6月26日(土)午後2時〜

国際子ども図書館と社団法人日本ペンクラブとの共催で、世界各国の児童書に関するイベントを「シリーズ・いま、世界の子どもの本は?」と題して開催してます。
 平成22年度にはイベントの開催が3回予定されており、今回の講演会が記念すべき第1回でした。

 第一部は開会記念講演会で講師の先生は角野栄子さん。
講演のテーマは「魔女のから見た世界のこどもの本」
 
世界各国で翻訳出版され多くの子どもたちに人気の『魔女の宅急便』や、『魔女に会った』などを書かれている角野さんが、最近訪れたルーマニア・トランシルヴァニアへの旅の様子などを交えて魔女を描くことの意味を伝えてくださいました。

以下は私がメモを取った中からまとめた講演内容です。

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『魔女の宅急便』が海外で翻訳された時に、ご自身が描いていた魔女とはまったく違うイメージの絵で表現されてしまった。特にスウェーデンやカナダでの翻訳ではまったく違う雰囲気になっている。それは「魔女」に対する考え方、キリスト教の影響があるかないかという宗教観が大きく関わっていると思われる。

ドイツ語では「魔女」はヘクセ(Hexe)と呼び、意味に「垣根の上に登って見ている人」というものがある。(以下、wikipediaより この「垣根」とはただの垣根ではなく、生と死の間の垣根のことである。出産の介助、病気の看病、薬草、傷薬の処方、熱さまし、避妊、堕胎など、彼女たちの多くの活動が「生と死の垣根」の仕事であり、それが不首尾に終わったりすると、逆恨みから「魔女」と名指しされることも多かった。)

魔女とは、自然の営みに対して造詣が深く、知識も豊富で、自然のものを用いて治療したり、産婆として活躍していた人たちだったのではないか。
森には冬は雪と氷に閉ざされ、すべての生命が死と闇の世界に投げ込まれたかのように見えるのだけど、春が巡ってくると、ふたたび森は芽吹きはじめ、生命が再生される。そういう自然のサイクルをよく知っていた人、自然に対する信仰(アニミズム)を持っていて祈祷していたのが魔女だったと思う。
彼女らは死や闇に対する人々の恐怖をやわらげ、目に見えない世界を見ることのできたのではないか。自分の目で見、想像力を駆使し、自由に物語を紡いで読み説くことができる「ことば」を持っていたはず。

「ことば」は意味を持っている。私が書いたものを、読んだ人がそれぞれに目に見えない世界を読み解き、どのように解釈し、感じるかは自由です。自由に、しかも願いを押し付けることなく、すべてを引き受けて書いている。テーマがないようである。ひとりひとりが自分自身のテーマで新しいイマジネーションを用いて読み解いてほしい。

見えないものを見る力、信じる力を持ち続けてほしい。
魔女の宅急便 〈その6〉それぞれの旅立ち (福音館創作童話シリーズ)魔女の宅急便 〈その6〉それぞれの旅立ち (福音館創作童話シリーズ)
著者:角野 栄子
販売元:福音館書店
発売日:2009-10-07


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第二部は「いま、台湾のこどもの本は?」というテーマで、若い児童文学研究者のショウ イーフンさんが台湾での子どもの本の出版事情や、戦後の台湾児童文学の作品について類型的に発表してくださいました。

戦後すぐはイデオロギー的な作品が占めていたが、次第に子どもの視点で、子どもが楽しめるような作品に変化してきている。
またインターネットが小学校でも普及しており、ネット小説なども若い子達は夢中で読んでいるとのこと。日本の本をはじめ、各国の優れた絵本や児童文学がたくさん翻訳されて並ぶようになり無国籍な感じがある。

台湾オリジナルの児童文学も正統派が目覚め、多くの作品が送り出されている。ということを紹介してくださいました。

その後作家の令丈ヒロ子さんの発表もありました。『若おかみ」シリーズが台湾で翻訳され、学校でも人気なんだそうです。
若おかみは小学生!スペシャル おっこのTAIWANおかみ修業! (講談社青い鳥文庫)若おかみは小学生!スペシャル おっこのTAIWANおかみ修業! (講談社青い鳥文庫)
著者:令丈 ヒロ子
販売元:講談社
発売日:2009-11-27




そのご縁で、台北の小学校で子どもたちと交流してきた様子などを紹介してくださいました。

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今回また不思議なご縁がありました。
ランチタイムからご一緒したチョムプーさんとは、シンガポール時代にHPを通して知り合いになり、初めはネット上だけでしたが、こひつじ文庫に伺った時にばったり、それ以来ネット上でやりとりをしてきました。

それから当日会場に来ていた若い友人は、やはりシンガポール時代にHPを通して知り合い、一時帰国した時に大阪でお目にかかったのことのある八尾市で活躍している「おはなしバスケット」代表のモリリンさんが、この春「おはなしバスケット」のメンバーがご主人の転勤で東京に行くから、みどりさん、よろしく〜♪と頼まれ、つい10日前に実際に逢ったちえぞうさん。

彼女はまだ新婚に近いR30の若い友人。

先日会った時に角野さんの講演会に来られると聞いていたので、今回講演会の後におふたりを引き合せて、3人でお茶にしましょう♪と寄り道したのですが〜
なんと、なんと、チョムプーさんとちえぞうさんは、年齢こそかなり違うとはいえ(チョムプーさんは私と同年代です)お二人は同じ大学の同窓生とわかり、びっくり。

そんなわけで、講演会も充実していましたが、終了後のお茶タイムも、大盛り上がりだったのでありました☆Image1000


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