9月15日 午後1時半〜
cosmos


杉並区・学校図書館司書全校配置記念シンポジウムに参加してきました。主催は私も所属している「杉並文庫・サークル連絡会」と「専任司書がいる学校図書館を実現する会in杉並」。

私は、「専任司書がいる学校図書館を実現する会in杉並」が2007年11月に発足した時の初期メンバーでした。文庫連の会合で「学校図書館は学校の心臓であるべき」ということを訴え、山形県鶴岡市の五十嵐絹子先生の著作を紹介したのは私でした。しかし、その活動は途中から、杉並区で進められていた図書館の民間委託・指定管理者制度に反対する運動も展開していきます。

学校図書館に司書配置をと願う私の気持ちは、2005年から2007年にかけて同じ杉並区の民間委託図書館の立ち上げにかかわり、一旦専門学校勤務のために離職したものの2009年2月より受託会社のテクニカルサポート室勤務になったいたため、一緒に活動を展開していたはずの仲間たちの攻撃の的になりました。図書館で頑張っている現場のスタッフを守りたいと願ってのテクニカルサポート室での仕事をも、頭ごなしに「民間委託による図書館は悪」という一面しか見ていない主張がなされ、その会の中で居場所を失い、私の気持ちはずたずたに引き裂かれていったのです。

図書館司書の重要性を身を持って知り、学校にこそまず司書がいるべきだと訴えて来た気持ちと、民間委託の図書館で(東京都ではそういう方法でしか司書として生きて行く場はほとんど無くなっています。23区では司書職は採用されていないからです)働く現場のスタッフを守りたい、少しでも働きやすくしたいというサポート室の仕事は何ら矛盾することないと思ったのですが、「専任司書がいる学校図書館を実現する会in杉並」では、学校司書のことではなく、図書館民間委託反対を前面に押し出し、チラシを配布し、街頭署名を集め始めたのでした・・・これって私を排斥しているの?そういう苦しみの中に追い込まれ、一緒にポプラ文庫で活動している仲間たちとの間にも亀裂が入りかねないほどになってしまいました。

苦しんだ挙句、私はその運動から距離を置くことになりました。志は同じなのに・・・どうして頑なに排斥されてしまったのか。当時の区直営館の図書館サービスはとてもひどく、民間委託館のサービスは注目をされていたのにもかかわらず・・・そんな後味の悪い運動だったのです。

それでも仲間たちの活動は功を奏し、2009年6月には区内公立中66校中11校に司書が配置され、今年度6月で66校すべてに専任司書が配置されました。今回はその記念のシンポジウム。
図書館の民間委託に猛反対をしていたメンバーの方々とも久々に再会してきました。昨年区内の別会社が受託している図書館での「大人のためのブックトーク」で再会した時、頑なに反対をされていた方々が、逆に民間委託になって図書館が変わった!よくなった!図書館のスタッフがよくがんばっている、と180度違った感想を聞かせてくださっていて、風向きが一方的な民間委託反対ではなくなっていた・・・ということもありました。

私自身、一緒に最後まで活動をしたかったなぁという気持ちが正直大きいのです。海外で学校図書館がいつも学校の中心になったこと、ライブラリアンが先生と共に授業を組み立てて居たことを伝えて、理想の学校図書館のイメージを一緒に追いかけたかったなぁ・・・と。 私が離れた後の活動については、活動の始まりから全校配置に至るまでの詳細がまとめられた冊子を購入して読みました。どれだけこの活動のためにその後のみなさんが心血を注いだかがよくわかりました。

今回のシンポジウムでは、杉並区図書館協議会会長で元慶応義塾大学教授の澁川雅俊さんの基調講演のあと、元小学校教員で本杉並区済美教育センター学校図書館支援担当のS先生、「学校図書館を考える会・横浜」事務局のIさん、そして荻窪中学校図書館司書のMさんのパネル討論が行われました。

澁川先生の基調講演では、学校図書館法の法律の理念と、『編集者とは何か―サックス・カミンズの業績と生涯』ドロシィ・カミンズ著、加藤恭子訳、未来社、1981年から、編集者を司書に置き換えて、司書のあるべき姿を説いてくださいました。また司書資格講習を思い出すランガナータンの「図書館5原則」の話など、プロとしての資質・技能を高めるべきとのおはなしに、司書の研修を担当するものとして襟を糺させるものでした。
編集者とは何か―サックス・カミンズの業績と生涯 (1981年)
著者:ドロシイ・カミンズ
販売元:未来社
(1981-04)

司書とはプロフェッショナルであるべき・・・絶えざる自己研鑽を積む存在・・・だと位置づけ、
*世の中のさまざまな出来事に関心を寄せ、日常業務とのかかわりを考察できる社会性を持っている
*読書好きも読書嫌いな子も、さまざまな性格の子を支援できる寛容性
*多様な価値観の中、ひとりひとりの知の展開を支援する公平性
*自己満足のためではなく子ども達の学びのために仕事をする利他的質性
これらを併せ持つ人であってほしいと。そのまま民間委託の図書館で働くすべての司書・スタッフにこれは送りたい言葉だと思いました。

いろいろあった運動で、私自身は途中で退会せざるをえなくなった活動でしたが、この5年間で活動が実を結び区内公立学校66校すべてに全校配置できたことに、心から祝意と謝意を表したいと思いました。

また、66人の学校司書さんたちが、横のつながりを作って、共に学び、共に助けあえる関係でいてほしいとも思います。

最後に息子がこの7月までいた中学校も昨年学校司書さんが配置されて見違えるように生まれ変わりました。その記事にリンクをはって終わりにします☆→学校に司書さんがいるということ