みどりの緑陰日記

香港で始めたプレイルームどんぐりから数えて28年、子ども達に絵本や児童書を手渡し続けてきました。保育士養成の場で仕事をしたこともありますが、今は図書館にかかわる仕事をしています。絵本や児童書のこと、文庫活動のことなどを綴っています♪

2014年07月

ニルスの出会った物語

7月21日(月) 14:00〜 @銀座・教文館ニルス

福音館書店から2012年〜2013年にかけて出版された童話『ニルスが出会った物語』シリーズの原画展に併せて翻訳者の菱木晃子さんと平澤朋子さんの対談講演会がありました。

菱木晃子さんの講演は、2007年に福音館書店古典童話シリーズ『ニルスの不思議な旅』が出版された時に、クレヨンハウスでお話を伺い、教文館ナルニア国では『ステフィとネッリの物語』シリーズが出たときにも、お話を伺いました。

ところで平澤さんの絵は、JBBY主催の被災地支援「あしたの本プロジェクト」のチャリティー原画展で、
落札しました。私の大好きな画風なのです。

このシリーズは、古典童話の『ニルスの不思議な旅』が上下巻とも分厚く、よほど本に親しんでいる子でないと、本の分厚さにひるんでしまう、内容はとても面白いのに、それは惜しい。ということで、多くの子どもたちにニルスの物語を知って読んでほしい、と願い、長い物語の中から6つのエピソードに絞って絵童話として出版することになったのだそうです。ノーベル文学賞作家のセルマ・ラーゲルレーヴは、スウェーデンでは紙幣になっているほどポピュラー。この作品は、子どもたちに自分の国の歴史や地理を学んで欲しいと、補助教材として書かれたのだとか。だから物語のあちこちにスウェーデンの昔話や伝説、実際にあったことなどが織り込まれ、壮大な旅物語、そしていたずらっ子だったゆえに身体を小さくされたニルス少年の成長譚として、高い評価を得ている作品です。
ニルス3ニルス2





この本を作るためにお二人でスウェーデンへ取材旅行に行かれたのだとか。その旅のエピソードはすごく面白かったです。あるときはストックホルムの街並み、特に「破風」を見て回ったり(はふはふはふと、言いながら回ってた)、次は納屋ばかり見て回ったり、森林限界線を見て回ったりと、物語の世界を子どもたちにわかりやすく伝えるために、また日本とは違う風土や景色を想像しやすくするための挿絵wを、と苦心されたことがよく伝わってきました。実際に絵に描いたあとも、編集長をはじめ数人のチーム・ニルスで、絵にダメ出しを出したりと、実に平澤さんは何度も何度も絵を描き直されていました。

もちろん、『ニルスの不思議な旅』上下巻を読んでほしいというのが、翻訳の菱木さんや福音館書店の編集の方々の想いなのですが、そのためにも手に取りやすい絵童話を敢えて作ったことの背景には、ラーゲルレーヴの物語が、エピソードごとに切り離しても十分面白く、子どもたちの興味を惹きつける力があると信じてのことだったようです。そして、ひとつひとつの物語を読んで、本編を通して読んでみようと思う子どもたちがひとりでも多くいてほしいという願いも感じられました。

だからこそ、妥協をしない話し合いと、描き直しが行われたのだと思います。講演会会場には、福音館書店のM編集長(先日のほろ酔い絵本会にも来てくださいました♡)や、若き編集者たちチーム・ニルスの方々もいらっしゃいました。 その思い入れの強さが伝わってきた対談でした。ニルス4

対談には、手作りのスウェーデン・ニルスの旅マップも用意されていて、どのような地域が舞台になっていて、そこはどのような風土なのか、どんな建物が多いのかなど、丁寧に対比しながら語ってくださったのも、とてもわかりやすかったです♪

このように丁寧に作られた童話・・・そしてこの絵童話を読むことで、古典童話を読んでみようとする子どもたちが増えるといいなと思います。

父のDNA

7月12日(土)〜13日(日) 大掃除@地下ガレージ

2012年10月に、両親を自宅に呼び寄せてから1年9か月。(その時の様子→こちら) 岡山県牛窓の広い広い古民家から、荷物をほとんど減らさず、3DKのマンションへ。そして我が家の8畳和室へ。

マンションを引き払う前に、荷物を減らしてって頼んだけれど、大正生まれの両親にはそれは無理でした。
結局、3畳の広さのトランクルームも借りたけれど、結局かなりの段ボール箱を地下のガレージに置いたままになってしまいました。

とりあえず、生活できるようになっから片付けようね、冬は地下ガレージは寒いから、暖かくなってからね!と言いつつ、昨年は私が非常勤から常勤になったことで、自己研鑽に使えるのが土日だけになり、5月の連休の後は猛暑続き。そんなこんなで、手つかずのままでした。いくら雨風は防げるとはいえ、地下ですから湿気もすごい。台風一過の乾燥したこの2日間は、段ボール箱の山(20箱以上)を次々片付けていました。

上の段は大丈夫でも、コンクリート床の上に置かれていた箱の中のものは、かなり湿気を吸って、限界でした。
なんとかすべての箱を片付けることもできました^^

さて、片付けながら私は涙が溢れて止まりませんでした・・・それは、父の荷物の中から出てきた夥しい分量の書籍と論文や原稿用紙。

それらはすべて丁寧に湿気ないように保存することにしました。20140713高田17

なぜ涙か、って?それは、父の人生そのものだったからです。

5歳で父親が亡くなり、母は末っ子の妹だけを連れて再婚。父は、すでに小学校を出て丁稚に出ていた兄たちと別れ、すぐ上の兄と親戚に預けられたそうです。 小学校を上がる時には、すでに頼る親はないというまるで男「おしん」のような生活については、何度も父に聞かされました。

親戚の家では、「働かざる者、食うべからず」。朝食前に畑に出て草抜きをしたり、薪を拾ってきて、それから朝20140713高田10食を親戚の者が済んだ後にいただいて、それから駆け足で学校へ通っていたそうです。本が好きだった父。帰宅すると風呂を沸かすのが仕事。薪をくべながら炎の明るさで本を読んでいると、親戚のおじさん、おばさんに叱られたそうです。下男として引き取っているわけで、最低限の小学校は出してやるけれど、とにかく家の仕事を最優先でしろ!ということ。今、考えればそれって虐待?児童労働?って思うけれど、その当時の日本には同じような境遇の子ども達が大勢いたそうです。

小学校では成績が比較的よかったので高等小学校まで出たとのこと。調べてみると大正〜昭和の初期は6歳〜12歳まで国民学校初等科、その後に高等科に13~14歳までの2年間の8年制。ということは、父は14歳で独り立ち。

いろんな仕事を転々としたようです。戦時中は関釜連絡船のボイラー係り。

子ども時代から、当時の流行りで「大きくなったら立派な兵隊さんになる!」と願っていたのに、兵役検査の直前に船の機械室で機械に巻き込まれ肋骨を何本も折る大けがを。傷が治らないまま兵役検査に赴いたけれど、怪我がばれて落されたそうです。今になれば、あの時戦場に行かなかったからこそ、私たち姉弟が存在するんだと、その怪我に感謝したいくらいです♪

そんな学歴もなく、肉体労働でやってきた父が、戦後の混乱期にアメリカの宣教師の荷物を下船の時に手伝ったことで、キリスト教に出会い、「おとうさん!」と呼んだ経験がなかった父は、お祈りの中で「天にまします我らの父よ」と祈れることに感激したのだそうです。そのあたりの経緯は、断片的にしか知らないのですが、宣教師の助手になり、その働きを認められて、宣教師の生まれ故郷の町の人たちの祈りと献金とで、西南学院大学神学部の聴講生へ。

20140712高田高等小学校しか出ていない父にとって、聴講生とはいえ、大学神学部の講義は新鮮だったのでしょう。きっと乾いたスポンジに水がたっぷり吸い上げられるように、学んだのだと思います。アメリカ、テキサス州ラスキンの方々の献金で神学部の課程を修了するまでの間の家族の生活費と学費を賄えたというのですから、それも感謝なことです。ただし、その間に父は第4子出産の産褥熱で妻を亡くし、妻の葬儀に生まれ故郷に向かう車中で生後間もない第4子、私にとっては幻の兄を亡くしています。
私と弟は、父が牧師として赴任する時に母と再婚し、その後に生まれました。
(今回、そのラスキンから授与された、「ラフキン市名誉市民証」もみつかりました♪)

戦後のどさくさでクリスチャンになって、どさくさのうちに牧師になってしまった父。

しかし、今度は山口の田舎町で伝道を始めてみると、地域にはお寺があって皆檀家。201407013高田その上、地域の鎮守の神様の祭りも盛ん。キリスト教が果たしてベストなんだろうか、と、仏教研究を始めるのですが・・・それがインド史の研究、キリスト教との比較研究、キリスト教の類縁のイスラム教やユダヤ教の歴史の探究・・・仏典も聖書も「生命への畏敬」について触れているというところから、自力で分子生物学や宇宙科学、植物学まで学び始め・・・私が物心ついたときには、父はとにかく書斎に座って本を読んで、夜遅くまで論文を書いていました。

当時の私は父のことを、牧師というより「学者」だと思っていたのですが、自分自身が大学院へ進むと、学問はいくら自力で研究を重ねても、学会で発表し、公的に認められないと学術的な価値もなさないこと理解しました。そもそも父はどの学会にも属さず・・・というか、正式に大学を出たわけでもなく、その資格要件にも満たず、教会員や牧師仲間にキリスト教以外の宗教を研究する変わり者、牧師の資格はないと揶揄されながらの研究生活でした。
20140713高田2父は聖書の言う平和な世界は、まず宗教そのものの、その壁を取っ払わないといけない、世界の戦争は、宗教が原因になっている、それは本来の教えとは矛盾していると・・・

父との子ども時代の思い出は、夕食後にこうした専門書を紐解いて娘・息子に壮大な宇宙の話や、人間の歴史の話、比較宗教の話、サンスクリット語を読み解いていく面白さとかを、語ってくれていたこと。
夏のある夜などは、ポーチや屋根の上に寝そべって、星を眺め、宇宙の果てに想いを馳せて、親子で語り合ったこと。ああ、今の私の本に対する考え方や、生命に対する基本的な姿勢は父のDNAだったんだ〜としみじみ。
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月曜日から金曜日までは幼稚園園長兼幼稚園バス運転手兼事務員(教会付属幼稚園で学校法人化しておらず財政が厳しかったから)土日は牧師に・・・小さな教会とはいえ、冠婚葬祭もあったし、早朝から真夜中まで働いて勉強している姿が目に焼き付いている。20140713高田3
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今回みつかった父の書籍類や論文などの資料を読んでいて、ジョセフ・エブスタインが「ある意味、私たちを作り上げているのは、私たちが読んだものだから」と言っているのを思い出しました。まさに父の知的好奇心の広がりを感じる蔵書群。

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一冊一冊を確認しながら、これは父の91年の歩み、そのものだと、思いました。

父は、60代後半で自分がやってきたことが無駄なことだったのではと愕然とし(その頃山口県の私立幼稚園の園長会の会長に推挙されたのに、県から学歴の低いことでその推薦が認められなかったことというのです)、そこから自分を責め、ちょうど25年前に鬱病を発症してしまいました。

20140712高田3この25年の間に、鬱病は乗り越えることができましたが、これらの資料はずっと本棚に置かれたままでした。
今回、整理をしながら、とにかく父にとって、知識の海に漕ぎ出だして、知から知へ、深めていけたのが喜びだったのだと思います。お金にもならない研究だったし、どこにも発表されていない研究ですが、私は父のこの学びを誇りに思います。
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 88歳になる母の岐阜県立高等女学校の卒業アルバムも!なんと皇紀二千六百三年・・・昭和18年のことらしい^^母がすごく可愛らしくて・・・70年前!それにも感激しました♪


 

クレヨンハウス 子どもの本の学校7月

20140712クレヨンハウス7月12日(土) 16:00〜 @クレヨンハウス

第24期「子どもの本の学校」3回目は児童文学作家村上しいこさんと、漫画家でイラストレーター田中六大さんの対談でした。

実は私・・・お二人の作品は読んだことがなく・・・初めてでしたが、お話を聞いていて、すごくいいなぁ~と思いました。 

村上さんは、笑顔がすごくチャーミングで、関西弁(三重弁)で、熱っぽく語るその言葉がすごくいい。ご自身の幼少期は継母からの虐待やいじめなど壮絶な経験もなさっているのに、すごく前向き。

そして今、居場所を求めてもがいているだろう子どもたちに、「大丈夫。生きてていいんだよ」とメッセージを送り20140712クレヨンハウス2続けているとのこと。
だけど、物語の中にそうしたテーマを直接書き込むことはないとのこと。明るく前向きで楽しくなるお話の中に、居場所がないと感じてる子どもたちの背中を押すようねものでありたいと思っているとのこと。

今回、私はYA世代向けに書かれた『ダッシュ!』を購入して、サインをいただきました。
ダッシュ!
村上 しいこ
講談社
2014-05-30

20140712クレヨンハウス3田中さんは、この日特別の漫画冊子を作っていてくださいました。なんか面白い♡
漫画の手法そのままなので、私自身の好みというわけではなかったのですが、ご本人の制作過程などを伺うと見る目も変わってきますね。20140712クレヨンハウス4

これからの作品もすごく楽しみです。
 

がやがやトーク&学校図書館コレクション形成

7月2日(水)と6日(日)に図書館に関連する2つの講演会を聞きにいった感想をまとめて書きます。20140702がやがやトーク

2日は、19:00〜LRG(Library Resource Guide)主催の「菅谷明子×猪谷千香クロストーク」に参加してきました。
会場は、東京駅八重洲口のグラントウキョウサウスのリクルート52階のアカデミックホールでした。「すがやさん」「いがやさん」の対談なので、「#がやがやトーク」でtwitterで実況も行われました。

 20140702がやがやトーク2鉄道が見下ろせるというだけで、異様に興奮してしまう私。20140702がやがやトーク3
いいなあ!こんなところで仕事できるなんて^^

この講演は、ジャーナリストであるお二人が図書館とその周辺の問題に斬り込んで書いた話題作について、図書館の外側から、図書館の未来について提言してくださるというもので、会場には、図書館で働くもの(公務員として働く者も、民間受託企業で働く者も)、学校図書館関係者、受託業務の会社、大学関係者、出版社、ジャーナリスト・・・とたくさんの方々で大きな会場ギッシリでした。


まずは猪谷千香さんの講演から始まり、その後菅谷さんの講演、その後お二人の対談というプログラムでした。

当日の様子は、参加者の実況tweetがtogetterにまとめられています。
→ togetterまとめはこちら

また、翌日に克明にまとめてブログにしてくださった方がいます。ぜひそちらを読んでみてください。
安藤日記[&] AkikoSugaya x sisiodoc

2003年に発表された菅谷明子さんの『未来をつくる図書館―ニューヨークからの報告―』を、猪谷さんが読んで”図書館”に関するイメージが覆され、自分の目で確かめようと翌2004年NY公共図書館へ行ってみたというのです。

日本ではちょうどその時に小泉改革により、指定管理者制度が施行され、図書館はこの制度を導入していく・・・千代田図書館をはじめとして、夜遅くまで開館していて、さまざまな企画を展開していくようになったのです。

そして菅谷さんの『未来をつくる図書館』は多くの図書館界の人に読まれ、指定管理者制度で営まれる図書館は、貸出中心のサービスから課題解決型の図書館へと転換していった、その契機になったといえます。

その菅谷さんの提言を受けて、日本の図書館もこの10年大きく変わってきたのです。それをつぶさに取材していったのが、猪谷さんの『つながる図書館―コミュニティの核をめざす試み―』。

猪谷さんがトークの最後におっしゃったのが、2050年問題。超高齢少子化時代を迎え、限界集落が増え、消滅する市町村が523に及ぶという衝撃的な事実。36年後の日本、今まさに育っている子どもたちが担い手になる社会。そこで図書館が「知のセイフティネット」として、経済的に困難な立場にある人々を支え、知的根拠を身につけて自立していく場としての役割がある・・・子どもの貧困問題に対応できるのは図書館だけだということでした。

加速、複雑化する情報環境のハブとなる図書館、社会の課題を解決する図書館。それが図書館の未来に求められていると・・・

それを受けて、菅谷さんの講演。2003年に『未来をつくる図書館』を発表してからのこの10年間の変化を伝えてくださいました。特にこの間の変化は図書の電子化。電子書籍はアメリカの図書館の80%が導入しており、各図書館で4000タイトル以上。特にコンシューマーレポート電子版は、消費活動の大きな指針となっているとの報告をしてくださり、「何の目的を持ってその情報が発信されたのか」、情報が溢れている時代だからこそ、「自分にとって何が大事か」判断できる力を養わなければいけないという意見でした。

アメリカでは、デジタル時代のリテラシー教育、訓練が子ども時代からなされている。いわゆるクリティカルシンキングという訓練であったり、ブックディスカッションを通して、多角的に物事を捉える視点を身につけていっている。
そうした力は学校図書館と公共図書館が連携し、重層的に読書支援することで実現していくのだと・・・

日本でも図書館はそのような位置づけになっていくだろうし、図書館で横に繋がっていくことで、図書館が社会を変えていく力を持っているというお話でした。

図書館を外から客観的に見て、またアメリカの動向を見て、まさに図書館は未来をつくるんだという提言は、まさにお二人の著作にあらわれていることでした。

さて、それを受けて私たち図書館に関わる人はどう考えていくのか、投げかけられました。20140702がやがやトーク4

対談終了後、リクルート側のご厚意でほんの2,3分でしたが室内の明かりが全部消され、都心の夜景を堪能する時間をいただきました。




20140706こども図書館2日付変わって、7月6日13:00〜 国立国会図書館国際子ども図書館での講演会「子どもの探究活動と図書館の可能性」に参加してきました。

講演してくださったのは東京学芸大学教職大学院副院長、成田喜一郎先生と、立教大学中村百合子先生。中村先生が成田先生から引き出すような形で講演が進んでいきました。

この講演会は「学校図書館におけるコレクション形成:国際子ども図書館の中高生向け「調べものの部屋」解説に向けて」という報告書を受けて行われました。クリックすると報告書PDFにリンクできます。

成田先生は、ホリスティック教育(つまりは全人教育)の研究者。20140706こども図書館3
先生のブログはこちら→「越境する教育学の創成

先生の教育学の専門用語の散りばめられたお話は、大学院生時代を思い出す知的刺激に溢れたものでした。

中高生が自分で課題解決をしていくためのコレクションを図書館で構築するための「コレクション形成の哲学」という話題では、人が物事を理解していくためのスキルBig6 Skillsなども紹介され、いかに子どもたちが重層的にこの世界を自発的に探索していくか、そのすべての過程を支えるコレクションを作っていかなければならないのだという視点を示されました。

というよりも、図書館を中心に中高生が学ぶという物理的、人的環境が整えば、図書館はもともと0門から9門という人類のすべての学問体系が含まれているわけで、まさにホリスティック教育のセンターとなりうるのだと思います。

20140706こども図書館5今回の報告書に取り上げられた13校の中には、平均的な公立中学も含まれるものの、大半は国立中学、私区立中学など人的にも経済的にも恵まれている学校図書館でした。こうやって見てくると、ますます教育の格差が広がっているのではと感じました。

「#がやがやトーク」でも、2050年に向けて経済格差が広がっていく、それは子どもたちの教育格差にもつながるということで、「知のセイフティネット」「子どもの貧困問題を解決できるのは図書館」という提言もありましたが、ここではまさにその格差が突きつけられた感じがしました。

この講演会には奈良や山梨などあちこちからも参加されていました。学校図書館予算が逼迫するなかで、それでも子どもたちに探究学習を課して、自分たちで課題解決できるようにしたい、という声も聞こえました。その時にも「私たちは2050年に社会を担う大人を育てている。今の子ども達は、その時代の日本を担うのだ」とおっしゃったことが印象的でした。

さて、翻って学校図書館現場を見ていくと、全ての学校に学校司書が配置された市区町村はまだまだわずか。人も予算もついてない学校図書館も多い。しかも、配置された司書さんたちの処遇もまちまち。

中には年間100日、一日6時間勤務という勤務形態で学校司書が配置されていたりします。その時間数では十分に子どもたちの学習センターかつ情報センターとしての図書館機能を作り上げられないという悩みも聞きます。これまで、倉庫のように放置されていた学校図書館に司書が配置されると、最初の1,2年は蔵書を点検し、書架を作りなおすところから始めなければならない。ひどい場合は蔵書目録がまったく整備されていない場合も!

また学校の先生も、授業で図書館を使って調べる探究学習を理解してもらわないと、学校司書だけではこの学習は成功していきません。中村先生がアメリカの中高生の学習をモデルに発言されていましたが、そこで抜け落ちていた視点があります。それは一クラスの生徒数。アメリカは一クラス15名程度。だから教師も生徒一人一人が持っている課題を理解し、それをどのように解決していくか、道筋をつけてあげやすい。図書館司書も一クラス15人程度であれば、資料の準備も含めて対応が十分できる・・・日本のように40人学級で、しかも先生方は授業の準備以外の校務分掌を抱えて多忙であれば、なかなか現実には難しい面もある。20140706こども図書館4

学校司書が学校図書館法に明記されましたが、その地位を確立していくことと、学校のクラスの人数を減らし、もっとゆったりと学べる工夫する余地を生むこと。そこが保障されないと、「絵に描いた餅」になるのではと危惧も感じました。

とはいっても成田先生のお話は、知的好奇心をくすぐるすごく面白いお話でした♪

絵本とわらべうたの会ちゅうりっぷ7月

7月5日(土) 10:30〜

20140705ちゅうりっぷ4今月もまた雨の朝になりました。絵本とわらべうたの会ちゅうりっぷ。3回目のこの日は七夕の前ということで、みんなで笹飾りを作りました。

6月は2組、6人の参加でしたが、今回は雨の中4組11人+スタッフのYさんと私の13人でした。

7月7日の七夕の夜には、星空が見えるといいですね♪


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オープニング   ととけっこう
パネルシアター まんまるちゃん 20140705ちゅうりっぷ2
手遊び      こぶたたぬききつねねこ
絵本       『 ぞうくんのあめふりさんぽ』
20140705ちゅうりっぷ



わらべうた   おふねはぎっちらこ せんぞうやまんぞう 
         いっぽんばし  とうきょうとにほんばし
         とっちんかっちん
          えんやらもものき じぃーじぃーばあ
          にぎりぱっちり  ちゅっちゅこっこ20140705ちゅうりっぷ3
         ももやももや  おてんとさん
絵本     『たなばたプールびらき』

七夕飾り作り みんなで輪つなぎや、四角つなぎを作りました。
わらべうた  さよならあんころもち

8月は1回おやすみ。9月にまた会いましょう^0^
 
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