6月26日(金) 19:10〜 @六本木ヒルズ 森アーツギャラリーセンター &森美術館
仕事帰りに・・・29日までが会期の「こども展」に、滑り込みで行ってきました。なかなか行くチャンスがないまま、期日が迫って来ていて、今日行かなきゃと思い立ったのがお昼休みのこと。20時閉館なので、18時半に仕事を終えて、即退社すれば何とか19時過ぎに六本木に到着出来て、なんとか40分くらいは絵を見られる!と。
森アーツギャラリーセンターに到着したのが19時10分。閉館ぎりぎりまで見ることが出来ました。
「西欧諸国において子どもの肖像画が描かれるようになったのは意外に遅く、16世紀頃のことでした。それは、
それまでの子どもはまだひとりの人間としての権利を得ていなかったからです。」
「フランスでは18世紀半ばに、スイスの哲学者ジャン=ジャック・ルソー(1712-1778)が子どもの見方に革命をもたらしました。彼はその著作「エミール」を通して、新たな教育法を説いたのです。ルソーは、子どもたちを固有の人格を持った自立した存在と認め、親たちが子どもとのふれあいを密にするよう奨励しました。幼少期は人間の性格が形成される時期であるがゆえに、人生の中で注意を払うべき重要な段階であると考えられ始めたのです。」
(いずれも図録『こども展 名画にみるこどもと画家の絆』序章より p35 日本テレビ放送網)
この展覧会のポスターにもなっているアンリ・ルソーの「人形を抱く子ども」や、ルノワールが描く娘「ジャン・ルノワールの肖像」、友人ベルト・モリゾとウジェーヌ・マネの娘「ジュリー・マネの肖像、あるいは猫を抱く子ども」や、モーリス・ドニの「サクランボを持つノエルの肖像」ほか・・・名だたる画家たちが描く子どもたち。
そのどれもが、幸せな子ども像を描き出しています。どちらかというと、裕福な家庭のまさに「絵に描いたような」幸福な子どもたち。今にも額の中から飛び出してきそうなほど、生き生きと描かれており、子どもに向けた画家の優しい眼差しや愛情が溢れていました。ただ・・・時代背景に想いを馳せると、美しく着飾り、保護されている子どもたちの一方で、貧困層の子どもたちは割合的に多かったはずなのですが、その辺りは描かれず、その時代のほんとうの子ども像なのかしらん?と、思いながら観ていました。
(ベルナール・ブーテ・ド・モンヴェルの「ヌムールの寄宿舎」という絵では孤児たちを描いているのですが・・・それくらい。この画家はモーリス・ブーテ・ド・モンヴェルの息子なのだそう)
それでも、描かれた子どもたちは200〜100年前、確実にそこに生きていて、こうして絵の中に息づきながら、今の私たちに語りかけてくれていました。会期中に観ることが出来てよかった♡
その後、22時までオープンしている森美術館へ。こちらでは「ゴー・ビトゥイーンズ展 こどもを通してみる世界」開催中。こちらは写真や映像を通して、子どもの現実と想像の世界を表現しています。特に移民として異なる文化の中に放り込まれたり、貧困や急速な社会の変化の中で翻弄されていく子どもたちの、それでもさまざまな境界を自由に行き来する姿が鋭く切り取られ、表現されていました。
子どもはこのように社会を見、このように感じ取っているんだ・・・と改めて認識されました。「大人よ、なめんじゃないぞ」と、逆に向こう側から突き放してくるようなエネルギーも感じました。そして「こども展」に描かれた裕福で幸せな子ども像とは対照的に、泥臭い中に強烈な生命の輝きも感じました。
そのどちらも「子ども」であり、その「子ども」は子どものままでいるのではなく、時間の流れの中で大人へと変化していくもの・・・この社会の在り方そのものなのではないかと感じたのでした。


この展覧会の最終コーナーは「えほんとしょかん」になっていました。いろんなジャンルに分けて、絵本がたくさん。若い世代が一生懸命絵本を手にして読んでいる姿がとても微笑ましかったです♪







六本木辺りは夕立もなく、夜景もとても綺麗でした。

森アーツギャラリーセンターに到着したのが19時10分。閉館ぎりぎりまで見ることが出来ました。
「西欧諸国において子どもの肖像画が描かれるようになったのは意外に遅く、16世紀頃のことでした。それは、

「フランスでは18世紀半ばに、スイスの哲学者ジャン=ジャック・ルソー(1712-1778)が子どもの見方に革命をもたらしました。彼はその著作「エミール」を通して、新たな教育法を説いたのです。ルソーは、子どもたちを固有の人格を持った自立した存在と認め、親たちが子どもとのふれあいを密にするよう奨励しました。幼少期は人間の性格が形成される時期であるがゆえに、人生の中で注意を払うべき重要な段階であると考えられ始めたのです。」
(いずれも図録『こども展 名画にみるこどもと画家の絆』序章より p35 日本テレビ放送網)

そのどれもが、幸せな子ども像を描き出しています。どちらかというと、裕福な家庭のまさに「絵に描いたような」幸福な子どもたち。今にも額の中から飛び出してきそうなほど、生き生きと描かれており、子どもに向けた画家の優しい眼差しや愛情が溢れていました。ただ・・・時代背景に想いを馳せると、美しく着飾り、保護されている子どもたちの一方で、貧困層の子どもたちは割合的に多かったはずなのですが、その辺りは描かれず、その時代のほんとうの子ども像なのかしらん?と、思いながら観ていました。

(ベルナール・ブーテ・ド・モンヴェルの「ヌムールの寄宿舎」という絵では孤児たちを描いているのですが・・・それくらい。この画家はモーリス・ブーテ・ド・モンヴェルの息子なのだそう)
それでも、描かれた子どもたちは200〜100年前、確実にそこに生きていて、こうして絵の中に息づきながら、今の私たちに語りかけてくれていました。会期中に観ることが出来てよかった♡

子どもはこのように社会を見、このように感じ取っているんだ・・・と改めて認識されました。「大人よ、なめんじゃないぞ」と、逆に向こう側から突き放してくるようなエネルギーも感じました。そして「こども展」に描かれた裕福で幸せな子ども像とは対照的に、泥臭い中に強烈な生命の輝きも感じました。
そのどちらも「子ども」であり、その「子ども」は子どものままでいるのではなく、時間の流れの中で大人へと変化していくもの・・・この社会の在り方そのものなのではないかと感じたのでした。


この展覧会の最終コーナーは「えほんとしょかん」になっていました。いろんなジャンルに分けて、絵本がたくさん。若い世代が一生懸命絵本を手にして読んでいる姿がとても微笑ましかったです♪








六本木辺りは夕立もなく、夜景もとても綺麗でした。