもどんどん変わっているそう。そこが歌舞伎との大きな違いで、歌舞伎には演出家がおらず、それぞれの役者が自分で演じてきたと。

そんな話題がポンポンでてきて、自分自身はまだまだ歌舞伎も文楽も実際にはまだ見たこともなく、何も語れず・・・これを契機にそういうものをこれから意欲的に見に行きたいと思いました。

伝統芸能に関してはこちら→文化デジタルライブラリー






映画「レ・ミゼラブル」

1月20日 14:15〜@新宿ピカデリー

年末来、話題になっている映画「レ・ミゼラブル」を観てきました。直接のきっかけは長女が観てきた感想を聞かせてくれたから。

 あまりにも有名なヴィクトル・ユーゴーの1862年の文学作品。
1862年というと、日本は江戸時代末期(徳川慶喜による大政奉還が1867年)、 アメリカはまさに南北戦争の真っ最中で、隣国ドイツではビスマルクが宰相になった年。

そして作品の舞台は、それを遡ること47年前の1815年から33年のナポレオン1世の没落と、ルイ18世、シャルル10世の王政復古の時代、それに続く七月革命のあたりを描いていて、そういう時代背景を考えながら見ると面白かったです。(大学受験に世界史を取った私。特にヨーロッパ史大好きだったんです♪)特に一昨年末に訪れたパリで、日本人ガイドさんがフランスの歴史、文化、芸術に非常に精通していて、バスツアーで郊外の目的地に向かう途中の市内のあちこちでも、詳しく説明を加えてくださったのです。もちろんフランス革命やその後のナポレオン時代、王政復古の時代のパリの町の様子も、教えてくださったので、映画を見ながら具体的にパリの街角が浮かび上がってきて、それもまた面白かったです。

一方で、ユーゴーが寄宿学校に通っていたのがサン・ジェルマン・デ・プレ教会の近くだったとか、結婚式はサン・シュルピス教会であげたとかというエピソードを読むと、一昨年の旅行ではサン・ジェルマン・デ・プレ教会のすぐ近くのホテルに泊まり、サン・ジェルマン・デ・プレ教会のクリスマスコンサートを聞きに行ったり、サン・シュルピス教会にはドラクロワの『天使とヤコブの闘い』の絵を見に行ったり、リュクサンブール公園(バルジャンと成長したコゼットが散歩をしていてマリウスがコゼットに一目ぼれする場所)も散歩したりしたので、ユーゴーが描いた「レ・ミゼラブル」の世界とパリの風景が重なって、より感動的でした。

ミュージカルで上演されている「レ・ミゼラブル」は残念ながら一度も見たことがなく、映画が初めてミュージカル「レ・ミゼラブル」体験。きっと何度もミュージカルを見ている人にはおなじみのナンバーなのでしょうが、文学作品でしか読んだことのない世界がどのように歌で綴られているのか、それもすごく楽しみでした。

私の「レ・ミゼラブル」体験は、うんと遡ること小学校高学年の時。抄訳の『ああ無情』を読んだことでした。その後中学生の時に、岩波書店の『レ・ミゼラブル』を読みました。

レ・ミゼラブル〈上〉 (岩波少年文庫)レ・ミゼラブル〈上〉 (岩波少年文庫)
著者:ヴィクトル ユーゴー
販売元:岩波書店
(2001-01-18)
販売元:Amazon.co.jp

当時、学校図書館にある本は全部読みたいという野望を持っていた私は『レ・ミゼラブル』の前に読んだストー夫人による『アンクルトムの小屋』と共にこの2つの作品は、虐げられている人々が世界にはいるんだという圧倒的な事実を突き付けられ、そうした絶望の淵に生きる人々が信仰を持ち、暗黒の中にかすかな希望を抱いて困難な状況下でも他者のために生きようとする人の姿というのに胸を打たれたというか、子ども心に脳天を殴られるような思いを味わった作品でした。人は、どんな過酷な状況でも自分のためではなく他者のために生きることで輝くことができるんだと・・・

思春期の入口で、おとなになることは幸せを掴むための船出だと漠然として希望を抱いていた中で、生きるって厳しいこと、苦しいことが多いんだと暗然とする一方で、でも必ず手を差し伸べてくれる人がいること、たとえ人として絵に描いたような幸せは掴めなくても、他者のために生きようとする時に神は祝福を与えるんだ・・・ということを知り、それが自分の進路を決めていく中での核になっていったような気がします。

文章で読んだ時の、感動というか、突き動かされる思いが強かっただけに、映画では周囲の人たちが「涙を拭くための大きめのタオルが必要」「化粧が取れてパンダになった!」というほどには、泣くことはできなかったのですが、かつて読んだ文学作品がこのように映像化され、歌われ・・・あの本を夢中で読んでいた思春期の頃の自分を思い出して、鼻の奥がツンとなったのでした。

LesMiserables~レ・ミゼラブル~ 映画パンフレット  【監  督】トム・フーパー 【キャスト】ヒュー・ジャックマン、ラッセル・クロウ、アン・ハサウェイ、アマンダ・セイフライド、エディ・レッドメイン、ヘレナ・ボナム=カーターLesMiserables~レ・ミゼラブル~ 映画パンフレット  【監  督】トム・フーパー 【キャスト】ヒュー・ジャックマン、ラッセル・クロウ、アン・ハサウェイ、アマンダ・セイフライド、エディ・レッドメイン、ヘレナ・ボナム=カーター
販売元:東宝東和

販売元:Amazon.co.jp

『富士山うたごよみ』・・・日本の美そのものの絵本

1月20日(日) 10:30〜 @銀座・教文館ウェンライトホール

この日は、福音館書店の主催で、『富士山うたごよみ』出版記念・俵万智さん、松居直さん対談講演会が開催されました。

富士山うたごよみ (日本傑作絵本シリーズ)富士山うたごよみ (日本傑作絵本シリーズ)
著者:俵 万智
販売元:福音館書店
(2012-12-19)
販売元:Amazon.co.jp

この絵本、とにかく手に取ってみて!と、私はあちこちで触れ回って歩きたいほどです。

長く海外に生活していると、一時帰国の度に飛行機の中から見下ろす富士山に、「ああ、日本に帰って来た!」ってホッとしたことか。特にシンガポール在住中の一時帰国は、向うを夜11時過ぎに発って、早朝成田へ到着。朝焼けに映える富士山は、息をのむほど美しくて涙が出そうでした。

そんな経験からか、今でも富士山を見るのが大好き。都内の富士山の見えるスポット探しも楽しいものです。冬の凛と冷えた朝は、空気も澄んでいて中央線沿線の阿佐ヶ谷駅や高円寺駅でも富士山を見ることができます。富士山が見えた朝は、一日頑張れるような気になります。

さて、この『富士山うたごよみ』は、中国から伝わってきて日本の農耕文化に深く根ざしてきた二十四節気に俵万智さんの短歌を合わせ、それにU・G・サトーさんが趣向を凝らして24の富士山をデザインしているところが見所です。また歌の説明と合わせて、二十四節気の説明も書かれていて、とてもわかりやすいです。

たとえば、富士山の山頂の雪が鳩の形に描かれていたり、虫網の形が富士山だったり、富士山のまわりを取り巻く羊雲が、羊の群れとして描かれていたり・・・俵さんの歌に合わせて、そして季節に合わせて富士山が変化していくさまは、ほんとうに面白いのです。

二十四節気に合わせて選ばれた俵さんの歌もいい。立春から始まって大寒に終わるのですが、ちょうどこの講演会の日がまさに「大寒」

「寒いね」と話しかければ
「寒いね」と答える人のいるあたたかさ  
初出「サラダ記念日」

対談の中で、福音館書店相談役の松居さんの言葉が特に胸に響きました。

「日本の農耕の時期を決める暦として、長く使われて来た二十四節気は中国古来の暦です。私たち日本の文化は漢字をはじめとして、中国からの影響を受け、また長い間文化交流を続けてきたのです。 今、中国との外交関係が取りざたされていますが、そういう古くからの関係に目をやれば、本来両国がどのようにつきあうべきかわかるのではないでしょうか。今、この本を読む子ども達にはすぐにはそれがわからなくても、いずれ理解できるようになってほしいという願いもあります。」と。

また四季折々の季節の変化に合わせて、私たち日本人は着るものを替えたり、室内の設えを変えてきました。そういう文化をどのように子どもたちに伝えていくのか、今子育て中の若いママたちが二十四節気を生活の中に取り入れて子どもたちに伝えていないかもしれませんが、この絵本を通して伝えることができるのではと思います。

俵さんが「ことば」を大切にする家庭で育たれたこと、また今もお子さんとことばを大切にしながら関わっていらっしゃることなど、子育てのエピソードもふんだんに語られました。 美しいことばを「耳から聴く」ことの大切さを、俵さんも松居さんも何度も強調されていました。

この絵本はまさに俵さんの歌を通して、日本の四季を感じ、サトーさんの絵を通して、四季の美しさを再認識できる1冊です。

クレヨンハウス☆子どもの本の学校22期10回

1月19日(土) 16:00〜17:30 @クレヨンハウス

クレヨンハウス子どもの本の学校第22期10回の講師は、西村繁男さんと石井聖岳さん。

西村さんの絵本は・・・『やこうれっしゃ』や、『おふろやさん』のような時間軸に合わせて、緻密に観察して絵が進んでいく絵本で定評があります。
やこうれっしゃ (こどものとも傑作集)やこうれっしゃ (こどものとも傑作集)
著者:西村 繁男
販売元:福音館書店
(1983-03-05)
販売元:Amazon.co.jp
おふろやさん (こどものとも傑作集)おふろやさん (こどものとも傑作集)
著者:西村 繁男
販売元:福音館書店
(1983-11-01)
販売元:Amazon.co.jp

緻密な絵に物語性を加えた『ぼくらの地図旅行』も大好きな作品。
ぼくらの地図旅行 (福音館のかがくのほん)ぼくらの地図旅行 (福音館のかがくのほん)
著者:那須 正幹
販売元:福音館書店
(1989-01-31)
販売元:Amazon.co.jp

そして『はらっぱ』や、『絵で読む広島の原爆』など戦争体験を後世に伝える作品でも高い評価を受けています。
はらっぱ―戦争・大空襲・戦後…いま (童心社の絵本)はらっぱ―戦争・大空襲・戦後…いま (童心社の絵本)
著者:西村 繁男
販売元:童心社
(1997-02)
販売元:Amazon.co.jp
絵で読む 広島の原爆 (かがくのほん)絵で読む 広島の原爆 (かがくのほん)
著者:那須 正幹
販売元:福音館書店
(1995-03-31)
販売元:Amazon.co.jp

その西村さんが、内田麟太郎さんと組むことによって新しい絵本の世界に開眼させられていくところのエピソードがとても興味深かったです。とくに『がたごとがたごと』や『おばけでんしゃ』の面白さはピカイチです。
がたごとがたごと (絵本・こどものひろば)がたごとがたごと (絵本・こどものひろば)
著者:内田 麟太郎
販売元:童心社
(1999-04)
販売元:Amazon.co.jp
おばけでんしゃ (絵本・こどものひろば)おばけでんしゃ (絵本・こどものひろば)
著者:内田 麟太郎
販売元:童心社
(2007-06)
販売元:Amazon.co.jp

 西村さんのお嬢さんは、やはり絵本作家でもあるにしむらあつこさん。(『ゆうびんやさんのホネホネさん』など楽しい絵本を作っています♪)そのお連れ合いが音楽家でもあるということで、西村さんの絵本には音楽がついているそう・・・
『がたごとがたごと』はロック調、『おばけでんしゃ』はジャズ調、『おふろやさん』はフォーク調で『絵で読む広島の原爆』はレクイエムなんだそう。会場では、『おばけでんしゃ』の音楽が絵本の映像とともに流され、会場みんな大笑いしました^^

石井聖岳さんは、くすのきしげのりさんと組んだ『おこだでませんように』が話題になった若手の絵本画家さん。
同じく絵本画家のおくはらゆめさんのお連れ合いで、6月の子どもの本の学校3回めの飯野和好さんとおくはらゆめさんの対談の時に、ちらりと紹介されていましたし、飯野和好さん率いるてくてく座の座員でもあります。
てくてく座の公演の様子は→こちら 
おこだでませんようにおこだでませんように
著者:くすのき しげのり
販売元:小学館
(2008-06)
販売元:Amazon.co.jp
私が石井さんの絵本で好きなのは、『ぷかぷか』
ぷかぷかぷかぷか
著者:石井 聖岳
販売元:ゴブリン書房
(2005-04)
販売元:Amazon.co.jp
とにかく脱力系。ゆる〜い感じがとってもいいのです。そして石井さんご自身も、外見はとってもイケメンなのに、すご〜く脱力系。絵本作家になりたくて努力して、し続けてもなかなか売れない人がいる一方で、彼はメルヘンハウスに絵本塾で見いだされ、あれよあれよと売れっ子に。次々作るためのアイディア創出に、悩んで投げ出したくなる時もある!なんて、本音を言ってしまっても許せてしまいそうなくらい、ゆる〜い感じを醸していました。

そんな頑張らない感じが、絵本から伝わってストレスフルな今の時代に受け入れられているのでしょう。

お二人の、ちょっと対照的な感じがまた会場に緩やかな笑いをもたらしていて、心地のよい対談でした。

最後に、印象に残った一言。西村さんが『絵で見る日本の歴史』に名もない庶民の姿を描いたこと・・・「当初は教科書に出てくるような人物をずっと書くつもりだったが、納得がいかなかった。庶民の生活を描こうとした時に、筆が進んだ。結局、歴史を作って来たのは、歴史に名を残さない多くの庶民たちだったはず。 」ということ。
市井の人々を温かく見守る西村さんの視線を感じて、ほっこりしたのでした。
絵で見る 日本の歴史 (福音館のかがくのほん)絵で見る 日本の歴史 (福音館のかがくのほん)
著者:西村 繁男
販売元:福音館書店
(1985-03-10)
販売元:Amazon.co.jp
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