みどりの緑陰日記

香港で始めたプレイルームどんぐりから数えて28年、子ども達に絵本や児童書を手渡し続けてきました。保育士養成の場で仕事をしたこともありますが、今は図書館にかかわる仕事をしています。絵本や児童書のこと、文庫活動のことなどを綴っています♪

2015年09月

シルヴァーウィーク

今年の9月は土曜日も含めて5連休というシルヴァーウィーク♪・・・ハッピーマンデーと国民の休日法で祝日と祝日の間の平日が国民の休日になるってことで、これが毎年あるのかって思いきや、次は2026年までないのですね。

この5連休は、この半年の激動の日々から少しだけ解放されて、のんびりと過ごすことが出来ました。20150919両親

19日(土)は朝からこひつじ文庫に「はじめましての絵本たち」の会へ行く予定が・・・母が健康保険証が無いと前日から騒いでいて、これでは病院へも行けないとぼやくのです。すぐに区役所のサイトをチェックすると、今日は土曜開庁日で、保険証の再発行も受け付けてもらえる日とのこと。すぐにタクシーで向かいました。

後期高齢者の保険証の発行は都が担当しているとのことで、即日再発行はしてもらえませんでしたが、係の方もとても丁寧に対応していただき、母も満足でした。行きはタクシーで区役所まで行ったのですが、久しぶりの気持ちの良い秋晴れに駅までは歩きたいという二人と徒歩10分の道のりを歩きました。

92歳と88歳のふたりが手を繋いで歩く後姿を見ながら、とても微笑ましく、そして私にはもう手を繋ぐ人がいないという実感が胸に迫って羨ましくもありました。

20150919ブックトーク両親と駅前でお茶をして、帰宅。そこから急いで私は銀座へ。14時からの教文館ナルニア国で開催されたブックトークの会「読み継がれている本たち―大学生のブックトークから」汐崎順子先生の回に参加しました。定例のブックトークの会はこれで終了とのこと。今年の第一回目は僭越ながら私が担当したのでした・・・それを一番喜んでくれたのは夫でした。なんかすごくしみじみ・・・20150919教文館



ブックトークの会終了後、きょうぶんかんカフェで一服した後、日比谷線で中目黒へ。大学の後輩でもある大人絵本会仲間のMさんと待ち合わせ。そしてまずはヒルサイドテラスにあるビストロ、ル・コントワール・オクシタンへ。 まずはワインを飲んで…ここ1杯自分で好きなワインを好きなだけ注ぐことが出来るんです♪


20150919代官山ビストロ420150919代官山カフェ20150919代官山ビストロ6











17時から食事をして、19時から代官山蔦屋書店で行われる【代官山えほんのはなし】中村桂子さんによる「いのちのひろがりを考える」に参加しました。

福音館書店の月刊誌「たくさんのふしぎ」創刊30周年記念イベントの一環で、2015年4月号の『いのちのひろがり』を書かれたJT生命誌研究館館長の中村桂子さんによるトークイベントでした。

生命誌の考え方から地球の歴史、そして生命発生から38億年の歴史をわかりやすく教えてくださいました。人間も38億年の生物の進化の一翼を担う存在であり、他の多様な生物として同列に並ぶもの。人間が他の生物を支配したり、制御しているわけでないことや、すべての生物が植物も動物も、38億年前まで遡ると、同じところから始まっているという生物誌の考え方、生命のひろがりとつながりをわかりやすく伝えてくださいました。
この知識の絵本に詰まっているメッセージは、生命として今存在することの不思議、奇跡です。

20日(日)は教会へ行ったり、午後からは税理士さんとの相談をしたり・・・そして久しぶりにたっぷりお昼寝もしました。
20150921ちひろ3
21日(月)は敬老の日。65歳以上は入場無料ということだったので、午前中は両親を連れてちひろ美術館へ。とくにちひろの「非戦70年 ちひろ・平和への願い」のコーナーは自分たちの戦争体験と重なることがたくさんあったらしく、熱心に覗きこんでいました。20150921ちひろ4


午後は庭木の剪定。業者の方には隔年で入ってもらうのですが、今年は自分で選定する年。どんどん枝を落していく作業って、ストレス解消になりました。

22日(火)は、横浜・白楽の絵本研究会のお仲間のお宅へ。学会発表についてに打ち合わせに行ってきました。来年5月に昔話絵本研究の発表をする予定でいましたが、共同研究者の方がその時に海外に行く用事があることや、私自身もまだいろいろと片付けなきゃいけない雑事が山積で、研究が進んでいないこと、そして発表の登録締め切りが9月末と迫っていて熟考する時間がないということで、今回は見送ること20150922みきさんち20150922みきさんち2にしました。その分、もう少し研究を深めて行こうということになりました。(画像のケーキは訪問先のTさん母子の手作りシフォンケーキ。手作りマロンクリームがたっぷりを添えていただきました。美味しかったです。)

真面目なお話のあとは、六角橋商店街へ繰り出して、昭和の香りの残る店、店を見て回り、それからいわし料理専門店20150922六角橋へ行って、飲んで食べてわいわいと楽しい時間を過ごしました。飲んでいても、自然に20150922六角橋2話題は絵本のことになっちゃうのですが^^

20150922六角橋3
23日(水)の夕方からは、19日にお話を伺った中村桂子さんを追ったドキュメンタリー映画「水と風と生きものと 20150923ポレポレ―中村桂子・生命誌を紡ぐ」を見に、東中野ポレポレ坐へ行ってきました。映画の後には中村桂子さんと建築家の伊東豊雄さんとの対談も行われました。20150923ポレポレ2








ポレポレ坐では、生命誌研究館の生命誌の展示も行われ、19日に引き続いて中村先生の著書にサインをしていただきました。20150923ポレポレ7

5日間、自分の気になること、好きなことをして、気分的にものんびりと過ごせたのはほんとうにラッキーでした。今年4月以降、ほんとうにいろんなことが次々に起きて、心が休まることがなかったのですが、この5日間は久しぶりに自分のためだけに動いた日々で、リフレッシュすることが出来ました。
 

「まるごと佐野洋子展」へ

9月12日(土)20150912横浜3

神奈川近代文学館で7月25日から9月27日まで開催中の「まるごと佐野洋子展―『100万回生きたねこ』から『シズコさん』まで」の、記念対談「みんなの知らない佐野洋子」で詩人で元佐野洋子の夫の谷川俊太郎さんと、佐野洋子さんの実の息子で絵本作家の広瀬弦さんがご出演ということで、7月にチケットを購入してこの日を楽しみにしていました♪
20150912横浜420150912横浜







20150912横浜5
この対談を楽しみにしていたのは私だけではなく、大人絵本会の仲間たちも!九州からも長野からも千葉からも東京からもみんな横浜に集結。前日、横浜入りした二人と、朝10時に合流。まずは横浜マリンタワーへ。秋の長雨もあがって爽やかな青空が広がり、とても気持ちよかったです♪20150912横浜6

お誕生日が近い二人のお祝いもかねて、賑やかなランチになりました。(ランチから合流した仲間を合わせて10人♪賑やかなお祝いになりました♡)

20150912横浜7ランチのあとは神奈川近代文学館まで港の見える丘公園を散策。

そして対談の始まる30分前に入場。20150912かなぶん



20150912かなぶん6対談は編集者の刈谷政則さんがリードする形で、進んでいきました。

義理の父子であった二人ですが、佐野洋子さん亡き後、一緒の仕事もいくつかなさっているようです。






まずは刈谷さんがお二人にベスト佐野洋子絵本を尋ねました。
谷川さんは初期の絵本、『ふつうのくま』を
ふつうのくま
佐野 洋子
講談社
1994-11-16

広瀬さんは、『そらとぶライオン』を取り上げました。

話は、谷川さんと佐野さんの出会いあたりから・・・ある時、谷川さんの詩集を多くの絵本作家の絵で出すという20150912佐野洋子ことになり、説明会に多くの絵本作家が集まったのだそう・・・それをはっきり断ったのが佐野洋子さん。
そこで印象が強くなったという谷川さん。その後、運転免許証の更新に府中にある運転免許試験場でばったり再会し、そこで連絡先を伝えあい、お付き合いが始まったのだそうです。

その時、谷川さんは別の女性と結婚されていて・・・その後、その結婚を解消して1990年、52歳の時に二人は結婚。一緒に住むというよりは、通い婚だったようですが・・・

佐野洋子さんが山本容子さんにエッチングを習いに鎌倉に通っていた頃は、谷川さんが車で送り迎えをしたいらした・・・なんて話も。そして谷川俊太郎さんの『女に』という詩集ではエッチングで挿絵を描いているのです。
この詩集から2編ほど、谷川さんが朗読をしてくださいましたが、ともかくも佐野さんへの愛情あふれるラブレターのような詩でした。

女に
谷川 俊太郎
集英社
2012-12-05

そんな二人の愛情が一番高まっている真っ最中の1996年に突然の離婚。対談では、いきなり佐野洋子さんの方から別れてほしいと伝えられ、谷川さんは関係を修復しようとして、刈谷さんなどを間に説得をされていたということも初めて明かされました。

結局、修羅場を越えてお二人は離婚されるのですが・・・その後1年間は谷川さんも詩を作れず、悩んでいらしたのだとか・・・

その一方、広瀬さんから明かされるのは、実は佐野さんも谷川さんをずっと愛していらしたということ。別れた後20150912横浜9で北軽井沢の谷川さんの別荘の隣に、佐野さんも別荘を建てられる・・・、杉並善福寺川沿いの谷川さんの自宅に近い荻窪に引っ越される・・・どうもずっと気にかかっていたのではということでした。

谷川さんが佐野さんのことを、今もやはり愛おしく思っていらっしゃることが発言の端々に出ていて、なんだかほんとうにホッとしました。

義理の父子として、谷川さんが広瀬さんの仕事の事にも気にかけていらして、そんなところもとても素敵でした。

対談とサイン会のあと、展示を見て回りました。佐野さんは大好きなお兄さんや、自分を大事にしてくださっていたお父さんを早くに亡くされていました。
自分が大好きになった男性は、みんな早世してしまう・・・愛している人を喪う辛さを身に染みて知っているだけに、大好きな谷川さんと一緒にいる時に、いつか来る死別に不安を感じてしまったのではないか・・・自分でその関係を断ってしまった裏側に、強すぎる愛情があったのではないか・・・と感じました。
20150912横浜10
大人の恋って複雑ですね・・・谷川さんは1年間は詩作するパワーがなかったそうですが、その後は一枚皮がむけたかのような洗練された生命の詩を多く出版されるようになりました。20150912横浜12

展示では、佐野さんの作品の裏話や、秘められた思い、多くの方々との文通の文面からは優しくも傷つきやすい性質を垣間見ることができました。



 

9月はじめのあれこれ

8月末は涼しい日が続いていたのが・・・一転残暑が戻ってきた9月1日の朝。

出勤しようとすると、母が心細い声で「父さんが起きて来られんって言うのよ。どうしたんかな・・・」と訴えてくるので、様子を見て「部屋を涼しくして、水分補給に気を付けて、一日ゆっくり休んでいて 」と言って出勤しました。

昼休みに家に電話をすると、まだぐったりと元気がないとのこと。母も父が起き出さないのでお昼も食べてないと12192155_4d0e00ce2b9c7言うので、これは尋常じゃないと思って・・・急ぎ午後半休をいただいて家に帰りました。

両親の部屋に入ると、窓を閉め切っていて気温30度近く・・・蒸し暑い。
そして私が到着する30分ほど前に嘔吐したというので、#7119の救急相談センターに電話をし、状況を話しました。 92歳になる直前ということもあって相談員の方がすぐに救急搬送しましょうとのこと。

ほんの数分で自宅前に救急車が止まり、救急隊員の方が3人、2階の両親の部屋へ。
いろいろな状況を聞き、体温を計ったり、血圧を計ったり・・・そして柔らかい担架で2階から父を下して救急車へ。父は勿論のこと、私も母も生まれて初めて乗る救急車に驚いたり・・・感動したり。

救急隊の方々はほんとうに丁寧で、わかりやすく、また病院までの間、信号待ちの人や待機してくれる車両に「ご協力ありがとうございます」と声をかけていらしたのです。ほんの7,8分の道のりでしたが、とても頼もしく感じました。

病院へは仕事中の長男も駆けつけてくれました。搬送中は母の手を握りながら覚悟を決めてました。もしかしたら父はもううちに戻ってこないかもしれない?長い入院になるかも?など・・・

ところが・・・やっぱり熱中症だったようで、点滴を受けて2時間半くらいで帰宅できました。
レントゲンやCTスキャン、内視鏡検査も特に異常なし・・・ホッとしました。

「おじいちゃんが救急車で運ばれた!」というニュースは、私の兄弟や甥っ子、姪っ子にもすぐに伝わり、4日金曜日には千葉から兄夫婦が来てくれて、再度病院の検診に付き合ってくれました。

その日の夜には広島から弟と甥っ子も駆けつけてくれました。従兄弟姉妹の中で一番最年少のMくん。両親を7年前に岡山から呼び寄せて以来、おじいちゃん、おばあちゃんに会えてなかったのです。

父も一番年下の孫に頬も緩み、あんなにしんどそうにしていたのに、なんだか一気に元気回復した様子。

20150905父の92歳誕生日2翌5日土曜日は父の92歳の誕生日。

5日の午前中はN区の図書館でわらべうた講座を担当することになっていて、1日の救急搬送の時は「ドタキャンしなきゃいけないかな?」と危惧したのですが、弟がそばにいてくれたので、安心して仕事にも出られました。


ちひろ美術館20150905両親がお昼寝している間には、弟と甥っ子とちひろ美術館へも行ってきました。ちひろの戦争体験の絵のコーナーでは一生懸命観ていた広島っ子でした。20150905父の誕生日手巻き寿司


夜は長女も一時帰宅してくれて一緒に手巻き寿司と弟が広島から持って来てくれたKunugiのバームクーヘンでお祝いしました。食後はみんなでボードゲーム。最年少のM20150905ディクシットくんがとても利発で、20代後半のうちの子たちもタジタジでした^^;

二人には、これからも元気で長生きしてほしいなって思いました。20150905父の92歳誕生日
 

トークイベント「僕らの絵本〜永遠に終わらない宿題編」へ

8月31日(月) 19:00〜20150831ぼくらの絵本

絵本コーディネーターの東條知美さん主催のトークイベント「僕らの絵本〜永遠に終わらない宿題編」に、少し遅れてでしたが、仕事帰りに参加してきました。

トークイベントの様子は、東條さんのブログ→こちら を読んでくださいませ〜 

20150831ぼくらの絵本3前半は、絵本作りに関わる4人の方が登壇。 そのうちのお二人、マイティブックの松井さん(大学の7期後輩)と、JULA出版局の柴崎さんとは、あちこちでご一緒しているので応援もかねて駆けつけました。



haneマイティブックからは、昨年上橋菜穂子さんと一緒に国際アンデルセン賞を受賞したブラジルの絵本作家ホジェル・メロさんの日本初邦訳絵本『はね』が出版されました。

普通の流通では手に入らない絵本ですが、とても美しく素晴らしい絵本です。hane2
文章は中国の児童文学者、曹文軒さん、絵をホジェル・メロさん、そして翻訳を濱野京子さんという豪華な執筆者。

注文は、マイティブックのサイトから!→こちら

 そしてJULA出版局ではこのトークイベントに合わせて、JULAを立ち上げられた大村201509大村祐子さん講演録祐子さんの講演録を出されました。


この冊子を読むと、子どもに手渡すべき絵本はどうあるべきかってことが、大村さんの優しい言葉と共に伝わってきます。

この冊子を読んで嬉しかったのは、大村さんが絵本に関わるようになった時にイギリスの哲学者であり教育者であったハーバート・リードの『芸術による教育』を読んで、それを拠って立つ足場にされたということ。

実は30年以上封印してきたのですが、私が大学院で想像力を育てる教育について学んだ時に、ゼミ教授に漠然とし過ぎていてたった2年で検証するのも難しいだろう・・・そ修士論文れよりもまずはハーバート・リードについて学んでから、教育の現場でそれを実践するようにと言われ、修士論文はハーバート・リードの芸術教育論にしたのでした。

そんな私の土台の部分と同じであったことが、ほんとうにうれしくて・・・
ゼミ教授がまずは土台をと、ハーバート・リードの著作をとにかく読め、読んで自分の血肉としろ・・・と仰ったのは、こういうことだったのだと、30年以上経ってわかったのでした。
 難解な本をとにかくたくさん読んだあの時の学びが、底流となって今の仕事に結びついているのだと・・・感動しました。
20150831ぼくらの絵本2
「僕らの絵本」のトークイベントでは、お笑い芸人のにしのあきひろさんと絵本作家のなかえよしおさんの対談も・・・絵本作家として世界一を目指すというにしのさん。

今は大人向けの、というか自分が表現したい物を絵本というメディアを使って発表しているというほうが当たっているとは思いますが・・・

もちろん大人向けの絵本という形があるにしても

世界一と認められるためには、ボローニャ国際絵本原画展であるとか、ブラティスラヴァ国際絵本原画展で認められて、日本以外でも絵本として出版されていくわけで・・・子どもを対象にした絵本という場で勝負できるかどうかというのが、ひとつの鍵になるのではないかな・・・とも思ったり。

形状が絵本であっても、それが絵本の世界で絵本として次の世代にまで手渡されていくのか・・・ということになると・・・

やはり消費されていくだけの絵本っていうのが、この世には多く有り(私から言えば資源の無駄だとも感じるのですが・・・))、ブーテ・ド・モンヴェルだったり、ポターの絵本だったり・・・と100年経っても色褪せない絵本との差別化っていうのは、どうしてもせざるを得ないと思います。20150831僕らの絵本8

日本でもやはり60年、50年と読み継がれている絵本がある一方で・・・出版されては消えていくそんな絵本が溢れている。このイベントで「本を買ってください!」と作家さんが叫んでいましたが、だったらしょうもない絵本ではなく、孫子の世代に手渡したいと思うような・・・大切な人にプレゼントしたくなるような、絵本を作ってほしいと思います。

人は価値のあるものにはお金を出すのですから・・・

「本を買ってください」と消費者に訴えるのであれば、「お金を出して買う価値のある絵本を作ってください」と逆にお願いしたいと思いました。

あまりにも買う価値のない絵本が多すぎて・・・で、私がこう言うと、バッシングを受けるのですが、ではバッシングする人たちが、その擁護するすべての絵本を図書館で借りたり、古本で手に入れるのではなく正価で購入されているのなら説得力があります。でも身銭を切って購入もしてないのに、自分で買って持ってないのに・・・その反論はなあ・・・・と思っています。 

たかが絵本、されど絵本・・・なのでありました。

そんなことをいろいろと考えさせられたトークイベント。とにかく絵本コーディネーターの東條さんのイベントの企画力の凄さには脱帽しました! 

薮内正幸美術館へ。子どもたちに本物の絵を・・・

8月30日(日) 午後

20150830薮内正幸美術館4雨の中、白州にある薮内正幸美術館へ・・・

幹線道路からどんどん林の中に入っていきます・・・運転するしっぽちゃんが「ここでいいの?まだ奥?」って言うくらい・・・420150830薮内正幸美術館

そんな緑深い、すぐそばをせせらぎの流れる林の中に薮内正幸美術館はありました。

そして私たちを待っていてくださったのが、薮内正幸さんのご長男の竜太さんでした。

20150830薮内正幸美術館5「ガンバの冒険三部作」展を見終わったあとに、竜太さんが本当なら講演会などでお金を払って聞かせていただくような薮内さんの制作秘話をたくさん話してくださいました。20150830薮内正幸美術館



そんな中でも一番印象に残っているのが、子どもたちが大好きで何度も何度も繰り返し読んだ『どうぶつのおかあさん』という絵本についての説明でした。

この絵本は、我が子だけではなく、文庫活動の中でも根強い人気があり、派手さはないのに読んでもらった子どもたちがとても喜ぶのです。
その秘密とは・・・

たとえばライオンのおかあさんの絵。獣医さんが舌をまく絵なんだそうです。それは後足の血管!藪内さん絵本
獣医さんは動物園でライオンなどの猛獣にも注射をすることがあり、静脈のある場所というのは正確に知っていなければいけないのだそうです。でも普通なかなかこの場所に血管が浮き出ているということは、わからない。写真絵本でも、この後足の血管は陰になっていて映り込むことも稀だというのです。

それを薮内さんはきちんと描いている・・・子ども相手の仕事だからこそ誤魔化さない。真実をきちんと描くというその姿勢に驚かされました。

薮内さん絵本2もうひとつはチンパンジーの親子。おかあさんチンパンジーの腕の毛の生え方。上腕と前腕では毛の生え方が逆なのです。腕を水につけた時、前腕は水の抵抗がないように毛は手先から上腕の方向に向かって生えており、上腕はそのしずくが肩先まで流れて来ないように逆方向に生えている・・・絵を見るだけではわからない、そんな細かいことまで、きちんと正しく描いているのです。

小さな子どもたちはそんなことは気にしていないでしょう。それでもこの動物の親子の絵に惹かれる。
それは動物のあかちゃんの絵にも表れています。そのあかちゃんも安心しきっている。その表情にも惹かれるのですよね。なんとなく温かい気持ちになれるって・・・薮内さん絵本3


薮内さん絵本4
高校卒業前に、正確な動物や鳥類の絵を描けるということで福音館書店の松居直さんに見出され、卒業と同時に福音館書店に入社して大阪から上京。国立科学博物館の今泉吉典先生に指導を受け、1年間解剖学的見地から標本と向き合い、上野動物園でもひたすらスケッチをされたという薮内さん。

本格的な動物画を描ける画家として、その類い稀な才能を開花されていったのです。この『どうぶつのおかあさん』や、かがくのともの『しっぽのはたらき』など、子どもたちにいつまでも読まれる絵本を残された薮内さんの業績をもっともっと多くの方に知っていただきたいと思います。


いや絵本だけではなく、サントリーウィスキーの愛鳥キャンペーンでの新聞広告や、『広辞苑』の動物や鳥などの挿絵など、多くの偉業を残された薮内さん。60歳で早世されたのですが、もっともっとたくさん描いてほしかったなぁ~と思いました。yabu3

→の画像は「観たり・聴いたり」というブログの「動物画の奇才・薮内正幸の世界展」(2009/5/20)から引用した広辞苑の挿絵です。


ところで現在、薮内正幸美術館の今の特集展示は「ガンバの冒険三部作」。

薮内さんは動物たちの動きを骨格から自然に描き分けていたと聞いて、だからこそこの本の挿絵の動物たちが生き生きとしていて躍動的で、この物語をより魅力的にし、子どもたちを物語の世界に引き込んでいっていたんだってことがわかりました。

20150830薮内正幸美術館3挿絵が生き生きとその物語の世界観を指し示してくれた・・・その魅力をたっぷり味わうことができました。
やぶさん
←まどにはりねずみの親子が^^

*画像はクリックすると大きくなります♪


静かな白州の山間にある小さな美術館ですが、わざわざ訪れる価値のある美術館です。機会があったらぜひみなさまも行ってみてください♪
 
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