みどりの緑陰日記

香港で始めたプレイルームどんぐりから数えて35年、子ども達に絵本や児童書を手渡し続けてきました。絵本や児童書のこと、文庫活動のことなどを綴っています♪ noteも書いています(https://note.com/child_books/)

2013年10月

パサデナ中央図書館での赤ちゃんおはなし会

10月15日(火) 9:00〜 @Pasadena Central Library

毎週火曜日の午前中に行われている赤ちゃんおはなし会の見学に行ってきました♪→Pasadena Central library イベントスケジュールはこちら

パサデナ図書館2−19時半からのInfant storytimeに参加させていただきました。9時過ぎから続々バギーの赤ちゃんを乗せてママたちが集まって来ていました。9時15分ごろ、カウンターのスタッフが「赤ちゃんおはなし会参加の方は受付をしてください」と呼びかけていました。行ってみると、みなさん名札を渡されて、児童室の奥のおはなしの部屋へ移動していました。

(← 児童室のソファーコーナーでおはなし会が始まるのを待っている親子連れ)

カウンタースタッフに「日本から来た図書館員だけれど、ぜひ赤ちゃんおはなし会を見学させてほしい」とお願いすると、おはなし会担当者に聞いてみるとのこと。すぐにおはなし会を担当する方が来て、「今まで海外からの見学者はいなかった。前例のないことなんだけど・・・」と驚いた様子。「朝のこのおはなし会は参加希望者がすごく多いの。どれくらいの人が参加するか、様子を見て返事をするからもう少し待ってて」と言われてしまい、即OKにはなりませんでした。

OKになるかどうか、ちょっと不安になりながら待っていると、続々親子連れが・・・やっぱり無理かな?って思っていると、おはなし会スタッフさんが来てくれて「おはなし会に参加してもいいわよ。そのかわりおはなし会の様子は写真に撮ったりしないと約束してくれる?後ろのほうで親子の活動を邪魔しないでということなら、見学してもいいわ」と、言ってくれました!すご〜く嬉しかったです^^

階段状になったおはなし会の部屋は、朝の明るい光が入ってくる素敵な雰囲気。
マザーグースのナーサリーライムのテープが流れていました。

参加の親子は20組。広いお部屋いっぱいになっていました。(3組ほどは夫婦での参加)

参加予定の親子がみんなそれぞれ好きな場所に座ると、音楽が止まっておはなし会スタッフが鳥のパペットを持ってご挨拶(私を案内してくれた彼女の名前を聞いたのに・・・失念!ジェニーだったかジョアンだったかJで始まったような気がするのですが・・・)。「ハロー ハロー」とあいさつの歌を歌っておはなし会の始まり♪

パペットがおはなし会の案内や子どもたちへのお願いを言うところなんて、日本もアメリカも同じで微笑ましい♪今日は3冊の絵本を読みますよ〜と見せた後、おかあさんのお膝で遊べるナーサリーライムを2曲。そして最初の絵本を・・・英語のタイトルをメモできなかったけれど、鳥の赤ちゃんが初めて空に飛び立つ・・・という絵本。

それからまたナーサリーライムを3曲。そしもう1冊の絵本。こちらは『みにくいアヒルの子』
ストーリーが少し長かったせいか、赤ちゃんたちがあっちへこっちへと動いたり・・・そこで今度はパネルシアター。「ハンプティダンプティ」のおはなしでした。

そして子どもたちの様子を見て絵本を読むのを諦めて、テープを流して少し元気の良い身体を動かす遊びを!

最後は部屋を少し暗くして、お母さんのお膝で「きらきら星」を歌い、子守唄・・・そして「さようなら」の歌を歌っておしまい。

30分ですぐに入れ替えでした。スタッフの方にお礼を言って、子どもたちがナーサリーライムで楽しそうにしていたこと、日本でもわらべうたを赤ちゃんおはなし会ではたくさん歌うことなどを話していると・・・もう次のグループ(Toddlor storytime)が入ってきたので、そこまでしか話せず、十分いろいろ話が出来ずに残念。

それでもUSでも図書館の赤ちゃんおはなし会にたくさんの親子連れが集まってきていること、絵本の読み聞かパサデナ図書館2-2せ寄りもわらべうた(ナーサリーライム)中心のプログラムだったこと、パペットやパネルシアターなども使っていることなどを知ることが出来て、それはそれで有意義でした。驚いたのはたった一人で担当されていたこと。しかも次のセッションも!次回、行ったときにはぜひぜひもう一度参加してみたいな〜と思いました。

(→の画像はおはなし会が終わって児童室に戻ってきた親子連れ。とても賑やかでした)

Halloween @Pasadena

今回のPasadena滞在で楽しみにしていたのが、USではHalloweenをどんな風に迎えるのかってこと。

私の大好きな絵本『きんいろのとき』も10月の感謝祭までの様子が描かれています。
きんいろのとき―ゆたかな秋のものがたり
アルビン トレッセルト
ほるぷ出版
1999-09

もちろん、今では宗教色もなく、子どもたちが楽しむお祭りになっているHalloween。日本でもここ20年くらいの間に定着してきているよね^^

27年前に香港に住んでいた時に、初めて同じコンドミニアムの子どもたちの「Trick or Treat!」と、仮装してやってきたのにびっくり。翌年は子どもたちと参加し思い出があります。日本に91年に帰国した時は、まだ日本ではポピュラーではなかったなぁ・・・99年から04年のシンガポール在住中も、コンドミニアムあげてみんなで家々を回ったものです♪04年に帰国した頃には日本でもHalloweenは定着してきましたね^^今では、このあたりでも子どもたちが仮装して回ってきたりします。

さてPasadenaのHalloween、10月31日当日を見ることが出来ないけれど、お店などでその雰囲気を感じることが出来ました。それでも10月上旬だったので、飾りつけをしているおうちはまだ少なくて、STATSという季節の装飾品専門店にはHalloween用品を買いに大勢の人が来ていました。

ハロウィン9STATSの入り口。もうおどろおどろしさが満載です。

(画像はどれもクリックすると大きくなります。)

ハロウィン10ハロウィン11














PCCの近くの広場では大きなカボチャの特売場が・・・平日の午前中は残念ながらしまっていましたが・・・
ハロウィン4
特大のものは、直径が4,50センチはありそうでした。
ハロウィン5
→スーパーマーケットWHOLE FOODSの入り口にも、Jack‐o'-Lanternを作るための柔らかくて大きなかぼちゃがいっぱい積み上げてありました。

日本の南瓜と違って、とっても実が柔らかくてスプーンでくり抜けちゃうのです。

ハロウィン6スーパーには、かぼちゃのスープやかぼちゃのお菓子、かぼちゃのジャムなどなど・・・かぼちゃは収穫の象徴なんだな〜と思いました。

なんだか温かい色ですものね。


ハロウィン8ハロウィン7






ハロウィン12家族が住んでいるアパートメントの家々にも、
Halloweenの飾りが・・・
← と ↑ の画像。

←の窓ガラスには血糊のついた手形が・・・
到着した日に買い物に出かけて、帰って来た時に一瞬びっくりしました^^;


また少し車で走った住宅街には、すご〜く凝った装飾の家も!
ハロウィン1
ハロウィン2
ハロウィン3

ここの家は、毎年凝った装飾で有名なんですって!庭中に墓石やゾンビがいっぱい。夜になるとJack-o'-Lanternに火が灯って、もっともっとおどろおどろしさが増すのですって。まだご近所は装飾し始めてなかったのですが、今頃はきっと競って飾りつけしているのではないかしらん。

Halloweenの当日まで滞在することは叶わなかったけれど、本場USの雰囲気を味わうことが出来て楽しかったです。

Psadena中央図書館へ

10月8日(火) 午後

LA郊外、Pasadenaに着いた翌日、アパートメントから歩いて15分弱のところにあるパサデナ中央図書館に行ってきました。(

今年の1月2日にも訪れましたが、今回は一人で行ってYAサービスについていろいろ調べて来ました♪ (1月2日の日記はこちら

パサデナ図書館41927年に建てられた歴史を感じるパサデナ中央図書館。パサデナ図書館5

カリフォルニアブルーの空にとても映えていました。

East Walnut Street沿いには、本などの返却Boxが3つ。


パサデナ図書館1パサデナ図書館2パサデナ図書館3 











 まずは児童室へ。天井も高く、落ち着いたスペース。ソファー席もあれば、各閲覧席にはテーブルランプも!
パサデナ図書館6パサデナ図書館7
(各画像はクリックすると大きくなります♪)





書架から日本について記述されている本を2種類、出してきて読んでみました。片方は1980年代の出版で、日本の説明が全然違っていてびっくり。これで日本の今をイメージをされたら困るな~と、もう一冊を見てみると、こちらは2012年出版のもの。東日本大震災の記述もあり、2冊を比べ読むとなかなか面白かったです。しかし古い記述の本も書架に残っているのですね。(ここに関して、質問しそびれました^^;私の英語力に問題ありで〜)

パサデナ図書館8パサデナ図書館9児童の書架を見ていて驚いたのは、本と一緒にDVDも一緒に並んでいたこと。同じ分類であれば、本であろうとDVDであろうと同じ情報を扱っているということになるのですね。ちょっとびっくり。ところが一般の書架はDVDは別になっていました。
→の本は小林一茶の俳句集。なんと1969年の出版!
古い本には、昔ながらの図書カードがそのまま残っていて、今まで借りられた回数がわかるのですが・・・69年からって40年。で、実はあまり借りられてなかったのですよね・・・40年でカード1枚分埋まってなくて20回くらい?
日本だったら、出版年の古いもので、貸出回数が少ないものは、除籍したり、保存庫に移されるのですが、ここはその他にも古い本もかなり残っている様子でした。

パサデナ図書館10パサデナ図書館11←日本の子どもたちの生活を取材して紹介している本。

児童室ですが、おとながこうしてしばらく本を読んでいてもOKでした。

この児童室には、暖炉もあって冬になると実際に暖炉に火が入るのです。

図書館内は無料のWi-Fiが使えます。私もここでiPadを使うことができました。


パサデナ図書館12図書館のホールにも閲覧用のテーブルがたくさんあり、こちらには電源を取ることができるようになっていて、多くの人がPCを持ち込んでいました。

天井が高くて、広くて気持がいいスペースです。パサデナ図書館13

→こちらは1887年にパサデナで図書館サービスが始まったことを書いているプレート。今の中央図書館は1927年建立で、歴史的建物に指定されています。




パサデナ図書館14パサデナ図書館15


←YA向けの展示。

読書をレストランにたとえて、前菜だったら・・・こんな本、ブランチにだったらこんな本、メインには、デザートには・・・と本の提案が♪

メニューにしているところがなかなか素敵でした♪


パサデナ図書館16児童室のあるのと反対側のウィングにはデジタルライブラリーや、ビジネス支援の特集コーナー、雑誌コーナーなど一般の人へのサービスコーナーになっています。
こちらも、ゆったりとしたスペースに情報端末のある席や、PCを使える書斎風の席もたくさんあります。パサデナ図書館17

一日ゆっくり図書館で過ごせそうです。

パサデナ図書館18パサデナ図書館22











メインカウンターの裏は、利用者も入れる地下から4階まで書庫になっています。パサデナ図書館19

その一番上にはTEENS CENTERがありました。

パサデナ図書館21ここは、DVDや音楽テープなどが保管されているのですが、ソファーやカウンター席などもあるゆったりとしたスペースもあり、2時半以降7時までは10代の子たちのために開放されます。

TEENSの専用のスペース。しかも家庭教師と一緒に使えるのです。

パサデナ図書館20日本のように塾や予備校のないアメリカでは、学校の勉強の補習や大学入学への準備は家庭教師についてするのが一般的。

ここでは、家庭教師と一緒に勉強できるスペースという訳です。勉強と言っても日本のように問題集を解くというものではなく、資料を探し、調べてエッセイを書くというスタイルですから、図書館でするというのが一番効率が良いわけで♪

パサデナ図書館23すでに2時半を回っていたので、そのスペースの写真は子どもたちが入ってしまうので、撮らなかったのですが、学校帰りに寛いでいる様子でした。


図書館がTEENSの居場所つくりを積極的にしている点がとても興味深かったです。

滞在中に赤ちゃんおはなし会の見学もさせていただきました。そちらは別の日記に記します。

10か月ぶりのLAへ

10月7日(月) 午前中、勤務をして・・・毎月第一月曜日は、午後に初任者研修の中の児童サービス概論を担当するのLAへ3ですが、この日だけ午前の最初の講義にさせていただき・・・、14時まで勤務して14時40分の京成スカイライナーで成田空港第2ビルへ。

LA郊外、Pasdenaに住んでいる家族の元へ。たった10日間ですが、今回は留守番と家事手伝いが主目的。帰国後の20日と27日に絵本講座3本入っているので、18日には日本に戻る予定なので、荷物も最小限。

さて、今回はグレードアップしてもらえて初めてのビジネスクラス。(今まではせいぜいプレミアムエコノミーでしたから・・・)というわけで、少しだけリッチな空の旅のレポート。(だって年末のLA往復はエコノミー決定ですから)
LAへ2
たっぷり時間があるつもりでいましたが、お土産の購入などで時間を取ってしまい、で過ごせたのは1時間弱。

飛行機を見ながら飲むビールの美味しいこと。私って「鉄子」というより、乗り物全部好きみたい。特に働く車の動きとか・・・そういうのを見ていると飽きませんね。

LAへ4足元はゆ〜ったり。いいね。これ・・・初めてLAに飛んだ6年前はほんとうに眠れなくて、LAに着いてからせっかく久しぶりに夫や次女と再会したのに、めちゃくちゃ不機嫌だったなぁ・・・


LAへ5コントローラーも細かい。

就寝時にはフラットになるんだ〜と、ちょっと感動的。

しっかり足を伸ばして眠れるってことが何より嬉しい。


LAへ7LAへ8LAへ9






もちろんお食事も美味しかった♪ワインも楽しみました^^

LAへ11LAへ6

映画「奇跡のりんご」を見て・・・




LAへ10フルフラットにして3時間ほどぐっすり眠ることができました。

おかげで翌日から任務を遂行することができました。

ありがとう。JAL。

新しい絵本・新しい文化を創るために・・・

10月5日(土) 14:00〜16:00

杉並区永福図書館で絵本評論家・絵本作家としてご活躍中の広松由希子さんの講演会が開かれました。当日は図書館の受託会社の一員としてお手伝いもさせてもらいました。詳しい講演会の様子は、仕事で作成しているブログ「本のこまど」をご覧になってくださいね。→「きょうの絵本 あしたの絵本 広松由希子さん講演会

広松さんが新聞などで書評を書かれた絵本262冊をまとめたものが『きょうの絵本 あしたの絵本』

ここに紹介されているのは2001年から2012年までの11年間に出版された、比較的新しい絵本たち。

中には私が「食わず嫌い」で読んでない、あるいは一瞥しただけの絵本も・・・特にシンガポールに在住していた2001年〜2004年あたりの新刊絵本はそもそも出版されたことに気づいてないものも多数ありました。

毎年、教文館ナルニア国での、その前年に出版された絵本から選んだレビューを聞きに行っていますが、それも帰国後06年から。そのブックトークの会に通うようになって、子どもの本の流通事情や、児童書やノンフィクションを含めて3000冊近い子どもの本が出版されながらも、ほんとうに子どもたちに手渡したいと思える絵本が少ないことや、長く生き残っていく絵本が少ないことも知りました。

毎年1500冊近い絵本が湯水のように出版されながらも、消えていく絵本。消えて行った絵本がダメだったか?というとそうとばかりは言えないことも今回知りました。広松さんが新刊絵本のレビューを新聞などで紹介したものでさえ、今は絶版となっているというのです。

今回の講演会のために、児童担当の方々は自館にあるものはもちろん他館から取り寄せたり、無いものは新規購入をして準備をしたそうですが20タイトル強は、どうしても手に入らなかったというのです。広松さん10
広松さん8
永福広松5永福広松7






当日、それらの絵本は広松さんご自身がお持ちになってくださり、一冊ずつ紹介してくださったのですが、どれも永福広松3これも素敵な絵本。今まで気が付かずにいて「ごめんなさい」って言いたくなるような絵本たちでした。

児童サービス研修の「資料論・選書」で、選書眼を身につけるために、東京子ども図書館推奨の基本蔵書、いわゆるロングセラーをまず読むことをお勧めしているのですが、その先をきちんと伝えていく必要があること、いやむしろロングセラーを読んで培った選書眼を、新しい絵本の発掘のためにいかに使うかってことに、もっともっと時間を割く必要があるな〜と我が身を振り返って思いました。

もちろん「ロングセラーしか」ではなく、そこでまず選書眼を培ったうえで新しく出てくる本の中からスタンダードになっていく本を選んでいくということなのですが、その選書が「新しい絵本を育てる」「新しい絵本作家・絵本画家を育てて支える」「新しい文化を創る」という責任を伴ったものであるという認識がややも薄れていたことに、今回気づかされました。

特に図書館での選書というのは、子どもの年代とともに流動していく家庭での選書と違って、蔵書として残されていくものなので、「新しい文化を創る」という視点がすごく大事だな・・・と。

食わず嫌いを極力なくして、公正な目で選書していくという視点を、忘れちゃダメだなって、広松さんのおはなしを伺って思いました。「目から鱗が落ちる」とは、こういうことなんだな〜って思いました。

実は広松さんのお母様との出会いは私にとってとても大きいのです。香港で89年から子どもたちのためにプレイルームを自宅で開催し、絵本を読むという活動を続けてきていたのですが、90年に帰国し杉並に転居してすぐに紹介されたのが広松さんのお母さまがなさっていた活動。当時はまだ小さかった上の子たちを連れておはなし会に参加し、それがきっかけでプレイルームという活動から文庫活動へと重点がシフトしていったのです。(お母様の徳永明子さんがなさっていたのは「きりん文庫」といいます。94年に福岡へ移られ、福岡でも「春日きりん文庫」を主宰)

そのお母様とは、シンガポールで文庫活動をしている時に、伊藤忠記念財団の文庫助成授与式で再会することができました。再会した当時は福岡で文庫を立ち上げられた時で、今は赤ちゃんのためのわらべうたの会をなさっているとのこと。近々、福岡で親子対談をなさるとか〜遠くて聞きに行けないのが残念〜

きっと素敵な対談になるのでは、と想像しています福岡にいる絵本仲間さんからの報告が今から楽しみです♪
 
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