第28回子どもの本全国研究集会110802_121526

8 月1日(月)と2日(火)の二日間に渡り、国立オリンピック記念青少年記念総合センターにおいて、「〈ひろげよう読書の世界〉"本が引き出す子どもの 力"」というテーマで、公立図書館、学校図書館や文庫活動などを通して子ども達に本を手渡す活動をしている方々が一堂に会しました。講演会、実践報告に、 会場からの活発な質問が飛び交うパネルディスカッションと、大変充実した学びの時になりました。110802_121453 (1)

その中でも、衝撃的に印象に残っているのが初日の午後に行われた実践報告2。一番眠くなる3時からだったのですが、いきなりBGMにAKB48の「Everybady、カチューシャ」が流れ、えっ?っと思わせ、たたき込むようなプレゼン、見事でした。

報告したのは、千葉市稲毛高等学校付属中学校の司書教諭、永井博子先生。「学びを支える学校図書館」と題して「AKB48に学ぶ学校図書館戦略」を報告しました。

これからの学校図書館戦略として、今の子どもたちを惹きつけて止まないAKB48の売り出し戦略に学ばない手はないしょう!と。
1.大衆性(本好きの子だけでもなく、誰もが学校図書館に足を運ぶ)、2.徹底的な競争社会(生徒が利用してくれなければ意味がない。生徒が本を手にしなければ意味がない、来たくなる図書館を目指す)、3.顧客のニーズに対応する力(教育課程に寄与する蔵書構成で司書の力量問われる、子どもの視点を持った選書)、4.顧客獲得のための営業力(図書館で待っているだけではなく、魅せる授業で図書館に足を運んでもらう)、5.顧客保護(釣った魚を育てる力、)、6.グローバル化(教育の流れに常に敏感であること)を、取り上げられました。この6点は、そのまま公共図書館の運営戦略になるなぁ〜♪

蔵書に関しては、生涯学習の観点から選書をするとおっしゃったことも、大変参考になりました。「読む体力」をつけるために、軽読書、ライトノベルばかり読んでいては身につかない、新書や専門書も読める力をつけるために生とノ将来を考えて「堅い選書」、厳しく選書することの大切さを強調されていました。

図書館に惹きつけておいて、しかも読み易い本だけではなく、知識の本の海への航海を促す・・・これぞ、図書館の役割だなぁと思いました。


その他にも、実践報告1の練馬区立小学校の司書教諭の吉成順子さん「国語科の取り組みから」と題した報告の中で興味深かったのは、「本の持ち寄りパーティー」 でした。今まで読んでもらった本、あるいは自分で読んだ本の中から、お友だちにも薦めたいという本をクラスのみんなが1冊ずつ持ち寄って、紹介し合うとい う取り組みです。紹介しあうという中で、より深く本の世界に入り込み、理解できるようになる、またそれを友だちが読んでみたい!と思えるように、上手に紹 介することで、深く読むことができるという取り組み。公共図書館の児童向け読書会などに使えるアイディアだなと思いました。

吉成さんが最後に強調された言葉、「児童 は本があるだけでは手に取らない。そこには本を手渡す人が必要です。本のことをよく知り、本の良さを伝えられる人の力が必要です。その人を通して本が身近 に感じられ、本の魅力を知り、本を読むことができるようになるのです。」という言葉は、そのまま公共図書館の児童サービス担当者の役割にあてはまると思い ました。


2日目の実践報告3では、川崎市学校図書館コーディネーターだった小林公子さんが、学校図書館と地域のボランティアの活動をつなぐ働きにすいて報告しました。
川 崎市の学校には学校司書が配置されておらず、学校図書館コーディネーターが各学校図書館を巡回しながら、各校の図書ボランティアの方々の支援と助言を行っ ているそうです。そうした中で、子ども達が行きたくなるような図書館、使いやすい図書館になるように提案をしてきたとのこと。学校図書館システムが公共図 書館の管理システムを利用していることで、公共図書館との連携ができていることが特徴だそうです。ただ、やはりコーディネーターでは限界があり、学校司書 がいれば、オリエンテーションや調べ学習のためのパスファインダー作り、ブックトークなど、もっといろいろなことが出来たのではとおっしゃっていました。
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こちらの画像は、川崎の学校図書館ボランティアの方々の図書館ディスプレイの一部!子どもたちを惹きつける工夫がいっぱいです♪




実 践報告4では、荒川区立小学校司書教諭の稲村千賀さんが、「学校図書館の活用を授業の中心に据えて」と題して報告しました。荒川区では前項に学校司書が配 置され、また学校図書館支援センターが設置されていて司書の研修など行い(年間23回)、各校を巡回して指導を行っているとのこと。
「荒川モデルプラン」という学校図書館に対する施策により、教師と学校司書とが共に手を携えて子ども達の読書支援、調べ学習支援をしているという羨ましい報告でした。
また区立図書館との連携も進んでおり、おはなし会や団体貸出などで区立図書館の司書さんとも一緒に子どもたちの読書活動を推進する活動を展開しているということでした。

パ ネルディスカッションでは、公立図書館民営化の動きや、司書教諭・学校司書配置問題などの課題を含め、子ども達に本を手渡すものは、どのようにこの活動に 向き合っていくのか、児童文学作家、公立小学校司書教諭、児童書専門店店主、公立図書館司書、家庭文庫主宰のさまざまな立場から意見が出され、会場からの 質疑応答も活発に行われました。そのどれもに共通していたのは、子どもが自ら本を選択し、課題を解いていく読書環境の整備はどうすすめられているのか、そ こに関わる大人たちの役割はどうあるべきなのか、という点でした。私は、そこでも図書館の児童サービス担当の力量が問われるところだと思いました。

子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画(第二次)」の第5章「子どもの読書活動の推進のための方策―地域における子どもの読書活動の推進」には、公共図書館の役割が明確にされています。私達はこの基本をしっかりと押さえて、日常の業務の中で児童サービスを展開していかなければならないと、改めて感じました。

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